訂正有価証券報告書-第32期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/02/13 9:05
【資料】
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【項目】
107項目
《用語解説》
[CTP(Cochlin-tomoprotein)]
CTPは難聴・めまいなどの症状を持つ非症候性遺伝性難聴の原因遺伝子であるCOCH遺伝子の遺伝子産物の一つです。外リンパ液に特異的に存在することが報告されており、これが漏れ出すことによる外リンパ瘻の診断マーカーになりうることが報告されています。
[GMP]
Good Manufacturing Practiceの略で、薬事法で定める医薬品等の品質管理基準を指す。医薬品等はこの基準に則って製造する必要がある。
[HTLV-1ウイルス]
ヒト成人T細胞白血病を引き起こす原因となっているウイルス。RNAウイルス(ウイスル粒子の殻の中に、遺伝子の本体としてDNAではなくRNAを持つウイルス)の一種で、エイズの原因ウイルスであるHIV-1も同じ種類である。感染の標的となる宿主細胞(ヒトTリンパ球)に感染した後、宿主細胞の染色体(ゲノム)中に組み込まれ、生涯存在し続ける。
[INCI名]
米国化粧品工業会(PCPC:The Personal Care Products Council)の国際命名法委員会(INC:International Nomenclature Committee)において化粧品原料国際命名法(INCI:International Nomenclature of Cosmetic Ingredient)に従って作成された化粧品成分の国際的表示名称のこと。新規の化粧品原料に関しては成分表示のために表示名称を取得する必要がある。
[アミロイドβタンパク質]
アルツハイマー病の脳での主要な病理変化に老人斑と神経原線維変化が認められるが、この老人斑は発症の早期から認められ、その主要構成成分がアミロイドβタンパク質(Aβ)である。より専門的には、Aβは40~43アミノ酸からなるペプチドであり、β-及びγ-セクレターゼの働きにより前駆体蛋白(APP: amyloid β protein precursor)から切り出されてくるもので、主にAβ42が凝集して不溶性の線維形成がなされてアミロイドとなり脳に沈着するといわれている。
[アルツハイマー型認知症]
脳組織の萎縮及び大脳皮質におけるアミロイドβの沈着による老人斑を特徴とする疾病のこと。徐々に進行する認知障害を症状とする。
[異種タンパク質]
ヒトのタンパク質とは組成が違う他の動物のタンパク質のこと。
[異常型プリオンタンパク質]
プリオンタンパク質とは、いわゆる狂牛病の感染物質で、従来の細菌やウイルスなどの病原体とは異なり、遺伝情報をもたない病原物質をいう。哺乳動物には、正常型のプリオンタンパク質が存在するが、病原性をもつのは異常型のプリオンタンパク質で、後者はタンパク質の立体構造が変化してタンパク質分解酵素に抵抗性を示して細胞内に蓄積し病原性を発揮する。
[遺伝子組換えカイコ]
遺伝子組換え技術を用いて自然のものとは異なる遺伝子を持ったカイコのこと。
[カイコバキュロウイルス系]
遺伝子組換えタンパク質を作製する方法の一つで、カイコに感染するバキュロウイルスを使って目的のタンパク質を発現させるシステムのこと。目的タンパク質の遺伝子をバキュロウイルスに組み込んだ後、そのウイルスをカイコに組み込むことで短期間で大量の組換えタンパク質を得ることができるが、毎回、ウイルスを組み込む必要がある。
[関節炎発症カクテル抗体]
関節炎をマウスに効率よく発症させるための4種類のモノクローナル抗体の混合物のこと。
[完全なヒト型抗体]
抗体全体がヒトのタンパク質から構成された抗体のこと。
[牛海綿状脳症(BSE)]
BSEはBovine Spongiform Encephalopathyの略。牛の脳の中に空洞ができ、海綿(スポンジ)状になる疾病のこと。
[強毒性鳥インフルエンザH5N1]
A型インフルエンザウイルスが鳥に感染しておこる鳥インフルエンザを起こすウイルスの内、家禽類に感染し非常に高い病原性を有するタイプを強毒性、あるいは高病原性と呼びます。中でもH5N1亜型ウイルスは強毒性とされており、ヒトへの感染も報告されています。
[契約一時金]
権利譲渡又は権利許諾の対価として、契約締結時に受領する収益金のこと。
[血液凝固活性]
血液凝固因子とよばれる傷口からの出血を止めるために血液中に存在する一連のタンパク質があり、血液を凝固させるこれら一連のプロセスの働きをいう。
[ケモカイン]
ケモカイン (Chemokine) は、Gタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性タンパク質であり、サイトカインの一群のこと。白血球などの遊走を引き起こし炎症の形成に関与する。
[研究用試薬]
化学や生物学などの実験に用いる薬品類のこと。
[抗アミロイドβ抗体(82E1)]
アルツハイマー病の原因の一つとされている、アミロイドβ タンパク質(Aβ)のN末端側に特異的に反応する抗体のこと。
