訂正有価証券報告書-第63期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本方針
当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
社是
「限りなき進歩と創造」
経営信条
一. 信用を重んじ確実を旨とする
一. 技術を通じて国家社会に貢献し
一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
次期の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が大きな影響を及ぼしており、国内外問わず経済活動の停滞の長期化が懸念され、実体経済の落ち込みは大幅なものになることが想定されます。加えて原油価格の大幅な下落等、経済の混乱要因もあり、先行きは見通せない状況にあります。
このような状況のもと、当社は従業員の健康・安全を確保したうえで、生産・販売を維持し、事業継続に注力いたします。2019年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大の当社業績への影響は限定的で、各製造拠点は感染症対策を施しながら生産を継続しています。今後、当社が製品を供給する業界の今後の市場動向によって、需要が大きく影響を受ける可能性もあり、できる限り顧客とのコミュニケーションをとり、リスクに先行して対応できるよう努めます。
先行き不透明な状況ではありますが、当社グループは、新規設備の有効活用による国内外の需要取り込み、継続的なコスト削減を通じたコア事業の更なる強化、市場ニーズに適合した新規商品の開発、海外拠点を活用した海外展開に取り組みます。
2020年度の連結業績の計画は、設備投資に伴う減価償却費等の増加の影響、原油価格下落に伴う原料価格、販売価格の低下の影響、そして半導体市況の予測を織り込んで、下記の通り計画しています。
〇連結業績計画
(単位:百万円)
〇ライフサイエンス事業連結業績計画
(単位:百万円)
〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画
(単位:百万円)
当社グループの事業は、「ライフサイエンス事業」、「電子材料および機能性化学品事業」の2つのセグメントで構成されます。
ライフサイエンス事業においては、リンゴ酸は、世界市場で年率数%、アジア市場では、さらに大きな成長を見込むことができます。高品質で安全・安心な製品を競争力のある価格で提供し続けていくことを武器に、世界市場、特にアジア地域での当社製品のプレゼンスを高めていくことが重要です。
フマル酸はライバルメーカーの撤退により日本市場はタイトになりシェア拡大のチャンスであると認識しています。その他の果実酸につきましても、用途は拡大しており、当社も各市場において着実にシェアアップを目指します。
加えて、医薬品向け・電子材料向けのより高純度・高品質の果実酸、有機酸を油脂でコーティングしたコート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤、海外でも採用が進んでいる食品添加物製剤等の高付加価値製品の各市場も非常に有望で、既存品のシェアアップ、新製品の早期の開発・製品化を目指します。
ライフサイエンス事業で扱っている製商品は、食品、飲料等、生活必需品に関係する用途が多いため、新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、現状では限定的ですが、経済の落ち込みによる消費低下、生活様式等の様々な環境の変化が、需要に影響を与える可能性もあり、各市場動向を注視していきます。
電子材料および機能性化学品事業においては、半導体市場は非常に高い成長率で拡大してきたものの、スマートフォン市場の成長鈍化、米中貿易摩擦等の影響によって、一時調整局面となり、当社製品も影響を受けました。しかし、最先端技術が採用された半導体の生産においては、当社製品の使用量は増加傾向にあります。
短期的には、新型コロナウイルス感染症拡大、米中貿易摩擦等の影響で、スマートフォン、PC、TV、自動車等の製品成長率は鈍化するマイナス面があるものの、IoTの進展、リモートワークの普及等によるデータ量の増加によりCPU、メモリー等の半導体デバイスの需要は増加するプラス面もあるなど、不透明な状況が続きます。しかし、中長期的には、5G、IoT、AI、自動運転技術などの実用化も近づいてきており、半導体需要はますます増加すると予想されます。この拡大する需要に応えるためには、供給量を増加させるだけでなく、微細化、高平坦化等の高度化する品質面の要求へも対応する必要があります。感染収束後には、半導体市場のさらなる伸びが期待でき、こうした対応策を施すことで、半導体市場の拡大に合わせて、当社業績の伸張を目指します。
新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、半導体市場においては、現状は限定的です。顧客によっては、調達に対する不安から、在庫を積み増す動きもあり売上増加の要因にもなっていますが、今後、経済の落ち込みによる消費低下が顕在化し、需要に影響を与える可能性もあり、市場動向を注視していきます。
