訂正有価証券報告書-第204期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/07/03 16:23
【資料】
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【項目】
141項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定し、理念のより良い実現を目指して、実効性の高いコーポレートガバナンス体制の構築を継続して追求することを重要な経営課題として位置づけています。
② 企業統治の体制の概要および当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、取締役会と独立した立場で取締役の職務執行を監査する目的で監査役会設置会社を選択しています。また、執行役員制度を採用し、経営の監督と業務執行を分離しています。
取締役会は、独立社外取締役4名を含む8名で構成しており(議長:社長)、原則月1回開催し、経営に関する重要な事項について決議および報告を行っています。
監査役会は、社外監査役3名を含む5名で構成しており、原則月1回開催し、監査に関する重要な事項について協議と決議を行うとともに、取締役会付議事項の事前確認等も行っています。
取締役および監査役の候補者の指名、取締役の報酬の決定などにかかる取締役会の機能の客観性・独立性を強化する観点から、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を設置し、必要に応じて開催しています。同委員会は、次の6名の委員で構成し、その過半数である4名を独立社外取締役とし、委員長は独立社外取締役から選定しています。
(指名報酬委員会の構成)
委員長新 井 佐恵子(社外取締役)
委 員遠 藤 信 博(社外取締役)
碓 井 稔(社外取締役)
藤 本 康 二(社外取締役)
木 村 徹(代表取締役社長)
新 沼 宏(非業務執行取締役)

当社の親会社またはその子会社(当社およびその子会社を除く。)(以下「親会社グループ」)との重要な取引等について、その公正性および合理性を確保し、当社の少数株主の利益保護に資するため、取締役会の諮問機関としてグループ会社間取引利益相反監督委員会を設置し、必要に応じて開催しています。同委員会は、すべての独立社外取締役で構成し、委員長は委員の互選により選定しています。第204期定時株主総会終結後における同委員会の委員長は、2024年7月以降に開催する同委員会において選定する予定です。
(グループ会社間取引利益相反監督委員会の構成)
委 員遠 藤 信 博(社外取締役)
新 井 佐恵子(社外取締役)
碓 井 稔(社外取締役)
藤 本 康 二(社外取締役)

また、社長の意思決定のための諮問機関として経営会議を原則月2回開催し、取締役会の決定した基本方針に基づき、経営上の重要な事項を審議しています。さらに、業務執行状況および業務執行にかかわる重要事項について社外役員を含む取締役および監査役ならびに執行役員等の間で適切に共有することを目的として経営連絡会を原則月1回開催しています。

