有価証券報告書-第93期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 11:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
174項目
① 中期経営計画「Vision2026」における人財戦略の位置づけ
当社は、Vision2026において、「事業ポートフォリオマネジメント」の強化を経営の柱として掲げております。
この戦略を着実に実行するためには、事業環境や事業構造の変化に対応し、自らの役割を変化させながら価値を発揮できる人財の育成が不可欠であると認識しております。
その前提として、人財育成を通じて培われた知識や経験、専門性が現場で十分に発揮され、組織としての実行力につながる環境を整えることが重要であると考えております。
このため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を業務基盤として位置づけ、業務プロセスの標準化やデータ活用を通じて、事業運営の実行力や開発プロセスの質を高める活動を行ってまいります。
この認識のもと、当社はVision2026における人財戦略に基づき、技術立社を支える人財開発を推進しております。
当社は、「発展のカギは人!」をモットーに、様々な社員の英知を結集し、部門や立場を超えた「すり合わせ」を通じて、製品・サービスを創造・製造し、お客様に提供し、満足いただくサイクルがうまく回るように日々取り組んでおります。そこでの成功のカギは、社員が成長し、いかに力を発揮できるかによります。
当社人事部門は、社員が成長し、また思う存分力を発揮できる職場環境を整え、継続的に社業が発展し、社会に貢献するプロセスを支えてまいります。
※以下は、主として当社における人財育成および人財マネジメントに関する考え方および取組みについて記載しております。
(抜粋)Vision2026
経営方針:設立100年を超えても発展し続け、社会に貢献できる「もの作り企業」として経営基盤を確立する。
Mission:「事業ポートフォリオマネジメントの強化」~選択と集中の加速による事業成長~
1.事業戦略
電子素材事業
以下の戦略により事業の拡大を推し進めます。
・高付加価値:高い信頼性を有する素材の開発と川下展開
・シナジー :M&Aにより強化した事業のさらなる成長
機能性顔料事業
以下の戦略により事業構造の転換を図ってまいります。
・プロダクトライフサイクル:事業の合理化と収益を伴う事業継続
・オープンイノベーション :産学官連携による次世代事業の早期事業化
機能別組織を基盤に、各事業の推進を強化するため事業統括室を設置し、横串としてのマトリックスを取り入れています。事業側の課題と機能側の専門性を交点で束ね、重点テーマの推進、資源配分の調整、部門横断の意思決定を迅速化します。これにより、成長領域への集中と機動的な実行を両立させます。
2.財務戦略:
営業利益率、ROE、自己資本比率、運転資本回転期間を経営目標数値として定め、財務基盤の安定と資本効率を意識した事業運営に努めてまいります。

3.人財戦略(Vision2026における方向性):
当社は、社員一人ひとりが主体的に学び、自らの経験を積み重ねながら成長していく姿勢を重要な価値と捉えています。パーパスに掲げる「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」は、社員が意欲に基づき役割を広げ、新たな価値を創出する存在であることを示しています。Vision2026では、環境変化に応じて新たな挑戦が生まれる中、社員が自身のキャリアを見つめ直し、成長機会を主体的につかめる状態の実現が重要であると考えています。当社は、このような対話・学習・実務経験を通じて、自律的なキャリア形成を支援していきます。
(主要部門のサクセッションプラン強化)
以上の考え方を基盤として、当社は技術立社を支える人財開発を推進し、事業ポートフォリオマネジメントの実行力を高めてまいります。事業ごとに求められる人財要件を明確にしたうえで、育成・配置・任用を一体で運用し、適所適材および適材適所を機動的に実行します。あわせて、2026年度より後継者計画に着手し、その計画を支える取り組みとして、部門横断の配置、定期採用およびキャリア採用や階層別・職種別の育成を進めていきます。
