有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)
(2)戦略
①社会的意義のある製品の市場浸透
眼科領域における製品・サービスのイノベーションによる未充足ニーズへの対応と、コマーシャル・エクセレンス追求による患者さんへの貢献は、成長戦略の要であり、Santenグループの存在意義そのものです。中期経営計画に基づき、価値ある製品の市場浸透を図っていきます。
<リスク>■以下の取り組みについて、Santenグループが後手に回り競合他社が先行した場合、当該市場での競争力低下によりシェアが獲得できなければ、利益損失規模は大きい
・疾患の早期発見や診断、治療継続が十分にできていないことによる患者さんへのアプロ―チ
・中長期的には、途上国など保健医療体制の未整備などが原因で、医療にアクセスできていない患者さんに対する市場浸透活動
■中国などでSantenグループ主力品が集中購買の製品から外れるなど、国の政策による市場環境の激変も影響大
<機会>■短期的には、既存市場でのコマーシャル・エクセレンスの活動を強化し、診療プロセスへの価値ある情報提供、さらなる製品浸透と治療
■中期的には、コマーシャル・エクセレンスの継続的追求に加え、近視や眼瞼下垂などの未充足な疾患領域への製品提供
■長期的には、さらなる地理的展開及び新たな製品等の開発・提供を図り、より多くの患者さんに貢献
<対応策>■既存市場では、緑内障やドライアイなどの慢性疾患の治療継続率の改善に取り組む
■アンメットニーズを解消する新製品の上市、近視や眼瞼下垂など従来取り扱っていなかった疾患についても、自由診療領域への展開や販路拡大を目指す
■未治療患者さんが多い疾患・地域では、受診から治療継続のボトルネック解消により、より多くの患者さんにアクセス
<外部へのインパクト>目の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減し、年間4,107億ドル(※)と言われる視力障がいによる経済損失を少しでも削減させる。
■短期的には、既存市場でより多くの患者さんの治療に貢献
■中長期的には、近視や眼瞼下垂など未充足な疾患領域や、これまで提供できていなかった国や地域の患者さんの治療にも貢献
※ 出典:The Lancet Global Health Commission on Global Eye Health: vision beyond 2020
②人材の育成・登用
基本理念や戦略を理解し、世界中の人々の「見る」を通じた幸せな人生の実現を目指す人材こそが、Santenグループの最も大切な資産であり、そうした人材の育成・登用が肝要です。
生活者・患者さんを中心に考え、持続的な企業成長に貢献できる社員をグローバルで育成し、多様性を踏まえながら適時・適所に最適人材を登用できるよう、計画的な育成と登用を進めていきます。
<リスク>■即戦力の外部からの登用だけでなく、社内での育成・リスキリング・登用が戦略的・計画的になされなければ、社員のモチベーションや会社の成長への大きな障害となる
■人材の戦略的なポートフォリオが必須であり、適時・適所に最適人材を登用できないことによる事業の失敗は多額の損失につながる恐れがある
■退職者の増加などによる人的な損失が起これば、組織機能不全につながる可能性がある
<機会>■戦略的・体系的な育成体制が整えられれば、エンゲージメントの向上や人材の惹きつけにつながり、大きな利益貢献になるとともに、外部からの人材調達コストの低減にも貢献
■業務生産性が向上することで収益にプラスの影響
<対応策>■Santenグループの基本理念やビジョン、強みを深く理解し、戦略をグローバルに実行する人材の育成
■戦略の立案や実行、変革に向け、重要ポジションを担うマネジメント層を対象に、リーダーシップ能力を向上させる人材マネジメント教育を実施
■重要ポジション(※)の後継者の明確化と、計画的確保・育成・配置の具体的な実践
■多様性の活用においては、特に日本国内の女性の管理職登用に向けた推進
※ 経営戦略の立案と実行においてキーとなるポジション、各機能や地域における主要な役割
<外部へのインパクト>人材流動による社会への貢献
■人材育成により、高い能力を身に付けた人材の流動性が高まれば、社会にプラスの影響
人材育成方針及び社内環境整備方針は以下に開示しています。
https://www.santen.com/ja/about/policy
③気候変動(TCFD)
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ(※1)を用いて分析・評価した結果、Santenグループが特定した気候変動に関するリスク・機会とその財務影響、並びに検討した対応策は次の表のとおりです。
気候変動に関するリスク・機会と財務影響
