有価証券報告書-第95期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2017年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
近年、特に日本においては、医療費抑制策の進展に伴う後発医薬品の浸透、薬価制度の大幅な改定により医薬品市場の伸びが鈍化しており、研究開発志向型の製薬企業は、その収益の源泉を長期収載品から新薬へ、国内からグローバルへと転換のスピードを早めなければなりません。
このような環境下で、当社グループは、2016年1月公表の5ヵ年中期経営計画で示したように、「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」をテーマに、「グローバル競争力の向上」、「イノベーションへの挑戦」、「卓越した業務プロセスの向上」、「健康と豊かさの実現」の4つの戦略課題の達成に取り組んでまいります。
当該計画においては、最終年度(2020年12月期)の経営目標を、コア営業利益1,000億円以上、海外売上比率50%、ROE10%以上と掲げております。
第一の戦略課題である「グローバル競争力の向上」では、グローバル戦略品であるブロスマブ及びモガムリズマブの欧米上市を実現させ、世界の人々の健康と豊かさへの貢献に向けて取り組んでまいります。ブロスマブは、欧州医薬品庁のヒト用医薬品委員会からは条件付き承認を勧告する肯定的な見解を得て、米国食品医薬品局からは優先審査品目指定を受けるなど、2018年早期の承認取得に向けて期待が高まっています。また、モガムリズマブは皮膚T細胞性リンパ腫を対象疾患として欧米で申請を行い、米国ではブロスマブに続き2つ目の優先審査品目指定を受けています。これらグローバル戦略品は、その製品価値最大化に向けて、市場浸透施策や事業地域の拡大を進めています。経済成長の続くアジアでは、中国における将来の安定的な成長へ向けた事業基盤の強化を進めるとともに、韓国、台湾、シンガポール、タイなど各国・地域の現地法人は、それぞれの国情や環境変化に応じた事業戦略を進めていきます。
第二の戦略課題である「イノベーションへの挑戦」では、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリー別に設けた各研究所にて、疾患及び患者ニーズの深耕により得られた知見と、当社の強みである抗体医薬をはじめ、低分子医薬、核酸医薬、再生医療の領域で培ってきた最先端の創薬基盤技術やオープンイノベーションによる外部技術を組み合わせることで、新薬創出型の製薬企業として魅力あるパイプラインの構築を目指します。後期開発ステージにある新薬パイプラインでは、血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症で開発中のエボカルセトについて第Ⅲ相試験で得られた良好な結果をもって国内申請いたしました。また、中枢神経カテゴリーでは、パーキンソン病治療剤であるイストラデフィリン(日本製品名「ノウリアスト」)の米国申請に向けた準備を鋭意進めております。
次に、第三の戦略課題である「卓越した業務プロセスの向上」では、研究開発から製造・販売まで一貫した各機能の更なる連携強化を進め収益力の向上を図るとともに、国内外のグループ従業員が守るべき価値観・行動準則を浸透させ、グローバルガバナンス体制の構築やコンプライアンス意識の徹底などを図っています。特に日本では、地域医療構想に対応したエリア戦略を加速し、質の高い医療情報を提供しています。2017年には、富士工場での生産終了により、2010年から取り組んできた国内製造拠点の再編を予定通りに完遂しました。引き続き、製薬会社の責任として、医薬品という高い品質が求められる製品を安定的に供給するために生産技術を更に磨き、より信頼性の高い生産体制の構築を進めてまいります。また、「スマートワーク」の推進、多様な人材がお互いを尊重しながら活躍できる環境づくりなどの取り組みをさらに強化していきます。
第四の戦略課題である「健康と豊かさの実現」では、アンメット医療ニーズを充足する革新的医薬品の創出、適応拡大・剤形追加や高品質な製品の安定供給を実施しつつ、医療費抑制策に対する社会的要請への対応策を実施してまいります。当社ではこの取り組みを、社会との共有価値を創生する「CSV(Creating Shared Value)経営」と位置付け、多様化する医療ニーズに貢献してまいります。また、キリングループの一員としてキリンホールディングス㈱との連携のもと、健康と豊かさの実現に向けた取り組みを進めております。
