有価証券報告書-第121期(2024/04/01-2025/03/31)
[戦略] 自然関連のリスク及び機会にかかる組織の事業・戦略・財務に対する影響
当社グループはマテリアリティの1つである「有限な資源の有効利用」について、当社グループの長期的な環境ビジョンである「エコビジョン2050」において2050年の定量的な目標を設定しております。具体的には、地球資源(注)使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を90%以上削減するとともに、自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革するとともに、事業活動を通じた取組により非財務価値を財務と同期させて企業価値を向上することを目指しております。
中期的に取り組む活動計画の具体化にあたっては、2023年9月に発表されたTNFDの提言内容を参照し、当社グループの事業における地球資源及び生物多様性への依存とインパクトを評価しております。TNFDが提唱する9つのグローバル中核指標の視点においてイシューを抽出して事業活動における自然への依存とインパクトを評価し、リスクと機会を特定しております。
(注)地球資源:原油や鉱物資源等の新たな採掘を伴う資源。一般に枯渇性資源と同義
<自然シナリオ分析の実施と結果>当社グループでは、2030年の視点で業績に影響を及ぼす事業リスクと、課題解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。政策強化により自然が保護・回復に向かう場合と、現行の延長で自然が劣化し続ける場合の2つのシナリオを想定し、リスクの発現あるいは機会獲得の可能性がある対象セグメント、分類、時間軸及び対処を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、自然シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な自然リスク及び機会の特定、自然に関するシナリオの検討、今後の対応の方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。分析にあたっては、直接操業だけでなく、上流・下流における自然関連の依存・インパクトを含め、リスク・機会の特定・評価・優先順位付けを行っております。
●政策強化により自然が保護・回復に向かう場合
自然に関連する「リスク」への対処
自然に関連する「機会」
●現行の延長で自然が劣化し続ける場合
自然に関連する「リスク」への対処
自然に関連する「機会」
なし
リスクと機会の「分類」
「時間軸」の定義と評価基準
「自然の変化要因」
当社グループはマテリアリティの1つである「有限な資源の有効利用」について、当社グループの長期的な環境ビジョンである「エコビジョン2050」において2050年の定量的な目標を設定しております。具体的には、地球資源(注)使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を90%以上削減するとともに、自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革するとともに、事業活動を通じた取組により非財務価値を財務と同期させて企業価値を向上することを目指しております。
中期的に取り組む活動計画の具体化にあたっては、2023年9月に発表されたTNFDの提言内容を参照し、当社グループの事業における地球資源及び生物多様性への依存とインパクトを評価しております。TNFDが提唱する9つのグローバル中核指標の視点においてイシューを抽出して事業活動における自然への依存とインパクトを評価し、リスクと機会を特定しております。
(注)地球資源:原油や鉱物資源等の新たな採掘を伴う資源。一般に枯渇性資源と同義
| TNFD中核指標 | 当社への影響 | |||
| 自然の変化要因 | 9つの中核指標 | リスク | 機会 | |
| 依存 | 土地/淡水/海洋利用の変化 | 1 土地の総フットプリント | - | - |
| 2 土地/淡水/海洋利用の変化の範囲 | - | - | ||
| 資源の利用 | 3 水ストレス地域からの取水・消費 | ・サプライチェーン:取水制限等による高い水ストレス地域(東南アジア)からの供給量が低下 | ・捺染ドライプロセス:水ストレスが高い地域(インド、トルコ、イタリア)での水レス染色システム | |
| 4 土地/海洋/淡水から調達する高リスクの天然資源 | ・天然資源:規制強化等によるリスクの高い天然資源の供給不足 ・紙:森林資源へのアクセス制限、社会嗜好変化などによる紙利用・出力機会が減少 | - | ||
| インパクト | 汚染・汚染除去 | 5 土壌汚染 | - | ・有害物質フリー技術:残留性有害物質等のフリー技術の提供 |
| 6 排水量 | - | ・デジタル印刷/捺染、インクジェット技術:水質汚染の深刻な地域(南アジア)での廃水削減技術 | ||
| 7 廃棄物の発生と処分 | ・使用済み製品:循環型社会促進策等による製品へのリサイクル義務化 ・プラスチック:循環型社会促進策等による製品への再生資源利用への要求 | ・再生プラスチック技術:循環型社会形成促進策等による再生技術・材料技術・センシング技術の需要増 | ||
| 8 プラスチックによる汚染 | - | - | ||
| 9 非GHG大気汚染物質 | - | - | ||
