有価証券報告書-第90期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 16:03
【資料】
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【項目】
155項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載しております。
②生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)増減率(%)
材料事業87,838△3.1
装置事業4,38791.0
合計92,225△0.8

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社および連結子会社は、基本的には見込生産を行っております。ただし、装置事業は受注生産であり、その実績は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)増減率(%)受注残高(百万円)増減率(%)
装置事業1,857△47.1934△62.2

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)増減率(%)
材料事業98,986△3.5
装置事業3,83344.4
合計102,820△2.3

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.24,60323.424,28923.6

3 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日の資産・負債の計上および会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。
a. 貸倒引当金
当社グループは売掛債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。
b. 固定資産の減損
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。
c. 投資有価証券
当社グループは、時価のある有価証券と時価のない有価証券を所有しております。
時価のある有価証券は、決算日の市場価格等に基づき時価評価を行い、税効果調整後の評価差額を純資産の部のその他有価証券評価差額金に計上しております。
また、期末における時価等が取得原価に比べ50%以上下落した場合には原則減損処理を行い、30%~50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。一方、時価のない有価証券は、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して減損処理を行うこととしております。
なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。
d. 繰延税金資産
当社グループは、財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる金額に対し評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。繰延税金資産の実現の可能性により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
e. 退職給付に係る資産および負債
当社グループは、年金数理計算に基づいて退職給付に係る資産および負債ならびに退職給付費用を計上しております。年金数理計算は割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率等の前提条件に基づいて行われており、これらの前提条件の変更は連結財務諸表に影響を与えます。割引率の低下や年金資産運用における期待運用収益と実際運用収益の差異は、翌期以降の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況に関する経営者の視点による認識・分析・検討
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、1,864億86百万円で、前連結会計年度末に比べ35億29百万円増加いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ66億19百万円減少し、932億82百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が13億47百万円増加したものの、現金及び預金が96億87百万円減少したことが主な要因であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ101億48百万円増加し、932億4百万円となりました。これは、当社相模事業所における新研究開発棟および関連施設等の設備投資により有形固定資産が66億98百万円増加したことに加え、投資その他の資産では、投資有価証券が19億4百万円、退職給付に係る資産が11億38百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、347億53百万円で、前連結会計年度末に比べ26億53百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が10億36百万円減少したものの、長期借入金が12億72百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、1,517億33百万円で、前連結会計年度末に比べ8億75百万円増加いたしました。これは、配当金の支払により50億1百万円、自己株式の取得等により11億53百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益54億10百万円の確保およびその他の包括利益累計額が14億94百万円増加したことが主な要因であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は77.5%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財務状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
経営成績の分析
当連結会計年度の世界経済は、保護主義的な経済政策やそれに伴う通商摩擦が顕在化したことにより、一部のアジア地域で弱い動きとなっていましたが、全体として緩やかな回復基調を維持しました。一方、日本経済は、生産に弱さが見られる中においても、高水準な企業業績を背景に雇用・所得環境の改善が続くとともに、個人消費や企業の設備投資が底堅く推移し、総じて緩やかな景気回復基調を維持しました。
当社グループ製品の主な需要先であります半導体やディスプレイをはじめとするエレクトロニクス市場におきましては、データサーバーやスマートフォン等の需要鈍化による影響を受けたため前年を下回りました。
このような情勢下において当社グループは、新たな経営体制の下、2019年度を初年度とする3カ年の中期計画
「tok中期計画2021」に掲げた全社目標「TOKグループがやるべきニッチな市場を開拓する」を達成すべく、全社戦略である「顧客の声を的確に捉え、迅速に応え、顧客とのパイプを、より太く、より強いものとする」、「マーケティングを強化し、顧客の価値創造プロセスへの理解を深め、新たな価値創造に結び付ける」、「自ら調べ、自ら判断し、自ら行動できる人材を強化する」、「tok経営基盤を強化する」の遂行に総力をあげて取り組んでまいりました。
まず、当連結会計年度においては、米国企業や国内外の大学、国立研究機関等との協業による新製品の開発に努めるとともに、量産が開始された最先端半導体製造プロセスに使用されるEUV(極端紫外線)用フォトレジストや高機能な洗浄液の生産設備の増強投資を海外拠点で実施するなど、顧客の声に的確・迅速に応えるための取組みを推進してまいりました。また、新規事業分野においては、高耐熱性、高薬品耐性等を有する機能性フィルムの販売に努め、着実に成果を上げてまいりました。さらに、新たな価値の創出を目的として、主力開発拠点である相模事業所内に新研究開発棟および関連施設を建設し、運用を開始いたしました。
加えて、今後の当社グループを支える人材基盤を強化するための人事制度改革に取り組むとともに、従業員向けの研修を拡充するなど人材の活性化につながる施策を実施してまいりました。また、韓国向け輸出管理の厳格化にも対処したほか、経営の客観性・透明性を図るために、指名報酬諮問委員会の活動を推進することにより、コーポレートガバナンスの充実を図ったことに加え、子会社の吸収合併による業務の効率化を進めるなど、経営基盤の強化に努めてまいりました。
このような諸施策を講じてまいりましたが、半導体市場が前年を下回ったため、当連結会計年度の当社グループの売上高は、1,028億20百万円(前年度比2.3%減)となりました。利益面におきましては、売上減少に加え最先端半導体製造プロセスに使用される製品の量産準備に伴う人員増加等による経費増加の影響を受けましたため、営業利益は
95億46百万円(同9.1%減)、経常利益は97億7百万円(同9.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の増加と非支配株主に帰属する当期純利益の増加の影響等もありましたため54億10百万円(同21.3%減)となりました。
また、目標としている経営指標である連結ROE(自己資本利益率)につきましては、当連結会計年度における値は、3.7%となりました。引き続き収益性や資本効率の向上という企業価値拡大の観点から、この指標につきましても改善を進めて参ります。
事業別売上の概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、事業別の業績をより適切に評価管理するため、費用の配賦方法を変更し、全社費用の一部を材料事業へ配賦しております。これに伴い、以下の前年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後の事業区分に組み替えた数値で比較しております。
事業別の概況
(材料事業)
当事業の内部取引を除いた売上高は、989億86百万円(同3.5%減)、営業利益は134億62百万円(同8.8%減)となりました。これはエレクトロニクス機能材料部門は、前年同水準を維持することができたものの、高純度化学薬品部門の売上が、前年を下回ったことが主な要因であります。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高102,62198,986△3,635△3.5
営業利益14,76513,462△1,303△8.8

