有価証券報告書-第119期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/21 14:40
【資料】
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【項目】
146項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスの体制
1)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に資するコーポレート・ガバナンスには、経営の執行における適切なリスクテイクを促す一方、執行に対する実効性の高い監督機能を確立し運用することが必要と考え、監督側の視点からコーポレート・ガバナンスの仕組みを構築しました。会社法上の機関設計としては、「委員会等設置会社」(現「指名委員会等設置会社」)を2003年に選択するとともに、属人性を排したシステムとして、コニカミノルタ流のガバナンスをこれまで追求してきました。2023年6月、法定三委員会に加え任意で設置したコーポレートガバナンス委員会の取組みを通じて、当社のコーポレートガバナンスの実効性を継続的に進化させていきます。
当社のガバナンス体制に関する基本的な考え方は以下のとおりであります。
・経営の監督と執行を分離し、企業価値向上に資するべく経営の監督機能を確保する。
・株主の目線からの監督を担うことができる独立社外取締役を選任する。
・これらにより経営の透明性・健全性・効率性を向上する。
2)コーポレート・ガバナンスの体制の概要及び当該体制を採用する理由
ⅰ)現コーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
当社は、実効性の高い監督機能を確保するとともに、業務の決定を執行役に大幅に委任して機動的な業務執行が可能である機関設計として「指名委員会等設置会社」を継続しております。また、取締役会及び指名・監査・報酬の三委員会並びに執行役については、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方を基に実効的な運営を実現するため、それぞれ以下のように具体的に設計しております。
ⅱ)取締役会
取締役会は、当社の業務を決定し、かつ取締役及び執行役の職務の執行を監督するものでありますが、その役割及び責務に関して、「コーポレートガバナンス基本方針」において、以下のとおりまとめております。
・取締役会は、経営の監督を確保することにより、当社の持続的成長、企業価値の向上を実現していく。これらを通じて、執行役の適切なリスクテイクを支援する。
・取締役会は、経営理念及び経営ビジョンの下、戦略的な方向付けを行うことが主要な役割及び責務と考え、経営の基本方針等の建設的な議論に十分な時間を投入する。
・取締役会は、指名委員会等設置会社として法令上許される範囲で業務の決定を執行役に大幅に委任して機動的な業務執行を図る。取締役会は経営の基本方針等法令上取締役会の専決事項とされている事項に加え、一定金額以上の投資案件等グループ経営に多大な影響を与えうる限られた事項のみを決定する。
なお、上述のガバナンス体制に関する基本的な考え方を具現化するべく、以下のような対応をしております。
・独立社外取締役を取締役総数の3分の1以上にするとともに、執行役を兼務しない取締役を取締役総数の過半数とする。
・経営の監督機能をより充実させるとともに、独立社外取締役との連携及び執行役との連絡・調整を強化するため、執行役を兼務しない社内取締役を1名以上置く。
・経営上重要な意思決定における審議をより充実させるため、代表執行役社長のほか、主要な職務を担当する執行役数名を取締役とする。
・取締役の知識・経験・能力のバランス、多様性については「産官学の分野における組織運営経験、又は技術、会計、法務等の専門性を有していること」「社外取締役については、出身の各分野における実績と識見を有していること」を選任基準において定める。
・執行役を兼務しない取締役から取締役会議長を選定する。(2022年度からは社外取締役を取締役会議長に選定しております。)
ⅲ)指名委員会・監査委員会・報酬委員会
指名委員会等設置会社として法定の指名、監査、報酬の三委員会を設置しており、上述のガバナンス体制に関する基本的な考え方を具現化するべく、以下のような対応をしております。
・各委員会は、5名前後の委員で構成し、過半数を社外取締役とする。
・各委員会の委員長は、社外取締役の中から選定する。
・代表執行役社長を兼務する取締役は、指名委員、監査委員又は報酬委員のいずれにも選定しない。
・執行役を兼務しない社内取締役を常勤の監査委員に選定し、監査委員会において一定の監査の質を確保する。
委員会の構成は以下のとおりであり、2023年6月20日開催の当社取締役会にて各委員会の委員が選定され、同日の各委員会にて委員長が選定されております。
指名委員会◎市川 晃、程 近智、峰岸 真澄、澤田 拓子、鈴木 博幸
監査委員会◎佐久間総一郎、市川 晃、澤田 拓子、鈴木 博幸
報酬委員会◎峰岸 真澄、佐久間総一郎、澤田 拓子、鈴木 博幸

