有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)基本方針
当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
社是
「限りなき進歩と創造」
経営信条
一. 信用を重んじ確実を旨とする
一. 技術を通じて国家社会に貢献し
一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済および日本経済は、中東情勢の悪化の長期化や為替動向、継続的なインフレの影響などにより、景気の先行きが一層不透明になると考えています。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、2030年度を最終年度とする5カ年の新中期経営計画「飛躍2030」を策定し、取り組みを開始しました。最終年度には、売上高120,000百万円、営業利益36,000百万円を目指し、全社員一丸となって事業拡大に努めてまいります。新中期経営計画の詳細については、当社ホームページ(https://fusokk.co.jp/)をご参照ください。
次期の売上高は、主に半導体市場の成長に伴う需要増加を背景に、増収を見込んでいます。営業利益については、継続的な物価上昇に伴う各種コストの増加が想定されるものの、販売数量の増加や販売価格の見直しにより、増益を見込んでいます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、営業利益の増加に伴い、それぞれ増加する見込みです。
前述のとおり世界経済の先行きは依然として不透明ですが、原料資材の確保に努めると同時に、原材料や製造コストの上昇に対しては、原価低減や販売価格の適正化を進めることで収益への影響を最小化できるよう取り組んでまいります。
〇連結業績計画および当期実績比較
(単位:百万円)
〇ライフサイエンス事業連結業績計画
(単位:百万円)
〇電子材料事業連結業績計画
(単位:百万円)
<中期経営計画>当社は、2021年5月に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表しており、2025年度終了時点における経営方針における成果は、下記のとおりとなりました。
①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応
2021年5月の当初計画の売上高・営業利益等の目標を2022年度に達成したため、2023年5月に最終年度(2025年度)の経営目標を変更しました。変更目標に対する達成率は下記の表のとおりです。
(単位:百万円)
未達成となった原因は、2023年度に半導体市況がパンデミック特需の反動とPC・スマホ需要の低迷などにより世界的にマイナス成長となり、電子材料事業で売上高、営業利益ともに落ち込んだことです。翌年度には市況は回復しましたが影響をカバーしきれず売上高は9.5%の乖離となりましたが、営業利益目標は、ほぼ達成することができました。
②新規事業・分野への投資・挑戦
2件のCVC(Corporate Venture Capital)ファンドへの出資を通じて、ファンドの理念に基づく各種産業の発展への貢献と、当社の新規事業の開発促進を目指しました。
[CVCファンドへの出資実績]
・食に関連するCVC「Future Food Fund(フューチャーフードファンド)」
・素材・化学分野に特化した投資活動を行うユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI)
③持続的成長を支える経営基盤の強化
経営基盤の強化に向けて、2024年 5月には東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえ、①収益力の向上、②市場への的確な情報提供によるβ値の低減、③持続的な成長に向けた投資機会の見極めと資本コストを意識した資金調達の実施に取り組み、継続したROE10%以上の確保を目指す方針としています。中期経営計画の5年間の内2023年度を除き、ROE10%以上を確保しています。
<新中期経営計画>当社は、前中期経営計画において生産体制や組織の見直しや大型の設備投資もおこない、当社の事業分野において大きな成長機会を迎えていることから、2026年5月に2030年度を最終年度とする中期経営計画「飛躍2030」を発表しました。
[長期ビジョン]
・グローバルニッチトップ企業として進化する
・FUSOの技術で未来を支える
・新事業創造に向けて限りなく挑戦する
・「FUSOと出会えて良かった」を届ける
[新中期経営計画“飛躍2030”概要]
<経営上の目標の達成状況を判断するための指標等>当社グループは、将来の成長に向けた設備投資を行いながら、設備投資の採算性を考慮したうえで、営業利益と償却前営業利益を重要経営指標としています。
また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」として、ROIC13%以上を目指し経営を進めていきます。
(単位:百万円)
<事業戦略と価値向上に向けた全体構想>
