有価証券報告書-第96期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の経営環境を振り返りますと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の悪化に加え、依然として緊張状態にある米中関係の影響など、当社グループを取り巻く環境としては厳しい状況で推移しました。
当社グループはこのような環境のもとで、引き続き「ZΣ運動」による徹底したコスト削減に努めるとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、62億38百万円増加し、1,958億56百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ174億15百万円増加し、1,188億40百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比べ、200億37百万円増加し、1,341億24百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、436億90百万円増加し、4,488億21百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、58億2百万円増加し、1,505億75百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、378億88百万円増加し、2,982億46百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結売上高は3,019億61百万円と前年同期間に比べて200億5百万円の減収となりました。また、連結営業利益は334億8百万円と前年同期間に比べて73億4百万円の増益、連結経常利益は386億68百万円と前年同期間に比べて99億24百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は277億16百万円と前年同期間に比べて75億15百万円の増益となり、過去最高を達成いたしました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
(エラストマー素材事業部門)
合成ゴム関連では、年度の後半は主要市場である自動車産業向けを中心に需要は回復傾向となりましたが年度前半の落ち込みを挽回するには至らず、全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
合成ラテックス関連では、化粧品材料や一般工業品、樹脂改質用途などの需要低調により、全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした医療・衛生用手袋市場の需要拡大による販売価格上昇により、営業利益は前年同期間を上回りました。
化成品関連では、欧米、アジアとも需要が底堅く販売数量は前年同期間を上回りました。原料市況に伴い製品価格が下落したことから、全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。
以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて172億21百万円減少し1,616億26百万円、営業利益は前年同期間に比べて26億41百万円増加し122億83百万円となりました。
(高機能材料事業部門)
高機能樹脂関連では、光学樹脂、光学フィルムともに販売が堅調に推移しました。この結果、高機能樹脂関連全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。
高機能ケミカル関連では、トナーおよび電池材料は売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。化学品は売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。電子材料は、売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。この結果、高機能ケミカル関連全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。
以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて37億16百万円増加し954億65百万円、営業利益は前年同期間に比べて46億50百万円増加し219億60百万円となりました。
(その他の事業部門)
その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を下回りました。
以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて64億95百万円減少し469億77百万円、営業利益は前年同期間に比べて58百万円増加し21億56百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ179億54百万円(前年度比59.5%増)増加し、481億52百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は560億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ276億50百万円の増加(前年度比97.3%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、売上債権の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したものの、たな卸資産の増減額が純増から純減へと転じたこと及び仕入債務の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は302億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億70百万円の資金支出の増加(前年度比23.1%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、貸付金の回収による収入が減少したこと及び定期預金の純増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は82億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円の資金支出の減少(前年度比0.2%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、長期借入金の返済による支出が増加したこと及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が増加したものの、短期借入金の純減少額が減少したこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.消費税等は含んでおりません。
2.連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。
b.受注実績
特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.消費税等は含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。
b.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。
c.有価証券
当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
e.固定資産
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
f.退職給付費用および債務
確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高と営業利益
当連結会計年度の売上高は3,019億61百万円(前期比6.2%減)、営業利益は334億8百万円(前期比28.0%増)となりました。
詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。
b.営業外損益と経常利益
補助金収入の増加および為替差益の増加等により、営業外損益は前期比で26億20百万円良化し52億60百万円の利益となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比34.5%増の386億68百万円となりました。
c.特別損益
投資有価証券評価損の減少等により、特別損益は前期比で7億54百万円良化し5億10百万円の損失となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、過年度法人税等の総額は102億79百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は、前期比15百万円増加し1億64百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比37.2%増の277億16百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。
d.資金調達
当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。
a.SDGs貢献製品の売上高比率50%
b.既存事業のROIC9%
c.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)
d.従業員エンゲージメント75%
e.外国人/女性役員比率30%
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の経営環境を振り返りますと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の悪化に加え、依然として緊張状態にある米中関係の影響など、当社グループを取り巻く環境としては厳しい状況で推移しました。
