有価証券報告書-第92期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 13:48
【資料】
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【項目】
117項目

対処すべき課題

平成23年4月にスタートした中期経営計画につきましては、計画策定後に発生した震災・原発事故等の影響による事業環境の変化を踏まえ、計画3年目となる平成25年度を迎えるタイミングで主要な事業戦略の軌道修正並びに利益計画の下方修正を行ないましたが、「機能化学品の川崎化成への進化」という基本コンセプトは不変であり、世界唯一のナフトキノンメーカーという当社の強みを活かし、キノン系誘導品を中心とする機能化学品事業の拡充により、「機能化学品の川崎化成への進化」を実現し、外部環境の変化に大きく左右されない経営基盤を構築してまいる所存であります。
事業戦略の具体的な内容につきましては、従来はユニークで新しいキノン系誘導品を中心とする「新規の機能化学品の早期戦力化」を謳ってまいりましたが、世界的に化学物質の安全規制が強化されたことにより新規製品の上市コストが増大し、且つ収益源として育つまでには相当の時間を要することから、新規の機能化学品の開発は着実に推進する一方で、ナフトキノンに代表される既存の機能化学品を、光硬化やラジカル重合などの新しい用途分野で速やかに展開することを優先してまいります。一例として、優れた安定性と成形性を両立する重合禁止剤キノパワー®は不飽和ポリエステル用途での採用実績が出始め、更なる横展開が期待できるため販売網の拡充や技術支援により市場開発を加速してまいります。
コハク酸は生分解性樹脂の原料として、マキシモール®は住宅等の断熱材である硬質ポリウレタンフォームのシステム液としてそれぞれ使用されており、これらは今後も環境関連商品として需要の拡大が見込まれますので、国内トップメーカーとして、ソフト・ハードの両面での工夫により生産能力を増大してまいります。
加えて、収益の安定のためには無水フタル酸やパルプ蒸解助剤SAQ®に代表される汎用化学品の安定した事業運営が必須でありますので、拡販努力と安全・安定操業によるフル生産・フル販売の達成、運転条件の最適化等によるコストダウンに取り組んでまいります。特に製造業にとって「安全・安定操業が第一」との原点に立ち返り、生産技術の確立・伝承による現場力の向上を最重要施策の一つとして推進してまいります。
また、外部環境の先行きが不透明な中、自らの努力で実現できるロス・ムダの削減、業務改善、固定費削減等の積み重ねにより体質強化に努めてまいります。
これら諸施策の実行により、基本コンセプトである「機能化学品の川崎化成への進化」を名実共に実現してまいります。