当第1四半期連結累計期間(2024年1月~3月)における当社グループの売上高は、前年同期比0.2%増の2,558億円でした。現地通貨ベースでは5.5%の減収となりました。世界経済は、米国や欧州ではインフレ圧力が少し弱まるなか、金融政策の見直しに対して慎重な姿勢が続いており、中国では景気の先行きについて、依然として不透明な状況となっています。この状況下、当社グループが注力する主な顧客業界の需要動向としては、電気・電子やディスプレイを中心とするデジタル分野のうち、ディスプレイ市場はパネルメーカーにおける稼働調整の動きにより需要が停滞した一方で、半導体市場は本格的な需要回復にはまだ時間を要するものの、回復基調が見られました。モビリティを中心とするインダストリアル分野※では、自動車市場での世界的な販売台数の回復に伴い、自動車向け材料はサプライチェーン上の余剰在庫の解消が進み、需要の回復が見られました。このようななか、当社グループの出荷動向に関しては、製品によって状況にばらつきがあるものの、エレクトロニクスやモビリティ関連の高付加価値製品は概ね回復傾向となり、パッケージ用インキも、海外ではインフレ圧力の弱まりによる消費財需要の戻りに伴い増加しました。また、円安による為替換算影響も売上高の増加要因となりました。
営業利益は、前年同期比41.7%増の85億円でした。パッケージング&グラフィックとファンクショナルプロダクツでは、一部の高付加価値製品の出荷数量が回復傾向となり、品目構成が改善したことに加え、地域や製品の状況に応じて価格対応に努めたことにより、それぞれ大幅な増益となりました。カラー&ディスプレイでは、欧米を中心に生産体制の最適化等の構造改革を進め、コスト削減に努めましたが、顔料製品の全般的な出荷数量の減少とそれに伴う品目構成の悪化影響をカバーできず、赤字となりました。しかし、当第1四半期(2024年1月~3月)から、生産を一時的に停止していた米国と欧州の一部生産拠点の稼働を再開し、生産停止に伴う損益への影響が解消されたことにより、赤字額は前第4四半期(2023年10月~12月)と比較して大幅に縮小しました。
経常利益は、前年同期比45.3%増の66億円でした。
2024/05/15 14:04