有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営方針、目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
現在の社会は、急激な情勢の変化、人々の価値観の多様化など、あらゆる側面において予測不可能な時代と言われております。また地球温暖化、人権などの国際的課題に対する企業の姿勢、貢献についても幅広い関心が集まっております。そのような中、当社は創業以来大切にしてきた「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」という社是に沿って、世界中の皆様の「もっと安全・安心・快適に」の気持ちに応える製品の開発や、持続可能な社会の実現に貢献する活動及び製品開発に取り組んでまいりました。
2018年度から2020年度までの3年を計画期間とする第10次中期経営計画「New Sanyo for 2027」(以下、「第10次中計」といいます)では、既存路線の延長ではなく、2027年のありたい姿「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じるユニークでグローバルな高収益企業に成長し、社会に貢献する」を起点とし、“変える。”のスローガンの下で変革に取り組み、大きな成果を上げることができました。
2021年度においても、従来から取り組んでいる企業変革を加速し、社是に基づいた当社の事業活動を通じての社会貢献にさらに資するべく、長期的な視点でのサステナブルな経営を推進してまいります。2021年4月1日まで延期としておりました株式会社日本触媒との経営統合については、両社を取り巻く事業環境が急速にかつ大きく変化したことから、現在の事業環境に鑑みたそれぞれの会社が持つ優位性を独自に発揮していくことが、両社の企業価値向上につながると判断し、昨年10月に両社の合意により中止を決定いたしました。今回、相互に得られた知見も多く、両社は引き続き様々な面で良好な関係を維持してまいります。
<第10次中計の振り返り>第10次中計においては、定性目標として掲げた「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じる高収益企業」、「従業員(その家族含む)と顧客の満足度№1のグローバルカンパニー」として社会に貢献すべく、“変える。”をスローガンに様々な施策を推進してまいりました。社内改革として、風通しの良い職場風土の醸成、女性活躍推進及び性的マイノリティ(LGBTQ)の理解促進を通じての多様性の実現、従来の慣習(ムリ・ムダ・ムラ)の排除、権限委譲による意思決定スピードの加速を推進し大きな成果を上げることができました。一方で、既存ビジネスにおいて顧客目線での提供価値を高めることによる高付加価値製品へのシフトを進めるとともに、関連会社であるAPB㈱との全樹脂電池の開発、バイオメディカル・アグリニュートリション・化粧品分野での新規大型ビジネスの推進、株式会社TBM・ティエムファクトリ株式会社・株式会社ファーマフーズ等との資本提携に代表される外部企業とのアライアンス、タイ・韓国等での新増設投資推進によるグローバル化の加速等を通じてサステナブルな社会に貢献する企業価値の向上に取り組んでまいりました。
なお、女性活躍及び多様性を推進してきた結果として、厚生労働省から優良な子育てサポート企業として「プラチナくるみん認定」を受けたほか、任意団体work with Prideが策定する性的マイノリティ(LGBTQ)に関する企業の取り組みの評価指標「PRIDE指標」において、2019年から2年連続で最高評価「ゴールド」を受賞することができました。併せて、従業員全員が、自分らしさを大切にしながら働きがいをもっていきいきと働くことができる職場環境づくりを経営重点事項と位置づけ、服装の自由化、コアタイムなしのスーパーフレックスの導入、在宅勤務やテレワーク等の働き方改革、従業員の心身の健康促進に関する取り組み(健康経営)等、社員誰一人も取り残すことがないよう、様々なアプローチを積極的に進めてまいりました。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、2019年から3年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。特に、在宅勤務及びテレワークの取り組みを早い段階で進めていたことにより、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下においても、特段の支障を生じることなく在宅勤務による通常業務を遂行することができました。
