四半期報告書-第116期第3四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、政府による経済対策や金融政策などを背景に企業収益が改善し、設備投資の増加や個人消費の持ち直しなど、緩やかな回復基調で推移しました。
しかしながら、米国の金融政策正常化に向けた動きや新興国経済の成長鈍化、ギリシャを巡る欧州債務問題など、海外経済の下振れ懸念は依然として強く、景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような状況下、当社グループは自社開発品目の普及拡販と海外事業の拡大を目指しました。当第3四半期連結累計期間の売上高は460億28百万円、前年同四半期に比べ95百万円(0.2%)の増収となりました。利益面ではノウハウ技術料収入の増加もあり、営業利益は102億11百万円、前年同四半期に比べ7億28百万円(7.7%)の増益、経常利益は96億62百万円、前年同四半期に比べ2億80百万円(3.0%)の増益となり、四半期純利益は64億21百万円、前年同四半期に比べ1億11百万円(1.8%)の増益となりました。
当第3四半期連結累計期間における報告セグメントの概況は以下のとおりです。
[農薬事業]
国内農薬販売では、園芸用殺虫剤「フェニックス」、水稲用殺菌剤「ブイゲット」などの自社開発品目の普及拡販に努めるとともに、新規殺ダニ剤「ダニコング」を始めとする新製品5剤の販売を開始し、品目ポートフォリオの拡充を図りました。「ダニコング」の販売は、新規の作用性と生物効果が市場から評価され、計画を上回りました。農薬原体販売では、園芸用殺虫剤「コルト」の当用期に向けた販社への販売が好調に推移しました。しかしながら、既存の水稲用除草剤の販売不振などから国内販売全体の売上高は前年同期を下回りました。
海外農薬販売では、アジア地域で過年度の天候不順などに起因する流通在庫の消化が進展した韓国ならびに中国で「フェニックス」などの売上高が伸長しました。米州ではNichino America,Inc.の主力品目である園芸用殺虫剤「アプロード」が桜桃などの新規市場での拡販が進むなど販売が好調に推移しました。また、当第3四半期より、本年3月に発行済株式総数の74%を取得し連結子会社化したインドのHyderabad Chemical Pvt.Ltd.の業績を当社の連結業績に含めました。しかしながら、フェニックス原体販売の大幅な減少などから、為替は円安基調で推移したものの、海外販売全体の売上高は前年同期を下回りました。
なお、自社開発品目の技術導出先の販売が好調に推移したことから、ノウハウ技術料収入は前年同期を上回りました。
以上の結果、農薬事業の売上高は417億93百万円、前年同四半期に比べ3億31百万円(0.8%)の減収となり、営業利益は94億97百万円、前年同四半期に比べ8億17百万円(9.4%)の増益となりました。
[農薬以外の化学品事業]
化学品事業では、シロアリ薬剤事業が連結子会社である株式会社アグリマートの業績寄与もあり、売上高が伸長しました。
医薬品事業では、外用抗真菌剤「ラノコナゾール」、「ルリコナゾール」が競争激化などから売上高が伸び悩みました。
なお、医薬・動物薬に係るノウハウ技術料収入の増加もあり、農薬以外の化学品事業の売上高は28億78百万円、前年同四半期に比べ4億62百万円(19.2%)の増収となり、営業利益は9億23百万円、前年同四半期に比べ13百万円(1.4%)の減益となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ201億3百万円増加し、888億93百万円となりました。これは、売上債権の増加、たな卸資産の増加及びHyderabad Chemical Pvt.Ltd.及びNectar Crop Sciences Pvt.Ltd.を連結子会社としたことによるのれんの増加が主な要因です。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ132億6百万円増加し、362億77百万円となりました。これは、短期借入金及び長期借入金の増加が主な要因です。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ68億96百万円増加し、526億16百万円となりました。これは、四半期純利益による利益剰余金の増加が主な要因です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その概要等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、平成25年11月13日開催の取締役会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本対応策」といいます。)の更新を決議し、平成25年12月20日開催の第114回定時株主総会においてご承認いただいております。
本対応策は、不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配され、当社の企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社株主共同利益等」といいます。)が毀損されることを防止することを目的としており、その内容の概要は以下のとおりであります。
本対応策の詳細については、当社ウェブサイト(http://www.nichino.co.jp/pdfs/20131113.pdf)をご覧ください。
① 基本方針の内容の概要
当社は、「安全で安定的な食の確保と、豊かな緑と環境を守ることを使命として、社会に貢献する」、「技術革新による優れた商品と価値の創出にチャレンジし、市場のニーズに応える」、「公正で活力のある事業活動を通じて社会的責任を果たし、信頼される企業を目指す」という経営基本理念を掲げ、当社株主共同利益等の向上に努めております。
当社は、上記の経営基本理念のもと、将来ビジョンに則り、継続的に中期経営計画を策定し、企業価値の継続的な向上に取組み、株主の皆様をはじめ、顧客、お取引先、従業員等全てのステークホルダーの利益を重視しその信頼に応えられる企業を目指しております。
