有価証券報告書-第109期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/25 15:09
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177項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、2030 年ビジョン「責任ある変革者」に加え、2050年カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けて、2022年11月に2050年ビジョン「変革をカタチに」を策定しました。2050 年は、世界的なカーボンニュートラルの潮流が加速していく中、エネルギーシステムや社会構造が大きく変化している可能性が高いと考えます。その過程においては、非連続的な技術革新など多くの課題が発生するとともに、新たな技術を社会に受け入れられる形にして届ける担い手が求められます。
当社は、このような社会課題や環境変化に対し、エネルギーの安定供給で培ってきた知見や、地域社会との信頼関係をベースにしながら、社会実装を推進していくことで「人びとの暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていきます。
当社は、今後とも経営の透明性を向上し、健全で持続的な成長を図ることにより、お客様をはじめ、株主、ビジネスパートナー、地域社会、社員等のステークホルダーとの良好な関係を構築していくことを重視していきます。
コーポレートガバナンス・コードは、株主との対話を通じて会社の持続的成長と中長期的な企業価値を向上させようというものです。当社は、「広く社会で期待され信頼される企業」を目指しており、コーポレートガバナンス・コードを基本的に遵守すべきものと考えています。
多様な知見やバックグラウンドを持つ独立社外取締役、独立社外監査役と当社の経営の実態や経営をめぐる環境を率直に議論し、闊達な意見を真摯に取り入れ、これからも透明かつ公正な経営を目指します。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
ア コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図
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イ 企業統治の体制を採用する理由
当社は、法改正等を通じて強化された監査役により十分な監査機能が発揮されることに鑑み、監査役制度を採用し、事業に精通した取締役を中心に取締役会を構成しています。更に、社内出身者とは異なる客観的視点を経営に反映させるため、2014年6月26日開催の第99回定時株主総会以降、独立社外取締役を選任しています。
③企業統治に関するその他の事項
ア 業務執行・経営の監視の仕組み
当社は、業務執行の効率化のため、執行役員を設置しています。執行役員は取締役会又は社長により選任され、関係取締役と連携して業務を執行しています。取締役会は、原則として月に1回開催(当事業年度、15回開催)し、法令、定款及び「取締役会規程」に基づき、重要事項の決定及び業務執行の監督にあたっています。取締役会には社内外の諮問委員からなる諮問委員会を設置し、取締役会の機能強化に努めています。経営の監視の仕組みとしては、取締役会による監督、監査役監査、会計監査のほか、専属スタッフからなる各執行部門から独立した社長直轄の「内部監査室」を設置し、「内部監査規程」に基づく内部監査及び「財務報告に係る内部統制評価規程」に基づく内部統制評価を行っています。
イ 取締役会の活動状況
(ア)取締役会の概況
2023年度は、2023~2025年度を対象とした中期経営計画期間中において、取締役会及び社外役員ミーティングで討議する事業構造改革、人的資本投資、ビジネスプラットフォーム・ガバナンスの進化及び企業価値向上に資する経営課題を計画的に議論してきました。
取締役会での主な審議事項の一覧
経営・事業戦略ガバナンスIR・株主総会・株主還元
・基礎化学品事業の事業戦略
・ニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)の収益貢献化
・水素、アンモニア及び合成燃料に関する戦略
・リチウム電池材料の取組みの進捗と事業拡大に向けた戦略
・製油所・事業所体制見直し・CNXセンター化
・投資振返りと今後の事業構造改革
・R&D体制の再構築
・全社調達戦略
・内部統制の基本方針(品質保証における不備・不適切行為防止の取組みを海外関係会社に拡大)
・取締役会及び社外役員ミーティングにおいて討議する重点テーマの選定
・コーポレートガバナンス基本方針の改定
・取締役等に対する業績連動型株式報酬等の内容の改定
・取締役会の更なる実効性向上に向けての今後の対応
・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(市場評価等に関する現状分析、計画策定[ROE目標の上方修正と達成に向けた具体策、株主還元方針の見直し等])
・株主還元方針に沿った自己株式の追加取得
・政策保有上場株式の対応方針
・株主・投資家層の更なる拡大策(株式分割、抽選優待、株主とのコミュニケーションプラットフォーム構築・運用(いでみつコネクト)等)
・決算公表後の市場の反応
・定時株主総会の振返りと次年度に向けた取り組み