(注)表中の◎は委員長、下線は社外取締役であります。
ⅳ)コーポレートガバナンス委員会
2023年6月20日付でコーポレートガバナンス委員会を設置しました。これは2022年6月開催の定時株主総会以降、取締役会構成における社外取締役の過半数化及び社外取締役による取締役会議長就任に伴い、コーポレートガバナンスの在り方を整理した中から方向性が確認されたものです。取締役会傘下の専門委員会として、コーポレートガバナンスの全体設計及び運用に関して包括的・横断的に検討するために設置しました。委員会の構成等は以下のとおりとしております。
・5名前後の委員で構成し、過半数を社外取締役とする。
・委員長は、社外取締役の中から選定する。
2023年6月20日開催の取締役会にて委員長及び委員が以下のとおり選定されております。
コーポレートガバナンス委員会◎佐久間総一郎、程 近智、市川 晃、鈴木 博幸、大幸 利充

(注)表中の◎は委員長、下線は社外取締役であります。
ⅴ)執行役
執行役は、取締役会決議により選任され、取締役会より委任を受けた業務の決定と業務の執行にあたります。また、取締役会の決議をもって、執行役の中から代表執行役社長及び役付執行役を選定するとともに、執行役の職務の分掌等を定めます。代表執行役社長は、その意思決定の諮問機関として、コーポレート部門を担当職務とする執行役及び執行役員並びに経営企画部長及び経営管理部長を常任メンバーとする経営審議会を設置し、グループ経営上の重要事項の審議を行います。
3)内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社は、会社法に定める「監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項」(会社法第416条第1項第1号ロ)、及び「執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」(会社法第416条第1項第1号ホ)に関して、取締役会において決議を行っております。その概要は以下のとおりです。
ⅰ)監査委員会の職務の執行のために必要な事項
a)監査委員会の職務を補助すべき使用人として、常勤の使用人を配置した「監査委員会室」を設置し、監査委員会の事務局にあたるほか監査委員会の指示に従いその職務を行う。また、その旨を社内規則に明記し、周知する。
b)前号の使用人の執行役及び執行役員からの独立性及び同使用人が監査委員会から受ける指示の実効性を確保するため、当該使用人の任命、異動、懲戒等の人事権に関わる事項は、監査委員会の事前の同意を得る。
c)当社の経営監査室、リスクマネジメント委員会、コンプライアンス委員会等の当社グループの内部統制を所管する執行役又は執行役員は、監査委員会に定期的に、かつ報告すべき緊急の事項が発生した場合や監査委員会から要請があった場合は遅滞なく、その業務の状況を報告する。また、当社子会社の内部監査部門、リスク管理部門及びコンプライアンス部門並びに監査役は、当社監査委員会から要請があった場合は遅滞なく、その業務の状況を報告する。
d)当社は、監査委員の職務の執行について生ずる費用等を支弁するため必要かつ妥当な額の予算を確保して運用する。
e)当社は、監査委員会が選定した監査委員に対し、経営審議会をはじめとする主要な会議に出席する機会を提供する。また、経営監査室、リスクマネジメント委員会、コンプライアンス委員会等の内部統制を所管する執行役又は執行役員は、当該監査委員から調査・報告等の要請があった場合は遅滞なく、これに応ずる。
ⅱ)執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社グループの業務の適正を確保するための体制の整備に関する事項
a)各執行役及び執行役員は、執行役の文書管理に関する規則及びその他の文書管理に関する社内規則類の定めるところに従い、経営審議会をはじめとする主要な会議の議事録、稟議決裁書その他その職務の執行に係る情報を適切に保存し閲覧が可能なように管理する。
b)当社は、当社グループの事業活動に関する諸種のリスク管理を所管するリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメント委員会規則に従い、取締役会で任命された執行役又は執行役員が以下を含むリスク管理体制の構築と運用にあたる。
・当社グループの事業活動に関する事業リスク及びオペレーショナルリスクについては、執行役及び執行役員の職務分掌に基づき各執行役、執行役員がそれぞれの担当職務ごとに管理することとし、リスクマネジメント委員会はそれぞれを支援する。また、リスクマネジメント委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、管理状況の確認を定期的に行う。
・取締役会で任命された危機管理を担当する執行役又は執行役員は、企業価値に多大な影響を与えることが予想される事象であるクライシスによる損失を最小限にとどめるための対応策や行動手順であるコンティンジェンシープランの策定にあたる。
・当社グループ各社におけるリスクマネジメント体制の構築と運用の強化を支援する。
