有価証券報告書-第90期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 15:24
【資料】
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【項目】
156項目
④目標達成にむけた施策
◇社員の自律的成長に向けて、意識・行動・コミュニケーションの面から変革を推進する風土改革
<風土改革>当社グループにおける風土改革の本質は、「個を高め、活かし合う」ことです。一人ひとりがより豊かな人生を歩んでいくために、「個の成長」を考え行動し、会社は社員を支援する環境をつくりサポートしていくことで、「自由闊達な組織風土」の醸成に取り組んでいます。

2020年から2027年にかけて、“連携”と“挑戦”を通期のテーマとし、ビジョンに合わせた年度毎のテーマに沿って、事業会社毎の推進者(変革リーダー)とともに風土改革を推進しています。2023年度は、風土改革の本質の理解、浸透への注力を継続しながら“自発性”をテーマに、社員一人ひとりが自身のキャリアについて向き合う「一人ひとりの意志・想いを大切にする1年」としました。一般社員から経営層までを巻き込み、事業会社毎の施策や経験を互いに共有する中で、年齢、役職関係なく発言しやすい環境になってきた一方、組織風土調査の数値結果に大きな変化はなく、目指す組織ビジョンの実現にはまだ十分ではない現状があります。
組織ビジョンを実現し、選ばれ続ける人と組織となるために、2024年度は「情熱・ワクワク」をテーマに、部長職以上を対象とする経営チームへの研修を設け、各職場での実践や変化を促します。また、「強み・特性」にフォーカスした“期待”を起源とするコミュニケーションの促進を行うことで社員一人ひとりが「やりがい・働きがいを感じながら生きる1年」とできる風土を目指します。
<社員の育成方針>経営基盤強化を加速させる施策の一つに「人財育成の推進・人財の適正配置の実現」を掲げています。当社グループでは「人財」を最も重要な財産の一つと位置づけており、社員一人ひとりの成長が会社の成長に繋がる、つまり社員の市場価値の向上が会社の企業価値の向上に繋がると考え、社員教育を投資と捉えて教育機会の提供を行っています。
■人財育成の推進
具体的な施策を展開するにあたり、「人財育成ポリシー」として以下4つを掲げています。
社員一人ひとりの成長実現に向けた人財育成ポリシー
1.従来の階層別教育中心から、より意欲ある社員に学ぶ機会を提供する公募型教育重視に徐々にシフトしていく
2.シナネンHDグループの必須教育として、基礎力を整備する
3.キャリア支援制度(若手向けのCDP※、社内公募制度など)を構築する
4.経営人財を安定的に生み出すために、人財パイプラインによる育成を強化する
※CDP: Career Development Program

この方針に則り階層別教育に加えて、キャリア支援制度、基礎教育の強化、公募型教育のプログラムを提供しています。
キャリア支援制度については社員の自律的なキャリア形成促進のために、当社グループの風土改革と共通の考え方を持つ「プロティアンキャリア」を導入しました。全社員向けのキャリアセミナーの実施により、プロティアンキャリアの考え方を発信することで、社員自らのキャリア構築意識の醸成を図っています。
また、継続的な学びのためにeラーニング教材を全社員へ展開し、管理職については手上げ式のプロティアンキャリアワークショップを開催することで、マネジメント層のキャリア支援に関する能力向上を図っています。
新卒入社1~3年目を対象とする若手社員向けには、社員の自律的なキャリア形成の礎を築き広い視野を得て前向きに仕事に向き合える環境づくりの一環として、CDP(キャリア開発プログラム)を導入しています。対象社員の上司である育成責任者及び、職場メンバーによるOJT教育と併せて、チームが異なる社員と交流することで、職場全体で若手社員の育成を支援する仕組みとなっています。
CDP概要図

「人財育成方針」に則り、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成のための人財育成体系を整えています。