※上記は審議事項の一部です。上記以外に法令や定款で定められた事項について審議し、必要な決議を行っています。
社外役員ミーティング
取締役会での議論の一層の充実を図るため、独立社外取締役と独立社外監査役のみで構成される社外役員ミーティングを年4回実施し、以下の内容等について情報交換及び認識共有しました。
・内部監査室の取り組み(2022年度レビュー・2023年度取組み)
・内部統制の取り組み(2022年度レビュー・2023年度基本方針)
・原油・燃料油製品の需給マーケット動向
・基礎化学品の需給マーケット動向
・中期経営計画実現に向けた人財戦略について
・海外燃料油事業について
役員トレーニング
昨年に引き続き、経済安全保障をテーマに外部講師を招聘して役員トレーニングを実施しました。
(イ)取締役会の開催頻度並びに取締役及び監査役の出席状況
当事業年度において、当社は取締役会を15回開催しており、各取締役及び監査役の取締役会への出席状況は以下のとおりです。
役職名氏名出席状況
代表取締役社長
社長執行役員
木藤 俊一15回/15回
代表取締役副社長
副社長執行役員
丹生谷 晋15回/15回
代表取締役副社長
副社長執行役員
平野 敦彦15回/15回
代表取締役副社長
副社長執行役員
酒井 則明15回/15回
取締役
常務執行役員
澤 正彦15回/15回
取締役(非常勤)出光 正和15回/15回
取締役(非常勤)久保原 和也15回/15回
社外取締役橘川 武郎15回/15回
社外取締役小柴 満信4回/4回
社外取締役野田 由美子15回/15回
社外取締役荷堂 真紀14回/15回
社外取締役鈴木 純11回/11回
監査役吉岡 勉15回/15回
監査役児玉 秀文15回/15回
社外監査役伊藤 大義15回/15回
社外監査役市毛 由美子15回/15回

(注)1.小柴満信氏は、2023年6月22日開催の第108回定時株主総会終結の時をもって退任するまでの出席回数を記載しています。
2.鈴木純氏は、就任した日以後の出席回数を記載しています。
(ウ)取締役会の実効性評価
(方針)
当社は、年に1回以上、取締役及び監査役全員で取締役会全体の実効性を評価し、その結果の概要を開示します。
(方法)
当社取締役会の実効性向上の取組みの一環として、2015年度から、全取締役及び監査役に対するアンケートを実施しています。当社取締役会は、その実効性を高めるため、評価プロセス等を毎年見直し、改良に努めています。項目の設計及び回答分析は、外部専門機関の助言を得て行いました。また、2023年度はアンケートに加え、当社としては初めて全社外役員に対して当社の経営状況に精通した顧問弁護士による個別インタビューを実施しました。これにより、アンケートだけでは見出せなかった役員の問題認識を汲み取ることができ、取締役会の更なる実効性向上に向けた課題抽出及び取組みについて十分議論することができました。以下その内容について記載します。
(スケジュール)
実効性評価は、以下のスケジュールで実施しました。
2023年12月 取締役会にて、アンケートの評価方法及び個別インタビューの導入について議論
2024年1月 取締役及び監査役全員にアンケート実施(匿名)
2月 外部専門機関によるアンケート結果の分析を踏まえ、顧問弁護士により社外役員に個別インタビュー実施(匿名)
3月 顧問弁護士による個別インタビュー結果の報告
4月 取締役会にて、アンケート及び個別インタビューの結果報告並びに結果に関する議論
5月 取締役会にて、アンケート及び個別インタビューを通じて認識した課題への対応策を議論

(アンケート項目)
アンケート設問の大項目は以下のとおりです。
設問ごとに5段階で評価する方式とし、自由記述欄を設けています。
・取締役会の構成
・意思決定の視点
・取締役会での議論
・取締役会の運営
・役員トレーニング
・指名・報酬
・株主・投資家への対応
・取締役会全般の実効性
(前回抽出課題への取組み)
2022年度抽出された課題を踏まえ、2023年度は以下の取組みを実施しました。
① 事業戦略及び人財戦略
中期経営計画期間中(2023年度~2025年度)に取締役会及び社外役員ミーティング等において議論すべき重点テーマを選定しました。2023年度は、そのうち以下のテーマについて議論してきました。
ア.個別事業戦略(潤滑油、電力、石炭、リチウム等)
イ.製油所、事業所体制見直し、CNXセンター化
ウ.SAF、ブルーアンモニア、e-メタノール
エ.PBR向上策
オ.個人投資家向け施策
カ.人財戦略
ア~ウの各事業戦略の中では特に、カーボンニュートラルに資する新規事業16プロジェクトのスクリーニングについて重点的に討議し、ブルーアモンモニア、e-メタノール、SAF、リチウム固体電解質の4プロジェクトに優先して取り組むことになりました。一方でエ.PBR向上策、オ.個人投資家向け施策やカ.人財戦略まで幅広く討議しました。
② 株主・投資家対応
取締役会では、市場の関心事項・要望も踏まえ、四半期毎の決算開示のタイミングに合わせ、より透明性の高い、タイムリーな情報開示に努めてきました。その結果、2023年度「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」において、エネルギー部門(対象企業数22社)で第1位の優良企業に選出されました。また、社長ライブ説明会の開催、社外役員参加のESGトップセミナーの実施等、株主・投資家とのコミュニケーションをより一層充実させてきました。
(2023年度実効性評価の結果)
こうした取組みを通じ、2023年度の実効性評価を実施した結果、総じて取締役会は実効性が確保されていると判断しました。
一方、アンケート及び個別インタビューを通じ、更なる実効性向上に向けて抽出された課題と取組みについては、以下に記載します。
(今後の課題と取組み)
抽出された課題は、以下のとおりです。
① 今後議論を深める課題として、多様な省資源・資源循環ソリューション、スマートよろずや、DX戦略、全社的リスクマネジメント(ERM)、プロキュアメント戦略等。
② CNX関連については、環境変化のスピードに対応。
③ 様々なバックグラウンドを持つ社外役員の知見を活かした議論の進め方。
④ 上程議案の戦略的位置づけの明確化。
⑤ CEOや経営層の選定プロセス・育成方針の考え方。
⑥ 社外役員ミーティングの議案と取締役会との連動強化。
これらの課題に対し、議論した結果、「経営課題・戦略議論等に関する討議の更なる充実」を課題として定め、以下の取組みを実施していきます。
① 継続的に事業構造改革、人財戦略、PBR向上策等について議論を深めるとともに、2024度は特に、事業基盤を支える全社課題として、DX戦略、ERM、プロキュアメント戦略についても重点的に議論します。
② ①で選定した重点テーマについて、年間のロードマップを策定の上、計画的に取締役会及び社外役員ミーティング等で議論します。
引き続き、取締役会における将来の意思決定の質の向上に一層努め、更なる企業価値向上につながる取締役会を目指していきます。
ウ 各委員会の概要
(ア)指名・報酬諮問委員会
当社は、指名・報酬に関わる機能の透明性・客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会を設置しています。指名・報酬諮問委員会は、取締役会の諮問に応じて、取締役・監査役の選解任に関する株主総会議案、役付執行役員の選解任並びにそれらの役位等に関する事項について答申します。また、取締役会の諮問に応じて、取締役の報酬に関する事項について答申します。
2023年度は計7回の指名・報酬諮問委員会を開催しました。出席状況及び主な審議・答申内容は下記のとおりです。
指名・報酬諮問委員会の構成及び出席状況
地位氏名出席状況
委員長社外取締役小柴 満信2回/2回
委員長社外取締役鈴木 純5回/5回
社外取締役橘川 武郎7回/7回
社外取締役野田 由美子5回/7回
社外取締役荷堂 真紀6回/7回

