有価証券報告書-第159期(2024/04/01-2025/03/31)
②戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
経営戦略・事業戦略を実現するためには、組織及び人財の競争力を高める必要があります。そのため、人事戦略の大きな柱を、「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」と「人財が活躍するための施策」としました。人事戦略の全体像は、次のとおりです。
[人事戦略の全体像]
■「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」とそれに関する取り組みの狙い
a.社内グローバル人財の最大限活用
b.人財ポートフォリオの最適化
c.社員のキャリア自律
これらを達成するため、日本を含むグローバルにおいては適所適材を実現するための施策、日本国内においては、職務に基づく評価・処遇制度(いわゆるジョブ型の人事制度)への改定等を進めていきます。
■「人財が活躍するための施策」とそれに関する取り組みの狙い
d.多様な視点からのイノベーション促進
e.社員エンゲージメント向上
帝人グループの多様な人財が、自らの能力やスキルを最大限に発揮し生き生きと活躍できる環境を作るため、多様性をより一層富ませるとともに、社員エンゲージメントの阻害要因を特定し、改善アクションを設定、かつそれを実行していくことで、社員エンゲージメントの向上を図っていきます。
グループ全体の経営戦略に基づく各事業戦略の実行に適した組織を設計し、それぞれのポジションの職務を定義し、事業戦略を実行する人財を適所適材で確保し、グローバルで職務に適した処遇を行っていくことで、戦略の実現及び事業競争力の強化を目指しています。併せて、帝人グループに集う多様な人財が、経験や価値観等からアイデアや考えを出し合い、時には衝突しながらも、それを乗り越えてより良いソリューションやイノベーションを創出していくとともに、多様な人財がエンゲージメント高く生き生きと活躍し、自分らしいキャリアを実現していくための施策を実行しています。また、社員のキャリア自律を促すこと、グローバル適所適材を推進することにより、事業戦略に貢献する人財ポートフォリオを構築し、企業価値向上を図っていきます。
上記を実現するために、2024年度は主に以下の取り組みを進めました。
1)日本を含むグローバルでの適所適材の推進
[推進策の全体像]

a.戦略の実装に向けた組織設計
2024年度は、「帝人グループ 中期経営計画2024-2025」の事業ポートフォリオ変革に基づく事業構造改革を行い、事業戦略の早期実現に向けて事業ごとに最適な組織の在り方を検討してきました。2025年度以降は、事業ごとに設計した組織改変を着実に実施することに加え、海外を含めた帝人グループ全体で管理職以上のジョブグレードを整合させるための第一段階として、海外/国内の主要会社を対象にグローバルで共通のグレードを設定し、人財のモビリティの向上を目指します。
b.人財ポートフォリオの構築、最適化
事業戦略の早期実現に向けて、DX人財・グローバル人財・専門人財などの経営戦略・事業戦略の実現に必要なスキルや経験等を洗い出して整理し、各種スキルの強化・育成を進めています。
c.コアポストのサクセッションプランニングの遂行
役員のポストについては、各役員がサクセッションプランを策定した後、CEO及び人事・総務/サステナビリティ管掌との三者面談で確認したうえ、グループ人事/D&I会議にて議論をするというプロセスによって、サクセッションプランのアップデートを行い、そのギャップを埋めるための施策(採用、配置、人財開発)を実行しています。グループ人事/D&I会議の中で、役員ポジションを起点としたサクセッションプランにおけるコアポスト就任候補者の外部採用の可能性や、社内サクセッサーの戦略的配置についても議論し、ポジションに就任させるまでの育成を加速しています。部門長クラスについては、部門長本人がサクセッションプランを策定した後、各役員がアップデートさせ、人事・総務/サステナビリティ管掌と役員との事業別人事会議で議論を実施し、戦略的配置のほか、サクセッサー候補者の人財開発のための個別育成を実施します。2024年度はプランを着実に実行することで、ポストごとに設定している必要サクセッサー候補者数のカバー率(*)は2023年度74%から、2024年度は84%に向上しました。
* サクセッサーカバー率は、候補者数÷(ポスト数×各ポストに必要な候補者数(最大7名))で算出
