有価証券報告書-第91期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 16:31
【資料】
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【項目】
156項目
③具体的な取り組み・施策
イ. 風土改革:社員の自律的成長に向けた意識・行動・コミュニケーションの変革
「個を高め、活かし合う」ことを風土改革の本質とし、「選ばれ続ける人と組織」の実現を目的に取り組んでまいりました。初期の3年間(2020~2022年度)は「風通しの良い環境づくり」、続く2年間(2023~2024年度)は「個の成長」に注力しました。
2024年度は「共感できる方針」をテーマに、事業会社ごとに経営層から管理職層までの縦のつながりを強化し、経営と風土改革推進者との接続も深めました。研修や現場訪問を通じて、グループがONEチームとして機能し、グループミッションに基づいて働くことの重要性を繰り返し伝えました。
2025年度は、「個の成長」からさらに踏み込み、「活かし合う組織づくり」を本格的に推進する年と位置づけています。これまでの改革により意識の変化は見え始めているものの、日常業務における具体的な行動変容には依然として課題が残っています。
今後の成長戦略である「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」を実現するためには、仕組みの再整備とともに、従来の延長線上ではない、一人ひとりの行動を本質的に変える“本気の取り組み”が不可欠です。
まずは現場のリーダーが自ら本気で考え、行動すること。そして、従業員一人ひとりが「自分は何をすればお客様の期待を超える価値を届けられるか?」を常に問いながら行動し続けることが、組織全体に当事者意識と“やりきる力”を浸透させる鍵となります。
風土改革は単なる意識醸成ではなく、当社の未来をつくる成長戦略そのものです。私たちは“人”の力を信じ、「個の成長」を「組織の成長」へとつなげ、「個を高め、活かし合う組織」を本気でつくり上げることで、地域のエネルギー会社から地域に根差したサービス会社へと進化し、次の100年に向けた価値創造に挑戦し続けます。
ロ.人財育成の推進
<社員の育成方針>「人財」は当社にとって最も重要な資産の一つであり、社員一人ひとりの成長が会社の成長に直結すると考えています。この考えに基づき、社員教育を「投資」と位置づけ、教育機会を提供しています。中期経営計画における非財務目標として、社員一人あたりの教育訓練時間を2022年度の16.4時間から2027年度には25時間へと拡大する目標を掲げています。
<社員一人ひとりの成長実現に向けた人財育成ポリシー>以下の4つを「人財育成ポリシー」として掲げ、具体的な施策を展開しています
1. 従来の階層別教育中心から、意欲ある社員に学ぶ機会を提供する公募型教育を重視し、徐々にシフトしていく
2. シナネンHDグループ共通の必須教育として、基礎力を整備する
3. キャリア支援制度(若手向けCDP※、社内公募制度など)を構築する
4. 経営人財を安定的に創出するため、選抜型による育成を強化する
<教育体系>
教育体系図に基づき、階層別教育に加え、キャリア支援制度、基礎教育、公募型教育、選抜型研修を実施しています。
公募型教育では、成長意欲の高い社員の個別課題解決に資する多様な研修を展開しました。2024年度の公募型教育の総訓練時間は1,152時間となり、前年の855時間を上回りました。これは、社員の市場価値向上への意欲の高まりを示す成果です。
一方、2024年度の教育訓練時間の実績は、一人あたり16.1時間となり、前年(2023年度)の16.4時間からわずかに減少いたしました。
この主な要因といたしましては、より効果的かつ実践的な学びの提供を重視するために、階層別教育研修内容の見直しを行い、対象者数及び研修日数が減少したこと、ならびに基礎教育として実施していた全社員向けE-ラーニングの実施回数が減少したことにあります。
今後も、教育訓練の質的な充実に加え、より一層社員の成長に資する量的な拡充にも取り組んでまいります。
キャリア支援制度では、社員の志向や希望を把握し適正配置に活かす「キャリア面談」を2023年度から導入しています。評価面談と実施時期を分け、「キャリアビジョンシート」に希望する働き方や上司からのフィードバック欄を追加しました。
また、2024年度には脱炭素分野の事業推進の一環として、環境省への出向社員を社内公募により選出しました。自ら手を挙げる機会を通じて、新たなキャリアの可能性を広げています。
若手社員向けには、CDP(キャリア開発プログラム)を2023年度から導入しています。OJTに加え、異なるチームの社員がメンターとして関わることで、職場内外での育成を支援しています。2024年度は、CDPの理解と運用促進を目的に、対象者向けに研修を年2回実施しました。
CDP概要図