このような認識のもと、当社グループでは、以下を重点的テーマとして事業展開に取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
(a)果実酸コンビナート構想の実現
三井化学株式会社から営業権を承継した無水マレイン酸、フマル酸のビジネスは順調に拡大しています。2017年11月には、生産設備の譲受も完了し、当社の鹿島事業所としてスタートしたことで、果実酸総合メーカーとしての位置づけはさらに強固なものとなりました。さらに、2018年3月に着工したリンゴ酸新プラントは、2019年7月に竣工し、本格稼働に向けて取り組んでいます。新プラントでは同事業所内で生産している無水マレイン酸からリンゴ酸までの一貫生産、省力化した最新設備での生産によるコスト競争力の強化を図り、国内唯一のメーカーから、世界No.1のリンゴ酸メーカーに大きく飛躍するよう取り組みます。リンゴ酸の生産は、鹿島事業所、大阪工場の2極体制となり、成長が見込まれる世界市場へ積極的に販売することが可能な供給体制ができました。今後、当社のグループ連携、販売チャネルを活かして、成長するアジア市場でのさらなるシェア拡大、今までは優先順位を下げざるを得なかった欧米市場にも販売を強化します。
(b)生産体制の再構築および設備増強
鹿島事業所にリンゴ酸プラントが完成したことにより、リンゴ酸は大阪工場と2生産拠点体制となりました。余力のできた大阪工場のリンゴ酸設備を有効活用し、フマル酸等、他の果実酸の生産を検討および実施いたします。併せて、十三工場を含めた生産体制の再編を検討し、自動化、省人化を進め、生産性を高めた、より衛生的なプラントの導入を目指します。
(c)次世代新製品の早期戦列化
製品開発におきましては、油脂コート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤の早期戦列化を図るべく開発に注力します。
油脂コート有機酸は、優れたコート性能等、顧客ニーズへの対応が可能な製品の開発が進展しており、2020年度中の生産設備の導入、製品化、販売開始を目指します。ストレスフリー製剤は、対象植物の品目や対象ストレスの種類を拡充し、研究・販売活動を強化します。
さらに、果実酸類の高純度品や食品添加物製剤の開発も、より一層進めます。
(d)グローバル展開
日本・中国・タイ・米国の拠点を活かし、扶桑グループの連携により、ビジネスチャンスを獲得します。
海外においては、中国の子会社青島扶桑精製加工有限公司では、市場の拡大している電子材料向けに従来のクエン酸精製品よりさらに高純度なクエン酸の製造等、高付加価値製品の比重を高めます。また、人件費高騰に対処するため、前連結会計年度に引き続き、生産設備の自動化によるコスト削減を進めます。
タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.はタイ、ベトナムを中心に加工食品市場が拡大している東南アジアをターゲットとし、テストキッチンのある東京研究所と連携して各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発・製造を進めるとともに、同地域での販売体制を確立してビジネス拡大を目指します。
米国の子会社PMP Fermentation Products, Inc.は、米国で唯一のグルコン酸メーカーとしてその地位を強固なものとしてまいりましたが、今後さらに強化していくとともに、北米および中南米市場でのリンゴ酸市場を拡大するための活動を推進します。
アジア市場において、One-Stop食添製剤メーカーとして積極的に活動を展開し、アメリカ市場においても、リンゴ酸のシェアアップ、食添製剤の新市場開拓を進めます。
今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。
(電子材料および機能性化学品事業)
(a)半導体研磨材料の取り組み
2018年9月と11月に超高純度コロイダルシリカ新規製造設備が京都第一工場および京都第二工場に完成しました。これら設備は最新の技術を結集した仕様で、これまで以上に製造条件を高精度にコントロールすることが可能となり、これにより益々厳しくなるお客様の品質要求に応えることができるようになりました。また生産能力は、2割から3割の向上となり、生産能力及び品質をさらに向上することで、当社超高純度コロイダルシリカ製品は益々お客様に安心して使用して頂けるものと確信しております。
拡充した生産体制を活かし、研究開発部門と連携し、重点顧客との取り組みをさらに強化します。当社の強みである粒子制御技術を活かし、用途に合わせた開発を行い、新規砥粒の開発を進めます。販売の強化とともに、既存設備、新規設備を合わせて生産効率の最大化を目指します。
(b)生産・研究・品質保証体制の堅実化