(女性およびマイノリティのキャリア開発)
社員一人ひとりが主体的にキャリアを形成できるよう、対話・学習・実務経験を通じた成長機会の提供を継続するとともに、採用も含めた取組みを通じて、女性活躍および多様な人財の能力発揮を後押しする取組みを進めていきます。
(DX人財の育成・確保)
DX人財については、基幹システムや生成AI、データ分析ツールの社内導入と並行し、キーユーザーおよびライトユーザーそれぞれの到達度を設定したうえで、eラーニングや社内研修を通じて、業務での活用を意識した段階的な育成を行っています。これらの取組みは、業務の標準化や業務改善を進めるための基盤整備と一体で推進しています。
なお、本項目については、社長直下のデジタルイノベーション推進室を中心に、基幹システム移管を含む各種DX施策を進めており、人財戦略においては、これらの取組みと連動した人財育成・配置を進めています。
※主要な人財戦略の運用状況については、人財育成会議において審議およびレビューを行い、必要に応じて改善を行ったうえで、適宜、取締役会に報告します。
役員に関する指名・報酬に関する事項については、指名・報酬諮問委員会での審議・答申を経て、取締役会で決定します。

② Vision2026の実行を支える人財育成・人財マネジメントの基本方針
1)人事ビジョン ~当社人事施策の根幹~
社員の成長を通して組織力を高め、社業を発展させ、社会に貢献いたします。

2)当社の求める将来像
本項における「将来像」とは、Vision2026を通過点として、その先も見据えた、当社としての組織・経営・文化のありたい姿を指します。
2025年3月期(2024年度)から2027年3月期(2026年度)までの3か年のVision2026およびその人財戦略の考え方を踏まえ、当社は以下の将来像を描いております。選択と集中を加速するための1.事業戦略、2.財務戦略、3.人財戦略を推し進め、計画の達成を目指してまいります。
企業価値・収益性の向上および財務基盤の一層の安定を目指すためにも、人財戦略に沿って生技販管(全機能別組織)が一丸となり、それぞれの力を高め、また連携して社業発展に努めていく所存であります。人事部門としては、就労環境の整備、採用、育成・評価・配置の一体運用、ならびに技術立社の文化の継承と進化に重点を置き、Vision2026の実行を人の面から支えてまいります。特に、事業ポートフォリオのマネジメントを進めていくため、成長領域への機動的・戦略的な再配置を軸に、採用、育成・評価・配置を一体で運用いたします。
創業から脈々と受け継がれてきた技術立社の精神への認識を新たにし、より強固な経営体制とともに、夢や希望を持ち、明るい未来に向かって生き生きと仕事が続けられる風土作りに取り組んでまいります。
2033年の設立100年、さらには遥か2123年の創業300年に向けて、社員が成長し、信頼と感謝の気持ちで相互に繋がり、そしてお客様からの厚く信頼される、かけがえの無い存在価値を持った会社になる将来像を思い描いております。
3)前項を踏まえた、求める(目指す)人物像 ~率先垂範により周囲に好影響を与える~
基本姿勢 :意欲に溢れ、柔軟性と主体性を持ちあわせ、自己実現と顧客と当社の成長に向かってチャレンジを続ける人財
(顧客とともに組織、個人の成長に応える)
⇒全員が各々役割に応じたリーダーシップを発揮
技術志向 :高い専門性を有し、創意工夫により付加価値を創出できる人財
(顧客、社会のイノベーションに応える)
⇒技術立社の精神を支えるため、日々研鑽
組織志向 :多様な価値観を理解した上で、コミュニケーションを重視し、組織連携で業務にあたる人財
(厳しい競争環境に勝ち抜くため総力戦で応える)
⇒助け合い、ともに高め合う
品格 :企業人として高い倫理観を持って品格のある行動を取れる人財
(誇れる個人・会社になる期待に応える)
⇒人格の陶冶を怠らない

4)人財育成方針 ~「技術立社」の精神を礎に創業以来、200年培われてきた技術を“今”に活かす~
当社は社員一人一人の独創性と多様性を大切にし、先進性に富む開発力で社会に貢献できる企業を目指し、明るい未来に向けてチャレンジを続けていきます。
