有価証券報告書-第109期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度の経済情勢は、米国では回復が続き、欧州でも持ち直しの動きが見られたものの、アジアでは中国で景気の拡大テンポが緩やかになるなど、世界経済は力強さを欠きました。一方国内経済は、消費税増税の影響もあり個人消費に伸び悩みがみられましたが、政府による各種政策の効果が下支えするなかで、企業部門に改善の動きがでるなど、景気は緩やかな回復基調をたどりました。
このような状況の下、当社グループは、平成25年度から3カ年の中期経営計画「Change & Challenge - 更なる成長に向けて - 」の基本方針に基づき、構造的な事業環境の変化にもスピード感を持って対応すべく、各事業課題の解決に向け取り組んでまいりましたが、建設資材など非化学部門が順調に進捗している一方で、化学部門を取り巻く環境は依然として厳しい状況が継続しています。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ87億5千1百万円減の6,417億5千9百万円、営業利益は2億6千6百万円減の241億4千7百万円、経常利益は45億3千7百万円増の232億2千8百万円、当期純利益は20億2千6百万円増の146億4千9百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
化成品・樹脂
ナイロン樹脂は食品包装フィルム用途を中心に出荷は堅調でした。工業薬品もアンモニア製品等の出荷が堅調に推移しましたが、ナイロン原料のカプロラクタムは、中国市場を中心に供給過多の状況が継続し、市況の低迷に加え、タイ、スペインの海外工場では数年に一度の全面的なメンテナンスを実施した影響と、アンモニア等副原料価格の高騰の影響を受けました。一方、昨年3月末で堺工場でのカプロラクタムの生産を停止したことによる改善効果については予定どおり実現しています。ポリブタジエン(合成ゴム)の出荷は堅調でした。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ151億6千6百万円減の2,154億1千9百万円、営業利益は3億1千万円増の11億2千1百万円となりました。
機能品・ファイン
リチウムイオン電池材料については、電解液・セパレーターともに出荷は伸長しましたが、両製品ともに価格下落の影響を大きく受けました。ファインケミカル製品およびポリイミドフィルム、分離膜の出荷は回復基調で推移しましたが、ポリイミドフィルムは新たな設備稼働に伴う固定費増などの影響を受けました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ1億2千8百万円増の632億8千8百万円、営業損益は18億3千3百万円悪化し22億9千4百万円の損失となりました。
医薬
自社医薬品については、血圧降下剤の原体の出荷は前連結会計年度並みとなりましたが、抗アレルギー剤、抗血小板剤はともに流通在庫の調整局面にあり原体の出荷が低調でした。受託医薬品の原体・中間体の出荷は総じて低調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ18億8千7百万円減の78億1千9百万円、営業利益は7億7千6百万円減の9億2百万円となりました。
建設資材
セメント・生コンおよび建材製品は、工事現場での人手不足などによる着工遅れの影響もあり、国内出荷は前連結会計年度を下回りました。一方、輸出は東南アジアを中心とした旺盛な海外需要を背景に好調を維持し、各種廃棄物リサイクル事業の伸長もあり、全体として堅調に推移しました。カルシア・マグネシア製品の販売については、鉄鋼向けを中心に堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ10億9千4百万円減の2,224億1千9百万円、営業利益は15億3千2百万円増の170億3千3百万円となりました。
機械・金属成形
竪型ミルや運搬機等の産業機械は、国内での新規設備・老朽化更新投資などにより出荷が増加しました。自動車産業向けを中心とする成形機も、日系ユーザーの新興国・北米での新増設案件を中心に出荷は堅調でしたが、比較的採算性の低い出荷案件の影響を受けました。各製品のサービス事業は堅調に推移しました。製鋼品についても出荷は堅調でした。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ34億4千5百万円増の789億5千6百万円、営業利益は1億6千1百万円減の43億5百万円となりました。
エネルギー・環境
石炭事業は、販売炭の数量は堅調でしたが、コールセンター(石炭中継基地)での預り炭の取り扱い数量は前連結会計年度を下回りました。電力事業は、自家発電所については定期修理の影響を受けましたが、IPP発電所については前連結会計年度の定期修理に伴う補修費増の影響がなくなりました。なお、前連結会計年度に発生したIPP発電所の設備トラブルに対する復旧工事は順調に進み、昨年10月より定格出力の送電を再開しています。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ76億9千8百万円増の667億7千1百万円、営業利益は8億4千1百万円増の28億4千万円となりました。
その他
その他の売上高は前連結会計年度に比べ44億2千6百万円増の332億4千2百万円、営業利益は2億円増の12億9千3百万円となりました。
なお、平成27年4月より化学部門の経営体制を見直し、化成品・樹脂セグメントと機能品・ファインセグメントを統合し化学セグメントといたしました。
