有価証券報告書-第120期(2025/01/01-2025/12/31)
② 戦略
気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、世界全体が気温上昇を1.5℃に抑えることを目指していることに意味ある貢献をすることが、重要であると認識しています。
花王は1.5℃、4℃シナリオで財務影響評価を実施しています。財務影響は価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額として算出しています。2050年における移行リスクとして、パーム油価格の上昇による~791億円、炭素税による~254億円、包装容器プラスチック規制による~79億円規模の財務影響が何も対応しなかった場合に発生する可能性を予測しています。パーム油の調達リスクは両シナリオにおいて、需要に対し供給がひっ迫することでコストが上昇すると見込んでいます。このリスクに対し、花王ではバイオIOSといった高機能剤原料開発や代替原材料の開発を進めています。 また、これらのイノベーションによる差別化は、他社に先んじて戦略的に取り組むことで、リスク低減だけにとどまらず、新たなビジネス機会にもつながります。
物理リスクについては、洪水等により~46億円の財務影響の可能性を見込んでいます。緩和に貢献する機会として、グローバルコンシューマーケア事業では節水・節電製品やプラごみ削減製品、ケミカル事業では顧客の気候変動リスク低減に資する製品の需要が高まると予想されます。適応の機会として、地球温暖化に対応するUVケアやセルフタンニング等のスキンプロテクション事業や消毒、洗浄、忌避剤といった感染症リスクを軽減できる製品の需要が高まると予想されます。「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発を進めていくことでリスクを軽減し、ビジネス機会を創出します。
(主な事業リスクと機会)
1)調査時点で、地政学リスクの高まりにより既に原材料価格が高騰・高止まりしており、財務影響として現れなかった
2)過去のパーム油/核油の価格推移を参考に、重回帰分析の手法を導入して将来価格を推計
気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、世界全体が気温上昇を1.5℃に抑えることを目指していることに意味ある貢献をすることが、重要であると認識しています。
花王は1.5℃、4℃シナリオで財務影響評価を実施しています。財務影響は価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額として算出しています。2050年における移行リスクとして、パーム油価格の上昇による~791億円、炭素税による~254億円、包装容器プラスチック規制による~79億円規模の財務影響が何も対応しなかった場合に発生する可能性を予測しています。パーム油の調達リスクは両シナリオにおいて、需要に対し供給がひっ迫することでコストが上昇すると見込んでいます。このリスクに対し、花王ではバイオIOSといった高機能剤原料開発や代替原材料の開発を進めています。 また、これらのイノベーションによる差別化は、他社に先んじて戦略的に取り組むことで、リスク低減だけにとどまらず、新たなビジネス機会にもつながります。
物理リスクについては、洪水等により~46億円の財務影響の可能性を見込んでいます。緩和に貢献する機会として、グローバルコンシューマーケア事業では節水・節電製品やプラごみ削減製品、ケミカル事業では顧客の気候変動リスク低減に資する製品の需要が高まると予想されます。適応の機会として、地球温暖化に対応するUVケアやセルフタンニング等のスキンプロテクション事業や消毒、洗浄、忌避剤といった感染症リスクを軽減できる製品の需要が高まると予想されます。「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発を進めていくことでリスクを軽減し、ビジネス機会を創出します。
(主な事業リスクと機会)
| 評価項目 | 評価した 財務影響 | 2050年における 財務影響 (単位:億円) ※価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額 | 花王の対応状況 | ||||
| 1.5℃ シナリオ | 4℃ シナリオ | ||||||
| リスク | 移行 | 政策・法規制 | 炭素税の導入・引上げ | 炭素税導入・引上げによる操業コスト上昇 | -254 | -93 | ・2030年 スコープ1+2 CO2排出量削減目標を設定し、計画的に設備投資を推進 |
| プラスチック規制の導入 | 化石由来容器包装原料に対する課税 | -79 | - | ・リデュースイノベーション:革新的な包装容器によるプラスチック使用量削減 ・製品廃棄物の削減:eコマース強化、AI予測活用による在庫精緻化 | |||
| 再生プラスチック使用義務化によるコスト増 | -46 | - | ・リサイクルイノベーション:品質/コストを両立する、水平リサイクル技術の開発、ステークホルダーとのリサイクルシステムの構築 | ||||
| 市場 | エネルギー価格の上昇 | 電力小売価格の変動 | -11 | -11 | ・再エネ調達:コーポレートPPA採用による固定価格での長期安定確保等 ・太陽光発電設備の導入推進 | ||
| 原材料価格の上昇 | 化石由来原材料 価格の上昇 | -1) | -1) | ・製品設計の深化による化石由来原材料削減の検討を継続 | |||
| パーム油の 調達価格の上昇2) | -791 | -761 | ・限りある資源であるパーム油の最大活用:高機能剤原料開発(バイオIOS) ・代替原材料(藻類由来油脂、未利用バイオマス、CO2等)の利用研究開発促進 | ||||
| 物理 | 急性 | 異常気象の激甚化 | 洪水被害額の増加 | -4 | -46 | ・BCPを考慮した生産体制の構築 ・サプライヤー向けリスク調査の実施 | |
| 機会 | 製品・ サービス | <緩和>・グローバルコンシューマーケア事業:エシカル製品(節水・節電・プラごみ削減・第3者認証ラベル品等)事業伸張 ・ケミカル事業:顧客の気候変動リスク低減に資する製品の開発・販売 ・共通:CCUS(CO2利活用)技術を活用した製品の普及 | ・「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発推進 | ||||
| <適応>・気温が高くても清潔・快適な暮らしに貢献する製品の伸長(洗浄、抗菌、制汗剤、忌避剤等) ・強い日差しから肌を守る製品の伸長(スキンプロテクション事業) スキンプロテクション事業(UVケア、セルフタンニング、忌避剤等)の2030年売上目標 1,000億円 | ・「サステナブルケミカル製品」の販売推進 | ||||||
1)調査時点で、地政学リスクの高まりにより既に原材料価格が高騰・高止まりしており、財務影響として現れなかった
2)過去のパーム油/核油の価格推移を参考に、重回帰分析の手法を導入して将来価格を推計