有価証券報告書-第119期(2022/04/01-2023/03/31)
[戦略] 気候関連のリスク及び機会に係る組織の事業・戦略・財務に対する影響
当社は気候変動リスクに対処するため、2023年5月に2050年にバリューチェーン全体で温室効果ガス排出ネットゼロを目指すビジョンを設定しました。気候変動に起因するリスクを事業リスクに融合し、気候変動対策にかかわる中期目標及び年度計画を、製品の企画・開発、生産・調達、販売などの事業中期計画と連動させることで、ビジネスを通じて目標の達成を目指しております。
また機会の観点では、顧客企業や社会におけるエネルギー/CO2削減の貢献度を高め事業成長を図る「カーボンマイナス」の達成時期を2025年にさらに前倒ししました。創業以来150年かけて各事業が育ててきたコア技術を、AI活用(データ駆動型開発・生産)と事業領域を跨ぐ技術融合で“進化したコア技術群”として強化し、ワークフロー、サプライチェーンの変革によるエネルギー/CO2削減の貢献度を高め、インダストリー事業の成長と、社会に必要とされる企業となるための事業創出を進めてまいります。
<気候変動シナリオ分析の実施と結果>当社では、気温上昇が2℃以下(1.5℃相当)に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合と、気温上昇が2℃を超え、気候変動の物理的影響が顕在化した場合の2つのシナリオを想定し、2030年の視点で当社グループの業績に影響を及ぼす事業リスクと、気候変動における課題の解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、気候変動シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な気候関連リスク及び機会の特定、気候変動に関する既存の科学的シナリオの検討、シナリオに対するリスク及び機会とその財務影響の検討と明確化、今後の対応の方向性・方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。
●気温上昇が2℃以下(1.5℃相当)に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合
気候変動の「リスク」への対処
(注1)インターナル・カーボンプライシング
気候変動の「機会」
(注2)可視光~非可視光領域の多波長計測技術。この技術により、物体の表面の色や外観の検査だけでなく、内部成分の検査まで可能となる。
●気温上昇が2℃を超え、気候変動の物理的影響が顕在化した場合
気候変動の「リスク」への対処
気候変動の「機会」
「リスクと機会の分類」
「財務影響」の定義と評価基準
「財務効果」の定義と評価基準
「時間軸」の定義と評価基準
当社は気候変動リスクに対処するため、2023年5月に2050年にバリューチェーン全体で温室効果ガス排出ネットゼロを目指すビジョンを設定しました。気候変動に起因するリスクを事業リスクに融合し、気候変動対策にかかわる中期目標及び年度計画を、製品の企画・開発、生産・調達、販売などの事業中期計画と連動させることで、ビジネスを通じて目標の達成を目指しております。
また機会の観点では、顧客企業や社会におけるエネルギー/CO2削減の貢献度を高め事業成長を図る「カーボンマイナス」の達成時期を2025年にさらに前倒ししました。創業以来150年かけて各事業が育ててきたコア技術を、AI活用(データ駆動型開発・生産)と事業領域を跨ぐ技術融合で“進化したコア技術群”として強化し、ワークフロー、サプライチェーンの変革によるエネルギー/CO2削減の貢献度を高め、インダストリー事業の成長と、社会に必要とされる企業となるための事業創出を進めてまいります。
<気候変動シナリオ分析の実施と結果>当社では、気温上昇が2℃以下(1.5℃相当)に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合と、気温上昇が2℃を超え、気候変動の物理的影響が顕在化した場合の2つのシナリオを想定し、2030年の視点で当社グループの業績に影響を及ぼす事業リスクと、気候変動における課題の解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、気候変動シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な気候関連リスク及び機会の特定、気候変動に関する既存の科学的シナリオの検討、シナリオに対するリスク及び機会とその財務影響の検討と明確化、今後の対応の方向性・方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。
