有価証券報告書-第120期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/25 9:14
【資料】
PDFをみる
【項目】
168項目
② 戦略
中期経営計画「K27」において、花王グループは、持続可能な社会に欠かせない企業となることを基本方針の中核に据え、利益あるグローバル成長と中長期の企業価値向上を目指しています。すなわち花王のサステナビリティは、環境・社会価値の創出を事業成長と一体で推進し、経済合理性のもと、持続的な競争優位の確立と企業価値向上につなげる取り組みです。その土台となるESG戦略が「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」であり、ESG視点で「よきモノづくり」を進化させ、中長期の企業価値向上に影響するリスクの低減と機会の創出を通じて、利益ある成長と持続可能な社会への貢献の両立を目指します。
また、価値の最大化と環境・社会負荷の最小化を同時に追求しながら事業成長を促進する考え方として「Maximum with minimum」を掲げ、事業活動全体で実装を進めています。
KLPが「K27」を強化する5つの観点
KLPは、以下5つの観点から「K27」の4つの戦略フレームワークを多角的に強化し、利益ある成長と社会課題解決を実現します。
①グローバルに将来の生活者ニーズを的確に捉え、事業を強化
多様な生活者ニーズや社会課題の深刻化を踏まえ、社会的有用性の高い市場機会を先取りし、花王ならではの技術や製品の独自性を発揮して競争力を高めます。その結果、新たな付加価値創出と「グローバル・シャープトップ」事業の構築に貢献します。
②グローバル展開に必要な人財力を強化
多様な生活者課題に応じた価値提案を実現できる人財を育成し、独自技術・製品価値をグローバルで最大限発揮できる組織運営を進め、「グローバル・シャープトップ」な人財力を強化します。
③グローバルな視点で将来リスクと機会を的確に反映した投資を最適化
ESGに関するリスク低減と機会創出を通じて事業のレジリエンスを高め、社会的有用性が高く花王独自の価値が発揮できる領域に資本を重点的に配分し、「資本効率/収益性の改善」を促します。
④パートナーとの相互共感を高め、共創を強化
花王だけでは解決が難しい社会課題に対し、産業界・地域・流通等のパートナーと連携し、花王の独自技術・知見を活かした「パートナーとの共創による事業構築」を進めます。
⑤バリューチェーンのリスク低減と機会創出を強化
調達・生産・物流・販売・使用・廃棄/リサイクルの各段階でESGに関するリスクを低減しつつ、社会的有用性を高める機会を創出します。これにより、事業全体の持続可能性と供給安定性を高めます。

KLPによる「K27」の強化

重点領域、リスクと機会
花王のビジネスモデルやバリューチェーンには以下の特徴があります。
花王のビジネスモデルの特徴とサステナビリティに関わる領域
1. 世界中の生活者に向け、グローバルコンシューマーケア事業製品を製造・販売
2. 世界中の幅広い産業の顧客に向け、ケミカル事業製品を製造・販売
3. グローバルコンシューマーケア事業とケミカル事業に共通する鍵となる素材としてケミカルを使用
4. 原材料の製造から製品の販売までグローバル・バリューチェーンを形成しているため、上流に
は多数の原材料サプライヤー、下流には多数の流通・小売・ビジネスパートナー・顧客が存在
KLPの策定に当たり、上記のビジネスモデルの特徴と社会課題を踏まえ、重点領域を「暮らし」「社会」「環境」「事業基盤」の4つに整理し、リスクと機会を特定しています。
暮らし:
生活者のニーズに応え、こころ豊かな暮らしの実現を目指す花王ならではの領域であり、ESG戦略の中核をなしています。
社会:
グローバルに展開するバリューチェーンやケミカル事業を通じて、多様な産業や社会との幅広い関わりを持つ領域です。
環境:
原材料の一部を自然資本に依存し、世界中の生活者に製品を提供し、使用・廃棄されていることから、大きな影響を及ぼしている領域です。
事業基盤:
上記3つの領域における取り組みを確実に推進するために、人財開発、人権の尊重・擁護、DE&I活動の推進、化学物質管理等、事業基盤の強化が不可欠です。
これらの4つの領域で、リスクと機会を特定し、KLPとして具体的な戦略に落とし込んでいます。さらに、バリューチェーン全体の強靭化を進め、調達リスク管理、代替原材料の活用、再生材の戦略調達等を通じて、環境負荷の軽減と安定供給の両立を目指します。加えて、社会課題起点の価値提案を深化させ、従来の製品提供にとどまらないサービス・ビジネスモデルの可能性も拡張していきます。




