有価証券報告書-第20期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/28 11:02
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(業績等の概要)
期初1バレルあたり61ドル台で始まったドバイ原油価格は、欧米での新型コロナワクチン接種の進展に伴う景気回復期待等から上昇基調となり、その後、大型ハリケーンの米国メキシコ湾岸石油生産施設への接近や一部の産油国からの供給障害による需給の引き締まりなどを背景に、10月下旬には84ドル台に達しました。11月下旬には新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大によるリスク回避の動きから調整色を強める局面がありましたが、米国を中心とした景気回復の持続力の強さとエネルギー需要の底堅さに支えられるとともに、1月以降はウクライナ情勢が緊迫化するなど地政学リスクが意識され更に上昇を続けました。2月末にはロシア軍がウクライナに侵攻し、欧米各国がロシアへの経済制裁に踏み切ったことで同国産原油の供給への影響が懸念され、3月に一時127ドルまで上昇しました。この結果、期中平均では前期を33ドル上回る約78ドルとなりました。
一方、期初1ドル110円台後半で始まった外国為替相場は、米国金利の上昇一服等を理由に一時107円台半ばまで円高が進んだものの、その後は、米国連邦公開市場委員会(FOMC)において早期の利上げが意識されたことから111円台後半まで円安が進みました。11月に入ると、米国におけるインフレへの警戒が強まりFRBが量的緩和の縮小に着手したことなどを背景に、115円台半ばまで円安が進みました。その後1月にはウクライナ情勢の緊迫化を受けドル円は拮抗する状態となりましたが、3月にはFRBが利上げに踏み切ったことと対照的な日銀の金融緩和を維持する姿勢による日米の金利差拡大の見込みからドル買い・円売りが進み、一時125円台まで円安が進みました。この結果、期中平均は前期より約6円の円安となる約112円となりました。
石油製品の国内需要につきましては、ガソリンは外出自粛等により減少した前期からの反動による増加要因はあったものの、ガソリン乗用車保有台数の減少や低燃費化の進展等により前期比97.8%となりました。ジェット燃料は旅客貨物輸送需要の回復等により前期比121.2%、軽油は貨物輸送を中心とした底堅い需要等により前期比100.2%となりました。一方で灯油は、強い寒波による堅調な需要があった前期からの反動等から前期比93.2%となりました。この結果、燃料油総量としては前期比101.0%の需要となりました。
このような事業環境のもと、当期の連結業績につきましては、売上高は大規模定期修理等の影響により販売数量が減少したものの、原油価格の上昇を受け販売価格が上昇したことなどにより、前期を1,406億円上回る4,853億円となりました。
損益につきましては、第4四半期中の原油価格の急騰により、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)が187億円の原価押し下げ要因(前期は87億円の原価押し下げ要因)となったことに加え、国内石油製品市況の急激な上昇により製品マージンが改善したことなどにより、営業損益は前期と比較して84億円増益となる155億円の利益となりました。経常損益は前期と比較して77億円増益となる160億円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、前期と比較して86億円増益となる152億円の利益となりました。
なお、原油価格の高騰を受けて実施された政府による燃料油価格激変緩和措置により、当期の製品販売の一部について7億円の値引き(売上高の減少)を実施している一方で、当該値引相当額が補助金(営業外収益に計上)として支給されております。このため、当該値引額7億円が売上高の減少によって営業損益には減益に影響するものの、同額が営業外収益に計上されていることから経常損益及び親会社株主に帰属する当期純損益には影響ありません。
また、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益については、営業損失相当額は32億円(前期比16億円減益)、経常損失相当額は27億円(前期比22億円減益)となりました。
なお、当社グループは、石油精製/販売事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、セグメント別の記載を省略しています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりです。
セグメントの名称生産数量(千KL)前期比(%)
石油精製/販売事業6,560△6.0
合計6,560△6.0

(2) 受注状況
当連結会計年度は、受注生産を行っていません。
(3) 販売実績
当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
石油精製/販売事業485,302+40.8
合計485,302+40.8

(注) 1 上記の金額には、揮発油税及び地方道路税を含めています。
2 最近連結会計年度の主要相手先別販売実績は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
出光興産㈱230,19066.8307,05363.3
ENEOS㈱45,40313.262,51912.9

(財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当期の財政状態及びキャッシュ・フローの分析は下記のとおりですが、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際に生じる結果とは大きく変わる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
なお、決算日における資産及び負債の貸借対照表上の金額及び当連結会計年度における収益及び費用の損益計算書上の金額の算定には、将来に関する判断、また見積りを行う必要があり、過去の実績等を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
特に、棚卸資産の評価及び固定資産の減損については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況」(重要な会計上の見積り)に注記しております。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ914億円増加の2,249億円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加495億円、棚卸資産の増加372億円、未収入金の増加97億円、現金及び預金の減少37億円であります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比べ83億円増加の1,278億円となりました。主な要因は、機械装置及び運搬具の増加65億円、投資有価証券の増加25億円、建設仮勘定の減少9億円であります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ898億円増加の2,471億円となりました。買掛金の増加451億円、短期借入金の増加379億円、未払金の増加115億円であります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比べ64億円減少の411億円となりました。主な要因は、修繕引当金の減少62億円であります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ163億円増加の645億円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加144億円、為替換算調整勘定の増加22億円であります。
2021年3月期2022年3月期備考
自己資本比率
(自己資本/総資産)
19.0%18.2%0.8ポイント悪化
ネット・デット・エクイティ・レシオ
((有利子負債-現預金)/純資産)
1.98倍2.18倍0.20ポイント悪化
純資産481億円645億円163億円増加
長期借入金残高364億円400億円36億円増加