経営者育成においては、当社グループの次の100年を支える経営人財を生み出すため、グループ横断で経営人財の育成を行っています。経営人財育成のための人財パイプラインを構築し、サクセッションを含む選抜型研修を毎年実施しています。ポテンシャルの高い人財の早期発掘と育成、候補人財の「量」と「質」の確保のため、育成におけるPDCAサイクルを回し、経営人財を生み出し続ける仕組みを構築しています。
■人財の適正配置の実現
適正な配置転換を実施することで、社員は自らの能力や適性にマッチした業務に従事し、自身のアイデンティティ・強みを最大限に生かしながら成果を上げることができ、また、一方では新たなキャリアを見つけるきっかけともなるため、配置転換は単なる社内異動ではなく、社員の成長に直結することであると考えています。その考えのもと、2023年度から社員のキャリア志向をヒアリングする「キャリアビジョンシート」の運用を開始しました。
2022年度までは、「自己申告書」を用いて、上司部下間で異動希望を共有していましたが、目の前の異動希望に留まる内容となっており、キャリア志向についての記述ができない仕様となっていました。キャリアビジョンシートの作成の際には、現在のキャリア、短期的な未来のキャリア、中長期的な未来のキャリアの3段階の視点で振り返り、将来について考えていることを記載できるよう変更しました。新たに取り組みたい業務内容や働く場所について、上司との面談を実施し、グループの人員配置計画に活かしています。

