有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:12
【資料】
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【項目】
125項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 対処すべき課題
<事業環境>当社を取り巻く事業環境は、昨年の相次ぐ自然災害や消費税増税等の影響により、景気の後退感が強まってきたことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の減速が懸念されるなど、先行きを予測することはますます難しくなっております。今後、スマートフォンをはじめとする通信デバイスの販売減少や自動車市場の減速などが見込まれ、不透明な状況が続くと思われます。当社としましては、全社の総力をあげ、従業員及びステークホルダーの皆様の安全を最優先するとともに、様々な施策を講じ、事業への影響を最小限に留めてまいります。
<既存事業の競争力強化>このような事業環境のなか、当社は優先的に対処すべき課題である人材・設備・資金の生産性向上により、競争力を一層強化してまいります。今後、持続的な事業成長のためには、人材の技術力向上が欠かせない事から、人材教育により従業員の育成と現場力・技術力の向上を図ってまいります。また、製造技術開発、ICTを活用した設備生産性の向上を行なうとともに、設備投資効果の最大化、運転資金の効率化に取り組んでまいります。
<感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)>感光性材料、高純度溶剤の対面市場である半導体業界は、世界的なIoTへの進化により、産業面だけでなく、日常生活に不可欠なコンシューマ向けエレクトロニクス製品や車の自動運転等、使用用途の一層の拡大が見込まれております。また、これらを実現するための技術として、半導体設計サイズの微細化、三次元化のためのリソグラフィ技術は進化し、素材も高度な研究開発、品質管理、安定供給の責任が求められております。この状況に対応するため、新規材料の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化に取組むとともに、世界的な需要の拡大に対応した生産能力の増強をより一層進めることにより、事業の拡大と収益性の向上を図ってまいります。
<化成品事業(香料材料、ロジスティック)>香料市場は、アジア地域を中心とした所得拡大により、世界的に緩やかな拡大が続くと予測されております。当社は、最先端半導体分野で培った高度な製造技術・分析技術による高品質な製品の積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。
国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等により、物流経費の削減及び物流基地の統廃合が進んでおり、事業を取り巻く環境は引き続き厳しいものと予想されます。しかしながら、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は、今後も引き続き必要不可欠であります。当社は、お客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と化学品の生産活動で蓄積した高度な取扱・保管技術を最大限に活かし、今後もお客様の信頼を獲得してまいります。
当社は、このような施策により、中期経営計画「TGC300」の実現に向け、取り組んでまいります。