四半期報告書-第95期第2四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/08/07 11:38
【資料】
PDFをみる
【項目】
29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日から6月30日までの6か月間)の売上高は1,756億円(前年同期比0.9%増)、営業利益は241億円(同57.3%増)、経常利益は220億円(同61.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は136億円(同27.0%増)となりました。なお、2016-2020年中期経営計画の経営目標に掲げるコア営業利益(営業利益+のれん償却額+持分法投資損益)は279億円(同41.2%増)となりました。
◎ 売上高及び営業利益は、技術収入の増加や研究開発費の減少等により増収増益となりました。
◎ 経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益も増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 医薬事業
医薬事業の売上高は、1,357億円(前年同期比2.6%増)となり、営業利益は207億円(同77.7%増)となりました。
◎ 日本の売上高は、医療費抑制策に伴う後発医薬品の浸透や昨年4月に実施された薬価基準引下げの影響等を受け前年同期を下回りました。
・主力製品の腎性貧血治療剤「ネスプ」は、薬価基準引下げの影響等により前年同期の売上高を下回りました。
・抗アレルギー剤「アレロック」、高血圧症・狭心症治療剤「コニール」、抗てんかん剤「デパケン」、好中球減少症治療剤「グラン」等の長期収載品は、後発医薬品の浸透等の影響を受けて売上高が減少しました。
・発熱性好中球減少症発症抑制剤「ジーラスタ」、パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」、2型糖尿病治療剤「オングリザ」等は、堅調に売上高を伸ばしました。
◎ 海外の売上高は、技術収入の増加等により前年同期を上回りました。
・欧州及び米州では、癌疼痛治療剤「Abstral」及び「PecFent」やオピオイド誘発性便秘治療剤「Moventig」等が伸長したほか、アストラゼネカ社からのベンラリズマブに関する契約一時金・マイルストン収入等により売上高は前年同期を上回りました。
・アジアでは、台湾や韓国を中心に堅調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
② バイオケミカル事業
バイオケミカル事業の売上高は、417億円(前年同期比3.3%減)となり、営業利益は33億円(同5.0%減)となりました。
◎ 日本の売上高は、前年同期並みとなりました。
・医薬・健食用原料は堅調に推移し、前年同期を上回りました。
・通信販売事業は、昨年発売の「アルギニンEX」が伸長しました。
◎ 海外の売上高は、前年同期を下回りました。
・米州では、サプリメント向け原料の集中出荷があった前年同期を下回りました。
・欧州では、為替影響を除くと前年同期並みとなりました。
・アジアでは、一部製品の競争激化による影響で前年同期を下回りました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の130億円に比べて27億円増加し、158億円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
・営業活動によるキャッシュ・フローは、311億円の収入(前年同期比16.0%増)となりました。主な収入要因は、税金等調整前四半期純利益226億円、減価償却費107億円、のれん償却額62億円等であります。一方、主な支出要因は、法人税等の支払額87億円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
・投資活動によるキャッシュ・フローは、223億円の支出(前年同期比11.6%増)となりました。主な支出要因は、短期貸付金の純増加額133億円、有形固定資産の取得による支出80億円、投資有価証券の取得による支出20億円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
・財務活動によるキャッシュ・フローは、68億円の支出(前年同期比4.5%減)となりました。主な支出要因は、配当金の支払額68億円等であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、246億円であります。
また、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりであります。
① 医薬事業
当社では、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しております。
当第2四半期連結累計期間における主な後期開発品の開発状況は次のとおりであります。
腎カテゴリー
・日本においてカルシウム受容体作動薬KHK7580の維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を効能・効果とする承認申請を4月に行いました。
・日本においてRTA402の2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
・中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名「ネスプ」)の透析施行中の腎性貧血を効能・効果とする承認再申請の準備中です。
がんカテゴリー
・日本においてc-Met阻害剤ARQ197のソラフェニブ治療歴を有するc-Met高発現の切除不能肝細胞癌を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)は、米国及び欧州等において血液がんを効能・効果とする承認申請の準備中です。
免疫・アレルギーカテゴリー
・抗IL-5受容体ヒト化抗体KHK4563は、日本において気管支喘息を適応症とした承認申請を、本剤の権利の導出先であるアストラゼネカ社が2月に行いました。また、同社が実施している国際共同試験計画の一環として、気管支喘息を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本及び韓国において、慢性閉塞性肺疾患を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本において、それぞれ実施中です。
・抗IL-17受容体A完全ヒト抗体KHK4827(日本製品名「ルミセフ」)は、体軸性脊椎関節炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本及び韓国等において4月に開始しました。また、乾癬を対象とした第Ⅲ相臨床試験を韓国において実施中です。
・日本においてゼリア新薬工業㈱との共同開発である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」の用法・用量追加の承認を5月に取得しました。
中枢神経カテゴリー
・アデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6002(日本製品名「ノウリアスト」)の米国におけるパーキンソン病を対象とした再申請の可能性について検討中です。
・日本において抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)のHTLV-1関連脊髄症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を6月に開始しました。
その他
・抗線維芽細胞増殖因子23完全ヒト抗体KRN23は、欧州においてX染色体遺伝性低リン血症を適応症とした承認を申請中です(平成28年12月申請受理)。また、成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を北米、欧州、日本及び韓国において、小児X染色体遺伝性低リン血症を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を北米、欧州、オーストラリア、日本及び韓国において、それぞれ実施中です。さらに、腫瘍性骨軟化症又は表皮母斑症候群を対象とした第Ⅱ相臨床試験を米国、日本及び韓国において実施中です。
・中国においてトロンボポエチン受容体作動薬AMG531(日本製品名「ロミプレート」)の慢性特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。また、日本及び韓国において再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施中です。
② バイオケミカル事業
重要な変更はありません。