平成27年第1四半期より、セグメント別の業績説明は化学、医薬、建設資材、機械・金属成形、エネルギー・環境、その他の6セグメントとなります。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、251億3千4百万円増の621億9千4百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、運転資金増減(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による収入及び支出が当連結会計年度は収入に転じ、保険金の受取額があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、16億9千9百万円増の424億4千1百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形固定資産の売却による収入が増加しましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、64億2千万円増の139億1千1百万円となりました。これは、社債の発行による収入の増加や長期借入金の返済による支出が減少しましたが、コマーシャル・ペーパーの増減額による収入及び支出が当連結会計年度は支出に転じ、長期借入れによる収入が減少したことなどによるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、68億6千6百万円(22.8%)増の369億6千4百万円となりました。
当連結会計年度の経済情勢は、米国では回復が続き、欧州でも持ち直しの動きが見られたものの、アジアでは中国で景気の拡大テンポが緩やかになるなど、世界経済は力強さを欠きました。一方国内経済は、消費税増税の影響もあり個人消費に伸び悩みがみられましたが、政府による各種政策の効果が下支えするなかで、企業部門に改善の動きがでるなど、景気は緩やかな回復基調をたどりました。
このような状況の下、当社グループは、平成25年度から3カ年の中期経営計画「Change & Challenge - 更なる成長に向けて - 」の基本方針に基づき、構造的な事業環境の変化にもスピード感を持って対応すべく、各事業課題の解決に向け取り組んでまいりましたが、建設資材など非化学部門が順調に進捗している一方で、化学部門を取り巻く環境は依然として厳しい状況が継続しています。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ87億5千1百万円減の6,417億5千9百万円、営業利益は2億6千6百万円減の241億4千7百万円、経常利益は45億3千7百万円増の232億2千8百万円、当期純利益は20億2千6百万円増の146億4千9百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
当連結会計年度 | 641,759百万円 | 24,147百万円 | 23,228百万円 | 14,649百万円 |
前連結会計年度 | 650,510百万円 | 24,413百万円 | 18,691百万円 | 12,623百万円 |
増 減 率 | △1.3% | △1.1% | 24.3% | 16.1% |
セグメント別の業績は以下のとおりです。
化成品・樹脂
ナイロン樹脂は食品包装フィルム用途を中心に出荷は堅調でした。工業薬品もアンモニア製品等の出荷が堅調に推移しましたが、ナイロン原料のカプロラクタムは、中国市場を中心に供給過多の状況が継続し、市況の低迷に加え、タイ、スペインの海外工場では数年に一度の全面的なメンテナンスを実施した影響と、アンモニア等副原料価格の高騰の影響を受けました。一方、昨年3月末で堺工場でのカプロラクタムの生産を停止したことによる改善効果については予定どおり実現しています。ポリブタジエン(合成ゴム)の出荷は堅調でした。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ151億6千6百万円減の2,154億1千9百万円、営業利益は3億1千万円増の11億2千1百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 215,419百万円 | 1,121百万円 |
前連結会計年度 | 230,585百万円 | 811百万円 |
増 減 率 | △6.6% | 38.2% |
機能品・ファイン
リチウムイオン電池材料については、電解液・セパレーターともに出荷は伸長しましたが、両製品ともに価格下落の影響を大きく受けました。ファインケミカル製品およびポリイミドフィルム、分離膜の出荷は回復基調で推移しましたが、ポリイミドフィルムは新たな設備稼働に伴う固定費増などの影響を受けました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ1億2千8百万円増の632億8千8百万円、営業損益は18億3千3百万円悪化し22億9千4百万円の損失となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 63,288百万円 | △2,294百万円 |
前連結会計年度 | 63,160百万円 | △461百万円 |
増 減 率 | 0.2% | - |
医薬