d.グローバルジョブポスティングの拡充
社員がグローバルで自律的にキャリア形成できるよう、また、グローバルでの適所適材を推進する施策として、社内公募をグローバルに展開しています。2024年度は、日本とオランダの計4ポジションに対し、日本・ヨーロッパ・アメリカ・アジアから計6名の応募がありましたが、職務内容や期待役割、労働条件等とのマッチング不足から成立には至りませんでした。しかしながら、グローバルでの自律的なキャリア機会を社員に提供していくという会社の姿勢の明示に繋がりました。
また、日本では、1990年代から社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」を実施しておりますが、2023年度より社内公募の活性化とともに社内のキャリア機会を知ってもらう取り組み「ジョブポスティングウィーク」(公募している部署の所属長がオンライン説明会などにより、職場や仕事の内容を紹介し、参加者と双方向のコミュニケーションをとることのできるイベント)を実施しています。
2024年度の募集件数は、日本とグローバル合計で105件となり、今後はグローバルでのジョブポスティングの一層の拡大を図っていきます。
2)日本における人事制度改革
[推進策の全体像]

a.職務に基づく評価・処遇の実現
2023年4月に役員層について、ポジションにおける役割・責任と処遇の関連性を明確にしたジョブ型人事・評価を導入しました。次いで、2024年4月に部門長以上の管理職について、職務の大きさ(幅、難易度、責任の重さなど)に応じて処遇を決める処遇制度に移行しました。2024年度は、その対象を広げ、部長以下の管理職についても移行に向けた準備を進め、2025年4月より制度運用を開始します。
これらの制度改定により、ポジションの職務内容を明確化し、職務に応じた処遇を実現することで、優秀人財の採用力を強化し、また社内では、適所適材となる人財配置や、個別の人財開発を促進します。
b. タレントアクイジション戦略
戦略を実現し、事業競争力を高めるためには、専門性の高い人財を獲得していく必要があります。帝人・帝人ファーマの2024年度の入社者におけるキャリア採用の割合は59.8%でした。2025年度以降、採用方法の多様化を進め、事業のニーズに適した専門性の高い人財の確実な採用を図っていきます。
c.自律的なキャリア形成/成長支援
社員の自律的なキャリア形成を促すことは、会社と社員の健全な関係のベースとなるものであり、社員の社内・市場競争力を高めるための努力は、企業価値の向上に大きな貢献をするものであると考えています。
2025年度より、旧来の自己申告制度を改修し、今後のキャリア形成について本人・上司が話し合う場としてのキャリア面談制度を本格的に開始します。キャリア形成は自己責任ではあるものの、会社はキャリア形成をし易い環境を整えるなど、社員のキャリア自律を最大限にサポートする責任があります。2024年度は本格開始に先駆けて、「上司(面談者)向けキャリア面談の進め方研修」を開始し、2024年度内で128名の管理職の履修がありました。
また、前記「1) d. グローバルジョブポスティングの拡充」のジョブポスティングウィークでは、公募している部署の所属長が自身の部署と仕事の魅力をPRすることで、社内にどのようなキャリアの可能性があるのかを示しています。
このように、今後も社員の自律的なキャリア形成・成長支援を行っていきます。
3)人財が活躍するための施策
グローバルで帝人グループに集う多様な社員が、自らの能力やスキルを最大限に発揮し生き生きと働き活躍することが必要であり、社員が活躍できる環境を作るため、「DE&Iの推進」と「社員エンゲージメントの向上」を進めています。
a.DE&Iの推進
帝人グループは、多様な人財を活用することが創造性を高め、イノベーションを促進すると考え、2000年より女性の活躍の推進、外国籍の社員の採用などに積極的に取り組んできました。事業のグローバル化に伴い、日本を中心とした取り組みを世界に広げ、役員層の多様性推進のためのKPIを設定しています。役員候補のパイプライン形成、また部課長として活躍している女性を増やすため、事業本部ごとに女性部課長の比率目標を設定し、事業本部内での計画的な育成と登用を実施しています。また、女性が自分らしいリーダーシップを発揮できるよう、2024年度より企業横断クロスメンタリングを実施し、メンターからのアドバイスや示唆を受けて実際の業務の中で実行するというPDCAサイクルの中で、リーダーとしての成長を促しています。
