有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
[戦略] 自然関連のリスク及び機会にかかる組織の事業・戦略・財務に対する影響
当社グループはマテリアリティの1つである「有限な資源の有効利用」について、長期ビジョンとして2050年の定量的な目標を設定しております。具体的には、地球資源(注)使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を90%以上削減するとともに、自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革し、事業活動を通じて企業価値を向上することを目指しております。これらの取組は、調達コストの安定化や製品競争力の維持・向上を通じて、当社グループの財務に影響を与えるものと認識しております。
中期的に取り組む活動計画の具体化にあたっては、2023年に発表されたTNFDの提言内容を参照し、当社グループの事業における地球資源及び生物多様性への依存とインパクトを評価しております。TNFDが提唱する9つのグローバル中核指標の視点においてイシューを抽出して事業活動における自然への依存とインパクトを評価し、リスクと機会を特定しております。
(注)地球資源:原油や鉱物資源等の新たな採掘を伴う資源。一般に枯渇性資源と同義
<自然シナリオ分析の実施と結果>当社グループでは、2030年時点で業績に影響を及ぼす事業リスクと、課題解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。政策強化により自然が保護・回復に向かう場合と、現行の延長で自然が劣化し続ける場合の2つのシナリオを想定し、リスクの発現あるいは機会獲得の可能性がある対象セグメント、分類、時間軸及び対処を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、自然シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な自然リスク及び機会の特定、自然に関するシナリオの検討、今後の対応の方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。分析にあたっては、直接操業だけでなく、上流・下流における自然関連の依存・インパクトを含め、リスク・機会の特定・評価・優先順位付けを行っております。
●政策強化により自然が保護・回復に向かう場合
自然に関連する「リスク」への対処
自然に関連する「機会」
●現行の延長で自然が劣化し続ける場合
自然に関連する「リスク」への対処
自然に関連する「機会」
なし
「対象セグメント」
リスクと機会の「分類」
「時間軸」の定義と評価基準
「自然の変化要因」
当社グループはマテリアリティの1つである「有限な資源の有効利用」について、長期ビジョンとして2050年の定量的な目標を設定しております。具体的には、地球資源(注)使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を90%以上削減するとともに、自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革し、事業活動を通じて企業価値を向上することを目指しております。これらの取組は、調達コストの安定化や製品競争力の維持・向上を通じて、当社グループの財務に影響を与えるものと認識しております。
中期的に取り組む活動計画の具体化にあたっては、2023年に発表されたTNFDの提言内容を参照し、当社グループの事業における地球資源及び生物多様性への依存とインパクトを評価しております。TNFDが提唱する9つのグローバル中核指標の視点においてイシューを抽出して事業活動における自然への依存とインパクトを評価し、リスクと機会を特定しております。
(注)地球資源:原油や鉱物資源等の新たな採掘を伴う資源。一般に枯渇性資源と同義
| TNFD中核指標 | 当社への影響 | |||
| 自然の変化要因 | 9つの中核指標 | リスク | 機会 | |
| 依存 | 土地/淡水/海洋利用の変化 | 1 土地の総フットプリント | - | - |
| 2 土地/淡水/海洋利用の変化の範囲 | - | - | ||
| 資源の利用 | 3 水ストレス地域からの取水・消費 | ・サプライチェーン:水ストレスが高い地域(東南アジア)でのサプライヤー操業停止・供給量低下 | ・捺染ドライプロセス:水ストレスが高い地域(インド、トルコ、イタリア)での水レス染色システム | |
| 4 土地/海洋/淡水から調達する高リスクの天然資源 | ・天然資源:環境汚染による規制化・気候影響にともなう調達不安定化 ・紙:森林資源の減少にともなう保護規制・紙需要の減少 | - | ||
| インパクト | 汚染・汚染除去 | 5 土壌汚染 | ・化学物質規制・土壌汚染防止の強化による事業影響 | ・有害物質フリー技術:有害物質フリー製品の拡大 |
| 6 排水量 | - | ・インクジェット技術:オンデマンド生産プロセスの提供による製造工程効率化 | ||
| 7 廃棄物の発生と処分 | ・使用済み製品:循環型社会促進策等による製品へのリサイクル義務化 ・プラスチック:循環型社会促進策等による製品への再生資源利用への要求 ・枯渇資源:レアアース等の循環利用対応不足 | ・商業/産業印刷サプライチェーンを変革するデジタルソリューション ・循環社会における材料種判別の高度化技術 ・循環資源を活用した製品の拡大 | ||
| 8 プラスチックによる汚染 | - | - | ||
| 9 非GHG大気汚染物質 | - | - | ||
<自然シナリオ分析の実施と結果>当社グループでは、2030年時点で業績に影響を及ぼす事業リスクと、課題解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しております。政策強化により自然が保護・回復に向かう場合と、現行の延長で自然が劣化し続ける場合の2つのシナリオを想定し、リスクの発現あるいは機会獲得の可能性がある対象セグメント、分類、時間軸及び対処を、それぞれ特定しております。
