有価証券報告書-第107期(2024/01/01-2024/12/31)
①戦略
a.品質・安全に関する教育・研修の実施
「お客様に安心をお届けする」ことの重要性を全役職員が再認識するため、全役職員を対象とする「品質安全教育」をスタートさせました。
スタート1年目にあたる2025年は、まず1月から3月にかけて全役職員共通の基礎とすべき品質安全にかかわる知識(品質の維持・向上の意義、品質保証方針等)を徹底し、4月から12月にかけては、職能別に、より実務に紐づく必要なマインドを浸透させることを目的として設計しています。そして、2年目となる2026年以降は、職能ごとに必要な知識教育を継続して行うことで、品質・安全第一の思考・行動の更なる定着を図ることに加え、各現場に即した高い品質レベルを達成するため、個別に品質強化に関するテーマを設定し、自主的にこの教育が現場にて実施されている状態を目指します。
また、本件事案を絶対に風化させないという強い決意を持ち、本件事案を公表した「3月22日」を「品質・安全の日」と定めました。本件事案に関する社会全体の声・原因・当社の対応等を毎年振り返るとともに、「品質・安全ファースト」の風土の醸成・強化に資する取組みの進捗を確認し、新たな課題についての討議も継続して実施していきます。
b.社長からのメッセージ配信と対話
品質・安全を最優先に考える風土づくりには、地道な活動を継続することが必要不可欠であり、この活動は代表取締役社長が旗手となり、率先して行うべきものであると考えます。そこで、2024年8月から代表取締役社長を務めた山根聡は、同月以降、本件事案を踏まえ、品質・安全を重視する内容に加え、当社の社風を変え、今後も正しいことを力強く進めていくことができるように必要な内容を含んだメッセージを定期的に発信することを継続してきました。
また、社長からの一方的な発信だけでなく、品質・安全を最優先に考える風土づくりのため、2024年8月より、経営幹部と品質・安全の維持・管理に携わる従業員との対話の機会を増やす施策も進めてきました。2025年3月に開催の定時株主総会以降、新たな体制となっても、この施策は引き続き継続し、更に充実させてゆく予定です。
c.品質を高める組織体制
製品の品質担保の主体である第1線(研究開発部門、製造本部、工場)の専門性を高めることを目的とし、2025年1月より組織の再設計を行いました。マーケティング機能・研究開発機能を事業ごとに束ねる従来の事業部制を廃止し、これまで分散していた職能を集約した機能別本部制へと移行しました。これにより、専門人材の知識と経験が集約され、日々の業務で専門性を意識した議論ができるレポートラインの設計が可能となり、各部門が担うべき機能を十分に発揮できる体制を実現できると考えています。また、品質管理部門は、本来の品質管理の役割のみを担うことを明確にすることを目的とし、研究開発部門及び製造部門それぞれにおいて組織の再整理を行いました。
さらには、従来の信頼性保証本部を、各事業部並びに製造本部及び各工場とは一線を画した、品質保証や安全管理における独立的かつ客観的な監査機能を持つ責任部署として明確に位置付け、2025年1月より、名称を「品質安全保証本部」に改めました。今後は、品質安全保証本部が、各事業部並びに製造本部及び工場における品質管理体制や全社的な視点での品質・安全に関わる仕組み等のプロセス監査の役割と責任を担う組織であることを明確にし、全社における品質教育に関しても、品質安全保証本部が責任をもって取り組むこととしました。
d.人事評価制度の刷新
当社の人事評価制度は、従来、売上・利益・コストダウン等の業績に加えて、日々の業務の結果を重視していました。また、製造部門の品質関連の指標に関しては、品質の改善や予防プロセスに対する評価指標は全社の評価項目としては設定されていませんでした。その結果、品質改善に対する取組みや改善提案が、製品供給活動やコストダウン等の業務に劣後することに繋がっていました。そこで、当社は、品質・安全に関する着実な日常業務の履行を正しく評価するために、2025年は品質・安全に貢献する活動を評価の対象とする運用に変更しました。また、専門性向上に資する人事制度の改定に着手しており、まずは当社における2026年1月からの導入を目指しています。