自社医薬品については、血圧降下剤の原体の出荷は前連結会計年度並みとなりましたが、抗アレルギー剤、抗血小板剤はともに流通在庫の調整局面にあり原体の出荷が低調でした。受託医薬品の原体・中間体の出荷は総じて低調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ18億8千7百万円減の78億1千9百万円、営業利益は7億7千6百万円減の9億2百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 7,819百万円 | 902百万円 |
前連結会計年度 | 9,706百万円 | 1,678百万円 |
増 減 率 | △19.4% | △46.2% |
建設資材
セメント・生コンおよび建材製品は、工事現場での人手不足などによる着工遅れの影響もあり、国内出荷は前連結会計年度を下回りました。一方、輸出は東南アジアを中心とした旺盛な海外需要を背景に好調を維持し、各種廃棄物リサイクル事業の伸長もあり、全体として堅調に推移しました。カルシア・マグネシア製品の販売については、鉄鋼向けを中心に堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ10億9千4百万円減の2,224億1千9百万円、営業利益は15億3千2百万円増の170億3千3百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 222,419百万円 | 17,033百万円 |
前連結会計年度 | 223,513百万円 | 15,501百万円 |
増 減 率 | △0.5% | 9.9% |
機械・金属成形
竪型ミルや運搬機等の産業機械は、国内での新規設備・老朽化更新投資などにより出荷が増加しました。自動車産業向けを中心とする成形機も、日系ユーザーの新興国・北米での新増設案件を中心に出荷は堅調でしたが、比較的採算性の低い出荷案件の影響を受けました。各製品のサービス事業は堅調に推移しました。製鋼品についても出荷は堅調でした。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ34億4千5百万円増の789億5千6百万円、営業利益は1億6千1百万円減の43億5百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 78,956百万円 | 4,305百万円 |
前連結会計年度 | 75,511百万円 | 4,466百万円 |
増 減 率 | 4.6% | △3.6% |
エネルギー・環境
石炭事業は、販売炭の数量は堅調でしたが、コールセンター(石炭中継基地)での預り炭の取り扱い数量は前連結会計年度を下回りました。電力事業は、自家発電所については定期修理の影響を受けましたが、IPP発電所については前連結会計年度の定期修理に伴う補修費増の影響がなくなりました。なお、前連結会計年度に発生したIPP発電所の設備トラブルに対する復旧工事は順調に進み、昨年10月より定格出力の送電を再開しています。
この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ76億9千8百万円増の667億7千1百万円、営業利益は8億4千1百万円増の28億4千万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 66,771百万円 | 2,840百万円 |
前連結会計年度 | 59,073百万円 | 1,999百万円 |
増 減 率 | 13.0% | 42.1% |
その他
その他の売上高は前連結会計年度に比べ44億2千6百万円増の332億4千2百万円、営業利益は2億円増の12億9千3百万円となりました。
項 目 | 売 上 高 | 営業利益 |
当連結会計年度 | 33,242百万円 | 1,293百万円 |
前連結会計年度 | 28,816百万円 | 1,093百万円 |
増 減 率 | 15.4% | 18.3% |
なお、平成27年4月より化学部門の経営体制を見直し、化成品・樹脂セグメントと機能品・ファインセグメントを統合し化学セグメントといたしました。
平成27年第1四半期より、セグメント別の業績説明は化学、医薬、建設資材、機械・金属成形、エネルギー・環境、その他の6セグメントとなります。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、251億3千4百万円増の621億9千4百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、運転資金増減(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による収入及び支出が当連結会計年度は収入に転じ、保険金の受取額があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、16億9千9百万円増の424億4千1百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形固定資産の売却による収入が増加しましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、64億2千万円増の139億1千1百万円となりました。これは、社債の発行による収入の増加や長期借入金の返済による支出が減少しましたが、コマーシャル・ペーパーの増減額による収入及び支出が当連結会計年度は支出に転じ、長期借入れによる収入が減少したことなどによるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、68億6千6百万円(22.8%)増の369億6千4百万円となりました。