有価証券報告書-第114期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:12
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は、雇用及び所得環境の改善が進みましたが、個人消費や設備投資の回復はやや力強さに欠ける結果となりました。一方、海外経済におきましては、米国経済は堅調な個人消費に支えられ緩やかながらも成長が続き、アジア新興国地域においては、中国経済は低水準ではあるが下げ止まり、アセアン経済は一部を除き堅調に推移いたしました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度の売上高は、1,571億8千5百万円(前年同期比2.2%減)となりましたが、営業利益は高付加価値製品へのシフトもあり119億8千2百万円(同20.4%増)、経常利益は122億4百万円(同17.6%増)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は99億5千万円(同152.2%増)と大幅な増益となりましたが、これは前連結会計年度に環境対策のための投資費用を特別損失に計上したためなどによるものであります。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、無機・有機顔料、各種着色剤、情報記録関連材料の製造・販売を行っております。情報記録関連材料の製品が好調に推移し、その他の汎用顔料は堅調に推移いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は244億2千5百万円(同0.5%増)となり、営業利益は36億8千3百万円(同2.0%増)となりました。
(化学品事業)
当事業は、各種合成樹脂着色剤・コンパウンド、各種コート材の製造・販売を行っております。車両業界向け着色剤は海外向けが好調に推移しました。国内においては情報電子業界向けのコート材製品が好調に推移しました。海外連結子会社においては華南地区や東南アジアのコンパウンド事業拠点の業績が改善しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は851億3千7百万円(同2.3%減)となりましたが、営業利益は62億3千万円(同35.1%増)となりました。
(高分子事業)
当事業は、高分子製品、天然高分子製品の製造・販売を行っております。車両業界向けの内装用材料は北米市場向けが堅調に推移し、情報記録関連材料の特殊コーティング剤も引き続き伸長いたしました。海外連結子会社においては中国、アメリカの事業拠点の業績が好調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は180億6千8百万円(同0.9%減)となりましたが、営業利益は41億円(同15.4%増)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、各種印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。パッケージ業界向けグラビアインキは概ね堅調に推移しました。一方、オフセットインキは需要減少に対して、コストダウンに注力しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は281億2千3百万円(同5.0%減)となり、営業利益は29億5千8百万円(同2.5%減)となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社への不動産賃貸及び金融事業等を行っております。当セグメントの売上高は14億3千万円(同1.5%減)となり、営業損失は2億1千万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて67億3千7百万円増加し、当連結会計年度末には311億1千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は129億8千1百万円(前年同期比107.8%増)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」を132億9千5百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は27億3千2百万円(同0.4%増)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として33億8百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は35億2千万円(同43.0%減)となりました。これは主に借入金の収入及び支出の結果として16億9千5百万円支出したことなどによるものであります。