有価証券報告書-第99期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 11:44
【資料】
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【項目】
147項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。
① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。
② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。
③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、2016年を起点とする3か年の中期経営計画において、次の3点に重点的に取り組んでまいりました。
① 開発パイプラインの充実
爪白癬治療剤(KP-607)が臨床試験を開始し、アーバー社からアタマジラミ症治療剤イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)、コーバス社から全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤レナバサムを導入いたしました。
② クレナフィン及び新製品の価値最大化、既存製品の営業基盤の強化と効率化
クレナフィンは国内売上が伸長するとともに、海外(韓国、台湾、香港、マカオ、中国)への導出活動が進み、そのうち韓国、台湾におきましては、導出先企業による販売が開始されました。
③ 変革の時代にふさわしい、創造力豊かな人材の育成
次世代を牽引するリーダーの育成に注力するなど、グループ全体で人材力の強化に取り組みました。
また、本中期経営計画の当初数値目標は、連結売上高1,100億円としておりましたが、想定以上の薬価改定の影響、競合環境の変化により、941億円という結果でありました。
2019年を起点とする3か年の中期経営計画においては、その期間の業績だけにとらわれず、厳しい時代を乗り切るための「成長基盤の確立」を重要課題と位置付け、次の4点に重点的に取り組んでまいります。
① 開発パイプラインの充実を最優先課題とし、可能な限りの経営資源を配分する。
② クレナフィンの海外展開、新製品の海外展開や適応拡大により、価値最大化をはかる。
③ 連結売上高945億円達成に向け、営業基盤の強化と効率化をはかり、生産性の向上をめざす。
④ 人材育成・人材教育により全社員の生産性を高め、存在感のある社員を育成するとともに、組織のスリム化・人員配置の適正化をはかる。
また、2021年度経営数値目標として、連結売上高945億円、連結営業利益250億円、連結ROE12%以上をめざします。
(3) 会社の対処すべき課題
医薬品業界におきましては、医療費抑制策が浸透する中で、企業間競争は一段と激しさを増しております。
このような状況の下、当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。
① 研究開発への重点投資
研究開発面では、資源投入の集中と研究開発の効率化によりパイプラインの充実につとめるとともに、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携を行い、テーマの早期導出入をはかってまいります。
また、基礎試験の社外委託、治験に関する外部受託機関の活用や、海外臨床試験及び国際共同治験を実施するなど研究開発のスピードアップをはかってまいります。
② 営業基盤の強化
営業面では、医療現場のニーズに即した付加価値の高い情報提供を行い、地域密着型の営業展開を行ってまいります。また、整形外科領域での地位を不動のものとするとともに、皮膚科領域でのプレゼンスを高めてまいります。情報発信の手段として、製品関連ウェブサイトやマスメディアなども活用してまいります。
③ 業務の適正化と効率化の推進
生産面では、設備投資の効率化、要員配置の最適化、品目、規格の見直しを進め、一層の原価率の低減につとめてまいります。
④ 環境保全の推進
環境保全の推進は企業の社会的責任との認識の下、「環境委員会」を中心に全社的に取り組んでおり、静岡事業所がISO14001の認証を取得しております。
なお、当社ウェブサイトにおきまして「環境・社会報告書」を公開しております。