帝人グループでは、毎年エンゲージメントサーベイを実施していますが、2023年度に実施したサーベイの結果からDE&Iの方針や考え方のグローバルでの浸透度に課題があることが分かり、2024年度は、下記「b.社員エンゲージメントの向上」に記載の通り、トップダウンとボトムアップ双方の取り組みを継続し、DE&Iの浸透と意識の向上を図っています。
障がい者活躍に関しては、特例子会社の帝人ソレイユで野菜・バラ・胡蝶蘭を中心とした農業事業と、オフィスサポート事業を実施し、障がい者一人ひとりの特性に応じた活躍の場を作っています。ハンディキャップがあってもそれぞれの持つ能力を最大限発揮することで、会社・事業に貢献するだけでなく、自らが経済社会を構成する労働者の一員であることに“やりがい”と“誇り”を感じられることを目指しています。特に農業事業においては売上増加及び営業利益黒字化を目標に販売拡大に取り組んでいます。なお、2025年3月時点での帝人・帝人ファーマ・帝人ヘルスケア・帝人ソレイユにおける障がい者の雇用率は2.86%で、法定雇用率である2.5%を上回っています。2021年度にはノウフク・アワード(*1)で特例子会社として初のチャレンジ賞を受賞、2023年度は「もにす認定」(*2)を受けました。
また、LGBTQ+当事者の活躍のため、2017年以降、①会社としての方針明示、②社員への啓発活動、③当事者に配慮した人事給与の制度改定、④当事者への支援の取り組みを実施してきました。①及び③は既に実施済であることから、②については、社員への関連映画や動画の展開、階層研修のテーマとして取り扱うなどの啓発活動に取り組み、④については当事者との個別相談などの支援を継続して実施しています。
上記のとおり、これまでは、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)を推進しておりましたが、社員の属性やニーズがさらに多様化している状況の中、今後は、一人ひとりがパフォーマンスを発揮できるよう、個々に合わせて支援内容を調整し、公平な土台をつくり上げる「エクイティ(公平性)」の施策も検討、実施しています。
*1 障がい者をはじめとする多様な人々が農林水産業などの分野で活躍することを通じて持続可能な共生社会を生み出す農福連携(自然・農林水産業と人・福祉の連携)の取り組みを表彰する制度
*2 障がい者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な事業主を、厚生労働大臣が認定する制度
[DE&I施策の全体像]

b.社員エンゲージメントの向上
事業戦略の実現には、社員一人ひとりが会社の理念に共感し、自身の仕事にやりがいを持って意欲的に取り組むエンゲージメントの高い組織を築く必要があり、年に1回、エンゲージメントサーベイを実施しています。
特に、事業ポートフォリオ変革やグローバル経営基盤強化等に取り組んでいる中、帝人グループ全体で“One Teijin”としてシナジーを創出することが急務であると考え、地域や事業ごとの取り組みに加え、グループ全体の強みと機会を特定し、エンゲージメントの向上に向けた取り組みを推進しています。2024年度は、日本・海外のグループ社員約19,500人を対象として実施し、回答率は76%と前年比+5%増加、エンゲージメントスコアは64と前年比2スコア上昇しました。すべての質問、事業、地域において前年比でスコアが改善もしくは維持されており、全社的にエンゲージメントの向上が見られました。
2024年度以降は、エンゲージメントスコアのKPIを設定することで、役員自らがエンゲージメント向上へコミットし、改善へ向けた取り組みを責任を持ってリードする体制を整えています。また、部課単位でのエンゲージメントサーベイの結果は上司から所属する社員にも共有され、チーム全体で改善点を対話した上で、対策を決定・実行することで、社員一人ひとりがエンゲージメント向上に向けた取り組みを進めています。
グループ全体のエンゲージメントスコアは社内イントラネット上に公開し、“One Teijin”でエンゲージメントの高い組織を築いていけるよう情報提供を進めています。
また、サーベイを通じて、社員からは部門や事業を超えたコミュニケーション機会を増やしていくことに期待する声が多く寄せられました。コミュニケーションに関しては、グループ全体でのタウンホールの開催や、パーパスワークショップを実施することで、社員一人ひとりが考えや想いを共有する場を定期的に設けており、グループ全体でコミュニケーション機会の創出に努めています。今後も現場の社員から役員層まで、全階層を巻き込んだ取り組みを推進することで、エンゲージメントの高い競争力のある組織を目指していきます。
