有価証券報告書-第90期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 15:00
【資料】
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【項目】
192項目

有報資料

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
ロート製薬は、創業以来、健康をコアバリューに、一般用医薬品やスキンケア商品の提供を通じて、多くの方に身近な健康をお届けしてまいりました。生活者の皆さま一人ひとりの健康寿命が延伸し、生活の質(Quality of Life)が向上することによって、社会全体の経済活動は活性化し、増加する社会保障費も抑制され、持続的な健康長寿社会の実現につながると考えます。当社の存在意義(パーパス)は、世界の人々に商品やサービスを通じて健康をお届けすることによって、 当社を取り巻くすべての人や社会を「Well-being」に導き、明日の世界を元気にすること。これからも、事業活動を通じて世界の人々のWell-beingに貢献するとともに、健康で幸せに過ごすことができる持続可能な社会の実現を目指してまいります。
経営理念
① 豊かで幸せな生活を送るための心身の健康に貢献し続けることが当会社の最大の責務と捉え、その実現のために長期視点での経営と価値創出に努める
② 当会社は、社会の公器としての使命を自覚し、当会社を取りまく全ての人たちと協働して社会課題を解決し、これにより得られた便益を共有する
ビジョン
「Well-being」とは、身体も心もイキイキとし、さまざまなライフステージで笑顔あふれる幸せな毎日を過ごすこと。そしてロートが考える「Longevity」とは、サイエンスを通じて、「健康」を最大限に引き出し、人生を長く楽しいものにすることです。当社は「Connect for Well-being & Longevity」を掲げ、私たちの活動を通じて世界の人々が健やかに、そして長く幸せに過ごすことができる持続可能な社会を実現していきます。
当社の考えるグループ経営
当社グループの中心事業領域であるヘルスケア市場は、人々の価値観や生活様式に深く関わる事業であり、各国・地域における人種、宗教、文化、気候、生活習慣、消費者嗜好等の違いを的確に捉えた事業運営が不可欠であると認識しております。そのため、日本国内で成功した事業モデルやマーケティング手法を一律に海外へ展開するのではなく、各地域の市場特性や顧客ニーズに根差した事業戦略を構築し、現地に最適化した商品開発・製造・マーケティング活動を行うことこそが、世界の人々をWell-beingへ導くとともに、当社の持続的な成長に不可欠な要素であると考えております。
こうした考え方のもと、当社グループは、グループとして共有すべき理念、価値観、品質・倫理基準等については共通の基盤として徹底しつつ、具体的な事業戦略は各地域・各子会社の自主性・自立性を尊重することを基本方針としております。各グループ会社が、それぞれの事業特性や業界環境、競争状況に応じて意思決定を行うことで、事業環境や地域社会に根差した持続的な成長を実現してまいります。また、当社グループ内の連携のみならず、現地企業や販売パートナー等、グループ内外の多様なステークホルダーとの協業・共創を積極的に推進し、各地域における競争力向上と新たな価値創出を図ってまいります。
今後も、グローバル共通の理念とローカル市場への深い理解を両立させることで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
(2)経営環境および対処すべき課題等
当社はこのような基本方針のもと、セルフケア領域をコア事業、プロフェッショナル領域を成長投資事業と位置付けております。Well-beingを軸として、健康から未病、軽度疾患および病気の状態までトータルに事業を展開してまいります。
① 目標とする経営指標
当社グループでは、すべてのステークホルダーの満足度向上を図るという目標に向けて、ヘルスケア市場において、その分野でトップあるいは主要なブランドを築くことを目指すとともに、売上高や営業利益率、自己資本当期純利益率、総資産経常利益率、EBITDAマージンに代表される収益指標を重視し、経営管理を行っております。
② ビジョンに掲げる4つの事業セグメントと中長期成長戦略
当社が取り組む事業領域は、健康、未病、軽度疾患、病気の全てのステージにおける美と健康の提供です。これを4つの事業セグメント、6つの事業領域に分けて、それぞれにおいて貢献することを目指しております。加えて2025年5月に中長期成長戦略を発表しました。この成長戦略にて作成した「事業収益力の強化」、「技術商品力の深化と拡充」、「メディカル事業の基盤構築」、この3つの基本戦略に沿って、Well-beingな社会の実現を目指していきます。
1.アイケア事業
“国内で培った品質と技術をもとに、世界のOTC用アイケア市場におけるリーディングポジションの獲得を目指し、国内外で成長を拡大”
高齢化や医療費の増加が社会課題となる中、視機能の維持に貢献するアイケアは、人々のWell-being実現と健康寿命の延伸に不可欠です。当社は創業以来、目の健康を通じた人々のWell-beingへの貢献を中核的な使命のひとつに据えています。長年培ってきた技術力とブランド力をもとに、アイフレイルやデジタルデバイスの普及などで多様化する目の悩みに応えるセルフケア製品をお客様に提供しています。また国内だけでなくアジアや欧州などのグローバル市場への展開においても、世界の人々の目の健康を通じて社会課題の解決を目指します。