[抗ガレクチン-3抗体]
ガレクチン-3に対して特異的に反応する抗体のこと。米国BG Medicine社は、当社が創製した抗ガレクチン-3抗体を用いたガレクチン-3測定方法を用いて、血中ガレクチン-3測定が心不全の予後診断に有用であるとの知見を有しており、その測定はアメリカ食品医薬品局 (FDA, Food and Drug Administration)より診断薬としての承認を受けている。
[高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィー]
医薬、食品、環境等の分野で幅広く用いられている分離・分析システム。ゲルろ過法の場合は、サンプルを含む液体の移動相をポンプ等によって加圧し、多孔性ゲルを充填したカラムを通過させ、分子ふるい効果によって、サンプルに含まれるさまざまな成分を高性能に分離・検出する。
[抗原]
生体内に入ると抗体を作らせる原因となる物質のこと。細菌、ウイルスなどの異種のタンパク質が抗原となり得る。
[抗体]
免疫系の細胞で作られるタンパク質であり、抗原という特定の物質のみに結合する機能を持つ。
[抗ヒトオステオポンチン抗体(2K1)]
オステオポンチンというタンパク質の働きを中和する抗体。最近の研究において、細胞接着を担う膜タンパク質であるインテグリンを発現している細胞とオステオポンチンが結合すると、生体内での様々な炎症が惹起されることが判明している。
[サイトカイン]
免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があり、免疫や炎症に関係するものや、細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものなどがある。
[シーズ]
事業化に値すると考えられる研究成果あるいはその成果物のこと。
[脂質代謝関連疾患]
脂質代謝異常を伴う関連疾患をいう。脂質代謝異常とは血中にある脂質成分のバランスに異常がある状態のことを指し、血中に溶けている脂質が異常に多い状態を高脂血症という。脂質代謝異常症(高脂血症)は動脈硬化の他に、心筋梗塞、狭心症、高血圧の原因にもなる。
[診断用医薬品]
医薬品のうち、疾病の診断を行うために使用されるもの。このうち、人体に直接投与されず、血液、尿等を検体として、検体中の物質や生理活性を検出又は測定するものが体外診断用医薬品である。
[精製]
混合物を純物質にする工程、あるいはその技術をいう。例えば、多種のタンパク質を含む血清からIgG抗体のみを単一で純度の高いものにするために精製を行う。精製の方法や工程は様々なものがある。
[成長因子]
細胞分裂を活発にさせる働きを持つタンパク質のこと。
[造血幹細胞(移植)]
血液中には、赤血球、白血球、血小板など様々な種類の成熟した細胞が混在しているが、これらへと分化する大元になっているのが造血幹細胞と呼ばれている細胞である。これが種々の細胞に分化・増殖しながら血液全体を構成・維持している。この血液の大元になる細胞をドナーから取り出し、患者に移植することで血液系の病気を治療しようというのが造血幹細胞移植である。
[創薬ターゲット]
医学、生物工学および薬学において新しい薬剤が効果を発揮できる、生体内の機能や生体内プロセスなどにおける標的部分のこと。
[測定系]
どのくらいの量や濃度が含まれているかを測定する一連の工程のこと。
[体外診断用医薬品]
薬事法で、疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、ヒト又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。病院などで使用されている臨床検査用試薬の法律上の正式名称である。
[単離]
様々なものが混合している状態にあるものから、その中の特定の要素のみを取り出すこと。
[中和抗体]
抗原が生体に対して生物学的活性を持つ場合、その抗原に対して結合し、活性を消失又は減退させる抗体のこと。
[治療用医薬品]
医薬品のうち、疾病の治療を行うために使用されるもの。
[テーラーメイド医療]
患者個人の体質を明らかにすることによって、その人に最適な治療や予防を可能にする医療のこと。
[テイコプラニン]
グリコペプチド系抗生物質に分類される感染症治療薬の一般名。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して優れた抗菌力を持つ。
[テネイシンC]
細胞外基質に存在する糖タンパク質の一種であり、炎症疾患への関与が示唆されている。
[毒性コンフォマー]
ここではアルツハイマー病患者の脳内に蓄積し、発症原因とも考えられているアミロイドβ(Aβ)の一つの存在様式を指します。Aβ分子は中央部分で折れ曲がった構造を持っていますが、その折れ曲がり具合がより強い状態のものは神経細胞に対する毒性がより強いとされており、その状態のものを毒性コンフォマーと呼んでいます。
[バイオ医薬品]
組み換えDNA技術、細胞融合法、細胞大量培養法などのバイオテクノロジーで製造された医薬品のことをいう。
[パイプライン]