一方で、最終事業年度となる当期の定量目標として「連結売上高1,800億円」、「連結営業利益180億円」、「連結ROE10%」を掲げ、高付加価値製品へのシフト等により、その達成を目指してまいりましたが、2019年度第4四半期を発端とする新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による世界経済の停滞、自動車産業をはじめとする幅広い産業分野における需要の減少などにより、結果として、各目標値はいずれも未達となりました。しかしながら、上述のとおり、企業風土の改革を浸透させ、当社の様々な事業活動を通じてサステナブルな社会に貢献していくべく、長期視点での企業価値の増大に向けた施策を大きく進めることができました。当期の業績状況は3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりです。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、世界経済の停滞や幅広い産業分野における需要の減少が見られました。2021年度は新型コロナウイルス感染症用のワクチン開発・接種が進み、世界経済の改善が予測されてはおりますが、不確実な状況が今後もしばらくの間続くと想定しています。
このような経営環境の中、持続的な社会の実現に貢献することを通じて、当社グループ自身が持続的な成長を遂げるため、以下の取り組みを実施してまいります。
① サステナブル経営の推進
当社グループの社会的価値と経済価値を好循環で創出し、持続的な成長に資する施策を検討・提案するため、取締役会直轄の組織として本年4月1日付で「サステナブル経営委員会」を設置しました。ステークホルダーと連携しながら、当社らしい強みを追求して中長期的な企業価値の向上を目指す「サステナブル経営」を推進してまいります。
② 営業・研究組織の一体化による、経営判断・意思決定のスピードアップ
本年4月1日付の組織変更で全7事業本部体制とし、各事業本部に営業・研究組織を置いて一体運営を推進することといたしました。これにより経営スピードを加速させ、顧客への価値提供の高度化を図ってまいります。
③ 持続可能な社会の実現に向けたソリューションの提供
持続可能な社会の実現に貢献するため、社会課題に対してオープンイノベーション等による新たなソリューションを開発・提案し、当社グループの社会的価値を向上させると同時に、経済価値の向上を図ってまいります。
(ⅰ)再生可能エネルギーの利用拡大:
次世代エネルギーとして期待の大きい「全樹脂電池」を用いた蓄電を一例とする再生可能エネルギーの利用拡大を通じて、より良い社会の建設に積極的に貢献してまいります。APB株式会社では、全樹脂電池の製造拠点であるAPB福井センター武生工場を本年10月に操業させ、量産開始を目指します。
(ⅱ)QOL(Quality of Life)の向上:
「シルクエラスチン」(難治性の傷の回復を早める人工タンパク質)、外科用止血シーラントなど、当社でしか実現できない治療技術のご提供により、患者様が社会活動・経済活動を回復・実現するご支援をしてまいります。また、当社が得意とする界面制御技術を駆使し、化粧品分野においても魅力的なソリューション提案をより一層充実させてまいります。
(ⅲ)その他:
アグリニュートリション等の分野における新たな事業の仕組み作りにも注力し、食糧問題などサステナブル社会の実現のために避けては通れない課題の解決に貢献してまいります。
④ DX推進、基幹システム刷新
DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、製品やビジネスモデル、ビジネスプロセスを抜本的に変革すること)推進のため、全社横断の「デジタル革新プロジェクト」を立ち上げました。また、社内基幹システムの刷新も予定しており、事業全般の一層の効率化を図ってまいります。
⑤ 事業拡大のためのアライアンス強化及びグローバル化推進
タイの大手化学企業及び豊田通商株式会社との合弁会社であるGC Polyols Company Limited におけるポリウレタン原料の製造販売の開始は、アライアンスにより価格競争力を高めた最近の事例であり、今後も引き続き、他社とのパートナーシップ強化により、更なる価値提供を図ってまいります。また、主に東アジア、東南アジアでの当社製品に対する顧客需要に対応するため、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドにおいて積極的に設備投資を行い、韓国三洋化成製造株式会社においては潤滑油添加剤の製造を開始するなど、グループとしての価値最大化により、グローバル規模でのお客様の期待に応えてまいります。
⑥ 働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョン、健康経営の推進
働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョンについては、他社のロールモデルとなるべく、第10次中計における施策に継続して取り組みます。また、従業員の心身の健康に関する様々な取り組みや活動を重視した「健康経営」をさらに加速するため、会社・労働組合・健康保険組合が三位一体となった推進体制を整備いたしました。社内での活動を活発化させる等、全従業員が参画した取り組みとなるよう意識しながら引き続き活動を進めてまいります。
2022年度からの第11次中期経営計画は、全社員で徹底的に議論し、2021年度1年間をかけて策定してまいります。全社員がモチベーションを高め、働きがいを感じられる「ワクワクする会社」を作り上げ、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
当社は「ユニークでグローバルな高収益企業」を目指し、ステークホルダーの皆様のご理解とご協力を賜りながら、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」の実現に向けて邁進します。