2.スキンケア事業
“サイエンスを基盤とした高機能スキンケアを展開するとともに、国内外でのブランド強化と事業拡大を加速”
既に売上の6割弱を占めるスキンケア事業については、引き続き、安全性・有効性・メカニズムを追求するエビデンスベースの研究開発を進めてまいります。再生医療研究の過程で得られた知見の応用や、長年の研究の蓄積である基幹技術をベースにした他社にはできない機能性の高い商品を提供し続けます。また当社の高い技術力の知見をヘアケア事業へと応用していき、国内外の更なる事業拡大を行ってまいります。
3.内服・食品事業
“エビデンスと信用に基づく食品事業を第三の柱に育てる”
薬に頼らず日々のお客様の健康を支えるため、内服・食品事業の強化に注力してまいります。コア事業であるアイケアの研究から生まれたサプリメントの「ロートV5」を中心に、一昨年グループ会社となったユーヤンサン・インターナショナル社での新製品開発、伝統あるブランドを日本・米国をはじめとする世界各国へ展開し、提供地域を広げてまいります。また自然界に存在する植物の力を、ロート独自のサイエンス力で科学的に解明し、健康や社会の課題解決に貢献するフィトサイエンス領域の事業の戦略を探索してまいります。
4.メディカル事業
4-1.医療用眼科事業
“眼科領域における多面的ソリューションの提供によって医療の発展に寄与し、人々の目の健康に貢献する”
当社は他企業とも提携を進めながら、医療用眼科用薬の開発を進めております。医療用眼科用薬メーカーであるロートニッテン㈱を中心に医療用眼科チャネルを開拓しながら、同時に眼科領域における再生医療研究、眼科用医療機器、さらにはデジタル技術を活用した医療機器の開発も検討しております。OTC医薬品アイケアカテゴリーのトップメーカーとして培ってきた知見と技術力を活かし、医療用眼科領域に幅広く貢献してまいります。
4-2.再生医療事業
“革新的なライフサイエンス技術を事業化する”
当社は2013年に再生医療に取り組む再生医療研究企画部の新設以来、再生医療・バイオ事業に注力してまいりました。多様な可能性を秘めた脂肪由来幹細胞などを応用して複数のパイプラインを進め、プロフェッショナルメディケーションに挑戦しております。近年の再生医療の需要の高まりによる、細胞製剤の市場拡大に対応すべく、今後も安定供給の体制づくりを行っていきます。また、これらをスキンケア等の既存事業と掛け合わせることで、当社にしかできない新しいWell-beingの創造に努めてまいります。
4-3.開発製造受託事業
“独自開発力を付加した開発製造受託(CDMO)へ進化する”
現状の医薬品製造受託(CMO)事業を進化させ、独自の開発力を活かした開発・製造をワンストップに提供する開発製造受託(CDMO)事業を推進することで競争優位性を実現してまいります。内服剤分野においては当社子会社であるクオリテックファーマ㈱、医療用眼科用薬分野においては当社子会社であるロートニッテン㈱、再生医療分野においては京都府木津川市の当社研究所やインターステム㈱において、それぞれ開発製造受託が可能な高い技術力とコスト競争力を実現すべく取り組んでおります。
③ デジタルトランスフォーメーション
DXの推進は経営戦略の重要な課題と捉え、継続的なイノベーションの創出を行うとともに、新しいヘルスケアビジネスのモデルとしてデジタルヘルスケアへのシフトに対応してまいります。顧客データを通じて、一人ひとりのヘルスケアに向き合う、また新たなニーズを発掘するConnect for Customer(D2Cプラットフォーム)を実装し、さらにはB2B、B2B2Cへの拡大を図りながら、顧客や取引先との信頼関係を創出してまいります。また全社員がDXについての見識を深め、現場起点でのデジタル活用アイデアが生まれやすい環境を構築するためにDX人財育成ロードマップを策定し、推進してまいります。
④ グローバル事業
全体売上の約半数を占め、2026年3月末時点で120か国以上をカバーしている海外事業については、引き続き現地に根付いて消費者と向き合いながら企業価値の向上を目指してまいります。特にOTC目薬、スキンケア、内服の導入を進めてまいります。日本とビジネス上の親和性の高いアジア地域(中国および東南アジア)を中心に積極的に経営資源の投入を行い、欧米については子会社メンソレータム社の成長戦略の策定と実行を軸に維持・拡大に努めます。2024年にはシンガポールの漢方薬等製造販売企業であるユーヤンサン・インターナショナル社、オーストリアの医薬品・医療機器等製造販売企業であるモノ社をグル―プの一員とし、更なるグローバルでのWell-being事業に貢献をしていきます。
⑤ SDGs
サステナビリティにおける重点課題の解決に向けた取り組みを推進するため、事業活動を通じて優先的に取り組むべき課題としてESG/SDGsの観点から、(1)事業を通じたWell-beingの実現、(2)企業価値向上に向けた人的資本の最大化、(3)持続可能な地球環境への貢献、(4)社会との共生、(5)さらなる経営基盤の強化、という5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。また、あらゆるステークホルダーからの高い信頼を得て持続的な企業活動を行うため、2023年にロートCSR行動指針改め、「ロートグループコンプライアンス行動指針」を定め、高い倫理観のある行動と法令順守のもと全社で課題解決に取り組んでおります。

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