有価証券報告書-第108期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/25 10:00
【資料】
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【項目】
183項目
(1)戦略
①再発防止に直結する人的資本の取り組み
再発防止策の3つの柱人的資本に関する取り組み
1.品質・安全に関する意識改革と体制強化a.品質・安全に関する教育・研修の実施
b.社長からのメッセージ配信と対話
c.品質を高める組織体制
d.人事評価制度の刷新
2.コーポレート・ガバナンスの抜本的改革e.誠実さを行動準則とした組織運営
3.全員が一丸となって創り直す新小林製薬f.同質性の排除と風土改革

a.品質・安全に関する教育・研修の実施
「お客様に安心をお届けする」ことの重要性を全員が再認識するため、社内役員及び全従業員を対象とする「品質安全教育」を昨年よりスタートさせました。
スタート1年目にあたる2025年は、まず1月から3月にかけて社内役員及び全従業員共通の、品質に関する意識の再教育を実施いたしました。4月から12月にかけては、職能別に、より実務に紐づく必要なマインドを浸透させることを目的として設計し、品質に関するスキルの向上を目的とした職能別の再教育として、直接的な品質担保に関する考え方を学ぶ技術者向けの教育や、品質問題を起こした際の対応を他社事例から学ぶ教育を継続的に実施しております。社内役員を対象とした研修としては、5月に品質診断を踏まえたあるべき品質マネジメントシステムの体制に関する再教育を、6月に有識者から食品や医薬品に関する品質保証に対する考え方を学び意見交換を行う研修を実施いたしました。2026年からは、職能ごとに必要な知識教育を継続して行うことで、品質・安全第一の思考・行動の更なる定着を図ることに加え、各現場に即した高い品質レベルを達成するため、個別に品質強化に関するテーマを設定し、自主的にこの教育が現場にて実施されている状態を目指してまいります。
また、本件事案を公表した「3月22日」を「品質・安全の日」と定め、事案を風化させない取り組みを昨年から実施しております。「内省」をコンセプトとし、全国の事業所、グループ会社に勤める全従業員を対象に、本件事案に関する社会全体の声・原因・当社の対応に加え、各職場において「品質・安全ファースト」で仕事ができているかの振り返りを行いました。また、役員に関しましては、紅麹の生産ライン跡がある大阪工場に参集し、経営陣としての覚悟を全員が1人ずつ述べると共に、改めて問題を浮き彫りにすることで、補償への対応、再発防止の徹底等、ご迷惑をおかけした皆様への誠心誠意の対応を胸に刻むとともに、二度とこのような事態を起こさないよう、決意を新たにいたしました。本年も社内役員及び全従業員で、本件事案を毎年振り返るとともに、「品質・安全ファースト」の風土の醸成・強化に資する取り組みの進捗を確認し、新たな課題についての討議も継続して実施してまいります。
b.社長からのメッセージ配信と対話
品質・安全を最優先に考える風土づくりには、地道な活動を継続することが必要不可欠であり、この活動は代表取締役社長が旗手となり、率先して行うべきものであると考えます。社長の豊田賀一は、2025年3月の社長就任以降、本件事案を踏まえ、全員が一致団結して、再発防止策の実行や新しい小林製薬を創り直す取り組みを力強く進めていくことができるよう、社内役員及び全従業員に向けたトップメッセージの定期的な発信である「OneTeam通信」の発信を継続しております。「OneTeam通信」では、再発防止に加えて、品質と安全を最優先に考える風土を醸成するための考えや、自身の日々の行動から得た学び等を継続的に発信しております。一例として、「小林製薬が信頼を回復していくにはどうしたらよいか」、「我々はどうあるべきか」、「人として何が正しいか」といった全員に内省を促す内容や、「お客様に対する感謝の気持ち」、「ものづくりにおける素直な心」、「謙虚な姿勢」といった心のあり方を全従業員に問いかける内容を発信しております。2026年度も社内役員及び全従業員に向けたトップメッセージの定期的な発信をしており、今後も継続してまいります。
また、社長からの一方的な発信だけでなく、「現場」の生の声を聞くため、積極的に各工場や営業所への訪問を実施し、対話を重ねております。豊田が社長に就任後は、従来の対話の形式である10人前後のワークショップ