会社としては、社員の能力の限りない飛躍を支援すべく、就業環境を整え、専門性を高めるための学習への支援を行います。
結果、事業会社として社会や投資家に還元する適切な収益を確保しつつ、社員の幸せに満ちた生活を築くことを目指します。
このことを組織として、改めて確認したのが、2023年の創業200周年・会社設立90周年を迎えるに際して制定した「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」というパーパスです。
「微粒子」は当社が創業以来、培った「微粒子合成技術」に由来するものですが、パーパスのステートメント/スローガンに掲げている通り、「(微)粒子=社員(人財)」を意味しています。

③ Vision2026における人財戦略の推進状況
当社は、Vision2026において、「主要部門におけるサクセッションプランの強化」、「女性およびマイノリティのキャリア開発」、「DXの推進を加速する人財育成」を人財戦略の重点施策として掲げております。
なお、これらの人財戦略を推進するにあたっては、人財戦略と経営戦略を連動させるガバナンス体制および人財情報基盤を前提として取り組んでおります。
(ガバナンス)
・当社は、人財戦略と経営戦略を連動させるため、人財育成会議を中心に、取締役会および任意の指名・報酬諮問委員会が連携するガバナンス体制を構築しております。人財育成会議では、経営幹部後継者計画や主要人事施策について審議を行い、その結果を取締役会に報告しております。
・あわせて、本社人事総務部が人財戦略および人事施策の実施推進を担い、各事業所の業務グループが人事施策の社員への展開を含む日常的な人財マネジメントを担います。人事総務部が中心となって適性診断、エンゲージメントサーベイ、全社員面談等を通じて人的資本に関する情報を把握し、人財育成会議における人財戦略策定に向けた情報提供を行うとともに、決定された方針に基づき、人事施策の改善および実施につなげております。
(人財情報基盤)
・当社は、人財戦略および人事施策を着実に実行するための基盤として、人財・労務・健康に関する情報基盤の整備を進めております。
・2026年度中に勤怠・給与の基本業務をアウトソーシングに切り替え、業務の継続性と専門性を確保いたします。併せて、タレントマネジメントシステムを導入し、評価・人事情報を一元管理いたします。管理者が部下情報を適切に把握できる環境を整えることで、育成および配置等の人事施策の質の向上につなげてまいります。
・なお、健康管理システムは、人財情報基盤の一部として健康状態の把握や両立支援に活用していますが、施策の詳細については、「健康経営・健康増進」の項に記載しております。
1)主要部門のサクセッションプランを支える人財育成
事業の中核を担う人財の計画的な育成を通じて、経営および事業運営の持続的な強化を図ってまいります。
(サクセッション(後継者計画))
・当社は、CEOを含む主要ポジションの後継者層について、経営トップによる候補者像の見立ては有する一方で、その妥当性と継続性を制度および手続として担保する必要があると認識しております。
・このため、2026年度からサクセッションプランの制度化および運用に着手いたします。
・具体的には、キーポジションの定義、人財要件の明確化、候補者プールの運用、準備度の付与、育成介入および定期的なモニタリングを一体として整備し、取締役会の監督の下で、透明性と説明可能性の確保を図ってまいります。
・なお、2024~2025年度には、その前提となるガバナンスおよび制度面の整備として、指名・報酬諮問委員会では個々の役員報酬を含む具体的な審議事項について、委員間で忌憚のない意見交換が行われる運用とし、形式的な確認にとどまらない審議体制を整備するとともに、役員報酬制度の点検・整備、管理職昇格選考の基準統一と手続の標準化、役職体系の整理等を実施し、2026年度の取り組みに備えました。
・次に、人財育成会議は、候補者情報の集約、ギャップ把握、育成計画の策定、四半期レビューを担い、経営戦略と人財戦略の連動を担保いたします。
