有価証券報告書-第82期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 10:00
【資料】
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【項目】
155項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「経営理念」、「経営ビジョン」、「モットー」からなる “EIKEN WAY”を制定し、グループ全体で“EIKEN WAY”を実践することにより持続的な企業価値の向上を図り、取引先の繁栄と株主並びに社会への貢献を果たしてまいります。
EIKEN WAY
□経営理念 :ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります。
□経営ビジョン:EIKENグループは、人々の健康を守るため、検査のパイオニアとしてお客様に信頼される製品・
サービスを提供し、企業価値の向上を図ります。
□モットー :品質で信頼され、技術で発展する“EIKEN”
(2) 経営戦略等
当社グループは、2019年4月に経営構想“EIKEN ROAD MAP 2019”を策定しました。創立90周年にあたる2028年度までの10年間で、グランドビジョン「Saving Your Health(世界的な臨床検査薬企業として、人々の健康を守り続ける)」の実現を目指して、以下の基本戦略に基づき、中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を策定し、推進しております。
① EIKEN ROAD MAP 2019
□基本戦略1:成長と利益性の向上
(a)グローバル展開の推進
(b)国内販売の維持・シェアアップ
(c)利益性の向上
□基本戦略2:新たなビジネスの創出
(a)オープンイノベーションによる戦略的提携
(b)新規事業、新規市場の創出と進出
□基本戦略3:基盤整備
(a)IoT、AIによる生産性の向上
(b)人財の育成・確保と機構改革
(c)販売網整備とマーケティングの強化
② 中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)
グローバル企業“EIKEN”を実現するために、2020年3月期~2022年3月期を構造改革期と位置づけ、社内体制の整備を行うため以下の重点施策を策定し、グループ全体で持続的な成長と収益性の向上を目指します。
□重点施策1:経営効率を高めるための基盤整備
(a)基幹システムの統合、品質システムのIT化及び営業サービス部門のIT化による付加価値の高いサービスの提供
(b)グローバル展開を促進するためのシンプルかつフラットな組織機能・構造の改革
(c)生産及び流通拠点の強化と整理統合による効率化のアップ
□重点施策2:グローバル展開の推進
(a)大腸がんスクリーニング検査の普及促進と国家スクリーニングの獲得、新興国市場の開拓
(b)免疫血清学的検査用試薬、特に、ABC分類(胃の健康度評価)の普及拡大
(c)シスメックス株式会社との販売提携による尿定性検査分野での販売拡大
(d)LAMP法を用いた結核菌群検査及びマラリア検査等の展開加速
□重点施策3:国内販売の維持とシェアアップ
(a)自社製品群のラインアップ拡大による着実な成長
(b)大腸がん、ABC分類(胃の健康度評価)の普及拡大と消化器がんスクリーニングブランドの確立
(c)小型全自動遺伝子検査システム(Simprova)の販売展開
□重点施策4:研究開発力の強化
(a)小型全自動遺伝子検査システム(Simprova)の新規パネルの開発推進
(b)オープンイノベーションによる新規バイオマーカーの開発
(c)プライマリケア領域などを対象とした新たなPOCTプラットフォームの開発
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
目標とする経営指標として、営業利益率、ROE、及びグローバル化の指標として海外売上比率を設定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症による市場の不透明化により、現段階においてこれらの指標を合理的に算定することが困難な状況にあります。このため、2021年3月期以降の予想を未定とさせていただき、今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。
(4) 経営環境
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による各国での緊急事態措置は、世界中の経済活動に大きな影響を与え、景気は極めて厳しい状況にあり、先行きも一段と厳しさが増す状況となっております。社会活動の再開、経済活動の立ち直りには、強力な公衆衛生対策による各国での感染拡大抑制、ウイルスの封じ込めが不可欠となりますが、現時点で見通すことは困難な状況です。
なお、臨床検査薬業界は、日本では、高齢化社会における医療・介護ニーズの多様化などを背景に、地域包括ケアシステムが推進されていくことが予想されますが、医療費抑制のための医療制度改革が継続して実施されています。海外においては、先進国では医療コストへの関心が高まっており、検査の効率化や予防医学の拡大が期待されております。また、新興国では人口の増加と経済発展に伴い、健康への意識が高まり、感染症対策や検診などの医療インフラの整備などに成長が期待されております。各企業は、このような経営環境に対して、研究開発投資やコスト競争力が求められる状況となっております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 当社グループは、当連結会計年度において、経営構想“EIKEN ROAD MAP 2019”及び中期経営計画に基づき、以下の重点課題に取り組んでまいりました。
(ア)経営効率を高めるための基盤整備
全社最適化による経営効率向上のため全社IT化施策を推進し、当連結会計年度中に販売会計システム及び人事給与システムの導入を完了いたしました。現在、生産管理システム導入に向けプロジェクトを推進しております。
(イ)グローバル展開の推進
米国で便潜血検査用試薬・装置の採用拡大に注力するとともに、欧州・中東を中心に大腸がん国家スクリーニング獲得に向けた活動を展開し、フランスでは国家スクリーニングの継続採用が決定されました。海外向け尿検査用試薬・装置につきましては、シスメックス株式会社との協業推進により販売拡大に努め、海外向け売上高の増加に寄与しました。遺伝子検査においては、LAMP法による結核菌群遺伝子検査試薬、マラリア遺伝子検査試薬のグローバル展開に向け、アフリカ・アジアを中心とする地域で実証試験を推進し、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)では当社活動方針を発表いたしました。
(ウ)国内販売の維持とシェアアップ
当社の主力製品である便潜血検査用試薬について、便潜血測定装置「OCセンサーPLEDIA」の設置を推進し、新規採用先の拡大に向けて注力したほか、大腸がん検診の受診率アップのための啓発活動を展開いたしました。また、尿検査用試薬・装置について、全自動尿分析装置「US-3500」と尿沈渣機器の組合せ販売を推進し、新規採用の獲得に努めました。
(エ)研究開発力の強化
「Near the patient」という医療ニーズに対応するため、当連結会計年度中にLAMP法を用いた小型全自動遺伝子検査システムを開発し、2020年4月に「全自動核酸検査装置 Simprova」、「Simprova呼吸器感染症パネルBP,LP,MP」および「Simprova Extraction Kit/S1」を発売いたしました。また、急速に拡大した新型コロナウイルス感染症への対策として、LAMP法を用いた同ウイルス検出試薬の早期開発に取り組み、2020年3月に「Loopamp 2019-nCoV 検出試薬キット」(研究用試薬)を、同4月には「Loopamp新型コロナウイルス2019(SARS-CoV-2)検出試薬キット」(体外診断用医薬品)を発売いたしました。
② 当社グループは引き続き以下の点を重点課題として捉え、これらを行動計画に展開し取り組んでまいります。
(ア)経営効率を高めるための基盤整備
(イ)グローバル展開の推進
(ウ)国内販売の維持とシェアアップ
(エ)研究開発力の強化
なお、医療の現場においては新型コロナウイルス感染症への対策が最優先で求められております。当社グループは、『ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります。』の経営理念のもと、新型コロナウイルス検出試薬の安定供給のための体制整備などを通じ、引き続き医療への貢献を目指してまいります。

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