以上のようなステークホルダーの利益を重視した健全かつ持続的な成長・発展が、当社の経営にとって最も大切であること(以下、「当社の経営方針」といいます。)を株主の皆様にご理解いただくことが重要だと考えております。
上場企業である当社株券等は、自由な譲渡が認められており、当社の株主は、市場における自由な取引を通じて決定されるものであります。したがって、当社は、当社の会社経営の支配権の異動を伴うような大規模買付行為に関する提案等に応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様の自由な意思に基づいて行なわれるべきものと考えております。
しかし、当社は、上記の当社の経営方針に鑑み、短期的な利益を追求する特定少数の株主が、当社経営陣の賛同を得ることなく濫用的に当社株券等の多数を保有すること等により、当社の経営方針の決定や株価に影響が生じ、当社の顧客や、多数の一般株主の利益が害され、当社株主共同利益等が毀損される可能性がある場合には、そのような事態の発生を阻止するための相当な措置をとることを可能とする制度を整備し、一定の手続に従い、適切な対応策を講じることが必要であると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
(a)当社の将来ビジョン
当社は、前述のとおり平成25年度から、当社グループとして将来のありたい姿を確認し、「Nichino Group-Growing Global 世界で戦える優良企業へ」という将来ビジョンを掲げました。
(b)当社の中長期的な経営戦略
当社は、上記の将来ビジョンに則り、平成25年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「Shift for Growing Global 2015(SGG2015)成長へのシフト」を策定し、成長戦略の推進と高収益体質の追求に取り組んでおります。これらの活動を通してグループ事業の拡大を図り、世界で戦える優良化学企業への展開を目指しております。
(c)企業価値の源泉、向上
当社の事業は、農薬の研究・開発・製造・販売、及び医薬、動物薬等の農薬の周辺事業から構成されており、当社の経営には、昭和3年(1928年)会社創立以来蓄積された専門的知識・経験・ノウハウ、及び国内外の顧客等のステークホルダーとの間に築かれた長期的取引関係への理解が不可欠であります。
また、基幹事業たる農薬の研究・開発には多大な時間と費用を要します。一般に化合物が製品化される確率は、十数万分の1、新農薬の誕生までには10年、100億円以上の投資が必要であるといわれています。その理由として、多数の組み合わせの中から、最適なものを選抜する優れた最先端の合成技術が必要であること、また、新規農薬化合物の実用化にあたって、国が定めた厳しい安全基準をクリアするため、複数年に亘る多種多様な安全性試験が必要となること等が挙げられます。更には、新農薬の価値を最大化するために、実際の植物を利用した生物試験や、最小限の薬量で最大の効果を発揮するための優れた製剤技術等が必要です。このような状況下、当社は毎年売上高の約10%を目安に、研究開発投資を行ない、高い創薬確率の達成、維持、向上を目指しております。かかる高い創薬確率の達成、維持、向上を目指す中長期的な観点からの安定的な経営は、当社株主共同利益等の向上に繋がるものと考えています。
これら当社の事業特性に対する理解なくしては当社の企業価値を向上させていくことは困難であり、また、かかる事業特性の理解に基づく中長期的な観点からの安定的な経営を行なうことは、当社の経営基本理念及び当社の経営方針に合致し、当社株主共同利益等の向上に必須であると考えています。
(d)コーポレート・ガバナンスについて
コーポレート・ガバナンスに関する取組みにつきましては、第115期有価証券報告書「第4 提出会社の状況 6コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
当社取締役会は、上記の取組みは、上記②(c)記載の当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、当社株主共同利益等を中長期的に向上するべく十分に検討されたものであることから、上記①の基本方針に沿うものであり、当社株主共同利益等を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配され、当社株主共同利益等が毀損されることを防止するための取組みの概要
当社は、当社株主共同利益等を維持・向上させるためには、当社株券等に対して大規模買付行為が開始された場合に、当該大規模買付行為について株主の皆様が大規模買付行為に応じるべきか否かにつき適切な判断が行なえるよう、大規模買付者(大規模買付行為を行なおうとし、又は行なっている者をいい、以下、「大規模買付者」といいます。)から必要かつ十分な情報が提供されること、また、検討のために必要かつ十分な時間が確保されること等が必須であると考えます。
当社は、そうした目的を達成するために本対応策を定めています。本対応策の概要は以下のとおりです。
・当社株主共同利益等のため、大規模買付行為は、事前に大規模買付者から当社取締役会に対して十分な情報が提供され、かつ、原則として、本対抗措置(会社法第277条以下に規定される新株予約権の無償割当てその他法令及び定款により当社取締役会の権限として認められる措置をいいます。)の発動の是非を判断する株主総会が終結した後に限り開始することができるものとすること。
・大規模買付者が大規模買付ルールに従って、大規模買付行為に先立ち、当社取締役会に対して株主の皆様の判断及び当社取締役会の評価・検討のために必要かつ十分な情報を提供した場合、本対抗措置の発動の是非を判断する株主総会の前に、当社取締役会による当該大規模買付行為についての評価、検討、交渉、賛否の意見の形成及び代替案立案のための一定の評価期間を経ること。
・大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守した場合であっても当該大規模買付行為が当社株主共同利益等を毀損する可能性のある場合は、当社取締役会が予め定める手続に従って、原則として株主総会における普通決議を経て、大規模買付者に対する本対抗措置を発動することがあること。
