有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 16:39
【資料】
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【項目】
198項目
②指標及び目標
a.社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進
◆エンゲージメント調査を通じた課題の可視化
課題を可視化し、人材戦略の打ち手につなげるための「エンゲージメント調査」を2021年度より毎年実施しています。従業員と会社の相互信頼の度合いを測る「従業員エンゲージメント」と、個人の能力を発揮し活かせる組織状況を測る「従業員を活かす環境」の2つのカテゴリー計75問の調査を行い、従業員と組織の能力をともに最大化させ双方の成長につながる施策を検討・展開しています。当社が実施するエンゲージメント調査はグローバルに活用されているもので、好業績のグローバル企業や日系企業の平均値をベンチマークにしています。これにより感覚的に捉えがちであった組織の課題を、より客観的に可視化できるようになりました。
2025年度の従業員エンゲージメントサーベイの総合スコアは53%(前年比+1ポイント)となりました。また、「従業員を活かす環境」は54%(前年比+3ポイント)と上昇しており、これまでの取り組みは着実に成果として表れています。2030年の目標値である75%達成に向けては、従業員が求められる以上のことをやろうという気持ちにさせる、より前向きな後押しが継続的に必要と考えており、そのための鍵である人事制度改革を核とした「人材マネジメント変革」を進めていきます。
0102010_013.jpg※()内数値は日本平均との差
◆「自分らしさ」と「プロフェッショナル」を発揮できる人事制度を運用する
・新人事制度の導入
当社は2023年7月に管理監督者層の人事制度を改定し、「職務」を起点とした新人事制度を導入しました。まずは旧制度の「職能」と新制度の「職務」をハイブリッド型で運用し、経営・事業戦略達成のための適正人員確保に向けた人材ポートフォリオ構築、幹部職の各職務遂行のための人材要件の明確化を進めながら、等級体系をつくりこみました。そして、2025年10月には従来の職能資格制度を完全に廃止し、職務等級制度へ一本化しました。
本制度では、経営戦略の達成に資する「職務」および「役割」を明確に定義し、それぞれに対応する権限・責任を明らかにすること、各職務・役割に基づく成果の創出が企業価値向上への挑戦に直結する仕組みを構築すること、そして創出した価値を厳格に評価しその差を報酬へ適切に反映することを目的としています。これにより、企業価値の向上に主体的にコミットするプロフェッショナル人材集団の形成を進めていきます。
今後控えている一般職層の人事制度改定では、競争力ある操業を支える人材とイノベーションを起こす人材の強化を狙いとして、社員の「自律性」「挑戦」を引き出す制度構築を目指しています。一般職層や社内関係者との対話を通じて働き方・キャリア形成における課題を明確にし 、社員の自律的なキャリア形成の機会を支援する施策も含めた検討を進めていきます。
◆人材育成
・人材育成における「ありたい姿」と人材育成の仕組み
当社では「ありたい人材」を『高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材』と掲げています。各人が目標となる「ありたい人材」像を描くことで、現状とのギャップを埋めていき、また日常の具体的な行動につながるように教育・訓練の仕組みを変えています。その行動を通じて達成された成果を公正に評価し、処遇反映することで、さらに高いレベルを目指す人材となることを支援していきます。
人材育成では、経営理念の自覚や相互に協力するマインドの醸成、共通知識の習得を中心とする基本教育を実施するとともに、それぞれの仕事に必要な能力を開発・向上させる職種別専門教育、評価者のスキル強化を目的とした評価者研修や職場で実施するOJTなど階層に応じた教育を実施しています。職種別専門教育の一例に、「安定的かつ安全な生産を徹底的に追求する生産革新活動」を支える人材育成を目的とした「ものづくり研修」があります。製造現場で働く入社後1~3年目までのオペレーターを対象とし、「工場のルール」や「プラント運転の基礎知識」などの各製造現場共通の知識や技能の実技訓練を行い、ゼオンのものづくりに必要な技術の伝承や安全教育も含めた現場教育の充実を図っています。