新規設備においては最先端の製造設備が導入され、シングルナノ配線幅に対応した粒子径および粒度分布制御が可能となり、高品質、高効率、低コストでの生産が可能となりました。既存設備の改善、改良も進め、生産供給体制の強化を進めます。
研究開発体制においては、人員、研究開発設備の拡充等、強化拡大を積極的に行ってきました。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、当社のコア技術である粒子径、会合度、形状、表面修飾等の粒子制御技術を活かし、新規配線素材、低ディフェクト、高研磨レート等に対応した粒子の製品開発を継続します。合わせて、プロセス技術開発にも注力いたします。
品質保証体制においては、最新鋭の評価機器の導入、人員の拡充を図ってきました。今後も、高度化する品質要求に対応するため、体制のさらなる強化を図ります。
(c)機能材料の取り組み
半導体研磨用途以外の新分野への製品開発につきましても、東京研究所に積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かした中空ナノシリカやシリカナノパウダー関連で新製品開発を進めています。シリカナノパウダーはトナー用途や樹脂フィラー用途で既に使用されており、顧客ごとの粒子の開発を進め、さらなるシェア拡大を目指します。中空ナノシリカは高い光学特性が認められており、低反射材料等での採用が見込まれ、さらなる営業開発を進めます。
半導体研磨分野では、シングルナノ世代最先端半導体技術を支え、唯一無二の製品を提供します。そのため、顧客と密着した新製品開発を進め、当社独自のプロセス技術をさらに高度化し、生産設備に積極的に投資を行います。
機能材料分野では、半導体研磨分野で培ったコア技術をベースに、機能材料製品の拡充を目指します。中空ナノシリカの多用途採用と量産上市、トナー向けナノパウダーの新規採用を進め、既存品を合わせて、この分野での販売の拡大を目指します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
(1)基本方針
当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
社是
「限りなき進歩と創造」
経営信条
一. 信用を重んじ確実を旨とする
一. 技術を通じて国家社会に貢献し
一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
次期の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が大きな影響を及ぼしており、国内外問わず経済活動の停滞の長期化が懸念され、実体経済の落ち込みは大幅なものになることが想定されます。加えて原油価格の大幅な下落等、経済の混乱要因もあり、先行きは見通せない状況にあります。
このような状況のもと、当社は従業員の健康・安全を確保したうえで、生産・販売を維持し、事業継続に注力いたします。2019年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大の当社業績への影響は限定的で、各製造拠点は感染症対策を施しながら生産を継続しています。今後、当社が製品を供給する業界の今後の市場動向によって、需要が大きく影響を受ける可能性もあり、できる限り顧客とのコミュニケーションをとり、リスクに先行して対応できるよう努めます。
先行き不透明な状況ではありますが、当社グループは、新規設備の有効活用による国内外の需要取り込み、継続的なコスト削減を通じたコア事業の更なる強化、市場ニーズに適合した新規商品の開発、海外拠点を活用した海外展開に取り組みます。
2020年度の連結業績の計画は、設備投資に伴う減価償却費等の増加の影響、原油価格下落に伴う原料価格、販売価格の低下の影響、そして半導体市況の予測を織り込んで、下記の通り計画しています。
〇連結業績計画
(単位:百万円)
| 2019年度実績 | 2020年度計画 | 増減 | |
| 売上高 | 41,310 | 42,200 | +889 |
| 営業利益 | 8,830 | 8,150 | △680 |
| 経常利益 | 8,954 | 8,250 | △704 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,014 | 5,600 | △1,414 |
| 償却前営業利益 | 13,362 | 13,550 | +187 |
〇ライフサイエンス事業連結業績計画
(単位:百万円)
| 2019年度実績 | 2020年度計画 | 増減 | |
| 売上高 | 24,120 | 24,800 | +679 |
| 営業利益 | 4,328 | 3,450 | △878 |
| 償却前営業利益 | 5,131 | 5,260 | +128 |
〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画
(単位:百万円)
| 2019年度実績 | 2020年度計画 | 増減 | |
| 売上高 | 17,190 | 17,400 | +209 |