<新中期経営計画のリスクと機会>新中期経営計画の実現に向けたリスクと機会は下記の通りです。中東情勢などの地政学リスクについては将来予測の全てを織り込むことが難しいため、現時点で織り込んでおりませんが、監視・評価・対策を適時的確におこなうガバナンス体制を構築します。

<新中期経営計画の実現へ向けた管理体制>新中期経営計画の実現に向けた管理は、経営企画部が主幹となる企業価値向上委員会が統括します。同委員会は下部委員会としてサステナビリティ委員会、内部統制委員会を持ち、下部委員会および各部門から出された計画達成への推進策やリスクの報告を受けます。推進策と報告されたリスクは委員会の中で評価され、課題解決に向けた協議をおこない次回開催の委員会まで管理することにより実効性を高める仕組みとなっています。
[ガバナンス体制図(2026年4月以降)]

<対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
国内市場では、食品用途の販売は一定の堅調さは保っているものの、競争は一段と厳しさを増しています。工業用途や日用品用途での需要は一部回復傾向が見られましたが、全体としては低調な結果となりました。またインバウンド需要の落ち込みによりビタミンC類の販売も力強さに欠け、医薬品ビジネスも厳しい状況にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国でのグルコン酸類でのシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。中東情勢の不安定な状況による原材料の調達や輸送コストなどへの影響には迅速に対応してまいります。
事業部全体でより綿密な連携が取れるよう、2026年度から組織体制を一部刷新し、事業戦略と海外運営における意思決定の迅速化を図り、調達から出荷まで業務の効率化を実現します。また、国内外のお客様や研究機関との連携を深め、新たな価値創造に繋げるために、2026年2月には東京研究所を拡張し、充実した実験・分析スペースとテストキッチンを備えました。
販売面では、既存ビジネスに加えて、飼料や農薬用途などの新規用途開拓を進めます。また、海外リンゴ酸ビジネスにおいて、引き続き新規取引先の販売を強化して物量を増やし、事業全体で利益が最大化できるよう事業運営を進めます。
海外では、米国の連結子会社PMP Fermentation Products, Inc.において、設備投資(2027年7月操業開始予定)を行っています。今後も拡大が見込まれる米国内のグルコン酸類の需要に応えられるよう、安定した供給体制を構築していきます。中国では日持ち向上剤や水産加工品向け品質改良剤といった製剤の拡販に努め、タイからは需要の高まる周辺国にもビジネスを展開していきます。
今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。
(電子材料事業)
半導体市場はAIやデータセンター向けの旺盛な需要が全体をけん引し、大きく成長しました。また、従来の微細化の進展や高積層化に加えて、先端パッケージ技術など後工程でも高性能化が進み、CMP(化学的機械的平坦化)の用途拡大が進んでいます。このような背景を踏まえ各社の需要に応えることで、2025年度は当初想定以上の超高純度コロイダルシリカの出荷量を達成しています。
拡大する需要や、新たに創出される需要の増加に対応するため、積極的な設備投資を進めています。2024年10月には京都事業所の新設備、また2025年8月には鹿島事業所に追加設備(Ⅱ期)が完成しました。なお、鹿島事業所の既存設備(Ⅰ期)については、既に高水準で稼働しています。さらに、半導体市況は今後も継続的な成長が見込まれることから、2026年3月には京都事業所に追加の設備増強を実施することを決定いたしました。2029年2月に設備の完工を予定しており、現生産能力の2割増となる見通しです。これら設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化してまいります。
研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、低誘電材用途やトナー外添剤用途など、様々な用途に貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
(1)基本方針
当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
社是
「限りなき進歩と創造」
経営信条
一. 信用を重んじ確実を旨とする
一. 技術を通じて国家社会に貢献し
一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済および日本経済は、中東情勢の悪化の長期化や為替動向、継続的なインフレの影響などにより、景気の先行きが一層不透明になると考えています。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、2030年度を最終年度とする5カ年の新中期経営計画「飛躍2030」を策定し、取り組みを開始しました。最終年度には、売上高120,000百万円、営業利益36,000百万円を目指し、全社員一丸となって事業拡大に努めてまいります。新中期経営計画の詳細については、当社ホームページ(https://fusokk.co.jp/)をご参照ください。