c)当社は、事業活動全般の業務の遂行状況を合法性と合理性の観点から評価・改善するために、当社グループの内部監査を担当する経営監査室を置き、内部監査規則に従い、内部監査体制の構築と運用にあたる。
d)当社は、当社グループにおける財務報告に係る内部統制システム及びその運用の有効性を評価する体制の構築と運用にあたる。
e)当社は、経営理念、経営ビジョンなどから成るコニカミノルタフィロソフィーを体現するための行動原則として、全世界共通のグループ行動憲章を定め、これをグループ全体に浸透させ、周知徹底する。
f)当社は、当社グループのコンプライアンス体制の構築と運用を所管するコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス委員会規則に従い、取締役会で任命された執行役又は執行役員が以下を含むコンプライアンス体制の構築と運用にあたる。
・当社グループにおけるコンプライアンスとは、企業活動にあたって適用される法令はじめ、企業倫理、社内規則類を遵守することと定義づけ、このことを当社グループで働く一人ひとりに対して周知徹底させる。
・当社グループ各社におけるコンプライアンス推進体制を構築させ、運用させる。特に、当社グループ各社社長に対する監督機能を整備することにより、各社の不正を防止する。
・当社グループのコンプライアンスの違反を発見又は予見した者が通報できる内部通報システムを構築し、運用するとともに、当該通報をしたこと自体による不利益取り扱いの禁止を社内規則に明示し周知する。特に、当社グループ各社からの内部通報を当社が直接受け付けるなどして不正の隠蔽を防止する。また、内部通報システムの担当部署は、通報の内容・状況について定期的に監査委員会に報告する。
g)当社は、当社グループ各社の内部統制の実効性を確保するための体制を整え、グループ各社社長の内部統制に関する意識付け、理解促進を図るとともに、各社の特性を考慮した内部統制システムの構築・運用の支援にあたる。当社は、専任組織を設置し、グループ各社における内部統制強化を支援するとともに、経営課題を早期に共有し、グループとして対策の実行を支援する組織を必要に応じて設け、対応に当たる。
h)当社は、経営組織基本規則を定め、前各号の体制を含み、当社及び当社グループの経営統治機構を構築する。また当社は、経営審議会その他の会議体及び権限規程等の社内規則類を通じて、当社グループにおける業務の適正を確保するための体制の構築と運用に努め、さらに当社グループの事業活動の全般にわたる管理・運営の制度を必要に応じて見直すことによって業務遂行の合法性・合理性及び効率性の確保に努める。また、当社は、権限規程等の社内規則類等に基づき、子会社の重要な業務執行、経理・財務執行、人事その他重要な情報について、経営審議会その他の会議体等を通じて当社への定期的な報告又は事前承認申請をさせる。
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4)当事業年度における取締役会、指名委員会、報酬委員会及び監査委員会の活動状況
ⅰ)取締役会
a)当事業年度における活動状況
氏名役職名等出席状況
大 幸 利 充取締役 代表執行役社長13回/13回(100%)
松 﨑 正 年取締役 取締役会議長(注)3回/3回(100%)
藤 原 健 嗣社外取締役3回/3回(100%)
程 近 智社外取締役 取締役会議長(注)13回/13回(100%)
橘・フクシマ・咲江社外取締役13回/13回(100%)
佐久間 総一郎社外取締役13回/13回(100%)
市 川 晃社外取締役13回/13回(100%)
峰 岸 真 澄社外取締役10回/10回(100%)
伊 藤 豊 次取締役3回/3回(100%)
鈴 木 博 幸取締役13回/13回(100%)
山 名 昌 衛取締役 執行役会長13回/13回(100%)
畑 野 誠 司取締役 専務執行役13回/13回(100%)

(注)2022年6月17日開催の定時株主総会終結の時をもって松﨑正年氏は任期満了により取締役を退任し、同日開催の取締役会にて新たに程近智氏を取締役会議長に選定しました。
b)主な審議内容
当事業年度は、赤字からの脱却を掲げて取り組んだ2022年度経営計画の進捗を月次及び四半期の決算報告を通して監督するとともに、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた中期経営計画の策定に注力しました。取締役会の審議に先立って取締役懇談会を開催し、執行側から事前に情報提供を受け、これまでの目標未達の教訓を生かすべく、活発な議論を行ないました。事業面では、ポートフォリオマネジメントを踏まえた選択と集中、各事業のポジショニングに適した目標設定等について議論を重ねました。併せて、コア技術や人財への投資、生産・調達、品質、ブランディングの横断的な取組み、カーボンマイナスを目指す環境の取組み等に関する意見交換を行いました。
ⅱ)指名委員会
a)当事業年度における活動状況
氏名役職名等出席状況
市 川 晃社外取締役 指名委員長(注)10回/10回(100%)
藤 原 健 嗣社外取締役 指名委員長(注)1回/1回(100%)