| 営業利益 | 5,748 | 6,100 | +351 |
| 償却前営業利益 | 9,459 | 9,650 | +190 |
当社グループの事業は、「ライフサイエンス事業」、「電子材料および機能性化学品事業」の2つのセグメントで構成されます。
ライフサイエンス事業においては、リンゴ酸は、世界市場で年率数%、アジア市場では、さらに大きな成長を見込むことができます。高品質で安全・安心な製品を競争力のある価格で提供し続けていくことを武器に、世界市場、特にアジア地域での当社製品のプレゼンスを高めていくことが重要です。
フマル酸はライバルメーカーの撤退により日本市場はタイトになりシェア拡大のチャンスであると認識しています。その他の果実酸につきましても、用途は拡大しており、当社も各市場において着実にシェアアップを目指します。
加えて、医薬品向け・電子材料向けのより高純度・高品質の果実酸、有機酸を油脂でコーティングしたコート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤、海外でも採用が進んでいる食品添加物製剤等の高付加価値製品の各市場も非常に有望で、既存品のシェアアップ、新製品の早期の開発・製品化を目指します。
ライフサイエンス事業で扱っている製商品は、食品、飲料等、生活必需品に関係する用途が多いため、新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、現状では限定的ですが、経済の落ち込みによる消費低下、生活様式等の様々な環境の変化が、需要に影響を与える可能性もあり、各市場動向を注視していきます。
電子材料および機能性化学品事業においては、半導体市場は非常に高い成長率で拡大してきたものの、スマートフォン市場の成長鈍化、米中貿易摩擦等の影響によって、一時調整局面となり、当社製品も影響を受けました。しかし、最先端技術が採用された半導体の生産においては、当社製品の使用量は増加傾向にあります。
短期的には、新型コロナウイルス感染症拡大、米中貿易摩擦等の影響で、スマートフォン、PC、TV、自動車等の製品成長率は鈍化するマイナス面があるものの、IoTの進展、リモートワークの普及等によるデータ量の増加によりCPU、メモリー等の半導体デバイスの需要は増加するプラス面もあるなど、不透明な状況が続きます。しかし、中長期的には、5G、IoT、AI、自動運転技術などの実用化も近づいてきており、半導体需要はますます増加すると予想されます。この拡大する需要に応えるためには、供給量を増加させるだけでなく、微細化、高平坦化等の高度化する品質面の要求へも対応する必要があります。感染収束後には、半導体市場のさらなる伸びが期待でき、こうした対応策を施すことで、半導体市場の拡大に合わせて、当社業績の伸張を目指します。
新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、半導体市場においては、現状は限定的です。顧客によっては、調達に対する不安から、在庫を積み増す動きもあり売上増加の要因にもなっていますが、今後、経済の落ち込みによる消費低下が顕在化し、需要に影響を与える可能性もあり、市場動向を注視していきます。
このような認識のもと、当社グループでは、以下を重点的テーマとして事業展開に取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
(a)果実酸コンビナート構想の実現
三井化学株式会社から営業権を承継した無水マレイン酸、フマル酸のビジネスは順調に拡大しています。2017年11月には、生産設備の譲受も完了し、当社の鹿島事業所としてスタートしたことで、果実酸総合メーカーとしての位置づけはさらに強固なものとなりました。さらに、2018年3月に着工したリンゴ酸新プラントは、2019年7月に竣工し、本格稼働に向けて取り組んでいます。新プラントでは同事業所内で生産している無水マレイン酸からリンゴ酸までの一貫生産、省力化した最新設備での生産によるコスト競争力の強化を図り、国内唯一のメーカーから、世界No.1のリンゴ酸メーカーに大きく飛躍するよう取り組みます。リンゴ酸の生産は、鹿島事業所、大阪工場の2極体制となり、成長が見込まれる世界市場へ積極的に販売することが可能な供給体制ができました。今後、当社のグループ連携、販売チャネルを活かして、成長するアジア市場でのさらなるシェア拡大、今までは優先順位を下げざるを得なかった欧米市場にも販売を強化します。
(b)生産体制の再構築および設備増強
鹿島事業所にリンゴ酸プラントが完成したことにより、リンゴ酸は大阪工場と2生産拠点体制となりました。余力のできた大阪工場のリンゴ酸設備を有効活用し、フマル酸等、他の果実酸の生産を検討および実施いたします。併せて、十三工場を含めた生産体制の再編を検討し、自動化、省人化を進め、生産性を高めた、より衛生的なプラントの導入を目指します。
(c)次世代新製品の早期戦列化
製品開発におきましては、油脂コート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤の早期戦列化を図るべく開発に注力します。