富士フイルム㈱との合弁事業であるバイオシミラー事業は、高品質でコスト競争力にも優れた医薬品の世界市場への展開を目指した開発を進めております。アダリムマブのバイオシミラーを欧州で申請し、承認取得及び販売戦略を含めた事業提携にも鋭意取り組んでおります。また、アストラゼネカ社と提携したベバシズマブのバイオシミラーについても、国際共同治験が順調に進捗しております。
オーソライズドジェネリックの販売についても検討を開始し、協和キリンフロンティア㈱を設立いたしました。当社の主力製品であるネスプのオーソライズドジェネリックの国内製造販売承認取得に向けた取り組みを進めていく予定です。
バイオケミカル事業では、医薬・医療・ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「収益基盤の強化」と「健康を基軸とした価値提供」を重要課題として取り組みます。収益基盤の強化に関しては、製造拠点の再編と高収益事業の創出を進めてまいりました。タイ、中国など、国外において投資を進めてきた工場の建設及び本格製造に向けた準備は順調に進んでおります。将来の高収益事業創出に向けた取り組みについては、キリングループ内の連携を更に進め、各社が持つ開発・製造・販売における強みを活かし、キリングループ共同で立ち上げた新ブランド「iMUSE」をはじめとした新製品の共同開発を進めています。また、高品質アミノ酸と培養技術を活かした再生医療領域向けの細胞培養培地に関する製品開発にも引き続き取り組んでいます。健康を基軸とした価値提供では、2017年に販売を開始した「VELOX」や「Setria Performance Blend」のように、バイオケミカル事業独自の素材を組み合わせることによる新たな価値の提案を行ってまいります。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念を掲げ、新薬開発を中核に、バイオシミラー、バイオケミカルの各事業を総合したユニークな医薬事業モデルを追求し、中期経営計画で掲げた「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」を進めてまいります。
当社グループは、透明性、公平性、コンプライアンス、社会との共生など企業の社会的責任を誠実に果たし、生命関連企業として、広くすべてのステークホルダーから信頼される企業でありたいと考えております。
近年、特に日本においては、医療費抑制策の進展に伴う後発医薬品の浸透、薬価制度の大幅な改定により医薬品市場の伸びが鈍化しており、研究開発志向型の製薬企業は、その収益の源泉を長期収載品から新薬へ、国内からグローバルへと転換のスピードを早めなければなりません。
このような環境下で、当社グループは、2016年1月公表の5ヵ年中期経営計画で示したように、「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」をテーマに、「グローバル競争力の向上」、「イノベーションへの挑戦」、「卓越した業務プロセスの向上」、「健康と豊かさの実現」の4つの戦略課題の達成に取り組んでまいります。
当該計画においては、最終年度(2020年12月期)の経営目標を、コア営業利益1,000億円以上、海外売上比率50%、ROE10%以上と掲げております。
第一の戦略課題である「グローバル競争力の向上」では、グローバル戦略品であるブロスマブ及びモガムリズマブの欧米上市を実現させ、世界の人々の健康と豊かさへの貢献に向けて取り組んでまいります。ブロスマブは、欧州医薬品庁のヒト用医薬品委員会からは条件付き承認を勧告する肯定的な見解を得て、米国食品医薬品局からは優先審査品目指定を受けるなど、2018年早期の承認取得に向けて期待が高まっています。また、モガムリズマブは皮膚T細胞性リンパ腫を対象疾患として欧米で申請を行い、米国ではブロスマブに続き2つ目の優先審査品目指定を受けています。これらグローバル戦略品は、その製品価値最大化に向けて、市場浸透施策や事業地域の拡大を進めています。経済成長の続くアジアでは、中国における将来の安定的な成長へ向けた事業基盤の強化を進めるとともに、韓国、台湾、シンガポール、タイなど各国・地域の現地法人は、それぞれの国情や環境変化に応じた事業戦略を進めていきます。