経営戦略・事業戦略を実現するためには、組織及び人財の競争力を高める必要があります。そのため、人事戦略の大きな柱を、「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」と「人財が活躍するための施策」としました。人事戦略の全体像は、次のとおりです。
[人事戦略の全体像]
■「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」とそれに関する取り組みの狙いa.社内グローバル人財の最大限活用
b.人財ポートフォリオの最適化
c.社員のキャリア自律
これらを達成するため、日本を含むグローバルにおいては適所適材を実現するための施策、日本国内においては、職務に基づく評価・処遇制度(いわゆるジョブ型の人事制度)への改定等を進めていきます。
■「人財が活躍するための施策」とそれに関する取り組みの狙い
d.多様な視点からのイノベーション促進
e.社員エンゲージメント向上
帝人グループの多様な人財が、自らの能力やスキルを最大限に発揮し生き生きと活躍できる環境を作るため、多様性をより一層富ませるとともに、社員エンゲージメントの阻害要因を特定し、改善アクションを設定、かつそれを実行していくことで、社員エンゲージメントの向上を図っていきます。
グループ全体の経営戦略に基づく各事業戦略の実行に適した組織を設計し、それぞれのポジションの職務を定義し、事業戦略を実行する人財を適所適材で確保し、グローバルで職務に適した処遇を行っていくことで、戦略の実現及び事業競争力の強化を目指しています。併せて、帝人グループに集う多様な人財が、経験や価値観等からアイデアや考えを出し合い、時には衝突しながらも、それを乗り越えてより良いソリューションやイノベーションを創出していくとともに、多様な人財がエンゲージメント高く生き生きと活躍し、自分らしいキャリアを実現していくための施策を実行しています。また、社員のキャリア自律を促すこと、グローバル適所適材を推進することにより、事業戦略に貢献する人財ポートフォリオを構築し、企業価値向上を図っていきます。
上記を実現するために、2024年度は主に以下の取り組みを進めました。
1)日本を含むグローバルでの適所適材の推進
[推進策の全体像]

a.戦略の実装に向けた組織設計
2024年度は、「帝人グループ 中期経営計画2024-2025」の事業ポートフォリオ変革に基づく事業構造改革を行い、事業戦略の早期実現に向けて事業ごとに最適な組織の在り方を検討してきました。2025年度以降は、事業ごとに設計した組織改変を着実に実施することに加え、海外を含めた帝人グループ全体で管理職以上のジョブグレードを整合させるための第一段階として、海外/国内の主要会社を対象にグローバルで共通のグレードを設定し、人財のモビリティの向上を目指します。
b.人財ポートフォリオの構築、最適化
事業戦略の早期実現に向けて、DX人財・グローバル人財・専門人財などの経営戦略・事業戦略の実現に必要なスキルや経験等を洗い出して整理し、各種スキルの強化・育成を進めています。
c.コアポストのサクセッションプランニングの遂行
役員のポストについては、各役員がサクセッションプランを策定した後、CEO及び人事・総務/サステナビリティ管掌との三者面談で確認したうえ、グループ人事/D&I会議にて議論をするというプロセスによって、サクセッションプランのアップデートを行い、そのギャップを埋めるための施策(採用、配置、人財開発)を実行しています。グループ人事/D&I会議の中で、役員ポジションを起点としたサクセッションプランにおけるコアポスト就任候補者の外部採用の可能性や、社内サクセッサーの戦略的配置についても議論し、ポジションに就任させるまでの育成を加速しています。部門長クラスについては、部門長本人がサクセッションプランを策定した後、各役員がアップデートさせ、人事・総務/サステナビリティ管掌と役員との事業別人事会議で議論を実施し、戦略的配置のほか、サクセッサー候補者の人財開発のための個別育成を実施します。2024年度はプランを着実に実行することで、ポストごとに設定している必要サクセッサー候補者数のカバー率(*)は2023年度74%から、2024年度は84%に向上しました。
* サクセッサーカバー率は、候補者数÷(ポスト数×各ポストに必要な候補者数(最大7名))で算出
d.グローバルジョブポスティングの拡充