以外にも、2-4人と小規模かつカジュアルな雰囲気で対話も行うようになり、社長自ら従業員に声がけをして現場で対話が行われております。従業員との率直な対話を通じて、直接、品質・安全の強化にかける思いを伝えるとともに、現場の声にも丁寧に耳を傾け、課題の抽出を行っております。その中でも、品質や部門間の連携に関する課題等、特に重要度の高いものについては、経営会議(経営執行会議またはグループ協議会)で、全本部長に向けて具体的な指示を発信しております。
c.品質を高める組織体制
製品の品質担保の主体である第1線(研究開発部門、製造本部、工場)の専門性を高めることを目的とし、2025年1月より組織の再設計を行いました。マーケティング機能・研究開発機能を事業ごとに束ねる従来の事業部制を廃止し、これまで分散していた職能を集約した機能別本部制へと移行いたしました。これにより、専門人材の知識と経験が集約され、日々の業務で専門性を意識した議論ができるレポートラインの設計が可能となり、各部門が担うべき機能を十分に発揮できる体制を実現できると考えております。また、品質管理部門は、本来の品質管理の役割のみを担うことを明確にすることを目的とし、研究開発部門及び製造部門それぞれにおいて組織の再整理を行いました。
また、各本部並びに製造本部及び工場における品質管理体制や全社的な視点での品質・安全に関わる仕組み等のプロセス監査の役割と責任を担う組織である「品質安全保証本部」が、全社における品質教育に関しても、責任をもって取り組みを進めております。
d.人事評価制度の刷新
評価体系が業績・コスト指標を重視しており、品質改善や予防活動への動機付けが不十分であった結果、品質管理業務の優先順位が相対的に低下する傾向にありました。そこで、品質・安全に貢献する活動を評価対象とすることを軸とした人事評価制度への改定を目指し、2025年度の目標管理から、再発防止策に則った活動を目標に盛り込むことを、全従業員に対して通知いたしました。また、2025年11月、2026年度から導入する「品質最優先を実現するための、多様なキャリアの可視化」「より働きやすい会社へ変化していくための、新しい組織風土の醸成」「将来を担う世代を念頭に置いた、役割期待に応じた処遇改善」を軸とした抜本的な人事制度改革に関する方針を定めました。
2025年12月、具体的な評価指標・報酬設計に関する人事制度改定の内容について、全従業員向け説明会を実施し、現在その運用を開始しております。
e.誠実さを行動準則とした組織運営
当社では、機能性表示食品に関して健康被害が発生した際、どのような場合に行政報告や製品回収を行うかについての考え方が社内で体系的に整理されておらず、本件事案への対応に迅速さと円滑さを欠く原因の一つとなりました。そこで、当社は、対応の迅速さと円滑さを確保すべく、仮にルールに明記されていない問題が生じた場合であったとしても、「インテグリティ経営」、すなわち「誠実さを行動準則とした組織運営」を推進することといたしました。
2025年1月、インテグリティ経営推進の専門部署を総務部内の新たな組織として新設し、コンプライアンスに加えてインテグリティ経営に注力できる体制を整備いたしました。本組織が中心となって、社内役員及び全従業員に対し、毎月の15分研修や各種発信を継続的に行い、全社のインテグリティの意識を高めております。
f.同質性の排除と風土改革
全員が一丸となって新しい小林製薬を創り直すため、当社の組織風土に向き合い、必要な改革を行っていくべく、社長をリーダーとし、グループ会社横断でプロジェクトメンバーをアサインした「組織風土改革プロジェクト」を2024年12月に発足させました。そして、2025年5月から6月にかけて、プロジェクト主導の下、全従業員を対象に小林製薬の風土について語り合う「風土しゃべりば」を実施し、現場の声を積極的に収集いたしました。2025年8月には第2回「風土しゃべりば」を実施し、第1回に引き続き、90%以上の従業員(約3,300名)が参加し、小林製薬において変えるべき風土はなにか、今後のありたい風土はなにかを議論いたしました。そこで収集した声を参考に、経営陣とプロジェクトメンバーが何度も議論を重ね、6個のありたい風土と12個の新たな行動規範を策定し、2025年12月の経営方針発表会で全従業員に向けて発表をいたしました。
今後は、このありたい風土に向かって、全従業員が主体的に行動を変えていける環境作りに注力してまいります。

