有価証券報告書-第45期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 15:32
【資料】
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【項目】
150項目
当社では、前中期経営計画「飛躍」(2015~2019年度)の5年間、今後の業績を支える複数の品目について計画どおり上市いたしました。また、当社の将来の成長を担うべき血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した品目の研究開発を加速するため、積極的に人材の拡充、設備投資を進めてまいりました。
当社は、2020年度より創業50周年(2025年)に向け、3ヵ年中期経営計画「変革」(Revolution into the Future)を発表いたしました。中期経営計画「変革」の期間においては、ハンター症候群治療薬JR-141を始めとするJ-Brain Cargo®を適用した一連のライソゾーム病治療薬の研究開発に注力してまいります。
2020年度には、JR-141の日本国内およびブラジル連邦共和国での承認申請、JR-141およびハーラー症候群治療薬JR-171のグローバルでの臨床試験の開始を予定しております。
また、ポンペ病治療薬JR-162、サンフィリッポ症候群A型治療薬JR-441の他、複数の品目について今後3年間におけるグローバルでの臨床試験開始を目指して研究開発に取り組んでまいります。
以上のとおり、本年度を初年度とする中期経営計画「変革」以降、ライソゾーム病治療薬のグローバルでの上市、臨床開発が本格化いたします。
これらの経営方針、経営環境のもと、独自のバイオ技術、細胞治療・再生医療技術により、「グローバルで存在感
のある研究開発型企業」の実現に向け、以下の課題に対処してまいります。
最重要経営課題「品質保証体制の質・量的拡充」
中期経営計画「変革」では、ライソゾーム病領域における研究開発を含む開発品目を着実に進捗させるほか、希少疾患領域における当社の重要性がさらに高まることを見据え、「品質保証体制の質・量的拡充」を最重要経営課題といたします。迅速かつ安定的に高品質の製品を臨床現場に提供することは製薬企業の最も重要な責務であり、企業の存立を左右する重大な課題と認識しております。J-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬は、いまだ治療法のない中枢神経症状を呈するライソゾーム病に対する初めての治療法となる可能性があります。
また、製品、開発品目の増加によりサプライチェーンが今後ますます広がります。そのような問題認識のもと、希少疾患治療薬の開発を進める製薬企業として、迅速かつ安定的に高品質の製品を提供する責務の重要性を認識し、これまで以上に品質保証体制の質的・量的拡充に努めてまいります。
また、以下の5項目を重要経営課題として取り組みを加速してまいります。
(1)「既存製品の持続的成長のための取り組み」
既存製品の収益はライソゾーム病治療薬や全ての研究開発の原資を構成するため、その持続的成長は引き続き重要な経営課題であると認識しております。特に売上高の約半分を占めるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」の収益基盤を強化することが極めて重要と認識しております。
成長ホルモンを販売する各社における適応追加、疾患啓発等の活動により、現在においても成長ホルモン市場は拡大を続けております。一方、成長ホルモンは主に小児の成長障害に使用されており、日本国内における少子化により近い将来、市場全体の成長が減少に転じることを予測しております。
当社では、病院市場の開拓、他社との差別化を目的とした専用注入器の開発、使い勝手の良い剤型の開発を通じて日本国内におけるシェア拡大を続けており、これらの取り組みをさらに強化することで、想定される市場規模の減少、薬価改定の影響を吸収し、売上高の維持、成長を図ってまいります。
その他の品目についても、事業環境の変化に応じて適切に対応することにより、売上高の維持、成長を図ってまいります。
(2)「基礎研究の拡充」
製薬業界において新たな基盤技術が医薬品として実現するには基礎研究を含め10年を超える歳月を要します。当社の最重要課題であるライソゾーム病における一連の治療薬の開発は今後10年程度で一巡するものと予測しております。そのため、ライソゾーム病治療薬開発の後を見据えた新たな基盤技術創出を目的とした基礎研究への取り組みを強化いたします。また、J-Brain Cargo®は抗体により構成されているため、低分子や核酸等を脳に送り届けるためには特別な工夫が必要です。一方、脳への薬物送達技術はライソゾーム病だけでなく、様々な疾患に応用が可能であり、低分子や核酸を脳に送達することで新たな治療効果につながる可能性があります。
当社では、そのような可能性を探求するため、低分子や核酸といった低~中分子化合物を効率的に脳に送達しうる技術開発のための基礎研究を進めてまいります。
(3)「生産・研究への積極的な設備投資の検討・着手」
前中期経営計画期間中、研究開発を加速させるため、研究関連施設の増強、セルプロセッシングセンターや治験薬製造センターの設立等、必要な設備投資を行ってまいりました。
今後の一連のライソゾーム病治療薬の研究開発を加速させ、早期の臨床入り、上市を可能とするため、必要な設備投資については、中長期的な予測の下、事業環境を注視しながら積極的に進めてまいります。
(4)「エビデンス構築を含む製品戦略の立案」
ライソゾーム病治療に取り組んでいる世界中の臨床現場に有用な情報を提供することは、ライソゾーム病領域において治療薬を開発する製薬会社の重要な責務であり、また、当社の事業価値向上につながることから、エビデンス構築を含む製品戦略の立案を重要課題として進めてまいります。
例えば、J-Brain Cargo®を利用したライソゾーム病治療薬では、中枢神経症状の改善による予後の改善が期待されます。しかしながら、短期間の治験では長期的なモニタリングが必要な予後に関するデータを取得することは困難です。このようなデータは臨床現場にとっては極めて重要であるため、上市後においても積極的、戦略的な情報収集活動を行ってまいります。
また、ライソゾーム病には中枢神経症状のみが主症状であるために、特定が困難な疾患が存在いたします。このような疾患においても当社のライソゾーム病治療薬は有用である可能性があることから、早期発見、早期治療につながる活動も当社にとって重要な責務と認識しております。
(5)「業務および組織構造改革」
2020年度以降、当社のグローバル活動は本格化し、創業50周年を迎える2025年には、あらゆる面で大きな変化を遂げていなければなりません。一方で、当社の価値の源泉は当社の企業文化に共感する「チームJCR」一人ひとりであると確信しており、これは本格的なグローバル時代においても変わることなく「モノづくり」「研究」における新たな価値創造の源泉であり続けます。
当社では、「チームJCR」の企業文化の維持発展が価値創造にとって重要であると考えており、顔の見える範囲に規模を抑えることが重要と考えております。そのため、急激な業容拡大期にあっても一定規模の人員で業務を行えるよう、付加価値の高い業務への注力や必要な組織構造改革を進めてまいります。また、今後の発展を支える「チームJCR」一人ひとりの更なる成長のための人財育成を進めてまいります。
また、当社は新型コロナウイルス感染症感染拡大の状況に鑑み、社内で新型コロナウイルス感染症対策チームを立ち上げて、感染防止対策と製薬企業としての使命を継続して果たすことを目的に、必要な情報収集と対応の検討・指示を行っております。当社グループ従業員に対しては製薬企業としての使命を強く訴え、可能な限り在宅勤務とすること、マスク着用・手洗い・うがい・検温の徹底、不要不急の外出・会食の自粛といった予防策を講じており、本報告書作成時点におきましては、当社グループ従業員に感染者は確認されておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

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