有価証券報告書-第82期(2023/01/01-2023/12/31)
② 戦略及び指標と目標
◆人材戦略の基本方針
中長期ビジョン「VISION 2026」で定めているように、お客さま一人ひとりの“きれい”の価値を創造し、「世界で存在感のある企業」を目指すためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要です。「VISION 2026」の達成に向けた人材戦略の柱として、「豊かな人間性と創造性を発揮できる人材育成」と「社員の多様性を活かす働きがいある組織づくり」を推進するとともに、各種施策に取り組んでおります。
(ⅰ) 人材育成理念と育成方針
当社グループでは、「コーセーグループ行動指針」の中で、各人の人権と多様な能力・個性・価値観を尊重することを明記しております。それを前提として、下記の「人材育成理念」・「人材育成方針」を定めております。
◆人材育成とイノベーションの創出
当社では、人材育成方針に掲げられた「自ら磨く」を実践するために、理念や目標を共有しながら、一人ひとりの多様性を活かして自ら学び成長する姿勢を重視しております。その支援のための制度として、自らキャリアを考察し実現させる「人材公募制度」「自己申告制度」などを活用し自身の夢の実現を叶えた社員が多くおります。また成長のための各種研修制度や通信教育補助等も充実しております。人材育成のプログラムとしては、階層別研修として新卒~中堅~管理職とキャリア段階に応じた研修を行っている他、次世代リーダー育成のためのイノベーション創出プログラム「Link※」、シニアのためのキャリア支援などを実施しております。タレントマネジメントシステムの導入や360度評価の実施も行っており、各自の適性に合わせた人材育成に努めております。また、各部門の特性に応じた実務研修の機会を設け成長を促しております。その他、化粧品の新しい価値提供の検討と立案を行う組織横断プロジェクト形式の研修なども実施し、ダイバーシティ・インクルージョンによるイノベーションの創出を目指しております。
※Link(Leadership and Innovation program for New KOSÉ):2017年に発足した社内ベンチャー制度
人材育成プログラム

◆従業員の働きがいを向上するために
当社では、従業員は企業価値向上を支える大切な財産であり基盤と捉えております。従業員のエンゲージメントや貢献意欲が高まることが、組織の活性化につながり、競争力強化につながると考えております。そのため、働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指して、定期的に社員意識調査や360度評価を実施しております。調査の結果は、経営層や政策検討会議などで報告し、調査結果の分析、課題の整理、施策の検討・実施を進めております。2022年度の調査では、会社へのロイヤルティや仕事への充実感が、社会全体の平均値と比べて高い傾向にあることがわかった他、前回の調査と比較して、女性社員の会社に対する満足度が有意に向上していることがわかりました。
また、2017年度からは「働きがい創出実行委員会」を設置し、委員長・副委員長は主に経営幹部や人事部門責任者が務め、活動メンバーは部門横断型の多様な社員を選出し、従業員の更なるエンゲージメント向上に向けた様々な取り組みを推進しております。
◆ビューティコンサルタントの活躍のために
店頭などで活躍するビューティコンサルタントに対しては、販売職としての職務のスキルアップはもちろん、将来的に教育職や店舗責任者などへキャリアパスが選択できるように支援してまいりました。
<取り組みの一例>

◆採用の多様化と早期登用・抜擢の推進
グローバル化とボーダーレス化が進み、市場環境や顧客ニーズが急速に変化する中においては、多様な個性やバックボーンを持つ人材の育成が必要不可欠であります。そこで当社ではキャリア採用を強化し、多様な人材の獲得に取り組んでおります。また2022年度には総合職の評価制度を見直し、年功的な昇格モデルから脱却し、早期登用・抜擢が可能な制度に改定を行い、社歴や年齢にとらわれず能力ある社員が活躍する組織づくりを推進しております。
<人材育成関連指標>
(ⅱ) ダイバーシティ&インクルージョン
「世界で存在感のある企業」を目指すためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要であります。一人ひとりのダイバーシティ(多様性)をお互いにインクルージョン(包摂)することで、企業の推進力へつなげるために、当社グループでは、「VISION 2026」の達成に向けた3つの経営基盤のひとつとして 「ダイバーシティ&インクルージョン経営の実践」 に取り組んでおります。
当社は美の創造企業として、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する。」を存在理念として掲げております。全ての働く仲間の多様性を尊重し活かす(=ダイバーシティ&インクルージョン)ことは、グローバル社会や市場の変化に対応し、多様なお客さまに向けた独自の価値を創造し続けるための源泉となると考えております。そのため、経営戦略の一環として、全社でダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進しております。
