有価証券報告書-第71期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 9:44
【資料】
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【項目】
91項目

対処すべき課題

(1)企業理念および基本方針
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を目指し、積極的な努力を続けています。
また、人の生命に関わる医薬品を取り扱う製薬企業としての責任を深く自覚し、法令遵守はもとより、高い倫理観に基づき行動すべく、コンプライアンスの一層の強化に努めています。
(2)経営課題
新薬開発型医薬品企業として永続的な発展を実現するため、次のとおり現状の課題を定め、対応に取り組んでいます。
〈現状における課題と取り組み〉
医薬品業界においては、新薬創製の成功確率が年々低下し、研究開発コストが増大するとともに、医療制度改革による種々の医療費抑制政策が強化されるなど、厳しい環境が続いています。このような状況の下、当社では「製品価値最大化」「研究開発体制の変革」「海外への挑戦」「企業基盤の強化」を4つの重点課題として、次のとおり取り組んでいます。
(a)製品価値最大化
持続的な成長を実現するため、オプジーボをはじめとする各製品の価値最大化を目指していきます。臨床試験のスピードアップを図ることで早期の上市・効能追加取得を目指すとともに、より早期にピークセールスを達成することで、各製品のポテンシャルを最大限引き出せるよう取り組んでいきます。
(b)研究開発体制の変革
画期的新薬を継続的に創出できるような研究開発力を更に強化していきます。従来の化合物オリエントをベースに、疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉えることを目指して、重点領域毎に新たに「オンコロジー研究センター」、「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、「スペシャリティ研究センター」を設置しました。また、医療ニーズの高い分野での革新的な化合物の導入や新たな技術の獲得にも積極的に取り組んでいきます。
(c)海外への挑戦
自社で創製した新薬を世界中に提供できるよう、特に抗がん剤などのスペシャリティ製品について、海外での自社販売を目指して取り組んでいきます。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、今後は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めていきます。
(d)企業基盤の強化
海外市場での事業を拡大し厳しい企業間競争を勝ち抜くため、企業基盤をさらに強化していきます。人財の育成や多様性の向上に引き続き取り組み、さまざまな事業環境の変化への対応や、生産性のさらなる向上を目指して体制強化を図っていきます。さらに、企業の社会的責任(CSR)活動では、「コーポレート・ガバナンス」、「革新的な医薬品」、「人財・人権」、「環境」、「公正な事業慣行」、「社会」を取り組むべき重点領域として取り上げ、すべてのステークホルダーに対して社会的責任を果たすべく、活動を推進していきます。