経営者育成については、当社グループの将来を担う経営人財の創出を目的として、グループ横断的に育成を行っています。経営人財育成のために「人財パイプライン」を構築し、3階層にわたる選抜型研修を実施しています。
ポテンシャルの高い人財の早期発掘・育成と、候補人財の「量」と「質」の確保を目的に、PDCAサイクルを取り入れた育成体制を確立し、継続的な経営人財の輩出を図っています。
「人財育成方針」に則り、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成のための人財育成体系を整えています。
上記の人財育成方針に基づき、社員の市場価値の向上を目指して、多様な社員の自律的な成長を支援する仕組みの整備を、今後も継続的に進めてまいります。
ハ.多様な人財から選ばれ続ける仕組みづくり
当社グループは、多様な社員が安心していきいきと働き続けられる環境の整備、すなわちワークライフバランスの実現と社員の自律的なキャリア形成を促進する人事施策に取り組んでいます。
<ワークライフバランスの実現>2024年度には、長時間労働の是正を目的として勤怠システムの見直しを実施しました。労働時間の可視化が進んだ結果、グループ会社では、2024年4月時点で月平均残業時間が20時間39分だったものが、2025年2月には16時間9分まで削減されました。
また、各グループ会社の実態に応じた労務課題の把握と迅速な対応を図るため、人事担当者や管理監督者向けにマニュアルを提供し、安全衛生意識の強化およびホールディングスからのサポート体制の強化を進めました。
<社員の自律的なキャリア形成の促進>当社グループの社員の平均年齢は43.2歳であり、介護や育児といったライフイベントに直面する社員が多く在籍しています。これらの社員が離職を選択することなくキャリアを継続できるよう、育児・介護それぞれに対応した両立支援制度、育休制度、介護保険制度、社内相談窓口などをまとめたハンドブックを作成し、社内に公開しました。
また、女性活躍推進法および次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の見直しを行い、社内外に公開しました。今後も継続的な評価と改善を通じて、多様な人財が定着し、個々の強みを活かし合える組織づくりを目指します。
ニ. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
当社グループにおけるD&Iの位置づけは、風土改革の本質であり、「個を尊重し、認め合い、強みを活かし合うこと」と定義しています。創業100周年を超え、次の100年に向けて新たな価値を創造していくためには、従来の価値観にとらわれない柔軟な発想と、多様な人財が持つ多様な価値観の受容が不可欠です。
<女性活躍推進>当社グループでは、2027年度までに女性管理職比率を20%に引き上げることを目標に、女性活躍推進に取り組んでいます。今後はエネルギー分野にとどまらず、地域すべてのお客様に、ワンストップで課題を解決するサービス企業を目指しています。その中で女性ならではの発想や地域とのつながりは、グループの成長に欠かせない重要な要素と考えています。
2024年度の取り組みとしては、2022年度に発足した女性コミュニティ「CREADY(クレディ)」を継続し、「自分らしく影響力を発揮できる人財の育成」を目的に、「キャリアワークショップ」の実施と女性同士のネットワーク強化に取り組みました。ワークショップには、事業会社や年代を超えて32名が参加しました。
キャリアワークショップでは、外部ファシリテーターを招き、全6回・5か月間にわたり、自己内省やワーク・ライフ両面からのビジョンの可視化、社員によるパネルディスカッションなどを通じて、自分軸の言語化を行いました。
ネットワーク強化の取り組みとしては、毎月1回オンラインでコミュニティ活動を実施しました。社員同士のつながりを深めるとともに、会社や年代を超えた対話の場を提供することで、多様な価値観やキャリア観に触れる貴重な機会となりました。
<障がい者雇用>当社は、新たな障がい者雇用モデルの確立を目指し、志を同じくする大手企業20数社が参加する一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)」に加盟しています。
また、障がい当事者と支援者を中心とした社内コミュニティを通じて、社内報などによる理解促進・啓発活動を行っており、多くの社員から支持を得ています。こうした活動が評価され、2024年のACEアワードでは、障がいのある当社従業員が「ポジティブチャレンジ賞」を受賞しました。
今後も、障がいの有無にかかわらず、個々の強みを活かし、安心して能力を発揮できる環境の整備と雇用の推進に努めてまいります。
ホ.健康経営
当社グループは、社員の健康を重要な経営課題と位置づけ、活力あふれる企業風土の醸成に努めています。
2020年2月には「シナネンホールディングスグループ健康宣言」を発表し、健康経営への取り組みを本格的に開始しました。2023年度からスタートした第三次中期経営計画においては、非財務目標の一つとして「社員の市場価値向上」を掲げ、その中に健康経営の推進を位置づけています。
当社グループでは、健康診断結果に基づく課題分析と目標設定を行い、社員の健康管理を強化しました。その結果、経済産業省が主催する「健康経営優良法人」に、2023年、2024年に続き、2025年も認定されました。

今後も、社員の健康保持・増進に向けた取り組みを通じて、社員のパフォーマンス向上、さらにはグループ全体の業績および企業価値の向上を目指してまいります。
また、当社グループでは2023年度より、65歳定年後の70歳までの再雇用制度を導入しました。平均年齢の上昇や高年齢労働者の割合増加に伴い、健康診断で有所見となる社員や、疾患を抱えながら働く社員の増加が課題となっています。
これを受けて、2023年4月より、がん・脳卒中・心臓病・難病などを発症した社員を支援するため、「治療と仕事の両立支援制度」を導入し、併せて「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を作成・展開しました。
この施策は、社員の健康保持・増進にとどまらず、継続的な人財の確保、モチベーションの向上、さらには多様性の促進による組織や事業の活性化にも寄与することを目的としています。
参考リンク:健康経営
https://sinanengroup.co.jp/sustainability/social/employee/health/

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