社員がグローバルで自律的にキャリア形成できるよう、また、グローバルでの適所適材を推進する施策として、社内公募をグローバルに展開しています。2024年度は、日本とオランダの計4ポジションに対し、日本・ヨーロッパ・アメリカ・アジアから計6名の応募がありましたが、職務内容や期待役割、労働条件等とのマッチング不足から成立には至りませんでした。しかしながら、グローバルでの自律的なキャリア機会を社員に提供していくという会社の姿勢の明示に繋がりました。
また、日本では、1990年代から社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」を実施しておりますが、2023年度より社内公募の活性化とともに社内のキャリア機会を知ってもらう取り組み「ジョブポスティングウィーク」(公募している部署の所属長がオンライン説明会などにより、職場や仕事の内容を紹介し、参加者と双方向のコミュニケーションをとることのできるイベント)を実施しています。
2024年度の募集件数は、日本とグローバル合計で105件となり、今後はグローバルでのジョブポスティングの一層の拡大を図っていきます。
2)日本における人事制度改革
[推進策の全体像]

a.職務に基づく評価・処遇の実現
2023年4月に役員層について、ポジションにおける役割・責任と処遇の関連性を明確にしたジョブ型人事・評価を導入しました。次いで、2024年4月に部門長以上の管理職について、職務の大きさ(幅、難易度、責任の重さなど)に応じて処遇を決める処遇制度に移行しました。2024年度は、その対象を広げ、部長以下の管理職についても移行に向けた準備を進め、2025年4月より制度運用を開始します。
これらの制度改定により、ポジションの職務内容を明確化し、職務に応じた処遇を実現することで、優秀人財の採用力を強化し、また社内では、適所適材となる人財配置や、個別の人財開発を促進します。
b. タレントアクイジション戦略
戦略を実現し、事業競争力を高めるためには、専門性の高い人財を獲得していく必要があります。帝人・帝人ファーマの2024年度の入社者におけるキャリア採用の割合は59.8%でした。2025年度以降、採用方法の多様化を進め、事業のニーズに適した専門性の高い人財の確実な採用を図っていきます。
c.自律的なキャリア形成/成長支援
社員の自律的なキャリア形成を促すことは、会社と社員の健全な関係のベースとなるものであり、社員の社内・市場競争力を高めるための努力は、企業価値の向上に大きな貢献をするものであると考えています。
2025年度より、旧来の自己申告制度を改修し、今後のキャリア形成について本人・上司が話し合う場としてのキャリア面談制度を本格的に開始します。キャリア形成は自己責任ではあるものの、会社はキャリア形成をし易い環境を整えるなど、社員のキャリア自律を最大限にサポートする責任があります。2024年度は本格開始に先駆けて、「上司(面談者)向けキャリア面談の進め方研修」を開始し、2024年度内で128名の管理職の履修がありました。
また、前記「1) d. グローバルジョブポスティングの拡充」のジョブポスティングウィークでは、公募している部署の所属長が自身の部署と仕事の魅力をPRすることで、社内にどのようなキャリアの可能性があるのかを示しています。
このように、今後も社員の自律的なキャリア形成・成長支援を行っていきます。
3)人財が活躍するための施策
グローバルで帝人グループに集う多様な社員が、自らの能力やスキルを最大限に発揮し生き生きと働き活躍することが必要であり、社員が活躍できる環境を作るため、「DE&Iの推進」と「社員エンゲージメントの向上」を進めています。
a.DE&Iの推進
帝人グループは、多様な人財を活用することが創造性を高め、イノベーションを促進すると考え、2000年より女性の活躍の推進、外国籍の社員の採用などに積極的に取り組んできました。事業のグローバル化に伴い、日本を中心とした取り組みを世界に広げ、役員層の多様性推進のためのKPIを設定しています。役員候補のパイプライン形成、また部課長として活躍している女性を増やすため、事業本部ごとに女性部課長の比率目標を設定し、事業本部内での計画的な育成と登用を実施しています。また、女性が自分らしいリーダーシップを発揮できるよう、2024年度より企業横断クロスメンタリングを実施し、メンターからのアドバイスや示唆を受けて実際の業務の中で実行するというPDCAサイクルの中で、リーダーとしての成長を促しています。