◇多様な人財から選ばれ続ける仕掛け(働き方改革)
当社グループにおける働き方改革は、多様な社員が安心してイキイキと働き続けることができる環境を整えること、すなわちワークライフバランスの実現と、社員の自律的なキャリア形成を促進させる人事施策の実施の2つの軸として取り組みを行っています。
<ワークライフバランスの実現>2023年度は、長時間労働の是正を目的に毎月労働時間のモニタリングを実施しました。社員の時間外労働や業務時間外のPC稼働状況等を一覧化して共有し、労働時間の現状を可視化・管理しています。また有給休暇についてはその取得率向上を目指し、適宜取得状況のモニタリングや促進活動を行うとともに、グループ社員が有給休暇を取得する権利を活用しやすくなるよう積極的な働きかけを行うことで、昨年度57.0%から63.2%へ取得率が向上しました。
<社員の自律的なキャリア形成を促進させる人事施策>人事施策として4つの新制度(ウェルネス休暇制度、ベビーシッター割引券配布制度、治療と治癒後の事情による短時間勤務制度、社内ベンチャー制度)を2024年4月に導入しました。
参考リンク:2024年4月より新たに4つの人事制度を導入
https://sinanengroup.co.jp/news/hd/240416773
ウェルネス休暇制度は、女性社員コミュニティCREADY(クレディ:2022年に開始したグループ横断の社内女性社員コミュニティ)からの提案をきっかけに生まれた制度であり、社員の声を形にして制度化に至りました。本制度は社員本人や家族の健康の維持増進のために利用できる特別休暇であり、生理や不妊治療といった女性特有のニーズに応えるだけでなく、社員の体調不良時の療養や健康診断後の精密検査、介護休暇や子の看護休暇の適用範囲外の家族の体調不良時等、幅広いシーンで利用することができます。このような社員のニーズに沿った制度を作ることで、エンゲージメントの向上が期待できるとともに、本人やその家族のウェルビーングに貢献したいと考えています。その結果、安心して業務に取り組めるようになることで生産性の向上も期待できます。今後も社員の声を大切にしながら一人ひとりの人生を豊かにできる環境を整備し、社員の自律的なキャリア形成に貢献すると共に、ここで成長したいと思える組織を目指します。
◇D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
当社グループにおけるD&Iの位置づけは風土改革の本質であり「個を尊重し、認め合い、強みを生かし合うこと」としています。創業100周年からその次の100年に向けて、新たな価値を創造していくためにはこれまでの価値観にとらわれない柔軟な発想が必要であり、多様な人財が持つ様々な価値観を取り入れていくことが必要だと考えています。多様なバックグラウンドを持つ社員が共に働くことで新しい発想やユニークなアイディアを具現化するチャンスを得ることが期待できることから、グループ横断でのダイバーシティ推進体制を強化し、誰もがイキイキと自分らしく働ける環境づくりに取り組んでいきます。
<女性活躍推進>創業100周年である2027年度を目標に、女性管理職の比率を20%にすることを掲げ、女性活躍の推進に取り組んでいます。2022年度には、グループ横断の女性社員で構成されるコミュニティ(CREADY(クレディ):CREADYとは造語でcreateとladyを組み合わせ、社歴や性別に捉われず好奇心を持ってチャレンジするという想いを込めて参加者が名付けました)を立ち上げ、女性社員自身がキャリアアップや働きやすい環境について意見を交わし、半年間の活動を通じて、キャリア研修の企画や社内留学制度など、成長を重視した施策をまとめ経営層へ提言しました。実際に提言の中にあったウェルネス休暇制度については、提案者の意見を盛り込み2024年4月に制度導入が実現しました。
2023年度はグループ全体での取り組みを加速させるために、現状把握と次年度にむけた取り組みの方向性を定めると共に、教育機会の充実を図りました。現状把握では、事業会社ごとに女性活躍の課題分析を行い、女性管理職パイプラインを構築するために必要なアクションを洗い出しました。また、教育機会として、今後マネジメント職を担う層に対し、選抜型研修への参加を促し意識醸成を図っています。結果として、2024年4月にグループ全体で9名の女性管理職が誕生しました。今後は、グループ企業合同で管理職パイプラインを構築するための施策を実施(リーダー層/管理職のプール人財育成としての「CREADY」の実施)することで、KPI達成を目指していきます。
参考リンク:コーポレートサイト ダイバーシティ&インクルージョン
https://sinanengroup.co.jp/sustainability/social/employee/di.html
<障がい者雇用>障がいのある社員を採用することだけがゴールではなく、真にやりがいをもって就労継続していただけるよう、障がいを個性と捉え、その方の得意分野ややりたいことに着目し、障がいの有無に関わらず個の価値を高めていける新たな障がい者雇用モデルの確立を目指しています。そのために、志を一つに業種・業態を超えて大手企業20数社が集まる一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)」に加盟し、他社担当者と交流する場を通じて情報交換や勉強会、ディスカッションを積極的に行っています。
2023年度は障がい者採用に注力するとともに、定着率向上や知識共有を目指して新たに障がい者コミュニティを立ち上げました。障がいのある社員が中心となり、当事者同士のつながりを深めた、健常者である社員も交えて今後の障がい者雇用関連施策についてディスカッションを行っています。こうした取り組みを社内に対しても広報することで、社内では障がいのある社員の存在がクローズアップされ始め、障がい特性や、働き方などについての理解促進につなげています。
今後は社内での啓蒙活動をさらに加速させるとともにコミュニティ活動をより充実させ、障がいを持つ社員の採用を進め、強みを生かして活躍できる環境づくりにより注力していきます。
◇健康経営
当社グループは、社員の健康を重要な経営課題と考え、活力あふれる企業風土の醸成に努めています。
2020年2月にシナネンホールディングスグループ健康宣言を行い、健康経営への取り組みを開始いたしました。当時、健康管理室は診療所としての機能を主とし、人事戦略としての健康管理という概念はなく、産業保健体制の構築を目的に2022年8月、常勤保健師2名を雇用、2023年度から開始した第三次中期経営計画の非財務目標では「社員の市場価値向上」のひとつに健康経営の推進を掲げました。また、当社グループの健康診断結果から課題分析および目標設定を行い、社員の健康管理を強化した結果、経済産業省が主催する健康経営優良法人に2023年・2024年の二期連続で認定されました。今後も社員の健康保持・増進の取り組みを通して、パフォーマンスの向上並びにグループ全体の業績・企業価値の向上を目指します。

当社グループでは65歳を定年としていますが、2023年度から70歳までの再雇用制度を導入しました。
また、平均年齢の上昇および高年齢労働者の割合の増加に従い、健康診断結果有所見者数や疾患を抱えながら働く社員数の増加が課題となっています。これを受けて、2023年4月より、がん・脳卒中・心臓病・難病などを発症した社員を支援するため、治療と仕事の両立支援制度を導入し、併せて「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を作成・展開しています。この施策は社員の健康保持・増進のみならず、継続的な人財の確保やモチベーションの向上、さらには多様性の高まりによる組織や事業の活性化等への寄与を図っています。
参考リンク:健康経営
https://sinanengroup.co.jp/sustainability/social/employee/health/

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