「コーセー人権方針」を前提とした「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」に基づき、性別、年齢、国籍、ライフスタイルなどに関わらず、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮できる基盤づくり(処遇制度や教育体系の整備)と、互いの個性を尊重して高め合う風土(意識)醸成とを実現することで、美しさを提供するリーディングカンパニーとして、世界で存在感ある企業への進化を目指してまいります。
◆ジェンダーにとらわれずに誰もが活躍するために
1946年の創業以来、全ての社員が、性差に関わらず自分らしく自信をもって生きる社会へ貢献したいと思いを一つにして、お客さま一人ひとりのための“きれい”を提供できる化粧品をお届けしてまいりました。社内では、1999年の「男女共同参画社会基本法」の施行に先駆け、1985年には当社グループで初めて女性の取締役が就任するなど、多様な価値観を企業のチカラへ反映する企業文化が、現在に至るまで根付いております。現在、当社グループでは、美容職を含めた女性の割合が従業員全体の約8割を占めております。そのため、性差に関わらず、それぞれのライフイベントに合わせた柔軟な働き方ができる環境を整備し、安心して自身の能力を発揮できるための様々な取り組みを実施しております。
また、「コーセー サステナビリティ プラン」の取り組みテーマの一つ、「ジェンダーにとらわれずに活躍できる社会への貢献」を実現するために、社内に対して、女性活躍を含めた性差に関わらず自分らしさを最大限発揮できる環境整備の推進はもちろん、社会に対しても、女性のエンパワメントなどの支援の輪を広げていきたいと考えております。
当該方針について以下のKPIを設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。
<ジェンダーダイバーシティ関連指標>
◆障がい者と健常者がともに働く環境づくり
障がい者と健常者がそれぞれの役割を果たしながら、いきいきと働ける環境づくりを進めています。本人の意欲と適性をもとにさまざまな部門に配置され、健常者とともに活躍をしております。専門的なサポートが必要な場合は、障害者職業生活相談員や産業医へ気軽に相談を行うことができる体制はもちろん、社外にも健康相談窓口を設け、安心して働くことができる環境を整備しております。
また、化粧品会社として初めて設立された特例子会社「アドバンス」においても、障がいをもつ人と健常者が、同じミッションを果たすために働いております。
◆シニア層の活躍と技術伝承
長年、各分野で培った経験を活かして、本人の意欲と能力に合わせて働き続けられるように、定年後の再雇用制度を導入しております。50代の従業員に向けたライフプランセミナーや、定年退職時の各種制度等を理解できる機会を設け、自分らしい人生選択ができるよう、サポートを行っております。また、再雇用制度を通じて熟年層ならではの技能やノウハウを次世代社員へと引き継ぎつつ、当事者の働く意欲を活かす体制にしております。
◆人材戦略の基本方針
中長期ビジョン「VISION 2026」で定めているように、お客さま一人ひとりの“きれい”の価値を創造し、「世界で存在感のある企業」を目指すためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要です。「VISION 2026」の達成に向けた人材戦略の柱として、「豊かな人間性と創造性を発揮できる人材育成」と「社員の多様性を活かす働きがいある組織づくり」を推進するとともに、各種施策に取り組んでおります。
(ⅰ) 人材育成理念と育成方針
当社グループでは、「コーセーグループ行動指針」の中で、各人の人権と多様な能力・個性・価値観を尊重することを明記しております。それを前提として、下記の「人材育成理念」・「人材育成方針」を定めております。
人材育成理念 コーセーは「豊かな人間性と創造性」を発揮できる社員とともに未来を拓きます。 人材育成方針 一人ひとりの向上心と主体性を尊重し「自ら磨く」を基本とする。 「自ら磨く」人を積極的に支援する職場環境をつくる。 段階に応じて幅広く、そして継続的に「自ら磨く」機会を提供する。 「専門領域」の実践的教育・研修は、各部門で実施する。 |
◆人材育成とイノベーションの創出
