有価証券報告書-第95期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/16 14:46
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【項目】
63項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2017年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は次のとおりであります。
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ1.6%(54億円)増の3,534億円となりました。医薬事業は、薬価基準引下げの影響等があったものの、技術収入の増加等により増収となりました。バイオケミカル事業は、医薬・健食用原料事業が堅調に推移しましたが、協和エンジニアリング㈱の売上収益の減少等により減収となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ3.2%(43億円)減の1,291億円となり、売上総利益は、同4.5%(97億円)増の2,243億円となりました。売上総利益率は前連結会計年度の61.7%から1.8ポイント改善し63.5%となりました。
③ 販売費及び一般管理費、研究開発費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2.5%(27億円)増の1,130億円となりました。
当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度に比べ7.1%(37億円)減の492億円となりました。なお、売上収益研究開発費比率は前連結会計年度の15.2%から1.3ポイント低下し13.9%となりました。
④ その他の収益、その他の費用
当連結会計年度のその他の収益、その他の費用は、前連結会計年度の29億円の利益(純額)から18億円の損失(純額)となり47億円の費用増加となりました。当連結会計年度は事業譲渡益(52億円)をその他の収益に計上しましたが、減損損失(73億円)をその他の費用に計上したことなどから、前連結会計年度に比べ損失が増加しました。
⑤ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べ30.3%(130億円)増の558億円となりました。
⑥ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ4.2%(5億円)増の130億円となりました。税引前利益に対する法人所得税費用の負担率は、前連結会計年度の29.0%から5.8ポイント低下し23.2%となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ40.9%(124億円)増の429億円となりました。売上収益当期利益率は前連結会計年度の8.8%から3.3ポイント改善し12.1%となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末と比べ、245億円増加し、7,083億円となりました。なお、当連結会計年度において連結子会社である協和メデックス㈱の株式の一部を譲渡することを決定しました。これに伴い、当該子会社に対する支配を喪失することとなったため、当該子会社のすべての資産143億円を売却目的で保有する資産に分類しております。
非流動資産は、償却による有形固定資産及び無形資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ87億円減少し、3,601億円となりました。
流動資産は、資金運用としての親会社に対する貸付金の増加等により、前連結会計年度末に比べ332億円増加し、3,482億円となりました。
② 資本
資本は、配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ390億円増加し、6,160億円となりました。
この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ2.6ポイント上昇し、87.0%となりました。
③ 負債
負債は、営業債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ145億円減少し、923億円となりました。また、協和メデックス㈱の負債41億円を売却目的で保有する資産に直接関連する負債に分類しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、従業員給付費用、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
③ 資金調達の可能性
当社グループでは、事業活動を支える資金の調達に際して、当社が中心となって低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。当社は、グローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社及び国内外の子会社において資金プーリング等を実施するなど、当社グループ全体の資金の効率的な活用と金融費用の削減に努めております。
当社は、短期的な資金需要を満たすのに十分な短期格付を維持し、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の機動的な発行を実施することで短期資金の調達を可能としております。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組にも努めております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。