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・女性活躍支援
当社は多様な人材が個々の強みを発揮・活躍できる会社を目指し、女性の活躍を支援する取り組みを進めています。
女性従業員数が絶対的に少ないことを課題として捉え、近年、大学卒業以上の新卒採用に占める女性の割合を事務系で50%以上、技術系で30%以上にすることを目標にするなど女性採用を積極的に進めてきました。これにより、女性従業員の人数は10年前と比較して2.1倍、比率は10.4%から14.1%に増加しました。管理職に占める女性比率は2026年3月末時点で5.7%に留まっていますが、今後はこうした女性従業員のすそ野の広がりが、女性管理職の増加につながっていくと考え、継続的な採用と管理監督職支援を強化しています。
また、2025年10月に管理監督者層の人事制度を職務等級制度に一本化したことで、管理職ポジションの職務と人材要件がより明確になりました。今後は登用に向けた人材要件やギャップを確認し、管理職候補者人材プールの整備を行うとともに、スポンサーシップ制度等を通じた女性管理職・女性管理職候補者層への支援を強化していきます。
b.経営戦略と人材戦略の連動強化
◆将来に向けた人材の確保
中期的企業価値の向上に向けては、経営戦略を支える必要人材の明確化を行うとともに、成長レベルの可視化により従業員の自律成長を後押しする教育体系の整備や評価制度の見直しを進めていきます。また、戦略を踏まえた人員の適正化と必要人材の確保に向けた競争力ある給与水準の実現を図っていきます。
◆職務型人事制度に立脚した人材マネジメントの強化
管理監督者層に導入した「職務型人事制度」により、従来「人」に紐つきがちであった管理監督職の職務を戦略起点で見直し、明確化を進めています。また、人材要件の言語化と行動特性情報の蓄積により、次世代経営人材・幹部職人材パイプラインを整備しています。具体的には、これらにより事業戦略を牽引する人材を戦略的・機動的に配置していく能力を高め、経営戦略の実現に向けた組織能力の向上を図っていきます。
c.働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備
◆DI&Bの考え方を浸透させる
当社は、「Diversity & Inclusion」に「Belonging」を加えたDI&Bを推進しています。多様性を尊重し、その違いを活かすこと(Diversity & Inclusion)に加え、すべての従業員が受け入れられているという安心感や信頼感を持ち、自らの居場所を実感できること(Belonging)を目指して、各種施策を実施しています。こうした取り組みは、当社のマテリアリティ「心からワクワクできる会社の実現」を支える重要な要素であり、従業員一人ひとりが主体的に行動する原動力になるものと考えています。
また、誰もが「ここで働いていてよかった」「ここが私の居場所だ」と実感できる組織風土を醸成していくことは、中期経営計画に掲げる、個々の強みを発揮できる「『舞台』を全員で創る」プロセスそのものであると認識しております。当社はこうした考えのもと、多様性を尊重するだけではなく、それを変革や価値創造の推進力へとつなげ、将来的にはイノベーションの創出にも貢献していくことを目指します。
推進体制としては、8期目となる「DI&B推進プロジェクト」を組織横断的に展開し、トップダウンとボトムアップの双方から施策を推進しています。具体的にはDI&Bに関する課題への取組みや、年1回の全社イベントである「DI&Bウィーク」の企画・開催に加え、多様性を活かすリーダーの育成を目的とした教育を実施しています。これらの活動を通じて、当社全体へDI&Bの浸透を図るとともに、組織文化を支えるリーダーシップの醸成及びコミュニティづくりに取り組んでいます。
DI&Bプロジェクトの取り組み実績(2025年度)
取り組み内容
DI&B推進プロジェクト社内各部門から集まったメンバーで、DI&Bカルチャーリーダーシップ教育を受けながらDI&Bの課題に取組み