・本対抗措置の発動又は不発動等に関する当社取締役会の判断及び決定の合理性及び公正性を担保するために、経営陣から独立した社外取締役、社外監査役及び社外有識者の中から3名以上で構成される独立委員会を設置し勧告を得ること。当社取締役会は、本対抗措置の発動又は不発動等の判断及び決定にあたり独立委員会の勧告を最大限尊重すること。
・大規模買付者による大規模買付ルールの遵守又は不遵守の事実、独立委員会の勧告の内容、当社取締役会の判断及び決定の内容及び理由、株主総会の開催の有無並びに開催日時及び場所等を、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って適時適切に開示すること。
・当社株券等についてその保有者の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付けその他有償の譲受け又はこれに類する行為
・当社の特定の株主が当社の他の株主との間で行なう、当該他の株主が当該特定の株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又は当該特定の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し、若しくはそれらの者が共同若しくは協調して行動する関係を樹立する行為
④本対応策の有効期間
本対応策の有効期間は、平成28年12月開催予定の定時株主総会終結の時までとなっており、有効期間の満了後の対応策については当該株主総会において株主の意思を確認することとされています。
⑤本対応策に対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、以下の理由により、本対応策が基本方針に沿い当社株主共同利益等に合致するものであって、当社役員の地位の維持を目的とするものではないものと判断しております。
(a)当社株主共同利益等の確保及び向上
本対応策は、当社株券等に対する大規模買付行為が行なわれる際、当該大規模買付行為に応じるべきか否かについて、株主の皆様が必要かつ適切な情報の提供を受けた上でその自由な意思に基づいて判断すること、当社取締役会が、独立委員会の勧告を受けて大規模買付行為に対する賛否を決定し、あるいは代替案を提案するために必要な情報や時間を確保すること、当社取締役会が株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行なうこと等を可能とすることを目的とするものであること。
(b)株主意思の重視(株主総会決議とサンセット条項)
本対応策は、当社の第114回定時株主総会におけるご承認を得て発効したものではあるものの、その有効期間は、平成28年12月開催予定の定時株主総会の終結の時までとされていること。
また、本対応策の有効期間の満了前であっても、当社株主総会又は当社株主総会において選任された取締役により構成される当社取締役会において本対応策を廃止する旨の決議がなされた場合には、本対応策はその時点で廃止されること。
(c)事前の開示
当社は、本対応策につき、株主、投資家及び大規模買付者に対し、その予見可能性を高め、適正な選択の機会を確保するため、本対応策を事前に開示しており、今後も、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従い必要な事項について適時適切に開示すること。
(d)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
当社は、当社取締役会又は取締役の恣意的判断を排除し、当社取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するために、本対抗措置の発動及び中止等の運用に関する勧告を客観的に行なう機関として独立委員会を設置していること。
実際に大規模買付者が出現した場合には、当社取締役会は独立委員会の勧告を検討の上、当該勧告を最大限尊重して、本対抗措置発動又は不発動等に関する会社法上の取締役会決議等を行なうこと。
(e)合理的な客観的要件の設定
本対抗措置は、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないようにその手続が設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されていること。
(f)社外の独立した専門家の意見の取得
当社取締役会及び独立委員会は、独立した第三者的立場の専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士等)の助言を受けることができるものとし、当社取締役会及び独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとしていること。
(g)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本対応策は、株主総会で選任された取締役を構成員とする当社取締役会決議により、廃止することができるものとして設計されており、デッドハンド型買収防衛策(当社取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、対抗措置の発動を阻止できない買収防衛策)ではないこと。また、当社は取締役の任期につき期差任期制を採用していないため、本対応策はスローハンド型買収防衛策(当社取締役会の構成員の交替を一度に行なうことができないため、対抗措置発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもないこと。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、37億77百万円であり、主に農薬事業です。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、Hyderabad Chemical Pvt.Ltd.及びNectar Crop Sciences Pvt.Ltd.を連結子会社としたことにより、「農薬」セグメントの従業員数が515名増加しています。なお、従業員数は常勤の就業人員(正社員及び契約社員)であり臨時従業員を含んでいません。