③ 企業統治に関するその他の事項
(ア)内部統制システムおよびリスク管理体制の整備の状況
当社は、業務の適正を確保するための体制の整備の基本方針について、取締役会において次のとおり決議し、運用しています。
(a)当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・「行動宣言」に基づくコンプライアンスの実践をより確実なものとするため、「コンプライアンス行動基準」を制定し、企業倫理の浸透を図ります。
・コンプライアンスを推進する体制として、コンプライアンス担当執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会及びコンプライアンス委員会事務局を設置し、各部門長をコンプライアンス推進者に任命します。
・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、コンプライアンス推進状況を把握し、その概要を取締役会に適切に報告します。
・コンプライアンス委員会は、取締役及び使用人に対する教育研修の年度方針を策定し、実施します。
・コンプライアンスに関する通報・相談をするための窓口として社内外にコンプライアンス・ホットラインを設置します。当該通報・相談をした者に対して、当該通報・相談をしたことを理由として不利な取扱いをしません。
・内部監査を担当する部門を設置して、コンプライアンスの状況の監査を行い、社長及びコンプライアンス担当執行役員に適切に報告します。
(b)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・記録・情報の取扱いに関する社則を制定し、取締役の職務の執行に係る情報の適切な保存・管理を行います。
(c)当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・リスクマネジメントに関する当社グループとしての基本的な考え方を定めた「SMP Group Risk Management Policy」を制定し、適切にリスクマネジメントを実施します。
・「リスクマネジメント規則」を制定し、社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、特性に応じて分類されたリスクごとにリスクマネジメントを推進する体制を整備します。各推進体制の運用状況については、定期的に取締役会に報告します。
・当社の経営又は事業活動に重大な支障を与えるおそれのある緊急事態が発生した際の影響を最小限にとどめるため、「緊急時対応規程」を制定し、経営及び事業の継続性を確保します。
(d)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・「取締役会規則」、「職務権限規則」、「組織規則」、「業務分掌規程」等を制定し、職務権限、業務分掌及び意思決定のルールを明確にします。
・執行役員制度を導入し、迅速で効率性の高い経営の実現を図ります。
・電子決裁システムを導入し、意思決定の迅速化及び効率化を図ります。
(e)当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ⅰ)子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
子会社は、職務権限、業務分掌及び意思決定のルールを明確にします。
(ⅱ)子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、適正なグループ運営を推進するための基本事項を定めた社則を制定し、その遵守を子会社が誓約することにより、子会社から経営上の重要事項の報告を受けます。
(ⅲ)子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・子会社は、その業態やリスクの特性に応じてリスクマネジメントを推進する体制を整備し、適切にリスクマネジメントを実施します。
・当社は、子会社のリスクマネジメント全般を把握し、助言、指導等の必要な対応を行います。
・当社は、当社グループがグループ横断的に取り組むべきリスクについて、必要な推進体制を整備し、当社グループにおけるリスクマネジメントを強化します。
(ⅳ)子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・子会社は、適切なコンプライアンス推進体制を整備します。
・当社は、子会社が参加するコンプライアンスに関する委員会等を定期的に開催し、子会社のコンプライアンスの強化を図ります。
・当社の内部監査を担当する部門は、子会社のコンプライアンスの状況の監査を行い、当社の社長及びコンプライアンス担当執行役員に適切に報告します。
(ⅴ)その他当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・親会社である住友化学株式会社のグループ運営の方針を尊重しつつ、当社の独立性を確保し、自律的な内部統制システムを整備します。
・当社と親会社との取引については、取引の公正性及び合理性を確保し、適切に行います。
(f)監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の当社の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助し、監査役会事務局を担当するため、業務執行部門の指揮・命令に服さない使用人を配置します。当該使用人の異動及び人事考課は、監査役と協議の上、監査役の意見を尊重して行います。
(ⅱ)取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制
当社の取締役及び使用人から監査役への報告に関する手続等を定め、監査役が必要とする情報を適時適切に提供します。
(ⅲ)子会社の取締役、監査役、業務を執行する社員及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告をするための体制
子会社の取締役等から監査役への報告に関する手続等を定め、監査役が必要とする情報を適時適切に提供します。
(ⅳ)前2号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
前2号の報告をした者に対して当該報告をしたことを理由として不利な取扱いをしません。
(ⅴ)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理は、監査役の意見を尊重して、適時適切に行います。
(ⅵ)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査役と代表取締役との会合、監査役と内部監査を担当する部門との会合、並びに監査役、内部監査を担当する部門及び会計監査人による三者の会合を定期的に開催します。
・監査役から監査役の職務に関する要望があれば、これを尊重し、適時適切に対応します。
(g)反社会的勢力の排除
反社会的勢力に対しては断固たる行動をとることを周知徹底し、一切の関係遮断に向けた取組を推進します。
(イ)責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項の規定により、賠償責任について、社外取締役4名および社外監査役3名との間で、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときの損害賠償責任を限定する契約(責任限定契約)を締結しています。当該契約に基づく責任の限度額は、1,000万円または法令が規定する額のいずれか高い額としています。
(ウ)役員等賠償責任保険契約
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約の被保険者は、当社および国内子会社(以下「当社等」)のすべての役員および執行役員等の重要な使用人(以下「役員等」)です。当該保険契約の保険料は当社が全額負担し、被保険者が当社等の役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が責任を負う損害賠償金および争訟費用の損害が填補されます。ただし、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に起因する場合等一定の免責事由があります。
(エ)取締役の定数および選任の決議要件
当社は、取締役の定数を3名以上とする旨を定款に定めています。
また、当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
(オ)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
当社は、資本施策の機動的な対応を可能とすることを目的として、会社法第165条第2項に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
また、当社は、株主へより安定的で適切な配当を実施することを目的として、会社法第454条第5項に基づき、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
(カ)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
(キ)会社と株主間取引での利益相反の防止
住友化学株式会社は、当社の議決権の51.78%を有する親会社です。親会社と当社の取引に関しては、市場金利や一般的な取引条件をもとに合理的な条件を決定しています。また、親会社と当社間における重要な取引につきましては、その決定に際して、取締役会決議を必要としています。さらに、親会社との年間取引金額について、取締役会に報告することによって、株主の利益を害するものでないことを確認しています。また、親会社グループとの重要な取引等については、取締役会の諮問機関として設置した、すべての独立社外取締役によって構成されるグループ会社間取引利益相反監督委員会において、少数株主の利益保護の観点から審議を行うこととしています。
④ 取締役会の活動状況
当事業年度において、取締役会を16回開催しており、個々の取締役および監査役の出席状況については次のとおりです。
役職名氏名出席回数/開催回数(出席率)
代表取締役社長野村 博16 回/16 回(100%)
代表取締役木村 徹16 回/16 回(100%)
取締役池田 善治16 回/16 回(100%)
取締役馬場 博之16 回/16 回(100%)
取締役西中 重行16 回/16 回(100%)
社外取締役新井 佐恵子16 回/16 回(100%)
社外取締役遠藤 信博15 回/16 回( 94%)
社外取締役碓井 稔15 回/16 回( 94%)
社外取締役藤本 康二16 回/16 回(100%)