次期の売上高は、主に半導体市場の成長に伴う需要増加を背景に、増収を見込んでいます。営業利益については、継続的な物価上昇に伴う各種コストの増加が想定されるものの、販売数量の増加や販売価格の見直しにより、増益を見込んでいます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、営業利益の増加に伴い、それぞれ増加する見込みです。
前述のとおり世界経済の先行きは依然として不透明ですが、原料資材の確保に努めると同時に、原材料や製造コストの上昇に対しては、原価低減や販売価格の適正化を進めることで収益への影響を最小化できるよう取り組んでまいります。
〇連結業績計画および当期実績比較
(単位:百万円)
| 2025年度実績 | 2026年度計画 | 増減額 | |
| 売上高 | 76,926 | 85,800 | 8,873 |
| 営業利益 | 18,850 | 24,300 | 5,449 |
| 経常利益 | 19,573 | 24,500 | 4,926 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,311 | 16,600 | 2,288 |
| 償却前営業利益 | 29,787 | 37,000 | 7,212 |
〇ライフサイエンス事業連結業績計画
(単位:百万円)
| 2025年度実績 | 2026年度計画 | 増減額 | |
| 売上高 | 35,411 | 36,400 | 988 |
| 営業利益 | 5,308 | 5,500 | 191 |
| 償却前営業利益 | 6,946 | 7,300 | 353 |
〇電子材料事業連結業績計画
(単位:百万円)
| 2025年度実績 | 2026年度計画 | 増減額 | |
| 売上高 | 41,514 | 49,400 | 7,885 |
| 営業利益 | 15,926 | 21,700 | 5,773 |
| 償却前営業利益 | 25,021 | 32,400 | 7,378 |
<中期経営計画>当社は、2021年5月に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表しており、2025年度終了時点における経営方針における成果は、下記のとおりとなりました。
①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応
2021年5月の当初計画の売上高・営業利益等の目標を2022年度に達成したため、2023年5月に最終年度(2025年度)の経営目標を変更しました。変更目標に対する達成率は下記の表のとおりです。
(単位:百万円)
| 2025年度実績 (最終年度) | FUSO VISION 2025年度目標 | 達成率 | 当初計画 | |
| 売上高 | 76,926 | 85,000 | 90.5% | 58,000 |
| 営業利益 | 18,850 | 19,000 | 99.2% | 14,000 |
| 償却前営業利益 | 29,787 | 30,000 | 99.3% | 20,000 |
| 海外売上高比率 | 55.1% | 50.0% | 達成 | 50.0% |
未達成となった原因は、2023年度に半導体市況がパンデミック特需の反動とPC・スマホ需要の低迷などにより世界的にマイナス成長となり、電子材料事業で売上高、営業利益ともに落ち込んだことです。翌年度には市況は回復しましたが影響をカバーしきれず売上高は9.5%の乖離となりましたが、営業利益目標は、ほぼ達成することができました。
②新規事業・分野への投資・挑戦
2件のCVC(Corporate Venture Capital)ファンドへの出資を通じて、ファンドの理念に基づく各種産業の発展への貢献と、当社の新規事業の開発促進を目指しました。
[CVCファンドへの出資実績]
・食に関連するCVC「Future Food Fund(フューチャーフードファンド)」
・素材・化学分野に特化した投資活動を行うユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI)
③持続的成長を支える経営基盤の強化
経営基盤の強化に向けて、2024年 5月には東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえ、①収益力の向上、②市場への的確な情報提供によるβ値の低減、③持続的な成長に向けた投資機会の見極めと資本コストを意識した資金調達の実施に取り組み、継続したROE10%以上の確保を目指す方針としています。中期経営計画の5年間の内2023年度を除き、ROE10%以上を確保しています。
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| ROE | 15.4% | 17.4% | 9.1% | 11.7% | 12.9% |
<新中期経営計画>当社は、前中期経営計画において生産体制や組織の見直しや大型の設備投資もおこない、当社の事業分野において大きな成長機会を迎えていることから、2026年5月に2030年度を最終年度とする中期経営計画「飛躍2030」を発表しました。
[長期ビジョン]
・グローバルニッチトップ企業として進化する
・FUSOの技術で未来を支える