帝人グループでは、毎年エンゲージメントサーベイを実施していますが、2023年度に実施したサーベイの結果からDE&Iの方針や考え方のグローバルでの浸透度に課題があることが分かり、2024年度は、下記「b.社員エンゲージメントの向上」に記載の通り、トップダウンとボトムアップ双方の取り組みを継続し、DE&Iの浸透と意識の向上を図っています。
障がい者活躍に関しては、特例子会社の帝人ソレイユで野菜・バラ・胡蝶蘭を中心とした農業事業と、オフィスサポート事業を実施し、障がい者一人ひとりの特性に応じた活躍の場を作っています。ハンディキャップがあってもそれぞれの持つ能力を最大限発揮することで、会社・事業に貢献するだけでなく、自らが経済社会を構成する労働者の一員であることに“やりがい”と“誇り”を感じられることを目指しています。特に農業事業においては売上増加及び営業利益黒字化を目標に販売拡大に取り組んでいます。なお、2025年3月時点での帝人・帝人ファーマ・帝人ヘルスケア・帝人ソレイユにおける障がい者の雇用率は2.86%で、法定雇用率である2.5%を上回っています。2021年度にはノウフク・アワード(*1)で特例子会社として初のチャレンジ賞を受賞、2023年度は「もにす認定」(*2)を受けました。
また、LGBTQ+当事者の活躍のため、2017年以降、①会社としての方針明示、②社員への啓発活動、③当事者に配慮した人事給与の制度改定、④当事者への支援の取り組みを実施してきました。①及び③は既に実施済であることから、②については、社員への関連映画や動画の展開、階層研修のテーマとして取り扱うなどの啓発活動に取り組み、④については当事者との個別相談などの支援を継続して実施しています。
上記のとおり、これまでは、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)を推進しておりましたが、社員の属性やニーズがさらに多様化している状況の中、今後は、一人ひとりがパフォーマンスを発揮できるよう、個々に合わせて支援内容を調整し、公平な土台をつくり上げる「エクイティ(公平性)」の施策も検討、実施しています。
*1 障がい者をはじめとする多様な人々が農林水産業などの分野で活躍することを通じて持続可能な共生社会を生み出す農福連携(自然・農林水産業と人・福祉の連携)の取り組みを表彰する制度
*2 障がい者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な事業主を、厚生労働大臣が認定する制度
[DE&I施策の全体像]

b.社員エンゲージメントの向上
事業戦略の実現には、社員一人ひとりが会社の理念に共感し、自身の仕事にやりがいを持って意欲的に取り組むエンゲージメントの高い組織を築く必要があり、年に1回、エンゲージメントサーベイを実施しています。
特に、事業ポートフォリオ変革やグローバル経営基盤強化等に取り組んでいる中、帝人グループ全体で“One Teijin”としてシナジーを創出することが急務であると考え、地域や事業ごとの取り組みに加え、グループ全体の強みと機会を特定し、エンゲージメントの向上に向けた取り組みを推進しています。2024年度は、日本・海外のグループ社員約19,500人を対象として実施し、回答率は76%と前年比+5%増加、エンゲージメントスコアは64と前年比2スコア上昇しました。すべての質問、事業、地域において前年比でスコアが改善もしくは維持されており、全社的にエンゲージメントの向上が見られました。
2024年度以降は、エンゲージメントスコアのKPIを設定することで、役員自らがエンゲージメント向上へコミットし、改善へ向けた取り組みを責任を持ってリードする体制を整えています。また、部課単位でのエンゲージメントサーベイの結果は上司から所属する社員にも共有され、チーム全体で改善点を対話した上で、対策を決定・実行することで、社員一人ひとりがエンゲージメント向上に向けた取り組みを進めています。
グループ全体のエンゲージメントスコアは社内イントラネット上に公開し、“One Teijin”でエンゲージメントの高い組織を築いていけるよう情報提供を進めています。
また、サーベイを通じて、社員からは部門や事業を超えたコミュニケーション機会を増やしていくことに期待する声が多く寄せられました。コミュニケーションに関しては、グループ全体でのタウンホールの開催や、パーパスワークショップを実施することで、社員一人ひとりが考えや想いを共有する場を定期的に設けており、グループ全体でコミュニケーション機会の創出に努めています。今後も現場の社員から役員層まで、全階層を巻き込んだ取り組みを推進することで、エンゲージメントの高い競争力のある組織を目指していきます。