・さらに人財育成会議の審議結果を踏まえ、指名・報酬諮問委員会が選抜プロセスの妥当性に関する審議、答申を行い、最後に、取締役会が最終決議・監督を行うこととなります。
2)女性およびマイノリティのキャリア開発 (組織基盤の強化/制度・ソフト面の実行支援)
成長領域への資源配分を実現するため、適所適材の観点から人財の配置および育成を行ってまいります。
(人財獲得に関する取組み)
・人財確保が厳しい状況の中、2025年4月入社の新卒採用は、11名を採用することができました(2026年4月入社の新卒採用は7名)。また、専門人財の拡充としてキャリア採用も3名(2025年度中および2026年4月1日入社)を採用することができました。
・2026年度も、引き続き採用確度を高めるため、インターンシップ・仕事体験、大学訪問、会社説明会の量・質の強化、リファーラル採用推進、リターン採用等を実施し、採用チャネルを充実させてまいります。専門人財拡充のため、引き続きキャリア採用にも注力してまいります。
・また、多様性を有する人財も積極的に採用してまいります。(2025年度入社定期採用における女性比率45.5%、定期採用及びキャリア採用における女性比率50%)
(参考)
当社の自己都合離職率は、2023年度2.1%、2024年度1.6%と、全国平均(令和5年雇用動向調査:15.4%)および製造業平均と比較して低位で推移してきました。一方、2025年度においては、自己都合離職率が4.8%となり、とりわけ20~30代の若手層を中心に一時的な増加が見られます。当社では、こうした若手層の離職動向について、経営上のリスクとして認識しております。その背景には、採用・労働市場環境の変化があり、とりわけ新卒採用においては、2026年卒の大卒求人倍率が1.66倍と高水準で推移していることに加え、労働市場全体においても有効求人倍率が1.18倍と売り手市場の状況が続いております。こうした中、半導体材料やカーボンニュートラル関連等の成長分野を中心に、化学・素材業界における専門人財の獲得競争が強まっております(出典:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」)。
退職理由に関する内部分析では、純粋なキャリアアップを目的とした離職は限定的であり、配偶者の転勤等のやむを得ない事由が一定割合を占める一方で、業務内容や役割期待に対する認識のずれ、評価・処遇に対する納得感の不足等、主として「会社起因」と整理される要因が中心であることが確認されております。
当社は、こうした課題認識の下、全社エンゲージメントサーベイの継続的な実施、適性診断や面談を通じた実態把握、キャリア形成に関する対話の充実および魅力ある職場づくりを進めております。これらの取り組みを通じて、社員一人ひとりの納得感および成長実感の向上を図り、離職リスクの低減と人財の定着につなげております。
(配置に関する取組み)
・ローテーションは、部門ニーズと本人の適性・意向を踏まえた育成的観点で継続してまいります。加えて、新中期計画の事業ポートフォリオの進展・深化に即応し、機動的・戦略的な配置を進めてまいります。経営幹部後継者候補をシームレスに確保するため、主要ポジションや早期育成に資するローテーションを計画的に実施してまいります。
(育成に関する取組み)
・新入社員に対して、入社月の4~6月の3か月間、新入社員研修を実施しております。4月は本社における集合研修によりビジネスの基礎知識・スキルを習得し、その後の5~6月は理系・文系を問わず各事業所において実務に携わりながら、製品、工程、工場運営および事業理解を深めるプログラムとしております。
・また、2025年度には、新入社員を対象に11~2月にかけて社内インターンシップを実施しました。本配属後の業務推進に資する経験を積むことを目的に、各人の希望に基づき他部署に2~4週間配置し、実際の業務に携わることで、業務理解の深化および社内ネットワークの形成を図っております。これにより、早期の戦力化および組織への定着を促しております。
・昇格時の新任階層別研修はすべての階層に対して設けており、昇格後に求められる役割行動について学ぶ機会を提供しております。
(キャリア形成支援)