医薬品の候補品の各々、あるいはその候補品群のことをいう。
[発現生産(方法)]
遺伝子組換えタンパク質を作製する方法を用いてタンパク質を大量に作製すること(または、する方法)をいう。
[バルク供給]
製品原料を、通常市販している少量ではなく、大量かつ一括して供給すること。
[パンデミックインフルエンザH1N1]
パンデミックとは全世界的に広まり多数の人々を感染させるようなケースを指し、H1N1亜型は1918~1919年にかけて発生したスペイン風邪の原因となったウイルス株です。この時は5000万~1億人の死者が発生しました。
[ヒト化抗体]
抗原認識のために必要な部分以外がヒトのタンパク質から構成された抗体のこと。
[ヒト肝臓型脂肪酸結合蛋白]
ヒト肝臓型脂肪酸結合蛋白( Human liver type - Fatty acid binding proteins, L-FABP)はヒト腎臓の近位尿細管に局在し、尿細管機能障害を伴う腎疾患を高精度に診断できる特性を有しているため、糖尿病性腎症に対しては微量アルブミン尿出現より早期の段階から尿中に検出される。ヒト尿中の本タンパク量の測定が、急性腎障害(AKI)・慢性腎疾患(CKD)それぞれの病態に応じた早期診断や、腎疾患の進行リスク・治療効果判定に有用であると報告されている。
[ヒトコラーゲン]
コラーゲンは元来、皮膚や腱、骨など体を作るタンパク質で、体内総タンパク質の約3割を占めるほど、広く大量に存在している。コラーゲンを変性・抽出したゼラチンも含めて、化粧品、健康食品などに広く用いられており、現在は、主に、ブタや魚から抽出精製されて製品化されている。IBLのヒトコラーゲンはヒトのコラーゲン遺伝子をカイコに組み込み、そのカイコが作る繭から抽出・精製したもの。
[ヒト成人T細胞白血病]
HTLV-1ウイルスの感染が引き起こす血液のがんの一種で、主に母乳を通じた母子感染で起こり、九州・沖縄に多いとされていた(全体の約46%)。近年、関東など大都市圏で増えていることが明らかになり、厚生労働省は20年ぶりに方針転換し、全妊婦の検査を実施するよう医療現場や自治体に対策を促し、平成22年の秋から妊婦健診の検査項目に加えられるようになった。その治療には化学療法、造血幹細胞移植及び分子標的医薬品などが用いられている。
[病理学]
病気の種類やその本態を、主に解剖学的、組織学的に追究する学問をいう。
[フィブリノーゲン]
血液中に含まれるタンパク質で、傷口を止血するときにできる血餅の元になるフィブリンのさらに元になるタンパク質。輸血血液などから精製されてフィブリン糊などの止血剤として製造販売されている。
[プリオン病]
異常型プリオンタンパク質を病原体とする疾病のこと。その代表的な疾病として、牛海綿状脳症(BSE)がある。
[分化誘導因子]
分化とは、生物の発生の過程で、分裂増殖する細胞が形態的、機能的に変化して、それぞれの役割を確立していく現象をいう。分化誘導因子は、その分化を促進するタンパク質のこと。
[分子標的治療薬]
疾病に関与している受容体、酵素などのタンパク質の働きのみを阻害する薬剤のこと。病因タンパク質のみに作用するため、従来の治療薬に比べて副作用が少ないとされている。ガンや自己免疫疾患の治療などで使用されている。
[ベクター]
遺伝子組換え技術に用いられる、組換えDNAを増幅・維持・導入させる核酸分子のこと。 ラテン語の運び屋に由来して名付けられている。
[ペプチド]
決まった順番で比較的少数(50個以下が目安)で様々なアミノ酸がつながってできた分子のこと。50以上のアミノ酸からなるペプチドは一般的にタンパク質と呼ぶ。
[ヘマグルチニン]
インフルエンザウイルスの表面に存在するタンパク質の一種で、ウイルスが感染しようとする標的細胞膜表面に結合してウイルスが標的細胞に取り込まれる感染過程で機能します。少なくとも16種類のサブタイプが存在し、H5N1など亜型のHはこのヘマグルチニンのサブタイプを表しています。
[マイルストーン契約金]
権利譲渡又は権利許諾の対価として、開発の進捗段階毎に受領する収益金のこと。
[マウス-ヒトキメラ抗体]
マウスが生成した抗体分子を部分的にヒトのタンパク質に置き換えた抗体のこと。
[免疫学]
免疫の機構の解明及びその応用を図る学問のこと。
[免疫組織染色]
組織又は細胞に存在する目的の抗原を、抗体を利用して染色し、可視的にする手法をいう。
[モノクローナル抗体]
抗原の特定の部分だけを認識する単一の抗体のこと。
[リポタンパク質プリファイリング]
おもに生体内における脂質の輸送を担うリポタンパク質中の成分を、主要4分画(CM、VLDL、LDL、HDL)のみならず各亜分画毎に高精度に定量することで、脂質代謝の微細な変化を捉え、潜在的な動脈硬化性疾患等のリスクや、薬効薬理作用・食品機能性等の新たな評価軸を提供する。
[臨床研究]
ヒトを対象として、疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学研究のこと。
[ロイヤリティー]
特許権等の実施に係る対価として受領する収益金のこと。売上額に一定率を乗じて算定され、実施権者から権利者に対して支払われる。