当社では、人材育成方針に掲げられた「自ら磨く」を実践するために、理念や目標を共有しながら、一人ひとりの多様性を活かして自ら学び成長する姿勢を重視しております。その支援のための制度として、自らキャリアを考察し実現させる「人材公募制度」「自己申告制度」などを活用し自身の夢の実現を叶えた社員が多くおります。また成長のための各種研修制度や通信教育補助等も充実しております。人材育成のプログラムとしては、階層別研修として新卒~中堅~管理職とキャリア段階に応じた研修を行っている他、次世代リーダー育成のためのイノベーション創出プログラム「Link※」、シニアのためのキャリア支援などを実施しております。タレントマネジメントシステムの導入や360度評価の実施も行っており、各自の適性に合わせた人材育成に努めております。また、各部門の特性に応じた実務研修の機会を設け成長を促しております。その他、化粧品の新しい価値提供の検討と立案を行う組織横断プロジェクト形式の研修なども実施し、ダイバーシティ・インクルージョンによるイノベーションの創出を目指しております。
※Link(Leadership and Innovation program for New KOSÉ):2017年に発足した社内ベンチャー制度
人材育成プログラム

◆従業員の働きがいを向上するために
当社では、従業員は企業価値向上を支える大切な財産であり基盤と捉えております。従業員のエンゲージメントや貢献意欲が高まることが、組織の活性化につながり、競争力強化につながると考えております。そのため、働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指して、定期的に社員意識調査や360度評価を実施しております。調査の結果は、経営層や政策検討会議などで報告し、調査結果の分析、課題の整理、施策の検討・実施を進めております。2022年度の調査では、会社へのロイヤルティや仕事への充実感が、社会全体の平均値と比べて高い傾向にあることがわかった他、前回の調査と比較して、女性社員の会社に対する満足度が有意に向上していることがわかりました。
また、2017年度からは「働きがい創出実行委員会」を設置し、委員長・副委員長は主に経営幹部や人事部門責任者が務め、活動メンバーは部門横断型の多様な社員を選出し、従業員の更なるエンゲージメント向上に向けた様々な取り組みを推進しております。
◆ビューティコンサルタントの活躍のために
店頭などで活躍するビューティコンサルタントに対しては、販売職としての職務のスキルアップはもちろん、将来的に教育職や店舗責任者などへキャリアパスが選択できるように支援してまいりました。
<取り組みの一例>
2019年度 | 営業職、本社スタッフ職などへとキャリアチェンジ制度を導入 |
2020年度 | キャリアデザインを考える研修の計画をスタート。美容教育職に対し、キャリア意識の調査、キャリア意識の醸成、個々のキャリア形成支援の3つのステップで実施。 |
2021年度 | 独自のオンライン接客プラットフォーム「WEB-BC SYSTEM」による遠隔地のお客さまへの接客業務など、多様な働き方やキャリアの継続につながる職場環境を提供 |
2022年度 | 社内キャリアコンサルタントがキャリアデザインにむけてカウンセリングをする「キャリアデザインルーム」の運用を開始 |

◆採用の多様化と早期登用・抜擢の推進
グローバル化とボーダーレス化が進み、市場環境や顧客ニーズが急速に変化する中においては、多様な個性やバックボーンを持つ人材の育成が必要不可欠であります。そこで当社ではキャリア採用を強化し、多様な人材の獲得に取り組んでおります。また2022年度には総合職の評価制度を見直し、年功的な昇格モデルから脱却し、早期登用・抜擢が可能な制度に改定を行い、社歴や年齢にとらわれず能力ある社員が活躍する組織づくりを推進しております。
<人材育成関連指標>
指標 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 対象範囲 |
能力開発・スキル向上研修延べ参加者数(人)<管理職・非管理職(美容職除く)> | 1,135 | 2,893 | 3,996 | 国内グループ会社 |
能力開発・スキル向上研修時間(合計/h)<管理職・非管理職(美容職除く)> | 20,624.5 | 50,386.0 | 38,289.0 | 国内グループ会社 |
能力開発・スキル向上研修時間(一人平均/h)<管理職・非管理職(美容職除く)> | 13.1 | 17.8 | 11,6 | 国内グループ会社 |
社員意識調査 総合満足度(点数/満点) <管理職・非管理職>※4年に1回実施予定 | - | 3.78/5 ※2018年度調査より、0.6%上昇 | - | ㈱コーセー・コーセー化粧品販売㈱・コーセーインダストリーズ㈱・コーセーコスメポート㈱ |
(ⅱ) ダイバーシティ&インクルージョン
「世界で存在感のある企業」を目指すためには、世界の変化を先取りして独自の価値を創出し続ける、世界に通用する人材の力が必要であります。一人ひとりのダイバーシティ(多様性)をお互いにインクルージョン(包摂)することで、企業の推進力へつなげるために、当社グループでは、「VISION 2026」の達成に向けた3つの経営基盤のひとつとして 「ダイバーシティ&インクルージョン経営の実践」 に取り組んでおります。