当期は大規模定期修繕を実施したのにも関わらず、製品市況の改善により、一定の利益を計上し、純資産は増加
しております。又、原油価格上昇に伴う売掛金及び棚卸資産増加及び大規模定修年による固定資産の増加等により
総資産も増加しました。一方、原油価格の上昇や円安等により短期借入金及び長期借入金が増加しました。
結果、関連する自己資本比率、ネット・デット・エクイティ・レシオ等の財務指標が悪化しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
区 分前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー22,762百万円△31,999百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△4,056百万円△12,546百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー△16,712百万円39,940百万円
現金及び現金同等物に係る換算差額△131百万円182百万円
現金及び現金同等物の増加額又は減少額(△)1,861百万円△4,423百万円
現金及び現金同等物の期首残高10,474百万円12,336百万円
現金及び現金同等物の期末残高12,336百万円7,912百万円

当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比して44億円減少し、79億円となりました。
営業活動の結果、前期においては、売上債権の減少111億円、仕入債務の増加82億円等による収入が、棚卸資産の増加123億円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは227億円の収入となりました。
一方、当期においては、売上債権の増加495億円、棚卸資産の増加372億円等による支出が、仕入債務の増加451億円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは319億円の支出となりました。
投資活動の結果、前期においては、主に製油所施設等に係る有形固定資産の取得35億円等により、キャッシュ・フローは40億円の支出となりました。なお、これらの投資資金は借入金及び自己資金等により賄いました。
一方、当期においても、主に製油所施設等に係る有形固定資産の取得126億円等により、キャッシュ・フローは125億円の支出となりました。なお、これらの投資資金は借入金及び自己資金等により賄いました。
財務活動の結果、前期においては、返済が進んだことによる長期借入金の純減少66億円及び短期借入金の純減少97億円等による支出により、キャッシュ・フローは167億円の支出となりました。
一方、当期においては、短期借入金の純増加378億円等による収入により、キャッシュ・フローは399億円の収入となりました。
なお、当社の2021年度から2024年度の4年間の資金計画に対する進捗状況は、(5)目標とする経営指標等の進捗状況において記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性に関連して、当社グループの資金需要の主なものは、当社における重要な経営課題のひとつである袖ケ浦製油所の稼働信頼性の維持・強化を目的とした同製油所における機器等の更新工事や安全対策に係る設備投資等であります。また、これらに充当する資金については、収益状況等に留意しつつ、金融機関からの借入金及び自己資金等で賄っていく予定としています。
(4)財務指標
キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
2020年3月期2021年3月期2022年3月期
自己資本比率
(自己資本/総資産)
16.8%19.0%18.2%
時価ベースの自己資本比率
(株式時価総額/総資産)
5.9%7.0%5.8%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)
25.8年4.9年-
インタレスト・カバレッジ・レシオ
(営業キャッシュ・フロー/利息支払額)
1.9倍16.5倍-

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象と
しています。

(5)目標とする経営指標等の進捗状況
第三次中期事業計画(2021年5月策定)において目標として掲げた2024年度の経営指標に対する2021年度の実績は以下のとおりです。
①利益計画(連結:2024年度)
項 目2021年度実績2024年度計画
営業利益
(除在庫影響)
162億円※
(▲25億円)
100億円
(100億円)
経常利益
(除在庫影響)
160億円
(▲27億円)
85億円
(85億円)
当期純利益152億円75億円

※2021年度の営業利益は、燃料油価格激変緩和補助金相当分7億円(営業外収益)を加算補正
②財務目標(連結:2024年度)
項 目2021年度実績2024年度計画
ROE27%10%以上
ネットD/Eレシオ2.2倍1.5倍以下※

※原油価格の変動に伴う短期運転資金の増減影響修正後
③資金計画(連結:2021年度から2024年度累計)
項 目2021年度実績2021~2024年度
計画(累計)
実績進捗率(%)
キャッシュ・イン222億円480億円46%
税引後純利益152億円172億円88%
減価償却費70億円308億円23%
キャッシュ・アウト(設備投資)123億円230億円54%
フリー・キャッシュ・フロー99億円250億円40%

利益目標及び財務目標(連結)として、2024年度の営業利益100億円、経常利益85億円、当期純利益75億円、ROE 10%以上、ネットD/Eレシオ1.5倍以下を掲げております。
これに対し、2021年度につきましては期中における原油価格の急騰に伴う在庫影響の拡大等により152億円の連結純利益を計上した一方で、在庫影響を除いた実質ベースの損益については、袖ケ浦製油所の大規模定期修理の実施による販売数量の減少等により、営業損失相当額は32億円、経常損失相当額は27億円となりました。
このような状況を踏まえ、当社といたしましては、製油所装置の安定稼働による販売機会の最大化やコスト削減の更なる徹底等により、収益性の向上に引き続き努めるとともに、原油価格動向等の事業環境の変化も踏まえつつ、財務体質の改善にも取り組むことで、中期事業計画で掲げる利益目標及び財務目標の達成を目指してまいります。

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