有価証券報告書-第42期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:26
【資料】
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【項目】
115項目
2015年に策定した5カ年中期経営計画『飛躍』の目標である、売上高250億円、営業利益50億円の達成と、経営ビジョン「独自のバイオ技術、細胞治療・再生医療技術によりグローバルで存在感のある研究開発型企業」の実現に向けた動きをさらに加速するため、以下の課題に対処してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 主力製品の売上拡大、原価低減への取り組み
当社の主力製品である「グロウジェクト®」は、1993年の発売以来、適応症の追加、特長を持った電動注入器の開発・改良、プロモーション活動の強化等により、売上を伸ばしてまいりました。本年1月には、待望の溶解操作が不要な液状製剤「グロウジェクト®皮下注6mg・12mg」とその専用注入器「グロウジェクター®L」を投入し、これまで電動注入器の使用に慎重であったユーザーを含めて新規採用や新規処方も増加しております。これらの新製品と、よりきめ細やかなエリアマーケティングを推進し、当社の強みを活かした営業戦略により、さらなる売上伸長を目指します。
「エポエチンアルファBS注JCR」は、販売開始以来順調に売上を伸ばしており、透析時の腎性貧血治療に用いられる短時間作用型エリスロポエチン製剤群において、数量ベースで60%を超えるシェアを維持しております。また、開発中のダルベポエチンアルファのバイオ後続品は2018年度中の製造販売承認申請を予定しており、当製品で培った信頼感を活かし、腎性貧血治療の領域で持続的な売上の最大化を目指してまいります。
「テムセル®HS注」は、昨年の販売開始以降、造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(GVHD)の新しい治療薬として医療機関から高い評価を受けております。引き続き、有効性・安全性に関する使用情報を蓄積し、全国の造血幹細胞移植実施施設に供給を拡大し、新たな収益の柱として育ててまいります。
また、その他製品を含めて、売上の伸長とともに継続的に生産面や販売面での様々なコストの低減に取り組み、利益の拡大を目指します。
② 開発品目の計画進捗
・JR-051(アガルシダーゼベータのバイオ後続品)
昨年10月に最終試験である臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験の症例登録を完了し、2017年度の製造販売承認申請、2018年度中の承認取得を念頭に、速やかな市場への浸透に向けた供給面・営業体制面等の準備を進めてまいります。
・JR-131(ダルベポエチンアルファのバイオ後続品)
昨年8月に開始した臨床第Ⅲ相試験は、順調に進捗しており、2018年度中の製造販売承認申請に向け、引き続き着実に開発を進めてまいります。
・JR-141(血液脳関門通過型ハンター症候群治療薬)
本年3月に、ハンター症候群の患者様を対象とした臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始いたしました。JR-141は、自社開発の血液脳関門通過技術(J-Brain Cargo®)を用いて血液脳関門通過を実現した画期的なハンター症候群治療酵素であり、既存の製剤では治療効果がみられない中枢神経症状に対する効果が期待されております。患者様やご家族、治療を行われる先生方の本剤に対するご期待に応えるべく、今後も最優先で開発してまいります。
・JR-142(持続型成長ホルモン製剤)
改変型アルブミンを結合させた作用持続型の成長ホルモン製剤として、2018年度の臨床試験開始を目標に基礎データの集積を進めております。当社の主力製品である「グロウジェクト®」の持続型製品として開発に注力してまいります。
・JR-162(J-Brain Cargo®適用ポンペ病治療薬)
JR-141に続くJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬の第2弾としてポンぺ病治療酵素製剤(JR-162)の開発に着手しております。J-Brain Cargo®を適用することで骨格筋など薬を届けることが難しい組織へ効果的に薬を届けることができます。モデル動物を用いた検討において、JR-162はポンペ病で主に症状が認められる骨格筋や心筋に取り込まれ、優れた薬効を示したことから、可能な限り早期の臨床試験開始を目標に、優先的に開発を進めてまいります。
③ 細胞・再生医療への新たな取り組み
再生医療等製品の先駆けとして造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病の適応で2016年2月に発売した「テムセル®HS注」は、間葉系幹細胞(MSC)の持つ幅広い可能性を利用して、さらなる適応拡大を目指して開発を検討してまいります。
さらに、当社独自の新たな細胞ソースの研究も精力的に進めており、歯髄由来幹細胞の持つポテンシャルに着目して早期の実用化を目指しております。
また、2016年4月に当社研究所敷地内に新しいセルプロセッシングセンターを開設いたしました。今後、さらに開発競争が激しくなると思われる細胞・再生医療分野のリーディングカンパニーとして、これらの研究・開発を積極的に推進してまいります。
④ ライセンス事業への取り組み
「グローバルで存在感のある企業」の実現に向けて、当社の技術力を活かした製品・技術の導出は極めて重要と認識しております。
当社独自技術のJ-Brain Cargo®を適用した画期的新薬候補であるJR-141、JR-162の海外展開のみならず、当社技術そのものを基盤技術として、中枢神経系疾患をターゲットとした医薬品候補物質に幅広く適用できる可能性があり、積極的に導出交渉を進めてまいります。現在数社と導出を前提とした検討段階にありますが、今後も本技術を多くの企業へライセンスすることが可能と考えており、交渉を加速してまいります。また、臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験実施中のJR-051は、グラクソ・スミスクライン社との契約に基づき、引き続き販売提携のオプションについて検討を進めてまいります。
歯髄由来幹細胞につきましても、細胞の持つポテンシャルの高さから幅広い適応症での開発も可能と考えており、市場規模に見合った企業への導出も視野に検討を進めてまいります。
⑤ グローバル展開
当社は独自の技術をもって、希少疾病、特に小児領域に対する医薬品の開発に注力をしております。これまで、国内を中心に開発を進めてまいりましたが、世界でも患者数の非常に少ない希少疾病に対する開発を国内のみで進めることは、少子化の影響も考慮すると今後、より困難となることが予想されます。
J-Brain Cargo®を用いたJR-141をはじめとする当社が創製した画期的新薬候補は、世界の患者様から期待されており、企業提携を含め、グローバル開発を進めるための具体的枠組み検討を進めております。これら品目のグローバル展開の成功が、当社の成長と、研究開発活動をさらに推し進めるものと考えております。
また、世界各国に医薬品を安定的に供給する可能性を鑑みた場合、国内に拠点を集中することについては、地震災害の多い地理的特性や局地的災害を考慮すると、事業継続上のリスクであると認識しております。こうしたリスクの分散と、グローバルでの医薬品供給体制の構築を主目的として、スイスの子会社を活用する等も念頭に、現在欧州・米国を含めた拠点確立に向けた調査と検討を進めております。
5カ年中期経営計画は発表後2事業年度が経過いたしましたが、既存製品の売上は好調に推移しており、また開発品目が予定どおり推移している点から、現時点において順調に推移していると考えております。
「医薬品を通して人々の健康に貢献する」を企業理念とする当社の使命は、難病や希少疾病領域において革新的な医薬品を生み出すことだと考えます。その実現には、チャレンジスピリット溢れる優秀な人材の育成をはじめとする経営基盤の継続的な強化が不可欠です。
患者様はもちろんのこと、当社社員を含むすべてのステークホルダーに愛され信頼される企業であり続けるため、創業時からの自由な社風を大切にし、コンプライアンスとコーポレートガバナンスのさらなる強化と企業活動の透明化、ワークライフバランスおよびダイバーシティの推進に今後も積極的に取り組み、持続的な発展を目指してまいります。

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