訂正有価証券報告書-第64期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/07/04 13:58
【資料】
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【項目】
122項目

研究開発活動

当社グループは、感光性材料事業においては、感光材研究所で半導体及びディスプレイに用いられる感光性材料の研究開発を行っております。また、蓄電デバイスに用いられるイオン液体や電解液の研究開発を行っております。千葉工場プロセス開発部門では、感光材研究所で開発された光・電子材料に関連する感光性材料の工業化プロセスの研究開発を行い、タイムリーな工業製品の供給を推進しております。
化成品事業においては、感光材研究所内の合成研究部門と市川工場プロセス開発部門において香料、機能性材料に用いられる新製品と新技術、コストダウンのための研究開発を行っております。
新規事業分野においてはバイオ材料、ナノ材料などの研究開発を行っております。
各営業グループ、各工場のプロセス開発グループ及び感光材研究所が一体となり、お客様ニーズに合致した製品を開発するため、お客様との共同研究、共同開発を精力的に推進しております。また、大学及び公的研究機関等との共同研究、共同開発も積極的に推進しております。
平成26年3月期の研究開発費の総額は744,791千円で、主な研究開発活動は次の通りであります。
(1) 感光性材料事業
感光性材料部門では、高集積半導体デバイス加工に使用される感光材の開発ならびに工業化を推進いたしました。また、これらのコストダウンのための新しいプロセスの工業化にも取組みました。
エネルギー部門の電解液・イオン液体は、「高純度」を強みとしております。電解液では、高純度合成技術を活用し、品質の安定した電解液を多品種にわたり、製造する技術開発を行いました。イオン液体では、リチウムイオン二次電池、燃料電池などの既存エネルギー材料に加え、反応溶媒、抽出溶媒などの多方面への新たな用途展開を図り、お客様の仕様に合わせたイオン液体を開発し、実用化への進展が見られております。
(2) 化成品事業
香料材料部門では、高品質かつ安定した品質の合成香料及び材料の製造方法を中心に研究開発を行い、世界の大手香料会社から高い評価を得ております。競争力のある製品作りを主眼に既存製品の工程や原料の見直しを積極的に進め、また新たな製造方法の導入、装置化も進めております。
香料材料は食品や飲料に使用される機会が多いため、研究開発にあたっては原料や製造法について安全性に細心の注意を払いながら取組んでおります。
グリーンケミカル部門では、半導体デバイスや蓄電デバイスの加工時に使用される高品質溶剤の製造方法・最先端のリサイクル方法を中心に研究開発を行っております。
半導体向けでは集積回路の微細化に資するため、純度を高めた製品開発を顧客企業とともに進めております。
また、リサイクルにより限りある資源の有効活用および地球環境の保全に貢献しております。
(3) 新規事業分野
ナノテクノロジー分野は、太陽光発電パネル、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル及びセンサーパネル、小型高性能レンズモジュールなどをはじめ、これから多くの市場を創造し、その成長性が期待されている分野です。当社は、光ナノインプリント樹脂およびモールド樹脂の研究開発の成果を通して、お客様のこれらの製品の性能・機能の向上に貢献しております。
また、当社のコアテクノロジーである化学増幅型レジスト用材料の分野では、これからの半導体プロセスで期待されているEUV用レジスト用材料などの先進材料の研究開発を行っております。上記のレジスト用材料の開発で培った技術を液晶表示素子や有機EL表示素子などの表示素子の分野にも展開し、表示素子を高機能化する材料の開発を推進しております。
ネガ型感光性樹脂の分野では、水溶性光硬化性樹脂の材料設計を行っております。昨今は、技術革新の著しい、グラフェンやナノワイヤーなどの優れた電気特性を有する無機機能物質のパターニング樹脂の研究開発を行っており、透明導電膜向け新規高機能材料の開発に貢献しています。
ライフサイエンス分野は21世紀の成長市場と期待されていますが、当社では、当社が保有する生体適合ポリマー技術、3D細胞培養技術を駆使して、培養容器向け材料、化学物質の毒性検査、薬理スクリーニングや再生医療技術に有効な均質なスフェロイドのより効率的な形成が可能な細胞培養プレートの開発を鋭意進めております。
以上のように、当社は、化学による「ものづくり」の技術革新を通して、21世紀前半に花開くと期待されている様々な製品分野の開発に貢献しており、今後もお客様と共に、最先端で最高の機能・性能を追求してまいります。