有価証券報告書-第93期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/16 15:20
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【項目】
129項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は次のとおりであります。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ9.3%(308億円)増の3,643億円となりました。医薬事業は、新製品の伸長や前年8月に連結したArchimedes社の影響等により増収となりました。バイオケミカル事業は、ヘルスケア領域の堅調な推移や為替の円安進行の影響により増収となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ8.9%(113億円)増の1,389億円となり、売上総利益は、同9.5%(194億円)増の2,253億円となりました。売上総利益率は前連結会計年度の61.8%から0.1ポイント改善し61.9%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加等により、前連結会計年度に比べ7.0%(118億円)増の1,816億円となりました。なお、研究開発費の総額は、前連結会計年度に比べ8.1%(38億円)増の516億円となり、売上高研究開発費比率は前連結会計年度の14.3%から0.1ポイント低下し14.2%となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ21.0%(75億円)増の437億円となりました。売上高営業利益率は前連結会計年度の10.8%から1.2ポイント改善し12.0%となりました。
④ 営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、45億円の費用(純額)となり前連結会計年度に比べ20億円の費用減少となりました。営業外収益は、デリバティブ評価益の計上等により前連結会計年度に比べ6億円増加し、営業外費用は、持分法による投資損失の減少等により前連結会計年度に比べ14億円減少しました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ32.8%(96億円)増の392億円となりました。売上高経常利益率は前連結会計年度の8.9%から1.9ポイント改善し10.8%となりました。
⑥ 特別損益
当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度の22億円の損失(純額)から21億円の利益(純額)となり44億円の利益増加となりました。当連結会計年度は投資有価証券売却益(65億円)を計上したことから、前連結会計年度に比べ特別利益が増加しました。
⑦ 法人税等
当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度に比べ2.5%(2億円)増の116億円となりました。税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の41.6%から13.5ポイント低下し28.1%となりました。なお、のれん償却前の税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の28.3%から7.1ポイント低下し21.2%となっております。
⑧ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ87.3%(138億円)増の297億円となりました。売上高当期純利益率は前連結会計年度の4.8%から3.4ポイント改善し8.2%となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ16億円増加し、7,207億円となりました。流動資産は、現金及び預金や棚卸資産の減少がありましたが、親会社への短期貸付金の増加により、前連結会計年度末に比べ412億円増加し、3,244億円となりました。固定資産は、減価償却によるのれん及び販売権の減少や株式売却による投資有価証券の減少等により396億円減少し、3,963億円となりました。
② 負債の部
負債は、未払法人税等の増加がありましたが、支払手形及び買掛金や繰延税金負債等の減少により、前連結会計年度末に比べ78億円減少し、1,059億円となりました。
③ 純資産の部
純資産は、配当金の支払いや為替換算調整勘定の減少等の減少要因もありましたが、当期純利益の計上等により前連結会計年度末に比べ94億円増加し、6,148億円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.1ポイント増加し85.2%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
平成23年
12月期
平成24年
12月期
平成25年
12月期
平成26年
12月期
平成27年
12月期
自己資本比率81.8%81.7%82.6%84.1%85.2%
時価ベースの自己資本比率79.4%68.4%88.2%86.5%145.4%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.10.10.10.30.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ305.4484.2234.264.41,155.2

(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金及び長期借入金を対象としております。
※5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給料、賞与等の人件費、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
③ 資金調達の可能性
当社グループでは、事業活動を支える資金の調達に際して、当社が中心となって低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。当社は、グローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社及び国内外の子会社において資金プーリング等を実施するなど、当社グループ全体の資金の効率的な活用と金融費用の削減に努めております。
当社は、短期的な資金需要を満たすのに十分な短期格付を維持し、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の機動的な発行を実施することで短期資金の調達を可能としております。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組にも努めております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。