●気温上昇が2℃以下(1.5℃相当)に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合
気候変動の「リスク」への対処
| 当社への影響 | 対象セグメント | 分類 | 財務影響 | 時間軸 | 対処 | |
| 調達・製造コストの上昇 | ステークホルダーからの再生可能エネルギー調達の要求 | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 | 市場 評判 | 中 | 短期 | 生産・研究開発・販売拠点における再生可能エネルギー由来電力の導入 |
| 化石資源・化石燃料の代替化 | インダストリー事業 | 政策・法律 | 中 | 中~長期 | CO2フリー燃料の導入検討、ICP(注1)の導入検討、調達戦略の最適化 | |
| 新たな排出規制・税制への対応 | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 ヘルスケア事業 | 政策・法律 | 大 | 短~中期 | 省エネ生産技術開発 | |
| 製品開発コストの上昇 | 新たな製品エネルギー効率規制と市場への対応 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策・法律 市場 | 中 | 短期 | 環境ラベル新基準相当の製品省エネ設計、公共調達・入札要件への対応 |
| 製品サービスの需要変化による売上減少 | オフィスにおける紙への出力機会の減少 | デジタルワークプレイス事業 | 市場 | 大 | 短~中期 | ペーパーレス事業へのビジネス転換 |
(注1)インターナル・カーボンプライシング
気候変動の「機会」
| 当社への影響 | 対象セグメント | 分類 | 財務効果 | 時間軸 | |
| 製品サービスの需要変化による売上増加 | 印刷産業及びアパレル産業のサプライチェーンを変革するデジタルソリューション | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 大 | 短~中期 |
| 製品カーボンフットプリントを低減した機能材料、使用済みプラスチックの分別性・リサイクル率向上に貢献するハイパースペクトルイメージング(注2)インクジェット技術による生産プロセスの変革 | インダストリー事業 | 製品/サービス | 中 | 短~中期 | |
(注2)可視光~非可視光領域の多波長計測技術。この技術により、物体の表面の色や外観の検査だけでなく、内部成分の検査まで可能となる。
●気温上昇が2℃を超え、気候変動の物理的影響が顕在化した場合
気候変動の「リスク」への対処
| 当社への影響 | 対象セグメント | 分類 | 財務影響 | 時間軸 | 対処 | |
| 生産能力減少による収益減 | 気候パターンの変化に伴う自然資源の供給量不足・供給停止 | インダストリー事業 | 慢性物理 | 大 | 長期 | 特定の自然資源に依存しない製品設計と開発 |
| 大規模気候災害の発生に伴うサプライチェーン分断 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 急性物理 | 大 | 中期 | 事業継続管理(BCM)の構築、消耗材の域別分散生産及び供給 | |
| 製品サービスの需要変化による売上減少 | 異常気象及び森林火災の発生に伴う森林資源へのアクセス制限 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 慢性物理 | 大 | 長期 | ペーパーレス事業へのビジネス転換 |
気候変動の「機会」
| 当社への影響 | 対象セグメント | 分類 | 財務効果 | 時間軸 | |
| 製品サービスの需要変化による売上増加 | 急性的な異常気象・自然災害への防災・減災に貢献する画像IoT・センシングソリューション | インダストリー事業 | 製品/サービス | 小 | 中期 |
「リスクと機会の分類」
| 移行リスク | 政策・法律、技術、市場、評判 |
| 物理的リスク | 急性物理、慢性物理 |
| 機会 | 資源効率、エネルギー、製品/サービス、市場、レジリエンス |
「財務影響」の定義と評価基準
| 大 | 追加コスト又は利益減少 10億円以上 |
| 中 | 追加コスト又は利益減少 1~10億円 |
| 小 | 追加コスト又は利益減少 1億円未満 |
「財務効果」の定義と評価基準
| 大 | 利益創出 100億円以上 |
| 中 | 利益創出 10~100億円 |
| 小 | 利益創出 10億円未満 |
「時間軸」の定義と評価基準
| 長期 | 10年以上 |
| 中期 | 3~10年以内 |
| 短期 | 1~3年以内 |