現在の社会は、急激な情勢の変化、人々の価値観の多様化など、あらゆる側面において予測不可能な時代と言われております。また地球温暖化、人権などの国際的課題に対する企業の姿勢、貢献についても幅広い関心が集まっております。そのような中、当社は創業以来大切にしてきた「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」という社是に沿って、世界中の皆様の「もっと安全・安心・快適に」の気持ちに応える製品の開発や、持続可能な社会の実現に貢献する活動及び製品開発に取り組んでまいりました。
2018年度から2020年度までの3年を計画期間とする第10次中期経営計画「New Sanyo for 2027」(以下、「第10次中計」といいます)では、既存路線の延長ではなく、2027年のありたい姿「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じるユニークでグローバルな高収益企業に成長し、社会に貢献する」を起点とし、“変える。”のスローガンの下で変革に取り組み、大きな成果を上げることができました。
2021年度においても、従来から取り組んでいる企業変革を加速し、社是に基づいた当社の事業活動を通じての社会貢献にさらに資するべく、長期的な視点でのサステナブルな経営を推進してまいります。2021年4月1日まで延期としておりました株式会社日本触媒との経営統合については、両社を取り巻く事業環境が急速にかつ大きく変化したことから、現在の事業環境に鑑みたそれぞれの会社が持つ優位性を独自に発揮していくことが、両社の企業価値向上につながると判断し、昨年10月に両社の合意により中止を決定いたしました。今回、相互に得られた知見も多く、両社は引き続き様々な面で良好な関係を維持してまいります。
<第10次中計の振り返り>第10次中計においては、定性目標として掲げた「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じる高収益企業」、「従業員(その家族含む)と顧客の満足度№1のグローバルカンパニー」として社会に貢献すべく、“変える。”をスローガンに様々な施策を推進してまいりました。社内改革として、風通しの良い職場風土の醸成、女性活躍推進及び性的マイノリティ(LGBTQ)の理解促進を通じての多様性の実現、従来の慣習(ムリ・ムダ・ムラ)の排除、権限委譲による意思決定スピードの加速を推進し大きな成果を上げることができました。一方で、既存ビジネスにおいて顧客目線での提供価値を高めることによる高付加価値製品へのシフトを進めるとともに、関連会社であるAPB㈱との全樹脂電池の開発、バイオメディカル・アグリニュートリション・化粧品分野での新規大型ビジネスの推進、株式会社TBM・ティエムファクトリ株式会社・株式会社ファーマフーズ等との資本提携に代表される外部企業とのアライアンス、タイ・韓国等での新増設投資推進によるグローバル化の加速等を通じてサステナブルな社会に貢献する企業価値の向上に取り組んでまいりました。
なお、女性活躍及び多様性を推進してきた結果として、厚生労働省から優良な子育てサポート企業として「プラチナくるみん認定」を受けたほか、任意団体work with Prideが策定する性的マイノリティ(LGBTQ)に関する企業の取り組みの評価指標「PRIDE指標」において、2019年から2年連続で最高評価「ゴールド」を受賞することができました。併せて、従業員全員が、自分らしさを大切にしながら働きがいをもっていきいきと働くことができる職場環境づくりを経営重点事項と位置づけ、服装の自由化、コアタイムなしのスーパーフレックスの導入、在宅勤務やテレワーク等の働き方改革、従業員の心身の健康促進に関する取り組み(健康経営)等、社員誰一人も取り残すことがないよう、様々なアプローチを積極的に進めてまいりました。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、2019年から3年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。特に、在宅勤務及びテレワークの取り組みを早い段階で進めていたことにより、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下においても、特段の支障を生じることなく在宅勤務による通常業務を遂行することができました。
一方で、最終事業年度となる当期の定量目標として「連結売上高1,800億円」、「連結営業利益180億円」、「連結ROE10%」を掲げ、高付加価値製品へのシフト等により、その達成を目指してまいりましたが、2019年度第4四半期を発端とする新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による世界経済の停滞、自動車産業をはじめとする幅広い産業分野における需要の減少などにより、結果として、各目標値はいずれも未達となりました。しかしながら、上述のとおり、企業風土の改革を浸透させ、当社の様々な事業活動を通じてサステナブルな社会に貢献していくべく、長期視点での企業価値の増大に向けた施策を大きく進めることができました。当期の業績状況は3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりです。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、世界経済の停滞や幅広い産業分野における需要の減少が見られました。2021年度は新型コロナウイルス感染症用のワクチン開発・接種が進み、世界経済の改善が予測されてはおりますが、不確実な状況が今後もしばらくの間続くと想定しています。