e.誠実さを行動準則とした組織運営
当社では、機能性表示食品に関して健康被害が発生した際、どのような場合に行政報告や製品回収を行うかについての考え方が社内で体系的に整理されておらず、本件事案への対応に迅速さと円滑さを欠く原因の一つとなりました。そこで、当社は、対応の迅速さと円滑さを確保すべく、仮にルールに明記されない問題が生じた場合であったとしても、「インテグリティ経営」、すなわち「誠実さを行動準則とした組織運営」を推進することとしました。
まず、2024年6月、インテグリティをテーマとした役員研修を実施しました。続いて、2025年1月、インテグリティ経営推進の専門部署を総務部内の新たな組織として新設し、コンプライアンスに加えてインテグリティ経営に注力できる体制を整備し、今後の活動に繋げていきます。
f.同質性の排除と風土改革
これまでの創業家との関係を見直し、同質性を排除して多様性を強化するための取り組みを推進していきます。具体的には、まずは取締役を含む経営幹部においても多様な人材の配置を行うために、外部人材を積極的に採用していきます。
また、全員が一丸となって新しい小林製薬を創り直すため、当社の組織風土に向き合い、必要な改革を行っていくべく、2025年3月28日に代表取締役社長に就任した代表取締役社長の豊田賀一をリーダーとし、部門横断でプロジェクトメンバーをアサインした『組織風土改革プロジェクト』を2024年12月に発足させました。経営層含む各従業員が、当社が掲げてきた理念や行動規範を見つめ直し、現在のどのような発言や行動がありたい姿とのギャップを生んでしまっているのかを認識する必要があると考えています。その上で、今後どのように発言や行動を変えていくことが必要かを定め、ありたい組織風土に向けた行動変容につなげていきます。
以上の通り、直近では再発防止につながる取り組みに注力しながらも、同時に、新しい小林製薬における人的資本戦略について再考し、必要となる取り組みを実行していく予定です。
a.品質・安全に関する教育・研修の実施
「お客様に安心をお届けする」ことの重要性を全役職員が再認識するため、全役職員を対象とする「品質安全教育」をスタートさせました。
スタート1年目にあたる2025年は、まず1月から3月にかけて全役職員共通の基礎とすべき品質安全にかかわる知識(品質の維持・向上の意義、品質保証方針等)を徹底し、4月から12月にかけては、職能別に、より実務に紐づく必要なマインドを浸透させることを目的として設計しています。そして、2年目となる2026年以降は、職能ごとに必要な知識教育を継続して行うことで、品質・安全第一の思考・行動の更なる定着を図ることに加え、各現場に即した高い品質レベルを達成するため、個別に品質強化に関するテーマを設定し、自主的にこの教育が現場にて実施されている状態を目指します。
また、本件事案を絶対に風化させないという強い決意を持ち、本件事案を公表した「3月22日」を「品質・安全の日」と定めました。本件事案に関する社会全体の声・原因・当社の対応等を毎年振り返るとともに、「品質・安全ファースト」の風土の醸成・強化に資する取組みの進捗を確認し、新たな課題についての討議も継続して実施していきます。
b.社長からのメッセージ配信と対話
品質・安全を最優先に考える風土づくりには、地道な活動を継続することが必要不可欠であり、この活動は代表取締役社長が旗手となり、率先して行うべきものであると考えます。そこで、2024年8月から代表取締役社長を務めた山根聡は、同月以降、本件事案を踏まえ、品質・安全を重視する内容に加え、当社の社風を変え、今後も正しいことを力強く進めていくことができるように必要な内容を含んだメッセージを定期的に発信することを継続してきました。
また、社長からの一方的な発信だけでなく、品質・安全を最優先に考える風土づくりのため、2024年8月より、経営幹部と品質・安全の維持・管理に携わる従業員との対話の機会を増やす施策も進めてきました。2025年3月に開催の定時株主総会以降、新たな体制となっても、この施策は引き続き継続し、更に充実させてゆく予定です。