※1 1.5℃シナリオ:IPCCの第6次報告書(AR6)のSSP1-1.9やIEAのNet Zero Emissions(NZE)などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する移行リスクが最大になると設定したシナリオ。4℃シナリオ:IPCCの第5次報告書(AR5)のRCP8.5などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する物理リスクが最大になると設定したシナリオ
※2 短期:3年以下、中期:3年超-10年以下、長期:10年超を想定
※3 財務影響:収益、費用額は単年度影響額、投資金額については投資総額で判断し、「大」:30億円以上、「小」:30億円未満とする
※4 Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が公表する水リスク評価ツール
※5 近視が増加傾向:「Ophthalmology, 123; 1036-1042, 2016」では、近視は2050年までに2000年の約3倍の50億人程度と推計
TCFD提言に基づく情報開示の詳細は以下に開示しています。
https://www.santen.com/ja/sustainability/tcfd
①社会的意義のある製品の市場浸透
眼科領域における製品・サービスのイノベーションによる未充足ニーズへの対応と、コマーシャル・エクセレンス追求による患者さんへの貢献は、成長戦略の要であり、Santenグループの存在意義そのものです。中期経営計画に基づき、価値ある製品の市場浸透を図っていきます。
<リスク>■以下の取り組みについて、Santenグループが後手に回り競合他社が先行した場合、当該市場での競争力低下によりシェアが獲得できなければ、利益損失規模は大きい
・疾患の早期発見や診断、治療継続が十分にできていないことによる患者さんへのアプロ―チ
・中長期的には、途上国など保健医療体制の未整備などが原因で、医療にアクセスできていない患者さんに対する市場浸透活動
■中国などでSantenグループ主力品が集中購買の製品から外れるなど、国の政策による市場環境の激変も影響大
<機会>■短期的には、既存市場でのコマーシャル・エクセレンスの活動を強化し、診療プロセスへの価値ある情報提供、さらなる製品浸透と治療
■中期的には、コマーシャル・エクセレンスの継続的追求に加え、近視や眼瞼下垂などの未充足な疾患領域への製品提供
■長期的には、さらなる地理的展開及び新たな製品等の開発・提供を図り、より多くの患者さんに貢献
<対応策>■既存市場では、緑内障やドライアイなどの慢性疾患の治療継続率の改善に取り組む
■アンメットニーズを解消する新製品の上市、近視や眼瞼下垂など従来取り扱っていなかった疾患についても、自由診療領域への展開や販路拡大を目指す
■未治療患者さんが多い疾患・地域では、受診から治療継続のボトルネック解消により、より多くの患者さんにアクセス
<外部へのインパクト>目の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減し、年間4,107億ドル(※)と言われる視力障がいによる経済損失を少しでも削減させる。
■短期的には、既存市場でより多くの患者さんの治療に貢献
■中長期的には、近視や眼瞼下垂など未充足な疾患領域や、これまで提供できていなかった国や地域の患者さんの治療にも貢献
※ 出典:The Lancet Global Health Commission on Global Eye Health: vision beyond 2020
②人材の育成・登用
基本理念や戦略を理解し、世界中の人々の「見る」を通じた幸せな人生の実現を目指す人材こそが、Santenグループの最も大切な資産であり、そうした人材の育成・登用が肝要です。
生活者・患者さんを中心に考え、持続的な企業成長に貢献できる社員をグローバルで育成し、多様性を踏まえながら適時・適所に最適人材を登用できるよう、計画的な育成と登用を進めていきます。
<リスク>■即戦力の外部からの登用だけでなく、社内での育成・リスキリング・登用が戦略的・計画的になされなければ、社員のモチベーションや会社の成長への大きな障害となる
■人材の戦略的なポートフォリオが必須であり、適時・適所に最適人材を登用できないことによる事業の失敗は多額の損失につながる恐れがある
■退職者の増加などによる人的な損失が起これば、組織機能不全につながる可能性がある
<機会>■戦略的・体系的な育成体制が整えられれば、エンゲージメントの向上や人材の惹きつけにつながり、大きな利益貢献になるとともに、外部からの人材調達コストの低減にも貢献
■業務生産性が向上することで収益にプラスの影響
<対応策>■Santenグループの基本理念やビジョン、強みを深く理解し、戦略をグローバルに実行する人材の育成
■戦略の立案や実行、変革に向け、重要ポジションを担うマネジメント層を対象に、リーダーシップ能力を向上させる人材マネジメント教育を実施