シナリオ分析を行う際の枠組みとして、自然シナリオ分析の対象事業分野の特定、重要な自然リスク及び機会の特定、自然に関するシナリオの検討、今後の対応の方針・戦略の検討のプロセスを経て実施しております。分析にあたっては、直接操業だけでなく、上流・下流における自然関連の依存・インパクトを含め、リスク・機会の特定・評価・優先順位付けを行っております。
●政策強化により自然が保護・回復に向かう場合
自然に関連する「リスク」への対処
| 当社グループへの依存と影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
| 調達・製造・製品コストの増加 | 循環型社会促進策等による製品への再生プラスチック資源利用への要求 | インパクト | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策技術 | 短~中期 | 「最小化(Minimization)」 環境ラベル・製品規制の新基準要件への準拠、顧客調達要件への対応、材料技術による積極的な再生プラスチック利用拡大 |
| 製品開発コストの増加 | 使用済み製品のリサイクル義務化 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 | 政策 | 中期 | 「最小化(Minimization)」 製品の再製造・再使用体制/製品回収サプライチェーンの構築 |
| 製造・製品コストの増加 | 化学物質規制・土壌汚染防止の強化による事業影響 | インパクト | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策 | 短~中期 | 「最小化(Minimization)」 早期規制動向の察知と予防的な製品開発、計画的な土壌浄化 |
| 調達コストの増加 | 枯渇資源の循環利用対応不足 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 市場 | 中期 | 「最小化(Minimization)」 循環資源の積極的な活用と自社製品の循環利用促進 |
| 製品サービスの需要変化による売上減少 | 森林資源の減少にともなう保護規制・紙需要の減少 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策市場 | 短~中期 | 「回避 (Avoidance)」 プリントチャージに依存しない収益モデルへの転換 |
自然に関連する「機会」
| 当社グループへの影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | |
| ビジネスパフォーマンスに関わる機会 | 商業/産業印刷サプライチェーンを変革するデジタルソリューション | インパクト | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 |
| 循環社会における材料種判別の高度化技術 | インパクト | インダストリー事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| オンデマンド生産プロセスの提供による製造工程効率化 | インパクト | インダストリー事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| 水ストレスが高い地域での水レス染色システム | 依存 | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| サステナビリティパフォーマンスに関わる機会 | 循環資源を活用した製品の拡大 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 天然資源の持続可能な利用 | 中期 |
| 有害物質フリー製品の拡大 | インパクト | インダストリー事業 | 生態系の保護・回復・再生 | 長期 | |
●現行の延長で自然が劣化し続ける場合
自然に関連する「リスク」への対処
| 当社グループへの影響 | 自然の変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
| 生産能力減少による収益減 | 天然資源の環境汚染による規制化にともなう調達不安定化 | 依存 | インダストリー事業 | 慢性物理 | 長期 | 「回避 (Avoidance)」 特定の天然資源に依存しない製品設計と開発 |
| 水ストレスの高い地域でのサプライヤー操業停止・供給量低下 | 依存 | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 慢性物理 | 長期 | 「最小化(Minimization)」 生産・調達拠点の水リスク評価、水使用量の削減 | |
自然に関連する「機会」
なし
「対象セグメント」
| セグメント | インダストリー事業、デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、画像ソリューション事業 |
リスクと機会の「分類」
| 移行リスク | 政策、市場、技術、評判、法的責任 |
| 物理的リスク | 急性物理、慢性物理 |
| システミックリスク | 生態系不安定化、金融不安定化 |
| ビジネスパフォーマンスに関わる機会 | 市場、資本の流れと資本調達、製品/サービス、資源効率、評判資本 |
| サステナビリティパフォーマンスに関わる機会 | 天然資源の持続可能な利用、生態系の保護・回復・再生 |
「時間軸」の定義と評価基準
| 長期 | 10年以上 |
| 中期 | 3年以上~10年未満 |
| 短期 | 1年以上~3年未満 |
「自然の変化要因」
| 依存 | 土地の総フットプリント、土地/淡水/海洋利用の変化の範囲、水ストレス地域からの取水・消費、土地/海洋/淡水から調達する高リスクの天然資源 |
| インパクト | 土壌汚染、排水量、廃棄物の発生と処分、プラスチックによる汚染、非GHG大気汚染物質 |