このような経営環境の中、持続的な社会の実現に貢献することを通じて、当社グループ自身が持続的な成長を遂げるため、以下の取り組みを実施してまいります。
① サステナブル経営の推進
当社グループの社会的価値と経済価値を好循環で創出し、持続的な成長に資する施策を検討・提案するため、取締役会直轄の組織として本年4月1日付で「サステナブル経営委員会」を設置しました。ステークホルダーと連携しながら、当社らしい強みを追求して中長期的な企業価値の向上を目指す「サステナブル経営」を推進してまいります。
② 営業・研究組織の一体化による、経営判断・意思決定のスピードアップ
本年4月1日付の組織変更で全7事業本部体制とし、各事業本部に営業・研究組織を置いて一体運営を推進することといたしました。これにより経営スピードを加速させ、顧客への価値提供の高度化を図ってまいります。
③ 持続可能な社会の実現に向けたソリューションの提供
持続可能な社会の実現に貢献するため、社会課題に対してオープンイノベーション等による新たなソリューションを開発・提案し、当社グループの社会的価値を向上させると同時に、経済価値の向上を図ってまいります。
(ⅰ)再生可能エネルギーの利用拡大:
次世代エネルギーとして期待の大きい「全樹脂電池」を用いた蓄電を一例とする再生可能エネルギーの利用拡大を通じて、より良い社会の建設に積極的に貢献してまいります。APB株式会社では、全樹脂電池の製造拠点であるAPB福井センター武生工場を本年10月に操業させ、量産開始を目指します。
(ⅱ)QOL(Quality of Life)の向上:
「シルクエラスチン」(難治性の傷の回復を早める人工タンパク質)、外科用止血シーラントなど、当社でしか実現できない治療技術のご提供により、患者様が社会活動・経済活動を回復・実現するご支援をしてまいります。また、当社が得意とする界面制御技術を駆使し、化粧品分野においても魅力的なソリューション提案をより一層充実させてまいります。
(ⅲ)その他:
アグリニュートリション等の分野における新たな事業の仕組み作りにも注力し、食糧問題などサステナブル社会の実現のために避けては通れない課題の解決に貢献してまいります。
④ DX推進、基幹システム刷新
DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、製品やビジネスモデル、ビジネスプロセスを抜本的に変革すること)推進のため、全社横断の「デジタル革新プロジェクト」を立ち上げました。また、社内基幹システムの刷新も予定しており、事業全般の一層の効率化を図ってまいります。
⑤ 事業拡大のためのアライアンス強化及びグローバル化推進
タイの大手化学企業及び豊田通商株式会社との合弁会社であるGC Polyols Company Limited におけるポリウレタン原料の製造販売の開始は、アライアンスにより価格競争力を高めた最近の事例であり、今後も引き続き、他社とのパートナーシップ強化により、更なる価値提供を図ってまいります。また、主に東アジア、東南アジアでの当社製品に対する顧客需要に対応するため、サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドにおいて積極的に設備投資を行い、韓国三洋化成製造株式会社においては潤滑油添加剤の製造を開始するなど、グループとしての価値最大化により、グローバル規模でのお客様の期待に応えてまいります。
⑥ 働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョン、健康経営の推進
働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョンについては、他社のロールモデルとなるべく、第10次中計における施策に継続して取り組みます。また、従業員の心身の健康に関する様々な取り組みや活動を重視した「健康経営」をさらに加速するため、会社・労働組合・健康保険組合が三位一体となった推進体制を整備いたしました。社内での活動を活発化させる等、全従業員が参画した取り組みとなるよう意識しながら引き続き活動を進めてまいります。
2022年度からの第11次中期経営計画は、全社員で徹底的に議論し、2021年度1年間をかけて策定してまいります。全社員がモチベーションを高め、働きがいを感じられる「ワクワクする会社」を作り上げ、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
当社は「ユニークでグローバルな高収益企業」を目指し、ステークホルダーの皆様のご理解とご協力を賜りながら、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」の実現に向けて邁進します。