「ありたい風土」
経営理念やパーパスで掲げた約束を実現する企業であるために、私たちが目指す組織風土です。
1お客様を第一に考える風土
2攻守両面の挑戦を、会社も個人も共に実行する風土
3部門間や役職・世代による壁が無く、全社で連携が進む風土
4一人ひとりが主体性と自律性を発揮する風土
5社内外から謙虚に学び、進化し続ける風土
6人が育ち、育て合い、組織も育つ風土

「行動規範」
経営理念・パーパスの実現、ありたい風土の醸成に向けて、何を大切にし、どのように行動するかを定めたものです。
★私たちの価値観★私たちの行動原則
お客様志向を貫く攻守両面で挑戦する
「人として何が正しいか」を問い続け、行動する全体最適の視点をもち、連携する
社会的責任の遂行主体性をもってやり抜く
敬意をもって関わり、感謝を伝え合う社内外から知見を取り入れ、自社の力に変える
学び、教え、共に成長する
「わかりやすさ」にとことんこだわる
Something New / Something Different
現場・現物・現実主義

②新しい小林製薬に向けた人的資本関連の取り組み
再発防止策に基づく活動に重点を置いて取り組みながらも、これからの新しい小林製薬を創っていくための活動にも取り組み始めております。
ありたい風土や新行動規範を含む理念体系に基づき、人・組織領域の活動を首尾一貫して進めていく際の拠り所となる「人材・組織方針」を策定いたしました。(次図参照)この「人材・組織方針」は理念の実現に向けて、個人が「目指す人材像」、会社が「目指す組織像」及び会社が「社員に約束すること」、これら3つから構成されております。この「人材・組織方針」をもとに、採用方針・育成方針・異動方針・評価方針を定め、今後具体的な施策に落とし込んでまいります。
例えば、育成方針としては、社員一人ひとりが、主体的な学び・挑戦・振り返りを通して役割を遂行し、その中で自身の強みを確立しながらキャリアを切り開いていくことが大切だと考え、社員の育成・キャリア開発支援に注力しております。現在、教育体系の抜本的な再整備も進めており、学び・実践・振り返りのマネジメントサイクルをより一層力強く推進していくことで、成長実感を伴いながら、社員がイキイキと活躍できる環境づくりを進めてまいります。
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また、経営幹部に対する育成の場として、2025年7月より「リーダー勉強会」を開始いたしました。京セラ株式会社出身で、日本航空株式会社の再建に関与した経験を持つ当社会長の大田嘉仁が主導し、約半年間で全10回に及ぶ勉強会を実施しております。2026年も継続的に実施を行うとともに、対象者を全管理職に拡大して、全社の意識改革を進めてまいります。
今後は、当社のビジョン及び中期経営計画の達成に向け、注力領域を明確化した人材戦略を策定いたします。AI等のテクノロジー活用による効率化を図りつつ、人的資本への投資にメリハリを付けることで、企業価値の最大化を目指す考えです。また、当社の人材に対する方針や人事戦略を体系化した「人的資本レポート」についても、今期中の開示に向けて検討を進めております。

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