油脂コート有機酸は、優れたコート性能等、顧客ニーズへの対応が可能な製品の開発が進展しており、2020年度中の生産設備の導入、製品化、販売開始を目指します。ストレスフリー製剤は、対象植物の品目や対象ストレスの種類を拡充し、研究・販売活動を強化します。
さらに、果実酸類の高純度品や食品添加物製剤の開発も、より一層進めます。
(d)グローバル展開
日本・中国・タイ・米国の拠点を活かし、扶桑グループの連携により、ビジネスチャンスを獲得します。
海外においては、中国の子会社青島扶桑精製加工有限公司では、市場の拡大している電子材料向けに従来のクエン酸精製品よりさらに高純度なクエン酸の製造等、高付加価値製品の比重を高めます。また、人件費高騰に対処するため、前連結会計年度に引き続き、生産設備の自動化によるコスト削減を進めます。
タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.はタイ、ベトナムを中心に加工食品市場が拡大している東南アジアをターゲットとし、テストキッチンのある東京研究所と連携して各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発・製造を進めるとともに、同地域での販売体制を確立してビジネス拡大を目指します。
米国の子会社PMP Fermentation Products, Inc.は、米国で唯一のグルコン酸メーカーとしてその地位を強固なものとしてまいりましたが、今後さらに強化していくとともに、北米および中南米市場でのリンゴ酸市場を拡大するための活動を推進します。
アジア市場において、One-Stop食添製剤メーカーとして積極的に活動を展開し、アメリカ市場においても、リンゴ酸のシェアアップ、食添製剤の新市場開拓を進めます。
今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。
(電子材料および機能性化学品事業)
(a)半導体研磨材料の取り組み
2018年9月と11月に超高純度コロイダルシリカ新規製造設備が京都第一工場および京都第二工場に完成しました。これら設備は最新の技術を結集した仕様で、これまで以上に製造条件を高精度にコントロールすることが可能となり、これにより益々厳しくなるお客様の品質要求に応えることができるようになりました。また生産能力は、2割から3割の向上となり、生産能力及び品質をさらに向上することで、当社超高純度コロイダルシリカ製品は益々お客様に安心して使用して頂けるものと確信しております。
拡充した生産体制を活かし、研究開発部門と連携し、重点顧客との取り組みをさらに強化します。当社の強みである粒子制御技術を活かし、用途に合わせた開発を行い、新規砥粒の開発を進めます。販売の強化とともに、既存設備、新規設備を合わせて生産効率の最大化を目指します。
(b)生産・研究・品質保証体制の堅実化
新規設備においては最先端の製造設備が導入され、シングルナノ配線幅に対応した粒子径および粒度分布制御が可能となり、高品質、高効率、低コストでの生産が可能となりました。既存設備の改善、改良も進め、生産供給体制の強化を進めます。
研究開発体制においては、人員、研究開発設備の拡充等、強化拡大を積極的に行ってきました。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、当社のコア技術である粒子径、会合度、形状、表面修飾等の粒子制御技術を活かし、新規配線素材、低ディフェクト、高研磨レート等に対応した粒子の製品開発を継続します。合わせて、プロセス技術開発にも注力いたします。
品質保証体制においては、最新鋭の評価機器の導入、人員の拡充を図ってきました。今後も、高度化する品質要求に対応するため、体制のさらなる強化を図ります。
(c)機能材料の取り組み
半導体研磨用途以外の新分野への製品開発につきましても、東京研究所に積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かした中空ナノシリカやシリカナノパウダー関連で新製品開発を進めています。シリカナノパウダーはトナー用途や樹脂フィラー用途で既に使用されており、顧客ごとの粒子の開発を進め、さらなるシェア拡大を目指します。中空ナノシリカは高い光学特性が認められており、低反射材料等での採用が見込まれ、さらなる営業開発を進めます。
半導体研磨分野では、シングルナノ世代最先端半導体技術を支え、唯一無二の製品を提供します。そのため、顧客と密着した新製品開発を進め、当社独自のプロセス技術をさらに高度化し、生産設備に積極的に投資を行います。
機能材料分野では、半導体研磨分野で培ったコア技術をベースに、機能材料製品の拡充を目指します。中空ナノシリカの多用途採用と量産上市、トナー向けナノパウダーの新規採用を進め、既存品を合わせて、この分野での販売の拡大を目指します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。