第二の戦略課題である「イノベーションへの挑戦」では、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリー別に設けた各研究所にて、疾患及び患者ニーズの深耕により得られた知見と、当社の強みである抗体医薬をはじめ、低分子医薬、核酸医薬、再生医療の領域で培ってきた最先端の創薬基盤技術やオープンイノベーションによる外部技術を組み合わせることで、新薬創出型の製薬企業として魅力あるパイプラインの構築を目指します。後期開発ステージにある新薬パイプラインでは、血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症で開発中のエボカルセトについて第Ⅲ相試験で得られた良好な結果をもって国内申請いたしました。また、中枢神経カテゴリーでは、パーキンソン病治療剤であるイストラデフィリン(日本製品名「ノウリアスト」)の米国申請に向けた準備を鋭意進めております。
次に、第三の戦略課題である「卓越した業務プロセスの向上」では、研究開発から製造・販売まで一貫した各機能の更なる連携強化を進め収益力の向上を図るとともに、国内外のグループ従業員が守るべき価値観・行動準則を浸透させ、グローバルガバナンス体制の構築やコンプライアンス意識の徹底などを図っています。特に日本では、地域医療構想に対応したエリア戦略を加速し、質の高い医療情報を提供しています。2017年には、富士工場での生産終了により、2010年から取り組んできた国内製造拠点の再編を予定通りに完遂しました。引き続き、製薬会社の責任として、医薬品という高い品質が求められる製品を安定的に供給するために生産技術を更に磨き、より信頼性の高い生産体制の構築を進めてまいります。また、「スマートワーク」の推進、多様な人材がお互いを尊重しながら活躍できる環境づくりなどの取り組みをさらに強化していきます。
第四の戦略課題である「健康と豊かさの実現」では、アンメット医療ニーズを充足する革新的医薬品の創出、適応拡大・剤形追加や高品質な製品の安定供給を実施しつつ、医療費抑制策に対する社会的要請への対応策を実施してまいります。当社ではこの取り組みを、社会との共有価値を創生する「CSV(Creating Shared Value)経営」と位置付け、多様化する医療ニーズに貢献してまいります。また、キリングループの一員としてキリンホールディングス㈱との連携のもと、健康と豊かさの実現に向けた取り組みを進めております。
富士フイルム㈱との合弁事業であるバイオシミラー事業は、高品質でコスト競争力にも優れた医薬品の世界市場への展開を目指した開発を進めております。アダリムマブのバイオシミラーを欧州で申請し、承認取得及び販売戦略を含めた事業提携にも鋭意取り組んでおります。また、アストラゼネカ社と提携したベバシズマブのバイオシミラーについても、国際共同治験が順調に進捗しております。
オーソライズドジェネリックの販売についても検討を開始し、協和キリンフロンティア㈱を設立いたしました。当社の主力製品であるネスプのオーソライズドジェネリックの国内製造販売承認取得に向けた取り組みを進めていく予定です。
バイオケミカル事業では、医薬・医療・ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「収益基盤の強化」と「健康を基軸とした価値提供」を重要課題として取り組みます。収益基盤の強化に関しては、製造拠点の再編と高収益事業の創出を進めてまいりました。タイ、中国など、国外において投資を進めてきた工場の建設及び本格製造に向けた準備は順調に進んでおります。将来の高収益事業創出に向けた取り組みについては、キリングループ内の連携を更に進め、各社が持つ開発・製造・販売における強みを活かし、キリングループ共同で立ち上げた新ブランド「iMUSE」をはじめとした新製品の共同開発を進めています。また、高品質アミノ酸と培養技術を活かした再生医療領域向けの細胞培養培地に関する製品開発にも引き続き取り組んでいます。健康を基軸とした価値提供では、2017年に販売を開始した「VELOX」や「Setria Performance Blend」のように、バイオケミカル事業独自の素材を組み合わせることによる新たな価値の提案を行ってまいります。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念を掲げ、新薬開発を中核に、バイオシミラー、バイオケミカルの各事業を総合したユニークな医薬事業モデルを追求し、中期経営計画で掲げた「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」を進めてまいります。
当社グループは、透明性、公平性、コンプライアンス、社会との共生など企業の社会的責任を誠実に果たし、生命関連企業として、広くすべてのステークホルダーから信頼される企業でありたいと考えております。