訂正有価証券報告書-第91期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/05/31 16:01
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【項目】
154項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載しております。
②生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)増減率(%)
材料事業102,38416.6
装置事業2,177△50.4
合計104,56213.4

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社および連結子会社は、基本的には見込生産を行っております。ただし、装置事業は受注生産であり、その実績は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)増減率(%)受注残高(百万円)増減率(%)
装置事業1,724△7.2476△49.0

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)増減率(%)
材料事業114,77315.9
装置事業2,811△26.7
合計117,58514.4

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.24,28923.631,32126.6

3 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況に関する経営者の視点による認識・分析・検討
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、2,011億85百万円で、前連結会計年度末に比べ146億99百万円増加いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ36億61百万円増加し969億43百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が24億15百万円増加し、現金及び預金も14億16百万円増加したことが主な要因であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ110億38百万円増加し1,042億42百万円となりました。これは、投資その他の資産における長期預金が100億円増加し、投資有価証券が27億89百万円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、411億91百万円で、前連結会計年度末に比べ64億38百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が34億円増加し、繰延税金負債が11億58百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、1,599億94百万円で、前連結会計年度末に比べ82億60百万円増加いたしました。これは、配当金の支払により50億7百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益99億26百万円を確保したことが主な要因であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は75.3%となりました。
経営成績の分析
当連結会計年度の世界経済ならびに日本経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に伴い、経済活動が抑制されたことにより、前年景気を下回る状況となりました。
当社グループ製品の主な需要先であります半導体やディスプレイをはじめとするエレクトロニクス市場におきましては、5GやIoT等の普及に加え、テレワークの増加やクラウドサービス利用の拡大等により、パソコンやデータサーバー向けの半導体需要が堅調に推移しました。
このような情勢下において当社グループは、2021年度を最終年度とする3カ年の中期計画「tok中期計画2021」に掲げた全社目標「TOKグループがやるべきニッチな市場を開拓する」を達成すべく、全社戦略である「顧客の声を的確に捉え、迅速に応え、顧客とのパイプを、より太く、より強いものとする」、「マーケティングを強化し、顧客の価値創造プロセスへの理解を深め、新たな価値創造に結び付ける」、「自ら調べ、自ら判断し、自ら行動できる人材を強化する」、「tok経営基盤を強化する」の遂行に総力をあげて取り組んでまいりました。また、取締役社長を対策本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、当社グループ全体でテレワーク推奨や国内外出張の自粛または延期等の感染症拡大防止に向けた措置を講じながら、事業活動の継続に取り組んでまいりました。
まず、当連結会計年度においては、高度化する顧客の要求に応えるべく、主力開発拠点である相模事業所の新研究開発棟に最新鋭のクリーンルームを設置し、次世代半導体材料の品質向上や生産技術向上を加速させるための専門組織を発足するなど、体制の強化を図ってまいりました。また、感染症拡大防止に最大限配慮した中で、アジア地域での半導体市場の成長を見据え、営業活動や技術サポートの強化を進めるなど、顧客の声に的確・迅速に応えるための取組みを推進してまいりました。
次に、既存事業分野におけるマーケティングを強化するとともに新規ニーズを開拓するための組織を新設し、将来の価値創造を高める基盤作りを進めてまいりました。また、新規事業分野においては、機能性フィルムの販売継続に加え、外部機関との協業の成果となる遺伝子診断や創薬の発展に貢献する次世代ライフサイエンス向け材料の販売を開始いたしました。
加えて、今後の当社グループを支える人材基盤を強化するため、人事制度改革に継続して取り組むとともに、人材の活性化を目的とした従業員向けの研修体制を拡充するなどの諸施策に取り組んでまいりました。
さらに、経営の透明性および健全性を高めるために、指名報酬諮問委員会等の活動を推進したほか、「100年企業」の実現に向け、持続的な企業価値向上と社会との共有価値創造のため、新たにCSR方針(人権、倫理・腐敗防止、環境、労働安全衛生、CSR調達に関する方針)を策定するなど、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいりました。加えて、キャッシュ創出力の最大化に向け、新たな経営指標の導入に取り組み、バランスシートマネジメントを推進するなど、経営基盤の強化に努めてまいりました。
これらの取組みを推進したうえで、当社グループは、今後の活動を未来起点で考え、「豊かな未来、社会の期待に化学で応える“The e-Material Global Company”」という経営ビジョンを掲げ、2030年に向けた長期ビジョン
「TOK Vision 2030」を策定いたしました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、過去最高となる1,175億85百万円(前年度比14.4%増)となりました。利益面におきましては、高付加価値製品の売上増加に加え、原油価格下落に伴う原材料費低減や減価償却費等の経費減少により、営業利益は155億89百万円(同63.3%増)、経常利益は161億29百万円(同66.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は99億26百万円(同83.5%増)となり、いずれも過去最高益を更新することができました。
また、目標としている経営指標である連結ROE(自己資本利益率)につきましては、当連結会計年度における値は、6.7%となりました。引き続き収益性や資本効率の向上という企業価値拡大の観点から、この指標につきましても改善を進めて参ります。
事業別売上の概況は、次のとおりであります。
事業別の概況
(材料事業)
当事業の内部取引を除いた売上高は、1,147億73百万円(前年度比15.9%増)、営業利益は203億95百万円(同51.5%増)となりました。これは、エレクトロニクス機能材料、高純度化学薬品の販売が好調に推移したことが主な要因であります。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高98,986114,77315,78615.9
営業利益13,46220,3956,93351.5