部門別の概況は、次のとおりであります。
[エレクトロニクス機能材料部門]
当部門の売上高は、前年度を下回る582億49百万円(前年度比0.9%減)となりました。これはディスプレイ用フォトレジストにおいて、中小型液晶パネルの需要が落ち込んだことによる影響を受け、売上が減少したことが主な要因であります。
一方、EUV(極端紫外線)用フォトレジストの売上は好調に推移したほか、これまでの拡販努力が奏功し、エキシマレーザー用フォトレジストの売上を伸ばすことができたため、半導体用フォトレジストの売上は前年度を上回ることができました。加えて、高密度実装材料においては、顧客ニーズを的確に捉えた研究開発・営業活動が実を結び、MEMS(微小電気機械システム)用フォトレジストの販売が増加したことから、売上を伸ばすことができました。
[高純度化学薬品部門]
当部門の売上高は、前年度を下回る406億74百万円(同7.0%減)となりました。これは、台湾向けの最先端半導体製造プロセスに使用される半導体用フォトレジスト付属薬品の販売が減少したことが主な要因であります。
加えて、ディスプレイ用フォトレジスト付属薬品においても、ディスプレイ市場の縮小から販売が低迷し、売上が減少しました。
(装置事業)
[プロセス機器部門]
当部門の内部取引を除いた売上高は、前年度を上回る38億33百万円(前年度比44.4%増)、営業損失は、前年度比5億96百万円改善し、2億86百万円となりました。これは、高機能、高性能な半導体を実現するシリコン貫通電極形成プロセスなどに使用されるウエハハンドリングシステム「ゼロニュートンⓇ」等の出荷済み装置の検収が好調に推移したためです。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高2,6553,8331,17844.4
営業損失(△)△883△286596-

b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因として、当連結会計年度末現在において以下のとおりと認識しております。
当社グループが事業展開する業界は、素材価格の変動や販売価格の低下の動きが見られるほか、技術革新が速く製品ライフサイクルが短くなり、一方で研究開発用機器は高額化してきております。また、当社グループにおいては海外事業の進展に伴い、為替相場の変動による影響や各国における各種法令の重大な改変または遵守できなかった場合等、海外での事業活動を取り巻く様々なリスクが顕在化するという事態も懸念されます。加えて、当社グループが提供している多数の製品をユーザーが使用する過程において、欠陥により不具合が生じた場合、原則として生産物責任賠償保険での対応を行いますが、負担金額すべてを保険金でカバーできず、経営成績に重要な影響を与える可能性もあります。
c. 資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ15億67百万円減少の127億43百万円の資金収入となりました。これはたな卸資産が13億82百万円、仕入債務が20億36百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ92億72百万円増加の172億86百万円の資金投下となりました。これは有形固定資産の取得による支出が82億82百万円増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ101億22百万円減少の57億89百万円の資金支出となりました。これは長期借入れによる収入が86億28百万円減少したことに加え、配当金の支払額が21億47百万円増加したことが主な要因であります。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の398億51百万円から106億21百万円減少の292億29百万円となりました。
財務政策
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料購入や労務費の製造費用のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費であります。当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金または借入により資金調達することとしております。

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