■重要ポジション(※)の後継者の明確化と、計画的確保・育成・配置の具体的な実践
■多様性の活用においては、特に日本国内の女性の管理職登用に向けた推進
※ 経営戦略の立案と実行においてキーとなるポジション、各機能や地域における主要な役割
<外部へのインパクト>人材流動による社会への貢献
■人材育成により、高い能力を身に付けた人材の流動性が高まれば、社会にプラスの影響
人材育成方針及び社内環境整備方針は以下に開示しています。
https://www.santen.com/ja/about/policy
③気候変動(TCFD)
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ(※1)を用いて分析・評価した結果、Santenグループが特定した気候変動に関するリスク・機会とその財務影響、並びに検討した対応策は次の表のとおりです。
気候変動に関するリスク・機会と財務影響
| シナリオ | リスク・ 機会 | 外部環境 の変化 (現在から 2050年頃) | Santenの リスク・機会 | 影響を受ける期間(※2) | 財務影響 (※3) | 影響の評価方法 |
| 1.5℃ シナリオ | 移行 リスク | 低炭素エネルギーへの移行の加速 | 低炭素エネルギーへの転換に伴う投資額・費用額の増加 | 短期 | 小 | 技術に対する一定の不確実性を考慮して保守的に算出 |
| 中長期 | 大 | |||||
| バイオプラスチック・バイオマスプラスチックへの移行の義務化・規制化 | 容器包材調達費用の増加 | 中長期 | 小 | 現状の売上成長予測を上回る野心的な売上高成長率を前提とし、費用の増額分を算出して評価 | ||
| 生物由来原料の供給量減少による価格高騰 | 生物由来原料調達費用の増加 | 中長期 | 小 | 原材料の調達金額に占める割合が大きい生物由来原料はいずれも特定の動植物に依存せず、容易に調達可能であるため、価格上昇リスクは高くないと判断 | ||
| 4℃ シナリオ | 物理的 リスク | 降雨パターンの変動による浸水・渇水の発生 | 浸水や取水制限で工場・研究所の稼働が困難となり、製品供給が遅延・停止 | 中長期 | 小 | 各工場・研究所所在地付近の河川の有無や、水リスク評価ツールAqueduct(※4)を用いた各所在地の渇水リスクの評価結果、生産工程での水使用量などを考慮して判断 |
| 機会 | 厳しい気候で屋内活動が増加することによる近視患者の増加 | 近視薬などの新規製剤の生産供給量を増やすことで、増加する近視の治療に貢献 | 中長期 | 現時点で財務影響の把握は困難 | ・公表されている気候変動による眼疾患への影響に関する研究結果を参照し、事業への影響を評価 ・近視が増加傾向にある(※5)ものの、増加要因における気候変動の影響部分を特定することが困難であり、当該影響額の算定は困難と判断 | |
| 気候変動による花粉などのアレルゲンや病原生物の増加・活性化 | アレルギー治療薬や感染症治療薬などの既存薬剤の生産供給量を増やすことで、眼に関連するアレルギーや感染症の治療に貢献 | 中長期 | 現時点で財務影響の把握は困難 | ・公表されている気候変動による眼疾患への影響に関する研究結果を参照し、事業への影響を評価 ・平均気温の上昇に伴い感染症やアレルギーなどの眼疾患が増加することが予測されているものの、増加要因における気候変動の影響部分を特定することが困難であり、当該影響額の算定は困難と判断 |
※1 1.5℃シナリオ:IPCCの第6次報告書(AR6)のSSP1-1.9やIEAのNet Zero Emissions(NZE)などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する移行リスクが最大になると設定したシナリオ。4℃シナリオ:IPCCの第5次報告書(AR5)のRCP8.5などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する物理リスクが最大になると設定したシナリオ
※2 短期:3年以下、中期:3年超-10年以下、長期:10年超を想定
※3 財務影響:収益、費用額は単年度影響額、投資金額については投資総額で判断し、「大」:30億円以上、「小」:30億円未満とする
※4 Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が公表する水リスク評価ツール
※5 近視が増加傾向:「Ophthalmology, 123; 1036-1042, 2016」では、近視は2050年までに2000年の約3倍の50億人程度と推計
TCFD提言に基づく情報開示の詳細は以下に開示しています。
https://www.santen.com/ja/sustainability/tcfd