有価証券報告書-第113期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:18
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【項目】
127項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため、省略しております。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は、1,607億7千万円と前連結会計年度に比べ22億2千8百万円(前年同期比1.4%減)の減収となりました。これは、原材料価格の下落に伴い、販売価格を見直したことなどによるものであります。
②売上原価・販売費及び一般管理費・営業利益
売上原価は、1,330億6千5百万円と前連結会計年度に比べ37億3千1百万円(同2.7%減)減少となりました。売上原価率は、原材料価格の下落と、高付加価値製品の販売が増えたことから82.8%と前連結会計年度に比べて1.1ポイント改善しました。売上総利益は277億5百万円と15億3百万円(同5.7%増)の増益となりました。
販売費及び一般管理費は、新本社完成により減価償却費が増加したこと及び円安の影響などにより177億5千万円と8億1千3百万円(同4.8%増)の増加となりました。
これらの結果、営業利益は99億5千4百万円と6億8千9百万円(同7.4%増)の増益となりました。
③営業外損益・経常利益
営業外収益については、受取配当金の増加及び、関連会社の業績が好調であったことから持分法投資利益が増加し、当連結会計年度の営業外収益は15億5千2百万円(同1.1%増)となりました。
営業外費用は、借入金の返済により支払利息が減少した一方で、為替差損を計上したこと等により、11億2千7百万円(同44.2%増)となりました。
これらの結果、経常利益は103億7千9百万円と3億6千1百万円(同3.6%増)の増益となり、総資産経常利益率(ROA)は5.9%と前連結会計年度に比べ0.1ポイント増加いたしました。
④特別損益
特別利益は、遊休不動産の売却により固定資産売却益を4億6千3百万円計上したことなどにより、8億2千3百万円となりました。
特別損失は、事業用地の土壌入替等のため環境対策費55億8千4百万円を計上したこと等により、58億9千6百万円となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は53億5百万円と37億8千1百万円(同41.6%減)の減益となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益から法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は39億4千6百万円と17億1千6百万円(同30.3%減)の減益となりました。
⑥包括利益
その他の包括利益は、割引率の低下により退職給付に係る調整累計額が減少したこと等により、43億8千万円の損失となりました。
これらの結果、包括利益は3億7千6百万円の損失と125億4千3百万円の減益となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
(流動資産)
「現金及び預金」は、有形固定資産の取得に45億5千2百万円、長短借入金の返済に43億8千2百万円使用しましたが、営業活動により62億4千6百万円の資金を得たこと等により15億6千6百万円減少いたしました。「商品及び製品」、「原材料及び貯蔵品」及び「仕掛品」を合計した棚卸資産は、当社東海製造事業所の設備改修により在庫を積み増したこと等により2億4千3百万円増加いたしました。
これらの結果、「流動資産」は1,017億1千1百万円と前連結会計年度末に比べ16億8千9百万円(前年同期比1.6%減)減少いたしました。
(固定資産)
「有形固定資産」は、当社、東海製造事業所の生産設備の拡充、インドネシア子会社の生産設備増設などを進め、DM COLOR MEXICANA S.A. DE C.V.を新たに連結範囲に含めた結果、453億9千6百万円と6億4千9百万円(同1.5%増)増加いたしました。
「投資その他の資産」は、株価の下落により「投資有価証券」が減少したこと、割引率の低下により「退職給付に係る資産」が減少したこと等により、250億1千5百万円と29億7千万円(同10.6%減)減少いたしました。
これらの結果、固定資産は、720億3千3百万円と20億2千4百万円(同2.7%減)減少いたしました。
(流動負債・固定負債)
借入金は、返済を進めたこともあり長短合わせて44億3百万円減少いたしました。これにより、手形割引高を含めた有利子負債残高は、471億4千1百万円と53億4千7百万円減少し、有利子負債依存度は27.1%と前連結会計年度に比べ2.3ポイント改善しております。
一方で、事業用地の土壌入替などにより「環境対策引当金」は53億1千5百万円増加いたしました。
これらの結果、「負債合計」は、976億5千万円と26億2千2百百万円(同2.6%減)減少いたしました。
※ 有利子負債=借入金+リース債務+割引手形
※ 有利子負債依存度=有利子負債/(負債純資産合計+割引手形)
(純資産)
「株主資本」は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払等の結果「利益剰余金」が25億6千5百万円増加したことにより、698億3千8百万円と26億6百万円(同3.9%増)増加いたしました。
「その他の包括利益累計額」は、株価の下落により「その他有価証券評価差額金」が5億6千7百万円減少、期末の円高の影響により「為替換算調整勘定」が11億7百万円減少、退職給付債務計算に使用する割引率が低下したことにより「退職給付に係る調整累計額」が24億4千1百万円減少した結果、36億2千8百万円と41億1千万円減少いたしました。
これらの結果、「純資産合計」は760億9千3百万円と10億9千万円(同1.4%減)減少しました。また、自己資本当期純利益率は5.3%と2.8ポイント減少し、自己資本比率は42.3%と0.1ポイント増加しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しているため、省略しております。
(5) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、62億4千6百万円となり、前連結会計年度と比べて5億7千3百万円(前年同期比10.1%増)増加いたしました。これは、仕入債務の増減額が16億9千万円増加したことなどによるものであります。
この結果、営業キャッシュ・フロー対売上高比率は3.9%と0.4ポイント、インタレスト・カバレッジ・レシオは10.5倍と1.6ポイントそれぞれ改善しております。
※営業キャッシュ・フロー対売上高比率=営業活動によるキャッシュ・フロー/売上高
※インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動において使用した資金は27億2千万円となり、前連結会計年度と比べ1億6千5百万円(同6.5%増)増加いたしました。これは、DAINICHISEIKA CHEMICAL (SHENZHEN) FACTORY LTD.の清算等に伴い有形固定資産の売却による収入が11億3千4百万円増加した一方、定期預金の払い戻しによる収入が5億4千2百万円減少、ERPシステム導入に伴い無形固定資産の取得による支出が3億3千5百万円、設備投資の増加に伴い有形固定資産の取得による支出が2億1千5百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は61億8千万円となり、前連結会計年度と比べ22億4千3百万円(同57.0%増)増加いたしました。これは、新規借入による収入が12億3千4百万円増加した一方、借入金の返済による支出が32億5千2百万円増加したため、差し引き20億1千8百万円借入金が減少したこと等によるものであります。配当金対営業キャッシュ・フロー比率(キャッシュ・フロー版配当性向)は、増配したこともあり20.8%と前連結会計年度に比べて0.4ポイント増となっております。
※配当金対営業キャッシュ・フロー比率=配当金の支払額/営業活動によるキャッシュ・フロー