当社は美の創造企業として、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する。」を存在理念として掲げております。全ての働く仲間の多様性を尊重し活かす(=ダイバーシティ&インクルージョン)ことは、グローバル社会や市場の変化に対応し、多様なお客さまに向けた独自の価値を創造し続けるための源泉となると考えております。そのため、経営戦略の一環として、全社でダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進しております。
「コーセー人権方針」を前提とした「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」に基づき、性別、年齢、国籍、ライフスタイルなどに関わらず、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮できる基盤づくり(処遇制度や教育体系の整備)と、互いの個性を尊重して高め合う風土(意識)醸成とを実現することで、美しさを提供するリーディングカンパニーとして、世界で存在感ある企業への進化を目指してまいります。
ダイバーシティ&インクルージョン宣言 多様性をチカラに変える コーセーは、独自の価値創造の源泉として、ダイバーシティ&インクルージョンを推進します。 一人ひとりの“Individuality(個性)”によって構成され、“Individuality(個性)”が結束することで、最高のチカラを発揮し独自の価値をグローバルに生み出す組織、企業を目指します。 |
◆ジェンダーにとらわれずに誰もが活躍するために
1946年の創業以来、全ての社員が、性差に関わらず自分らしく自信をもって生きる社会へ貢献したいと思いを一つにして、お客さま一人ひとりのための“きれい”を提供できる化粧品をお届けしてまいりました。社内では、1999年の「男女共同参画社会基本法」の施行に先駆け、1985年には当社グループで初めて女性の取締役が就任するなど、多様な価値観を企業のチカラへ反映する企業文化が、現在に至るまで根付いております。現在、当社グループでは、美容職を含めた女性の割合が従業員全体の約8割を占めております。そのため、性差に関わらず、それぞれのライフイベントに合わせた柔軟な働き方ができる環境を整備し、安心して自身の能力を発揮できるための様々な取り組みを実施しております。
また、「コーセー サステナビリティ プラン」の取り組みテーマの一つ、「ジェンダーにとらわれずに活躍できる社会への貢献」を実現するために、社内に対して、女性活躍を含めた性差に関わらず自分らしさを最大限発揮できる環境整備の推進はもちろん、社会に対しても、女性のエンパワメントなどの支援の輪を広げていきたいと考えております。
当該方針について以下のKPIを設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。
<ジェンダーダイバーシティ関連指標>
指標 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2026年度 目標 | 対象範囲 |
女性管理職比率 | 28.8% | 28.9% | 30.8% | 33.0% | コーセーグループ |
指導的地位にある社員の女性比率 | 34.7% | 35.2% | 33.2% | 50.0% | コーセーグループ |
有給休暇取得率 | 66.9% | 69.2% | 62.6% | 80.0% | 国内グループ会社 |
育児休業取得率(女性) | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 国内グループ会社 |
育児休業取得率(男性) | 67.1% | 88.2% | 82.4% | 100.0% | 国内グループ会社 |
育児休業後の復職率(女性) | 96.9% | 96.7% | 97.2% | 100.0% | 国内グループ会社 |
育児休業後の復職率(男性) | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 国内グループ会社 |
◆障がい者と健常者がともに働く環境づくり
障がい者と健常者がそれぞれの役割を果たしながら、いきいきと働ける環境づくりを進めています。本人の意欲と適性をもとにさまざまな部門に配置され、健常者とともに活躍をしております。専門的なサポートが必要な場合は、障害者職業生活相談員や産業医へ気軽に相談を行うことができる体制はもちろん、社外にも健康相談窓口を設け、安心して働くことができる環境を整備しております。
また、化粧品会社として初めて設立された特例子会社「アドバンス」においても、障がいをもつ人と健常者が、同じミッションを果たすために働いております。
◆シニア層の活躍と技術伝承
長年、各分野で培った経験を活かして、本人の意欲と能力に合わせて働き続けられるように、定年後の再雇用制度を導入しております。50代の従業員に向けたライフプランセミナーや、定年退職時の各種制度等を理解できる機会を設け、自分らしい人生選択ができるよう、サポートを行っております。また、再雇用制度を通じて熟年層ならではの技能やノウハウを次世代社員へと引き継ぎつつ、当事者の働く意欲を活かす体制にしております。