有価証券報告書-第133期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 14:25
【資料】
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【項目】
139項目
(3)戦略
SDGs貢献
2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)は、社会ニーズそのものであり、当社グループの基本方針にも通じるものであると考えております。当社グループでは、SDGsの目標3、7、8、9、12、13、14を重点的に取り組むべきSDGs領域「6+1」として定めるとともに、SDGsに寄与する製品を「SDGs貢献製品」と認定し、その売上収益比率を増加させる取組をSDGs推進委員会で行っております。
気候変動対応
当社グループは2021年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、再生可能エネルギー由来の電力への切り替えやSDGs貢献製品比率アップに取り組むとともに、同年、全社横断のTCFDタスクチームをリスクマネジメント委員会の中に編成し、TCFD提言に基づく情報開示に向けた活動を推進しています。同タスクチームを中心に、2040年を想定した「気候関連シナリオ分析」を実施し、気候変動に伴う潜在的なリスクと機会を抽出しました。その中で、比較的財務影響が大きくなるであろうと想定されるリスクと機会を「シナリオ分析表」のとおり特定しました。
なお、2030年と2050年の温室効果ガス(GHG)排出削減目標は、カーボンプライスの引き上げ、GHG排出規制の強化、化石燃料価格の変動等(これらは1.5/2℃または4℃シナリオにおいてリスクとして抽出)への対応策として取り組んでいます。それら取組の前倒しを図り、長期的な移行リスクを短・中期の事業機会へと転換し、売上拡大を図ります。
2023年度に引き続き、新中期経営計画の初年度となる2024年度もリスクマネジメント委員会が中心となって(本シナリオ分析結果からのバックキャストによる)短期的な施策の具体化を図り、社内関係部門へ展開、スピード感をもって実行・推進しています。
◆シナリオ分析表
<1.5℃/2℃シナリオ>
ドライバー想定し得るシナリオ要素
(世の中の動き)
当社影響
インパクト評価
リスク
機会
政策および法規制カーボンプライスの引き上げ・カーボンプライスの上昇
<1.5℃シナリオにおけるカーボンプライス(先進国)>2030年:140USD/t-CO2
2040年:205USD/t-CO2
2050年:250USD/t-CO2
(2022年 IEA World Energy Outlook)
・製造にかかるエネルギーコストの増加による操業コストの増加リスク
・輸送コストの増加リスク
市場低炭素技術の進展・再生可能エネルギー由来の電力需要の高まりによる電力価格上昇・操業コストの増加リスク
・バイオマス由来原料の需要の高まりによる原料の価格上昇・バイオマス原料の高騰リスク
低炭素技術の進展に伴うガソリン需要の減少・ナフサはこれまでの副産品でなく主産品としての地位を得る
・ガソリンやディーゼル油とともにナフサは安定的に供給されるものの、価格は上昇
・ナフサの価格上昇による仕入・調達コストの増加リスク
人やモノの移動のデジタル代替・炭素税やGHG排出規制などの影響により人やモノが移動するための費用負担が大きくなる
・デジタルデバイスに搭載される半導体の需要増加
・半導体関連製品の販売拡大による売上増加機会
低炭素技術の進展・顧客からの資源循環の要求
・3R+Renewable(持続可能な資源)関連製品への切替加速
・3R+Renewable製品の早期上市による売上増加機会
低炭素技術製品の需要拡大・低炭素社会へとシフト
・炭素税やGHG排出規制が強化
・経済性を考慮したCO2輸送技術の開発やそのインフラ整備が進む
・低炭素製品/サービスの販売拡大による売上増加機会
EV関連需要の拡大(電池用部材、自動車用軽量化素材)・自動車販売台数に占めるEV車の割合は着実に増加し、EV車の販売台数は増加・EVを対象とした製品/サービスの販売拡大による売上増加
・自動車用軽量化素材の売上増加
機会


<4℃シナリオ>
ドライバー想定し得るシナリオ要素
(世の中の動き)
当社影響
インパクト評価
リスク
機会
市場化石燃料価格の変動・原油、天然ガスは価格が上昇原油 2021年:69USD/barrel
2030年: 82USD/barrel
2050年: 95USD/barrel
天然ガス 日本 2021年:10.2USD/MBtu*
2030年:10.9USD/MBtu*
2050年:10.6USD/MBtu*
日本は下落 他の地域は上昇(2022年 IEA World Energy Outlook)
*MBtu:百万英熱量
・仕入・調達コストの増加による原料コストの増加
・製造にかかるエネルギーコストの増加による操業コストの増加
リスク
物理リスク:急性サイクロンや洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇サイクロン、集中豪雨、洪水、干害などの激甚化、頻度上昇
・主要原料サプライヤー:操業停止
・自社製造拠点(国内外):操業停止
・操業の一時停止による売上減少リスク
「レジリエントな都市づくり」が推進される
→自然災害に強い建材、産業用資材の需要増(要求機能例:軽量/高耐久/耐衝撃/高断熱・遮熱/耐火等)
・建材向け各種シート製品、防水シート製品/サービスの売上増加機会
・食肉用家畜の減少 → 長期保存用食品/加工品包装材の需要増
・農作物の収穫量の減少 → 青果物包装材の需要増
・各種包装フィルム製品の売上増加機会
感染症/気温上昇に伴う疾病・移動制限・地域病院・自宅等での診断および遠隔診断の必要性増大
・環境変化に敏感な幼児・高齢者に対する医療機会(診断・治療)の増大
→POCT(POCT:Point of Care Testing)/医療機器の需要増大
・ヘルスケア製品の販売拡大/売上増加
・医薬品パッケージの需要増
機会

DXに関する取り組み
当社グループは、2030年のありたい姿の実現に向けてDXを全社横断で推進しております。研究開発では、MI(マテリアルズ・インフォマティクス)*の活用による研究・開発能力増強に向けて、デジタルスキルを有する人材の育成に力を入れております。さらに、人に頼らない生産システムの進化、業務プロセスや営業活動にデジタル技術・データを活用する取り組みなど、人生産性向上・働き方改革を推進する取り組みを行っております。これにより、DXを通じてビジネスモデルの変革を実現し、新たな顧客価値の創出に貢献してまいります。
特にデジタルスキルを有する人材の育成については、2023年度に教育講座の増設、褒賞制度も含めたデータサイエンティスト社内認定制度を導入しました。これらを修了したデジタル人材の活躍により、データ科学技術を取り入れた研究・開発業務の効率化や省コスト化、製品機能の向上など、多くの成果が生まれています。
*MI(マテリアルズ・インフォマティクス)とは、データ科学と物質・材料に関するデータとを駆使して新規材料の発見や高機能化など材料科学の諸問題を解明するための科学技術的手法。

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