DI&Bウィークの実施DI&Bをゼオンの全員が理解し、DI&Bでゼオンがつながることを目標とした全社キャンペーン週間。DI&Bプロジェクトメンバーが企画・運営を実施
経営との対話会DI&B推進プロジェクト報告会及び対話会
専用WEBサイトによる社内広報心理的安全性教育記事、上司向けの産休育休対応記事、その他DI&Bの取組紹介
社員同士がつながる仕組みの展開つなサポ(つながるサポート)ルーム、中途採用者インクルージョン交流会、日本以外出身社員の交流会、子育て社員の交流会等
中途採用者支援事業所見学会、対話会

◆健康で意欲的に働ける環境を整える
・健康経営宣言
当社は、従業員の健康への投資が企業の持続的な成長につながるとの考えのもと、健康経営の推進に取り組んでおります。当社では、健康経営を通じて、従業員一人ひとりがいきいきと活躍し続けることが、「心からワクワクできる会社の実現」につながるものと考えています。
こうした考え方に基づき、2021年に「健康経営宣言」ならびにWell-beingのための行動指針「わたしが幸せでいるために」を策定し、会社と従業員が一体となって健康経営に取り組む方針を明確にしました。あわせて、健康経営に関する取組みを、①心の健康づくり、②体の健康づくり、③健康リテラシーの向上、④健康推進体制及びワーク・ライフサポート制度の強化、の4つの柱に整理し、従業員に周知しております。
具体的には、2023年に「日本ゼオン健康行動指標」を設定し、そのモニタリングを通じて生活習慣病リスクの低減による従業員の体の健康づくりを推進しています。また、心の健康づくりの取り組みとしては、「しなやかなメンタルを持つ個人・組織づくり」を目的として、各種セミナーによる健康リテラシー向上や、EAPの活用促進にとりくんでいます。さらに、健康経営推進担当者会議を設置し従業員の視点を踏まえた施策の立案・実行を推進する体制を整備しております。今後も、会社と従業員が一体となって健康経営を推進し、安心して働き続けることができる職場環境の実現に努めてまいります。
・仕事と生活の両立支援による働きやすい職場環境づくり
当社は、従業員が育児・介護と仕事を両立しながら安心して働き続けられるよう、相談窓口の設置、休暇・勤務制度の拡充、ハンドブックの配布、情報発信及びセミナーの実施等を通じて、支援体制の整備に取り組んでいます。これにより、制度理解の向上、円滑な休業取得及び職場復帰の支援並びに職場における理解の醸成を図り、働きやすい職場環境づくりを推進しています。
また、社員とその家族が安心して生活しながら働くことができる環境の整備を目的として、長期就業不能時の所得補償制度を導入するとともに、育児・介護支援、健康増進、キャリア形成、コミュニケーション促進及びワークサポートに活用できる福利厚生制度(カフェテリアプラン)を整備しています。従業員一人ひとりが自らのニーズに応じて制度を活用できる環境を整えることで、多様な働き方を支え、持続的に活躍できる基盤の構築に努めます。
健康経営の目標と課題・施策
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日本ゼオン健康行動指標
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・年次有給休暇取得率の向上
Well-beingのための行動指針「わたしが幸せでいるために」の行動を促す目標値の一つが年次有給休暇の取得率であり、エンゲージメント向上に寄与するKPIであると考えています。2026年度の年次有給休暇取得率70%に向けて、年次有給休暇の取得奨励期間・奨励日の設定、1時間単位および半日単位での取得を可能とする制度整備を行い、2025年度の年次有給休暇取得率は80.2%と、2023年度以降継続的に2026年度目標を前倒しで達成しています。一方で個人ごとに目を向けるとまだまだ目標の70%に達していない社員もいるため、全員が年次有給休暇を取得しやすい環境づくりを継続して進めています。
※当社の人材戦略の具体的な取り組みについては当社サステナビリティwebサイトをご参照ください。
(https://www.zeon.co.jp/csr/social/)

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