・新事業創造に向けて限りなく挑戦する
・「FUSOと出会えて良かった」を届ける
[新中期経営計画“飛躍2030”概要]
<経営上の目標の達成状況を判断するための指標等>当社グループは、将来の成長に向けた設備投資を行いながら、設備投資の採算性を考慮したうえで、営業利益と償却前営業利益を重要経営指標としています。
また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」として、ROIC13%以上を目指し経営を進めていきます。
(単位:百万円)
| 2025年度実績 | 2030年度目標 | CAGR | |
| 売上高 | 76,926 | 120,000 | 9.3% |
| 営業利益 | 18,850 | 36,000 | 13.8% |
| 償却前営業利益 | 29,787 | 56,700 | 13.7% |
<事業戦略と価値向上に向けた全体構想>

<新中期経営計画のリスクと機会>新中期経営計画の実現に向けたリスクと機会は下記の通りです。中東情勢などの地政学リスクについては将来予測の全てを織り込むことが難しいため、現時点で織り込んでおりませんが、監視・評価・対策を適時的確におこなうガバナンス体制を構築します。

<新中期経営計画の実現へ向けた管理体制>新中期経営計画の実現に向けた管理は、経営企画部が主幹となる企業価値向上委員会が統括します。同委員会は下部委員会としてサステナビリティ委員会、内部統制委員会を持ち、下部委員会および各部門から出された計画達成への推進策やリスクの報告を受けます。推進策と報告されたリスクは委員会の中で評価され、課題解決に向けた協議をおこない次回開催の委員会まで管理することにより実効性を高める仕組みとなっています。
[ガバナンス体制図(2026年4月以降)]

<対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
国内市場では、食品用途の販売は一定の堅調さは保っているものの、競争は一段と厳しさを増しています。工業用途や日用品用途での需要は一部回復傾向が見られましたが、全体としては低調な結果となりました。またインバウンド需要の落ち込みによりビタミンC類の販売も力強さに欠け、医薬品ビジネスも厳しい状況にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国でのグルコン酸類でのシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。中東情勢の不安定な状況による原材料の調達や輸送コストなどへの影響には迅速に対応してまいります。
事業部全体でより綿密な連携が取れるよう、2026年度から組織体制を一部刷新し、事業戦略と海外運営における意思決定の迅速化を図り、調達から出荷まで業務の効率化を実現します。また、国内外のお客様や研究機関との連携を深め、新たな価値創造に繋げるために、2026年2月には東京研究所を拡張し、充実した実験・分析スペースとテストキッチンを備えました。
販売面では、既存ビジネスに加えて、飼料や農薬用途などの新規用途開拓を進めます。また、海外リンゴ酸ビジネスにおいて、引き続き新規取引先の販売を強化して物量を増やし、事業全体で利益が最大化できるよう事業運営を進めます。
海外では、米国の連結子会社PMP Fermentation Products, Inc.において、設備投資(2027年7月操業開始予定)を行っています。今後も拡大が見込まれる米国内のグルコン酸類の需要に応えられるよう、安定した供給体制を構築していきます。中国では日持ち向上剤や水産加工品向け品質改良剤といった製剤の拡販に努め、タイからは需要の高まる周辺国にもビジネスを展開していきます。
今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。
(電子材料事業)
半導体市場はAIやデータセンター向けの旺盛な需要が全体をけん引し、大きく成長しました。また、従来の微細化の進展や高積層化に加えて、先端パッケージ技術など後工程でも高性能化が進み、CMP(化学的機械的平坦化)の用途拡大が進んでいます。このような背景を踏まえ各社の需要に応えることで、2025年度は当初想定以上の超高純度コロイダルシリカの出荷量を達成しています。
拡大する需要や、新たに創出される需要の増加に対応するため、積極的な設備投資を進めています。2024年10月には京都事業所の新設備、また2025年8月には鹿島事業所に追加設備(Ⅱ期)が完成しました。なお、鹿島事業所の既存設備(Ⅰ期)については、既に高水準で稼働しています。さらに、半導体市況は今後も継続的な成長が見込まれることから、2026年3月には京都事業所に追加の設備増強を実施することを決定いたしました。2029年2月に設備の完工を予定しており、現生産能力の2割増となる見通しです。これら設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化してまいります。
研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、低誘電材用途やトナー外添剤用途など、様々な用途に貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。