有価証券報告書-第81期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 10:54
【資料】
PDFをみる
【項目】
126項目

研究開発活動

当社グループは、少子高齢化が進む中で、健康寿命への挑戦として、健康と美に関するあらゆるソリューションを提供し、人々の快適性の実現を目指して、アイケア関連、スキンケア関連、内服・食品関連を中心に、独創的かつ高機能製品の研究開発活動を精力的に進めております。また、先進医療領域として、体性幹細胞を用いた再生医療による新規治療薬の開発も新たに進めております。当連結会計年度において、医薬品をはじめ機能性化粧品や高機能性食品の領域に、高い技術力に裏打ちされた実効性のある独自性の高い新製品を投入することによって、引き続き事業基盤の強化を図っております。また、国内外の大学をはじめとした外部機関との共同研究を推進し、先端技術との融合により、優れた技術に裏打ちされた製品のスピード開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発費総額は、61億4千6百万円(セグメント間の取引消去後)であり、セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。
<日本>アイケア関連におきましては、さらに競争優位性を維持強化するため、外部研究機関との連携強化を図り、先端技術の応用や機能解析を積極的に進めております。また、先端技術と製剤化技術の融合により、さらなる付加価値向上による、快適性の実現、効果・持続性の増強、安全性の向上等、消費者ニーズに対応した製品の研究開発を積極的に行っております。
当連結会計年度における主な成果としまして、筋肉・涙・炎症の3要素が複合的に関与している現代人の目の「蓄積疲労」に本気で悩む方に向けた、国内最多12有効成分を配合した高機能眼科用薬「Vロートプレミアム」を開発いたしました。また、目を酷使する子供向けに、目の調節機能をつかさどるピント調節筋に働きかけ、目の疲れを回復させるビタミンB12とネオスチグミンメチル硫酸塩を基準内最大濃度配合した「Vロートジュニア」を開発いたしました。
スキンケア関連におきましては、医薬品、医薬部外品及び化粧品等の分野を中心として、様々な皮膚疾患や美容へのアプローチを積極的に進め、製薬企業としての技術基盤に基づく、より一層の安全性・有効性の向上はもとより、さらに機能性を高めて競争優位性を確保することを重点課題として研究開発活動を行っております。また、外部研究機関との連携を一層強化し、新規技術の確保と新規領域への拡大に注力しております。
当連結会計年度における主な成果としまして、医薬品では、デリケートな顔にも使いやすく、4つの有効成分がかゆみ・湿疹などの症状を鎮め、かくしたい赤みにも効果を発揮する治療薬「メンソレータム カユピット」を開発いたしました。また、頭皮湿疹のユーザー使用実態調査をもとに、頭皮に薬剤をもっとしっかり効かせたいお客様に向けて頭皮湿疹向け治療薬で初めて「スポンジヘッド」を採用した「メンソレータム メディクイックH ゴールド」を開発いたしました。
医薬部外品並びに化粧品では、コラーゲンの新陳代謝に着目した研究より見出した技術を新たに採用し、エイジングに対応した新しいベースケアとして、「オバジ アクティブサージ」シリーズをリニューアルいたしました。また、製剤技術研究により新たな保湿技術を構築し、ワンランク上の保湿を提案する「極潤プレミアム」シリーズから新たに乳液として「極潤プレミアム ヒアルロン乳液」を開発いたしました。さらに、スプレーするとジェルに変化し、水・汗と混ざらずに肌にピタッと強力密着する製剤技術を構築し、タオルで拭かずにそのまま使えるスプレータイプの日やけ止め「スキンアクア ウォーターマジックUV」を開発いたしました。
内服・食品関連におきましては、身近な漢方・生薬ブランドの「和漢箋」より、足や指のつり・こむらがえりに悩む女性に応える内服薬として、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を基準の満量配合した新製品「ツラレス」を開発いたしました。芍薬甘草湯が筋肉の緊張をほぐし、こむらがえりの症状を鎮めます。また、アルガードシリーズより、有効成分であるエピナスチン塩酸塩を配合し、シームレスカプセルで服用しやすく、24時間効果が持続する「アルガード持続性鼻炎シールド24h」を開発いたしました。
さらに新たな領域への取組みとして、眼科や皮膚科領域で培ってきた組織再生研究を歯科領域にも応用し、「ハレス口内薬」を開発いたしました。歯ぐきのはれ・出血・痛みを抑え、歯をしっかり支える本来の強い歯ぐきづくりをサポートする製品です。また、尿中LH(黄体形成ホルモン)を捉える排卵日予測検査薬「ドゥーテストLHa」を開発し、OTC医薬品(第一類医薬品)として発売いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、53億9千万円であります。
<アメリカ>製薬企業としての技術基盤に基づいて、より一層の安全性、有効性、さらに機能性を向上させ、消費者の快適性を実現するとともに、競合他社品との差別化を図ることを重点課題として、特にアイケア並びにスキンケア関連の研究開発活動を進めるとともに、積極的に新規分野の拡大を目指しております。アイケアでは、涙の成分研究によって見出した新技術を搭載した涙液型目薬「ROHTO DRY-AID」を開発いたしました。スキンケアでは「Mentholatum Vaporizing Rub Roll on」、「OXY on-the-go Stick」などを開発・発売いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、3億3千3百万円であります。
<ヨーロッパ>スキンケア関連医薬品を中心として、消費者の快適性の実現や製薬企業としての技術基盤に基づく、より一層の安全性・有効性の向上、さらに機能性を高めて競合他社品との差別化を図ることを重点課題として、研究開発活動を行うとともに、関連会社との連携を強化し、積極的に新規領域への展開を目指しております。新商品としては、制汗デオドラント、リップケア、ニキビケアについて、新規に開発を進めました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、1億4千8百万円であります。
<アジア>スキンケア関連を中心に、機能性を高めることによって競合他社品との差別化を実現すべく研究開発活動を進めるとともに、積極的に新規分野の拡大を目指しております。
中国におきましては、スキンケア分野において機能性化粧品、洗顔料、美白化粧品などの新アイテムを開発・発売いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、2億7千3百万円であります。