程 近 智社外取締役 指名委員10回/10回(100%)
橘・フクシマ・咲江社外取締役 指名委員10回/10回(100%)
峰 岸 真 澄社外取締役 指名委員9回/9回(100%)
山 名 昌 衛取締役 指名委員9回/9回(100%)
松 﨑 正 年取締役 指名委員1回/1回(100%)

(注)2022年6月17日開催の定時株主総会終結の時をもって藤原健嗣氏は任期満了により取締役を退任し、同日開催の指名委員会にて新たに市川晃氏を指名委員長に選定しました。
b)主な審議内容
当事業年度は、9名(再任6名、新任3名)を候補者とする取締役選任議案を策定しました。取締役会は昨年度と同様に、社外取締役を過半数(9名中5名)にすること及び社外取締役から取締役会議長を選定することにより、引き続き透明性の高いコーポレートガバナンスの実現を図るものです。取締役会及び三委員会は、多様な経営経験を有する独立社外取締役が中心となり、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた重要施策の推進を監督します。
指名委員会は取締役会構成をレビューし、昨年度の構成(総数9名、社外5名・社内4名、非執行6名・執行役兼務3名)を継続することとしました。
・取締役会議長には、昨年度と同様、他社を含む社外取締役としての豊富な経験、当社ガバナンスへの深い理解、取締役会運営のリード役としての適性等から妥当と判断した社外取締役を選定することとしました。
・社外取締役には、5名全体の知識・経験・能力とそのバランス及びダイバーシティにより、当社の経営課題に対する有益な監督や助言が得られることを期待しています。これを踏まえ、新任社外取締役候補者には、研究開発、経営戦略策定、新規事業育成及びDX推進等に関する豊富なかつグローバルレベルでの知見を持ち、当社の経営課題に有益な監督や助言が期待できる人物を選定しました。
・執行役兼務の社内取締役は、経営上重要な意思決定における審議をより充実させるため、代表執行役社長のほか、主要な職務を担当する執行役を候補者としました。
・非執行の社内取締役は、常勤の監査委員として一定の監査の質を確保するために昨年度の状況(1名)を継続することとしました。
執行役の選任にあたっては、取締役会決議の前に指名委員会は選定プロセス・選定理由等について報告を受け、チェックを行いました。また、2022年4月の代表執行役社長交代ののち、次期代表執行役社長後継者計画の取組みをスタートしました。今後も代表執行役社長から定期的かつ継続的に後継者計画の進捗状況の報告を受け、監督及び助言を実施していきます。
ⅲ)報酬委員会
a)当事業年度における活動状況
氏名役職名等出席状況
橘・フクシマ・咲江社外取締役 報酬委員長8回/8回(100%)
佐久間 総一郎社外取締役 報酬委員8回/8回(100%)
峰 岸 真 澄社外取締役 報酬委員6回/7回( 86%)
市 川 晃社外取締役 報酬委員1回/1回(100%)
鈴 木 博 幸取締役 報酬委員8回/8回(100%)
伊 藤 豊 次取締役 報酬委員1回/1回(100%)

詳細は、「(4)役員の報酬等 ①役員報酬等 5)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者の氏名又は名称、その権限の内容及び裁量の範囲 ⅲ)当事業年度の役員の報酬等の決定過程における委員会等の活動内容」に記載しております。
b)主な審議内容
当事業年度は、2023年度からスタートする中期経営計画の策定に関する取締役会における議論と並行し、報酬委員会では目標達成へのインセンティブをより一層強化するために報酬体系の見直しを審議・検討しました。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ①役員報酬等 1)取締役及び執行役の報酬等の額又はその算定方法に係る決定に関する方針の概要」に記載しております。
・執行役に対する「固定報酬」「年度業績連動金銭報酬」「株式報酬」の比率については、「固定報酬」の比率を5%引き下げ、その5%を「年度業績連動金銭報酬」にシフトしました。中期経営計画の年度ごとの重要施策への取組みのインセンティブを一層高めることを意図したものです。
・年度業績連動金銭報酬の評価指標を中期経営計画の方針・戦略に合わせて当期利益、総資産回転率、KMCC-ROIC(各事業部門による個別管理、改善が可能な資産を投下資本とする当該年度業績連動金銭報酬を算定するための弊社独自のROIC)の3指標に改定しました。
・中期株式報酬(業績連動型)の評価指標をROEに改定するとともに、非財務指標としてCO2排出量削減率及び社員エンゲージメントスコアを導入しました。
ⅳ)監査委員会
当事業年度における活動状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3)監査の状況」に記載しております。
5)取締役及び執行役の責任免除
当社は、取締役及び執行役が、職務の遂行に当たり期待される役割を充分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)及び執行役(執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を法令の限度において免除することができる旨を定款で定めております。