<自然シナリオ分析の実施と結果>当社グループでは、2030年の視点で業績に影響を及ぼす事業リスクと、課題解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。政策強化により自然が保護・回復に向かう場合と、現行の延長で自然が劣化し続ける場合の2つのシナリオを想定し、リスクの発現あるいは機会獲得の可能性がある対象セグメント、分類、時間軸及び対処を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、自然シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な自然リスク及び機会の特定、自然に関するシナリオの検討、今後の対応の方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。分析にあたっては、直接操業だけでなく、上流・下流における自然関連の依存・インパクトを含め、リスク・機会の特定・評価・優先順位付けを行っております。
●政策強化により自然が保護・回復に向かう場合
自然に関連する「リスク」への対処
| 当社グループへの依存と影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
| 調達・製造コストの上昇 | 循環型社会促進策等による製品への再生プラスチック資源利用への要求 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 インダストリー事業 | 政策技術 | 短~中期 | 「最小化(Minimization)」 環境ラベル新基準相当の製品サーキュラーエコノミー設計、公共調達・入札要件への対応 |
| 製品開発コストの上昇 | 使用済み製品へのリサイクル義務化 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策 | 中期 | 「最小化(Minimization)」 環境ラベル新基準相当の製品サーキュラーエコノミー設計、公共調達・入札要件への対応 |
| 製品サービスの需要変化による売上減少 | 森林生態系保護による森林資源へのアクセス制限 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策市場 | 短~中期 | 「回避 (Avoidance)」 プリントチャージに依存しない収益モデルへの転換 |
自然に関連する「機会」
| 当社グループへの影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | |
| ビジネスパフォーマンスに関わる機会 | 印刷産業のサプライチェーンを変革するデジタルソリューション技術 | インパクト | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 |
| アパレル産業のサプライチェーンを改革するデジタルソリューション | インパクト | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短期 | |
| 生産ラインのインクジェット化による顧客のワークフロー改革、水・溶剤削減 | インパクト | インダストリー事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| 水ストレスが高い地域での水レス染色システムの需要増 | 依存 | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| サステナビリティパフォーマンスに関わる機会 | 循環型社会形成促進策等による再生プラスチック技術・材料技術・センシング技術の需要増 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 インダストリー事業 | 天然資源の持続可能な利用 | 中期 |
| 残留性有害物質等のフリー技術の提供 | インパクト | インダストリー事業 | 生態系の保護・回復・再生 | 長期 | |
●現行の延長で自然が劣化し続ける場合
自然に関連する「リスク」への対処
| 当社グループへの影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
| 生産能力減少による収益減 | 気候パターンの変化に伴う天然資源の供給量不足・供給停止 | 依存 | インダストリー事業 | 慢性物理 | 長期 | 「回避 (Avoidance)」 特定の天然資源に依存しない製品設計と開発 |
| 水資源の枯渇・取水制限による生産・調達拠点の生産能力低下 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 インダストリー事業 | 慢性物理 | 長期 | 「最小化(Minimization)」 生産・調達拠点の水リスク評価、水使用量の削減 | |
| 製品サービスの需要変化による売上減少 | 異常気象及び森林火災の発生に伴う森林資源へのアクセス制限 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 慢性物理 | 長期 | 「回避 (Avoidance)」 プリントチャージに依存しない収益モデルへの転換 |
自然に関連する「機会」
なし
リスクと機会の「分類」
| 移行リスク | 政策、市場、技術、評判、法的責任 |
| 物理的リスク | 急性物理、慢性物理 |
| システミックリスク | 生態系不安定化、金融不安定化 |
| ビジネスパフォーマンスに関わる機会 | 市場、資本の流れと資本調達、製品/サービス、資源効率、評判資本 |
| サステナビリティパフォーマンスに関わる機会 | 天然資源の持続可能な利用、生態系の保護・回復・再生 |
「時間軸」の定義と評価基準
| 長期 | 10年以上 |
| 中期 | 3~10年以内 |
| 短期 | 1~3年以内 |
「自然の変化要因」
| 依存 | 土地の総フットプリント、土地/淡水/海洋利用の変化の範囲、水ストレス地域からの取水・消費、土地/海洋/淡水から調達する高リスクの天然資源 |
| インパクト | 土壌汚染、排水量、廃棄物の発生と処分、プラスチックによる汚染、非GHG大気汚染物質 |