・当社は、社員のキャリア形成を「個人・管理職・会社」の三者が担うものと位置付けています。事業環境や体制制約によりローテーションが限定的な中においても、育成、役割付与および対話を通じて、社員の自律的なキャリア形成を支援しております。
・キャリアに関する希望は配置や異動を直接保証するものではありませんが、社員の強み、志向および伸ばしたい能力を把握し、担当業務や経験機会の設計に反映することで、納得性と成長機会の確保に努めております。
(ダイバーシティマネジメントに関する取組み)
・当社は、女性活躍の実効性を高めるため、2025年にはアンコンシャス・バイアス研修を実施し、性別役割分担意識や無意識の思い込みを見直すことで、マインドセットの転換およびキャリア支援につなげております。2026年度には、女性社員を対象としたシリーズ型研修(全4回)を予定しており、心身のセルフマネジメント、コミュニケーション力およびリーダーシップスキルの向上をテーマに、行動変容まで伴走する内容としております。あわせて、研修の成果を組織全体に広げるため、役員および管理職向けの講演や報告の機会を設け、女性社員のキャリア形成や活躍促進に対する理解を深めております。さらに、女性の健康課題に関する社内啓発情報の定期配信や、育児・介護との両立を支援する短時間勤務制度の拡充、広島県主催プログラム等を活用した女性リーダー育成を継続して実施しております。これらの取り組みを通じて、採用・育成・任用の各プロセスにおける無意識のボトルネックの解消を図り、管理職層の裾野拡大に取り組んでおります。なお、当社の採用活動においては、性別による採用基準や運用上の差は設けておりません。一方で、理工系分野における女性人財の絶対数が限られていることから、結果として採用構成には制約が生じております。当社としては、母集団形成や情報発信の工夫等を通じて、引き続き多様な人財に応募機会が届くよう取り組んでおります。
・コンプライアンス・ハラスメント防止の研修を毎年度取り組んでおります。2024年度はコンプライアンスにかかる法令等を広く網羅しているDVDを全社員で視聴することによる研修を実施しました。2025年度には人権尊重の取組みについて、特定非営利活動法人 経済人コー円卓会議日本委員会の動画と当社作成の動画の2本立てにして、事業を取り巻く人権尊重の動きと当社の取り組みについての啓発研修を実施しました(受講率100%)。受講後には確認テストを行い、これらの研修を通じ、法令遵守や人権尊重を知識に留めず、日常の業務判断や行動に反映させることを目的としております。
・当社は、ハラスメントの未然防止および良好な職場環境の維持を目的として、コンプライアンス・ハラスメント防止研修を毎年度実施しております。2024年度は、ハラスメント防止の基礎として、相手の意見や感情を適切に受け止めるための傾聴をテーマに研修を行い、日常のコミュニケーションの質の向上を図りました。2025年度には、感情のコントロールや衝動的な言動を抑える力を高めることを目的に、アンガーマネジメントをテーマとした研修を実施し、ハラスメントにつながり得る言動を事前に制御するための実践的なスキルの習得を促しました。これらの研修は、役員を含む全社員を対象に実施し、受講後には理解度確認テストを行うことで、知識の定着と行動への反映を図っております。
・LGBTQ+に関する理解促進を目的として、2024年1月から漫画形式の啓発情報を毎月1回、全社員に向けて発信しております。多様な価値観や背景への理解を深め、無意識の偏見や排除を防ぐことを狙いとしており、誰もが安心して働ける職場環境づくりにつなげております。なお、本取組みは受講率100%で実施され、受講後には理解度確認テストを行っております。
(エンゲージメント向上に関する取組み)
・当社は、社員の働きがいと安心感を高めることを目的に、エンゲージメント向上施策を継続的に拡充しております。育児と仕事の両立支援として、子どもが中学校を卒業するまで利用可能な短時間勤務制度を整備しており、実際に複数の社員が活用しております。女性社員の育休復帰率は100%であり、復帰後に離職した社員はおらず、長期的なキャリア形成を支える環境を整えております。
・また、男性育休については取得率100%を維持しており、平均取得日数は25.4日となっております。男女ともに育児と業務を両立できる風土づくりを進めており、ライフイベントを迎えた社員が安心して働き続けられる体制を強化しております。