部門別の概況は、次のとおりであります。
[エレクトロニクス機能材料部門]
当部門の売上高は、前年度を大幅に上回る658億78百万円(同13.1%増)となりました。これは、中小型液晶パネルの需要環境が変化したことにより、ディスプレイ用フォトレジストの売上が減少したものの、パソコンやデータサーバー向けなどの旺盛な半導体需要に支えられ、アジア地域において半導体用フォトレジストや高密度実装材料の販売が好調に推移し、売上が増加したことが主な要因であります。
[高純度化学薬品部門]
当部門の売上高は、前年度を大幅に上回る487億32百万円(同19.8%増)となりました。これは、中小型液晶パネルの需要環境が変化したことにより、ディスプレイ用フォトレジスト付属薬品の売上が減少したものの、最先端半導体製造プロセスに使用される台湾向けの半導体用フォトレジスト付属薬品の販売が好調に推移し、売上が増加したことが主な要因であります。
(装置事業)
[プロセス機器部門]
当部門の内部取引を除いた売上高は、前年度を下回る28億11百万円(前年度比26.7%減)となりました。これはウエハハンドリングシステム「ゼロニュートンⓇ」や半導体製造装置の検収が前年度を下回ったことが主な要因であります。
(単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高3,8332,811△1,022△26.7
営業損失(△)△286△310△23-

b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因として、当連結会計年度末現在において以下のとおりと認識しております。
当社グループが事業展開する業界は、素材価格の変動や販売価格の低下の動きが見られるほか、技術革新が速く製品ライフサイクルが短くなり、一方で研究開発用機器は高額化してきております。また、当社グループにおいては海外事業の進展に伴い、為替相場の変動による影響や各国における各種法令の重大な改変または遵守できなかった場合等、海外での事業活動を取り巻く様々なリスクが顕在化するという事態も懸念されます。加えて、当社グループが提供している多数の製品をユーザーが使用する過程において、欠陥により不具合が生じた場合、原則として生産物責任賠償保険での対応を行いますが、負担金額すべてを保険金でカバーできず、経営成績に重要な影響を与える可能性もあります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ102億9百万円増加の229億53百万円の資金収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益が66億92百万円増加し、仕入債務の増減額が39億37百万円増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ138億5百万円減少の34億81百万円の資金投下となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が88億92百万円減少したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1億48百万円増加の59億37百万円の資金支出となりました。これは、長期借入れによる収入が13億72百万円減少した一方、自己株式の取得による支出が13億69百万円減少したことが主な要因であります。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ134億98百万円増加の427億28百万円となりました。
財務政策
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料購入や労務費の製造費用のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費であります。当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金または借入により資金調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日の資産・負債の計上および会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。
a. 貸倒引当金
当社グループは売掛債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。
b. 固定資産の減損
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。
c. 投資有価証券
当社グループは、時価のある有価証券と時価のない有価証券を所有しております。
時価のある有価証券は、決算日の市場価格等に基づき時価評価を行い、税効果調整後の評価差額を純資産の部のその他有価証券評価差額金に計上しております。
また、期末における時価等が取得原価に比べ50%以上下落した場合には原則減損処理を行い、30%~50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。一方、時価のない有価証券は、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して減損処理を行うこととしております。
なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。
d. 繰延税金資産
当社グループは、財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる金額に対し評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。繰延税金資産の実現の可能性により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
e. 退職給付に係る資産および負債
当社グループは、年金数理計算に基づいて退職給付に係る資産および負債ならびに退職給付費用を計上しております。年金数理計算は割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率等の前提条件に基づいて行われており、これらの前提条件の変更は連結財務諸表に影響を与えます。割引率の低下や年金資産運用における期待運用収益と実際運用収益の差異は、翌期以降の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

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