有価証券報告書-第75期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 14:11
【資料】
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【項目】
103項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に個人消費が底堅く推移するなど、緩やかな景気回復の基調が続きました。化粧品業界におきましては、平成28年度の経済産業省化粧品出荷統計(暦年)によりますと、販売個数・販売金額ともにほぼ前年並みの水準となりました。また、当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済につきましては、国や地域によって多少のバラツキはあるものの、総じてみれば景気回復の動きが見られました。
このような市場環境の中、当社グループは、中期経営計画「グローバルブランド育成期」の2年目を迎え、「世界に通用するブランドの育成」と「経営資産の継続的なパフォーマンス向上」の2つの基本戦略のもと、世界で存在感のある企業への進化を目指し、一段と成長のスピードを加速させてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、化粧品事業のハイプレステージ領域及びコスメタリー事業の主力ブランドが牽引したことに加え、各セグメントのメイクブランドが好調だった結果、売上高は前年同期比9.6%増の266,762百万円(為替の影響を除くと12.3%増)となり、4期連続で過去最高を更新いたしました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は20.7%となりました。
利益につきましては、プロダクトミックス等の影響により原価率が上昇したものの、積極的な販売費の投入による増収効果及び一般管理費の効率的な運用により、営業利益は39,160百万円(前年同期比13.1%増)、経常利益は39,564百万円(同14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,657百万円(同16.1%増)となり、いずれも過去最高となりました。
①化粧品事業
化粧品事業につきましては、ハイプレステージ領域において、高級化粧品を扱う株式会社アルビオンをはじめ、重点グローバルブランドとして育成を強化した「コスメデコルテ」や計画を大幅に上回った「タルト」が牽引したことに加え、「ジルスチュアート」「アディクション」などのメイクブランドも伸長いたしました。プレステージ領域では、メイクカテゴリーにおいて、新製品投入やプロモーション展開により「エスプリーク」が好調に推移いたしました。また、スキンケアカテゴリーにおいては、肌の水分保持能を改善できる有効成分を配合した「ONE BY KOSÉ 薬用保湿美容液」を発売したほか、「雪肌精」がグローバルカウンターの導入や高級ラインを投入するなど、ブランドイメージの向上と顧客接点の拡大を図りました。
これらの結果、当事業の売上高は199,028百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益は36,983百万円(同14.7%増)となりました。
②コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、ヘアケアの「ジュレーム」や日やけ止めの「サンカット®」など、重点カテゴリーブランドが総じて好調だったコーセーコスメポート株式会社が牽引したほか、セルフメイクブランドの「ファシオ」「ヴィセ」、ネイルブランド「ネイルホリック」等が伸長いたしました。
これらの結果、売上高は65,634百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は5,627百万円(同5.5%増)となりました。
③その他
その他の事業につきましては、アメニティ製品等の販売が減少した結果、売上高は2,099百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は1,074百万円(同18.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,625百万円増加し55,622百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17,327百万円の収入(同34.4%減)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益39,425百万円、非資金費用である減価償却費5,821百万円、退職給付に係る負債の減少1,707百万円、たな卸資産の増加6,348百万円、売上債権の増加5,541百万円、その他の資産の増加284百万円、仕入債務の増加1,386百万円、その他負債の減少1,029百万円及び法人税等の支払い15,824百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,158百万円の支出(同59.1%減)となりました。主な要因は定期預金の減少による純収入786百万円、有価証券の売却及び償還による収入5,881百万円、有形固定資産の取得による支出10,941百万円、無形固定資産の取得による支出585百万円、投資有価証券の取得による支出3,864百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,250百万円の支出(同54.0%増)となりました。主な要因は配当金の支払い6,054百万円等であります。