・2026年度には、長期療養時の所得を補償するGLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入を予定しており、最低拠出額を会社が負担し、社員による任意の積み増しを可能とする制度設計を進めております。これにより、不測の事態においても社員の生活を安定的に支える仕組みを構築しております。
・福利厚生面では、地域性を踏まえ、広島東洋カープの観戦チケット(指定席)を抽選で社員へ提供しており、入手困難な人気チケットであることから非常に高い満足度を得ております。こうした取り組みは、職場内外のコミュニケーション促進や組織の一体感の醸成に寄与しております。
・加えて、有給休暇の取得率(71.7%)の維持・向上、健康管理システムによる健康状態の可視化、ストレスチェック受検率90%超の維持など、社員の心身の健康を支える取り組みも継続しております。
・働き方の多様性を確保するため、在宅勤務の制度を本規程化して継続実施しております。
・2026年1月に実施したエンゲージメント調査(回答率99%)は、直属上司・コミュニケーション・職場環境/福利厚生が相対的に良好で、総合満足度60.7%。一方、評価運用・適材適所・収入妥当性および将来性/安定性について課題、納得感が得られていないとの結果が出ました。評価フィードバックの徹底や配置プロセスの可視化等の改善を各部門で進めております。
エンゲージメントサーベイの結果(2026年1月実施/MOTMOTドットコム)抜粋
全社総合満足度を表す質問「わたしは、総合的に考えると当社の社員として満足している」の結果・考察
結果:
「非常にそう思う」5.9%、「そう思う」54.8% ← 60.7%満足層
「どちらともいえない」28.9%
「そう思わない」8.4% 「全くそう思わない」2.0% ← 10.4%不満足層
考察:
・総合満足度60.7%は安定した水準。「そう思う」が54.8%と過半数を占めており、職場環境や会社運営に対して一定の評価を得ていることがうかがえます。一方で「非常にそう思う」は5.9%にとどまっており、“強い満足”の醸成は今後の課題と考えられます。
・不満足層は10.4%と限定的ではありますが、現場の声を早期に拾い改善につなげることが大切。28.9%の「どちらともいえない」層を満足層へ引き上げる施策が、今後のエンゲージメント向上の鍵となると思われます。

当社では、このエンゲージメントサーベイを通じて、職場環境や会社運営に対する評価に加え、今後の人財マネジメントに関する示唆を得ています。本調査では複数の設問を通じて多面的なデータを把握していますが、本紙面では全体的な傾向を示す指標として、全社総合満足度に関する結果を中心に記載しています。
総合満足度は一定の水準を維持している一方で、より高い満足度の醸成に向けては、社員一人ひとりの納得感や成長実感を高めていく余地があるものと認識しています。
これらの結果を踏まえ、当社では、評価および配置に関する運用面の課題を整理するとともに、管理職を中心とした対話やフィードバックの質の向上、経営方針や人財施策の背景に関する説明を行うとともに、共有を図る取組みを進めていきます。今後も、エンゲージメントサーベイの結果を継続的に活用し、人財マネジメントの改善と組織力の向上を通じて、制度整備と運用改善を進めながら、社員一人ひとりが安心して力を発揮できる職場づくりに取り組み、エンゲージメント向上を経営の重要テーマとして、持続的な企業価値の向上につなげてまいります。

(健康増進に関する取組み)
・当社は、社員の心身の健康を重要な経営基盤と位置付け、仕事と、家族の介護・看護、本人の治療、育児、ならびに障害のある社員の就労との両立支援および予防の観点から健康経営の基盤整備を進めております。健康管理システムの導入や横断的なメンタルヘルス体制の構築に加え、広島県「Teamがん対策ひろしま」への参画(2025年)でも学びを通じて、がん検診・治療と仕事の両立支援を強化しております。さらに、2026年度にはGLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入検討に着手し、長期療養時の所得面の安心を高めていく方針であります。併せて、女性の健康課題に関する社内啓発や、在宅勤務・短時間勤務などの働き方の柔軟化を進め、生産性・定着・安心感の向上につなげてまいります。