当社グループはこのような環境のもとで、引き続き「ZΣ運動」による徹底したコスト削減に努めるとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、62億38百万円増加し、1,958億56百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ174億15百万円増加し、1,188億40百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比べ、200億37百万円増加し、1,341億24百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、436億90百万円増加し、4,488億21百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、58億2百万円増加し、1,505億75百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、378億88百万円増加し、2,982億46百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結売上高は3,019億61百万円と前年同期間に比べて200億5百万円の減収となりました。また、連結営業利益は334億8百万円と前年同期間に比べて73億4百万円の増益、連結経常利益は386億68百万円と前年同期間に比べて99億24百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は277億16百万円と前年同期間に比べて75億15百万円の増益となり、過去最高を達成いたしました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
(エラストマー素材事業部門)
合成ゴム関連では、年度の後半は主要市場である自動車産業向けを中心に需要は回復傾向となりましたが年度前半の落ち込みを挽回するには至らず、全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
合成ラテックス関連では、化粧品材料や一般工業品、樹脂改質用途などの需要低調により、全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした医療・衛生用手袋市場の需要拡大による販売価格上昇により、営業利益は前年同期間を上回りました。
化成品関連では、欧米、アジアとも需要が底堅く販売数量は前年同期間を上回りました。原料市況に伴い製品価格が下落したことから、全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。
以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて172億21百万円減少し1,616億26百万円、営業利益は前年同期間に比べて26億41百万円増加し122億83百万円となりました。
(高機能材料事業部門)
高機能樹脂関連では、光学樹脂、光学フィルムともに販売が堅調に推移しました。この結果、高機能樹脂関連全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。
高機能ケミカル関連では、トナーおよび電池材料は売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。化学品は売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。電子材料は、売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。この結果、高機能ケミカル関連全体の売上高は前年同期間を下回りましたが、営業利益は前年同期間を上回りました。
以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて37億16百万円増加し954億65百万円、営業利益は前年同期間に比べて46億50百万円増加し219億60百万円となりました。
(その他の事業部門)
その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を下回りました。
以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて64億95百万円減少し469億77百万円、営業利益は前年同期間に比べて58百万円増加し21億56百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ179億54百万円(前年度比59.5%増)増加し、481億52百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は560億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ276億50百万円の増加(前年度比97.3%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、売上債権の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したものの、たな卸資産の増減額が純増から純減へと転じたこと及び仕入債務の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は302億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億70百万円の資金支出の増加(前年度比23.1%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、貸付金の回収による収入が減少したこと及び定期預金の純増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は82億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円の資金支出の減少(前年度比0.2%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、長期借入金の返済による支出が増加したこと及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が増加したものの、短期借入金の純減少額が減少したこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| エラストマー素材事業 | 106,541 | △16.8 |
| 高機能材料事業 | 64,770 | 5.1 |
| その他 | 5,874 | △17.1 |
(注)1.消費税等は含んでおりません。
2.連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。
b.受注実績
特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| エラストマー素材事業 | 159,979 | △9.6 |
| 高機能材料事業 | 95,432 | 4.0 |
| その他 | 46,550 | △12.6 |
| 合計 | 301,961 | △6.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.消費税等は含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。
b.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。
c.有価証券
当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
e.固定資産
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
f.退職給付費用および債務
確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高と営業利益
当連結会計年度の売上高は3,019億61百万円(前期比6.2%減)、営業利益は334億8百万円(前期比28.0%増)となりました。
詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。
b.営業外損益と経常利益
補助金収入の増加および為替差益の増加等により、営業外損益は前期比で26億20百万円良化し52億60百万円の利益となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比34.5%増の386億68百万円となりました。
c.特別損益
投資有価証券評価損の減少等により、特別損益は前期比で7億54百万円良化し5億10百万円の損失となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、過年度法人税等の総額は102億79百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は、前期比15百万円増加し1億64百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比37.2%増の277億16百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。
d.資金調達
当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。
a.SDGs貢献製品の売上高比率50%
b.既存事業のROIC9%
c.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)
d.従業員エンゲージメント75%
e.外国人/女性役員比率30%