c.品質を高める組織体制
製品の品質担保の主体である第1線(研究開発部門、製造本部、工場)の専門性を高めることを目的とし、2025年1月より組織の再設計を行いました。マーケティング機能・研究開発機能を事業ごとに束ねる従来の事業部制を廃止し、これまで分散していた職能を集約した機能別本部制へと移行しました。これにより、専門人材の知識と経験が集約され、日々の業務で専門性を意識した議論ができるレポートラインの設計が可能となり、各部門が担うべき機能を十分に発揮できる体制を実現できると考えています。また、品質管理部門は、本来の品質管理の役割のみを担うことを明確にすることを目的とし、研究開発部門及び製造部門それぞれにおいて組織の再整理を行いました。
さらには、従来の信頼性保証本部を、各事業部並びに製造本部及び各工場とは一線を画した、品質保証や安全管理における独立的かつ客観的な監査機能を持つ責任部署として明確に位置付け、2025年1月より、名称を「品質安全保証本部」に改めました。今後は、品質安全保証本部が、各事業部並びに製造本部及び工場における品質管理体制や全社的な視点での品質・安全に関わる仕組み等のプロセス監査の役割と責任を担う組織であることを明確にし、全社における品質教育に関しても、品質安全保証本部が責任をもって取り組むこととしました。
d.人事評価制度の刷新
当社の人事評価制度は、従来、売上・利益・コストダウン等の業績に加えて、日々の業務の結果を重視していました。また、製造部門の品質関連の指標に関しては、品質の改善や予防プロセスに対する評価指標は全社の評価項目としては設定されていませんでした。その結果、品質改善に対する取組みや改善提案が、製品供給活動やコストダウン等の業務に劣後することに繋がっていました。そこで、当社は、品質・安全に関する着実な日常業務の履行を正しく評価するために、2025年は品質・安全に貢献する活動を評価の対象とする運用に変更しました。また、専門性向上に資する人事制度の改定に着手しており、まずは当社における2026年1月からの導入を目指しています。
e.誠実さを行動準則とした組織運営
当社では、機能性表示食品に関して健康被害が発生した際、どのような場合に行政報告や製品回収を行うかについての考え方が社内で体系的に整理されておらず、本件事案への対応に迅速さと円滑さを欠く原因の一つとなりました。そこで、当社は、対応の迅速さと円滑さを確保すべく、仮にルールに明記されない問題が生じた場合であったとしても、「インテグリティ経営」、すなわち「誠実さを行動準則とした組織運営」を推進することとしました。
まず、2024年6月、インテグリティをテーマとした役員研修を実施しました。続いて、2025年1月、インテグリティ経営推進の専門部署を総務部内の新たな組織として新設し、コンプライアンスに加えてインテグリティ経営に注力できる体制を整備し、今後の活動に繋げていきます。
f.同質性の排除と風土改革
これまでの創業家との関係を見直し、同質性を排除して多様性を強化するための取り組みを推進していきます。具体的には、まずは取締役を含む経営幹部においても多様な人材の配置を行うために、外部人材を積極的に採用していきます。
また、全員が一丸となって新しい小林製薬を創り直すため、当社の組織風土に向き合い、必要な改革を行っていくべく、2025年3月28日に代表取締役社長に就任した代表取締役社長の豊田賀一をリーダーとし、部門横断でプロジェクトメンバーをアサインした『組織風土改革プロジェクト』を2024年12月に発足させました。経営層含む各従業員が、当社が掲げてきた理念や行動規範を見つめ直し、現在のどのような発言や行動がありたい姿とのギャップを生んでしまっているのかを認識する必要があると考えています。その上で、今後どのように発言や行動を変えていくことが必要かを定め、ありたい組織風土に向けた行動変容につなげていきます。
以上の通り、直近では再発防止につながる取り組みに注力しながらも、同時に、新しい小林製薬における人的資本戦略について再考し、必要となる取り組みを実行していく予定です。