6)責任限定契約の内容の概要
会社法第427条第1項の規定に基づき、現行定款において、当社は社外取締役との間で、同法第423条第1項の損害賠償責任を法令の限度において限定する契約(一定の範囲に限定する契約)を締結できる旨を定めております。当該規定に基づき、社外取締役は当社と損害賠償責任を限定する契約を締結しており、その契約内容の概要は次のとおりであります。
任期中に社外取締役として職務をなすにつき、善意にしてかつ重大な過失なくその任務を怠ったことにより、当社に対して損害を与えたときは、会社法施行規則第113条に定める金額の合計額に「2」(会社法第425条第1項第1号のハ)を乗じて得た額をもって、損害賠償責任の限度額とする。
7)補償契約の内容の概要
当社は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」に記載されている取締役及び執行役の全員との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしております。当社は、当該補償契約によって職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、各取締役及び執行役が、法令違反を認識していたにもかかわらず職務を執行した場合等については、補償を行わないこととしております。
8)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役、執行役、執行役員、技術フェロー及び北米を除く全子会社の役員等(以下、「役員等」といいます。)を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、役員等がその地位に基づき行った行為に起因して損害賠償請求がなされたことにより、役員等が被る訴訟等の費用や損害賠償金が補填されることとなり、その保険料は、当社が全額負担しております。当社は、当該保険契約によって職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、役員等が、法令違反を認識していたにもかかわらず職務を執行した場合等については、役員等に対し費用等は補填されないこととしております。当該保険契約の契約期間は1年間であります。
②その他
1)取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款で定めております。
2)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び、取締役の選任決議は累積投票によらない旨を定款で定めております。
3)株主総会・取締役会決議に関する事項
当社は、定款第37条で、会計監査報告の内容に無限定適正意見が含まれており、かつ監査委員会の監査報告の内容に会計監査人の監査方法・結果を相当でないと認める意見がない場合に限り、剰余金の配当等を、取締役会で決議することができ、株主総会では決議できないことを定めています。
上記の定款規定を定めている理由は以下のとおりであります。
ⅰ)いかなる剰余金分配政策が各株主にとって望ましいか、については、税制、安定配当、連結業績、成長分野への戦略投資の推進等を総合的に勘案しつつ、株主の利益の最大化を図る必要がありますが、そのような判断は取締役会が担うのが適切だと考えます。なお、取締役会は剰余金の配当等の決定に関する方針を定めています。
ⅱ)上記ⅰ)の判断を行う当社取締役の任期は1年間であり、また、当社は指名委員会等設置会社として、過半数の社外取締役で構成する監査委員会が取締役の職務執行(取締役会)を監査する体制であることから、取締役会が権限を濫用する恐れは極めて小さいと考えます。
ⅲ)また、剰余金の配当等の決定機関を、取締役会に限定したのは、剰余金の配当政策が各株主の利益に重大な影響を及ぼすことから、株主提案権の行使によって株主総会の目的とすることに適しないと考えるためであります。また、当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、株主総会の決議によらず取締役会決議によって定める旨を定款で定めたことと同様の趣旨で、会社法第165条第2項の規定により、取締役会決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
4)株主総会の特別決議要件
当社は、定款第17条第2項で、「株主総会の特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行うこと」を定めています。
上記の定款規定を定めている理由は以下のとおりであります。
特別決議という株主・当社にとって重要な議案について、万一、定足数の不足という事態が発生しますと、可決・否決以前に決議そのものが成立しなくなるため、会社法の許す3分の1以上という基準に定足数を引き下げることにより、議決権を行使する株主の意思を可能な限り議案の採決に反映させるためであります。