役職名氏名出席回数/開催回数(出席率)
常勤監査役大江 善則4 回/4 回(100%)
常勤監査役沓内 敬16 回/16 回(100%)
常勤監査役加島 久宜12 回/12 回(100%)
社外監査役射手矢 好雄16 回/16 回(100%)
社外監査役望月 眞弓16 回/16 回(100%)
社外監査役道盛 大志郎16 回/16 回(100%)

(注) 1 大江善則氏についての取締役会出席状況は、当事業年度に開催された取締役会のうち、2023年6月27日の退任前に開催されたもののみを対象としています。
2 加島久宜氏についての取締役会出席状況は、当事業年度に開催された取締役会のうち、2023年6月27日の就任後に開催されたもののみを対象としています。
取締役会においては、当事業年度は、欧米子会社の再編、中期経営計画2027の策定、取締役報酬制度の改定、生産組織の再編、政策保有株式の売却、精神神経領域の開発品目にかかる提携契約の改定、フロンティア事業に関する事業譲受に関する決議、ならびに、サクセッションプランの検討状況、精神神経領域の開発品目の状況、政策保有株式の保有状況およびその議決権の行使状況、関連当事者との取引状況、内部統制システムの整備状況および運用状況、リスクマネジメント(品質・安全性、コンプライアンス、情報管理および業務活動リスクの各領域)に関する取組状況、内部監査の状況、取締役および監査役に対するトレーニングの実施状況、取締役会の実効性に関する分析および評価の結果、株主・投資家等との対話の状況、サステナビリティ(環境、人権および従業員の健康の各領域)に関する取組状況、指名報酬委員会の活動状況、全社意識調査の分析結果等に関する報告を行いました。
⑤ 指名報酬委員会の活動状況
当事業年度において、指名報酬委員会を8回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりです。
役職名氏名出席回数/開催回数(出席率)
社外取締役新井 佐恵子8 回/8 回(100%)
社外取締役遠藤 信博6 回/8 回( 75%)
社外取締役碓井 稔8 回/8 回(100%)
社外取締役藤本 康二8 回/8 回(100%)
代表取締役社長野村 博8 回/8 回(100%)

指名報酬委員会においては、当事業年度は、代表取締役および役付取締役の選定、取締役の候補者、執行役員の候補者、社長等の後継者の選定方針等、取締役の報酬の決定に関する方針、各取締役の個別報酬等に関する審議を行いました。
⑥ グループ会社間取引利益相反監督委員会の活動状況
当事業年度において、グループ会社間取引利益相反監督委員会を4回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりです。
役職名氏名出席回数/開催回数(出席率)
社外取締役遠藤 信博4 回/4 回(100%)
社外取締役新井 佐恵子4 回/4 回(100%)
社外取締役碓井 稔4 回/4 回(100%)
社外取締役藤本 康二4 回/4 回(100%)

グループ会社間取引利益相反監督委員会においては、当事業年度は、当社の大分工場と住友化学株式会社の大分工場の一部統合および住友化学株式会社からの債務被保証に関する審議を行いました。