有価証券報告書-第113期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:18
【資料】
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【項目】
127項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国経済は個人消費主導の景気回復が続きましたが、欧州経済は回復過程ながらも力強さを欠き、中国や新興国経済は弱含みで推移しました。また、日本経済は企業収益の改善を背景として回復基調でありましたが、年明け以降は円高の進行や株価の下落などにより不透明感が増してきました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度の売上高は、1,607億7千万円(前年同期比1.4%減)となりましたが、営業利益は高付加価値製品の拡販の成果もあり99億5千4百万円(同7.4%増)、経常利益は103億7千9百万円(同3.6%増)となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、39億4千6百万円(同30.3%減)となりました。これは事業用地の土壌入替など環境対策のための投資費用を特別損失に計上したためなどであります。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、無機・有機顔料、各種着色剤、情報記録関連材料の製造・販売を行っております。情報記録関連の製品は好調に推移しましたが、塗料用の汎用顔料やカラーフィルター用の顔料の販売が低迷いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は242億9千9百万円(同0.6%増)となりましたが、営業利益は36億1千万円(同3.6%減)となりました。
(化学品事業)
当事業は、各種合成樹脂着色剤・コンパウンド、各種コート材の製造・販売を行っております。車両業界向け着色剤のうち、海外向けが好調に推移しました。一方で、国内の建材業界向けの製品群は弱含みました。アジアにおいてはタイ・上海のコンパウンドの事業拠点の業績が好調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は871億7千9百万円(同3.1%減)となりましたが、営業利益は46億1千万円(同3.1%増)となりました。
(高分子事業)
当事業は、高分子製品、天然高分子製品の製造・販売を行っております。車両業界向けの内装用材料は、北米市場向けを中心に伸長いたしました。情報記録関連材料の特殊コーティング剤は産業資材向けなど好調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は182億3千1百万円(同2.6%増)となり、営業利益は35億5千3百万円(同15.8%増)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、各種印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。パッケージ業界向けグラビアインキは、飲料及び食品向けともに好調に推移しました。東南アジア市場においても生活関連向けや食品関連向けを中心に伸長いたしました。一方、オフセットインキは引き続き需要の減少により、低迷しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は296億8百万円(同0.4%増)となり、営業利益は30億3千5百万円(同23.1%増)となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社への不動産賃貸及び金融事業等を行っております。当セグメントの売上高は14億5千3百万円(同10.4%減)となり、営業損失は1億8千4百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて18億1百万円減少し、当連結会計年度末には、243億8千万円(前年同期比6.9%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次の通りとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は62億4千6百万円となり、前連結会計年度と比べ5億7千3百万円(同10.1%増)増加いたしました。これは仕入債務の増減額が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は27億2千万円となり、前連結会計年度と比べ1億6千5百万円(同6.5%増)増加いたしました。これは、有形固定資産の売却による収入が増加した一方、定期預金の払戻による収入が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は61億8千万円となり、前連結会計年度と比べ22億4千3百万円(同57.0%増)増加いたしました。これは、借入金の返済を進めたことなどによるものであります。