・海外赴任者については、環境変化による心身への負荷が大きいことを踏まえ、2024年11月より外部専門機関である(株)MD.ネットと連携した健康管理支援プログラムを導入しております。本プログラムでは、海外赴任の適性診断、海外赴任者向けストレスチェック、医師等によるオンライン健康面談を実施しております。特徴として、本人からの申出を待つ従来型の相談対応に加え、専門スタッフが一定の情報を踏まえて赴任者に直接コンタクトする「プッシュ型ケア」を取り入れており、早期の不調把握と予防的な支援につなげております。
併せて、医療機関に関する相談対応や現地医師とのコミュニケーション支援、定期的な健康情報の配信を行っており、赴任者本人のみならず、人事担当者にとっても相談・判断の拠り所となる体制を整えております。
・当社は、社員の心身の健康維持および業務パフォーマンスの安定的な発揮を目的として、産業保健師の助言も踏まえながら、メンタルヘルス研修を毎期実施しております。研修は、全社員を対象としたセルフケア研修と、管理職を対象としたラインケア研修の二本立てで構成し、本人による不調の早期気づきと周囲による適切な支援の双方を重視しております。
セルフケア研修では、社員一人ひとりが自らの心身の状態への理解を深め、適切な対処や早期相談につなげることを目的としております。ラインケア研修では、管理職としての安全配慮義務を踏まえ、不調のサインへの気づきや部下とのコミュニケーションの取り方を中心に、職場環境の悪化や不調の長期化を防ぐための実践的な視点を学ぶ機会を提供しております。
これらの取り組みを通じて、社員一人ひとりが安心して働き続けられる職場環境の整備と、健康リスクの未然防止に継続的に取り組んでおります。
・当社は、社員が悩みを一人で抱え込まない環境づくりを目的として、外部専門機関と連携した相談支援体制(EAP)を整備しております。公益財団法人メディックス・ハートサポートと契約し、産業保健師が定期的に来社するとともに、日常的に相談・助言を受けられる体制を構築しております。
併せて、一般社団法人日本産業カウンセラー協会とも連携し、仕事や私生活を含む幅広い悩みについて、社員およびその家族がいつでも専門家に相談できる環境を整えております。これらの相談は守秘義務が徹底されており、本人の同意なく会社に内容が共有されることはありません。
面談・電話・来所・オンラインなど多様な相談手段を用意することで、早期の不調把握と予防的な支援につなげ、社員一人ひとりが安心して働き続けられる基盤づくりを進めております。
3)DXの推進を加速する人財育成(配置・育成の実行
業務プロセスの標準化やデータ活用の高度化、ならびに多様な人財の活躍を推進することで、変化に対応できる組織基盤の強化を図ってまいります。なお、DXの取組みの位置づけについては、「」に記載のとおりであります。
④ 今後の重点課題
当社は、これまでに述べた人財戦略および各種人財施策の取組みを踏まえるとともに、事業環境および人財構成の変化を総合的に勘案し、人財戦略の実効性を一層高めていく必要があると認識しております。
そのため、今後の人財マネジメントにおいて、特に以下の点を重要課題として捉え、対応を進めてまいります。
・事業の持続的な遂行を見据え、経営および事業を担う人財を中長期的な視点で確保・育成するとともに、人財構成の変化を踏まえた人財ポートフォリオの最適化に取り組むこと
・人財獲得環境の変化を踏まえ、採用競争力の維持・向上とともに、専門性を有する人財が定着し、継続的に活躍できる体制を整えていくこと
・社員一人ひとりのキャリア形成に対する納得性を高め、配置・育成に関する透明性と公平性を確保することで、多様な人財が能力を発揮できる環境を整備すること
・Vision2026の実現に向け、人財施策相互の連動性および運用の実効性を高め、人財戦略全体の深化を図ること

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。