サステナビリティへのビジョン
花王はESG活動が「世界の人々のサステナブルな暮らし、さらにはその周りに広がる社会や地球のためにある」という考えのもと、事業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指しています。これらの活動の基盤には「正道を歩む」という価値観があります。これは、創業者・長瀬富郎の言葉、「天祐は常に道を正して待つべし」を継承するものです。
ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」
上記ビジョンに基づき策定されたKLPは、生活者を主役とした価値創出を通じて、社会・環境課題を解決しながら経済価値の創出を目指しています。
KLPは、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」の3つの柱と、それらを支える基盤としての「正道を歩む」で構成されています。各柱のもとで、2030年までに達成を目指す「花王のコミットメント(目標)」を設定するとともに、重点的に取り組む19のテーマ「花王のアクション(施策)」を定めています。これらのテーマごとに中長期目標及び指標を設定し、進捗管理を行うことで、実効性のあるESG活動を推進しています。
KLPの実践により、財務インパクト及び環境・社会へのポジティブなインパクトの創出に加え、事業運営を支える持続的な成長基盤の形成が可能です。以下の図(KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト)は、花王の事業活動において、KLP実践により事業成長に向けた取り組みとリスク最小化に向けた取り組みをどのように推進させるかを示しています。
生活者にとっての価値につながる製品・サービスの提供や、社会課題に応える価値提案の強化は、生活者からの信頼やロイヤリティの向上を通じて、選ばれ続けるブランドとしての競争力を高め、利益ある事業運営を支える基盤となります。一方、環境負荷の低減や社会への負の影響を抑える活動は、規制対応や調達リスクの抑制、サプライチェーンの安定化につながり、事業のレジリエンスを高め、経営基盤の安定性を強化します。
このように、KLPを構成する各テーマは、生活者価値の創造、環境負荷の最小化、社会課題への対応といった多面的なアプローチを通じて、機会創出とリスク低減の双方に寄与します。これらを一体的に推進することで、持続的な事業成長と生活者のこころ豊かな暮らしの実現の両立を目指しています。

KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト
KLPの財務インパクト
KLPの推進は①収益性向上・収益機会の拡大、②コスト削減・資源効率の向上、③リスクマネジメントとレジリエンス強化の3つの観点から、「K27」が掲げる構造改革による収益性の改善、コアブランドの競争優位性向上、高付加価値製品のグローバル展開を支えています。
①収益性向上・収益機会の拡大
● 環境配慮型製品や社会課題解決ソリューションの提供による、社会的有用性の高い領域での市場開拓と
高付加価値化の促進
● 生活者の信頼・ブランド価値向上による、適正価格で選ばれ続けるブランド状態の構築
● 脱炭素・資源循環等、社会のサステナビリティ潮流に対応した新規ビジネス機会の創出
● 排他的独自性を備えた技術・品質・体験価値を軸に、高付加価値製品のグローバル展開を加速し、競争
優位性を確保
②コスト削減・資源効率の向上
● 環境規制への先行対応及び計画的な設備投資を通じ、将来的な規制対応コストの抑制
● 原材料・エネルギー使用量の削減や資源効率化による原料価格変動や供給制約に対する耐性を強化
● 外部ESG評価向上やサステナビリティ・リンク・ファイナンスの活用を通じ、資金調達手段の多様化と資
本コストの抑制
③リスクマネジメントとレジリエンス強化
● サプライチェーン上の環境・社会リスクの把握・管理による、操業リスクや規制対応コストの最小化
● パーム油代替原料の開発・調達や森林リスクの低い原料調達の拡大により、原材料供給の安定化と価格
変動リスクの低減
● 化学物質の安全性情報開示や国際サステナビリティ・イニシアチブへの参画を通じ、レピュテーション
リスクの抑制とルール形成への貢献
具体的な財務効果(事例)
KLPに基づく取り組み推進は、環境・社会インパクトの創出に加え、中長期的な事業機会の拡大やリスク低減を通じて企業価値向上に寄与します。
事例取り組み効果
サステナブル設計による衣料用洗剤の高付加価値化バイオ由来界面活性剤の採用、再生プラスチック容器・詰替の拡充、容器軽量化・コンパクト化、すすぎ回数削減(使用時の省資源化)、製造段階での再エネ活用等を統合的に実装高付加価値化により適正価格での販売を実現し収益性を向上
ロイヤリティ向上により安定収益を下支え
食器用洗剤の容器・包装の軽量化と再生材活用によるコスト・競争力強化詰替容器の軽量化、再生プラスチック・植物由来プラスチックの採用、廃棄しやすさを高める容器設計(行動変容を促す設計)資材使用量の削減によりコスト構造を強化
環境価値を差別化要因として売上機会の拡大に寄与
気候変動への適応による事業創出猛暑・高温多湿環境を背景に、暑熱ケア、日やけ止め、汗ケア等のスキンプロテクション事業をBtoB・BtoC両面で展開売上機会を創出
収益源の多様化とブランド価値向上
社会課題解決を起点としたBtoB導入モデル職場での常備を促進する仕組み(企業が購入・補充する継続モデル)の展開と啓発の推進継続補充需要の創出により安定売上を形成
顧客基盤・プレミアム機会を強化
ESG推進に連動する資金調達サステナビリティ・リンク・ボンド(250億円)、サステナビリティ・リンク・ローン (200億円)、ポジティブ・インパクト・ファイナンス(250億円)、DBJ健康経営格付融資(100億円)低金利を適用し資金調達コストを低減

これらの取り組みは、KLPにおける「花王のコミットメント」及び重点テーマである19の「花王のアクション」に基づき、優先順位を付けて推進されています。その結果、環境・社会リスクの低減、供給安定性の確保、生活者・顧客からの信頼向上を通じて、前述の財務インパクト(収益性、コスト、レジリエンス)と一体となった中長期的な企業価値向上を実現しています。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。