(注)1.小柴満信氏は、2023年6月22日開催の第108回定時株主総会終結の時をもって退任するまでの出席回数を記載しています。
2.鈴木純氏は、就任した日以後の出席回数を記載しています。
主な審議・答申内容
指名報酬
・取締役、監査役候補及び役付執行役員の選任案
・顧問の選任案
・CG基本方針改定
・スキル・キャリアマトリックスの開示案
・役付執行役員規程の改定案
・24年度役員体制
・2022年度 取締役評価・報酬案
・取締役等の個人別報酬等の内容に係る決定方針の変更
・株式報酬向け信託金追加拠出
・2023年度 業績連動の目標値設定、取締役の行動目標
・株式交付規程の改定
・役員報酬制度の改定(社外取締役報酬水準)

(イ)安全保安諮問委員会
取締役会の諮問機関として、製油所・事業所等の大規模災害防止のため、保安の強化課題に対する諮問機関として設置しているものです。特に、昨今の激甚化する自然災害に対する安全保安の確保及び安定供給の重要性が高まりつつあります。そこで、最新の知見や情報に基づきテーマや課題を選択し、都度、有識者から提言がいただけるよう安全環境本部内に担当ワーキンググループを設け、進めています。
(ウ)アドバイザリーボード
経営諮問委員会に代わり2021年4月に設置しました。メンバーは社外取締役を含む社外有識者で構成し、社長の諮問機関とすることで、経営課題に対し社外取締役などからの提言機会を得ています。
(エ)財務報告に係る内部統制評価委員会
財務報告に係る内部統制に関する有効性の評価において、最終責任者である社長への答申を行うため、「財務報告に係る内部統制評価委員会」を設置しています。年度整備・運用方針及び評価計画に関する事項、評価範囲の決定に関する事項等に関する審議・検討を原則として年2回(2023年度は3回)実施しています。
(オ)経営委員会及び各委員会
当社は、グループ全体及び各執行部門の経営戦略及び経営課題の協議・検討の場として「経営委員会」と「リスク経営委員会」を設置しています。「経営委員会」はグループ経営に関わる戦略を立案・検討するとともに、重要な業務執行の意思決定を円滑かつ適正に行うための審議機関であり、また「リスク経営委員会」はグループ経営に関わるリスクマネジメント方針の決定とモニタリングを行うための機関です。
「経営委員会」及び「リスク経営委員会」の委員長は社長が当たるものとし、その委員については、専門分野や管掌領域の多様性を重視した構成とすることで、部門横断的な課題やリスクについて、網羅的、かつ実効性のある議論を行う体制としています。
「経営委員会」及び「リスク経営委員会」の下部には、業務執行、及びリスクマネジメントの課題を、より実務的、かつ専門的な見地で審議を行うことを目的に、「リスク・コンプライアンス委員会」、「情報開示委員会」、「投融資委員会」、「デリバティブ委員会」、「プロキュアメント委員会」、「与信委員会」、「研究開発委員会」を設置しています。各委員会の概要は以下のとおりです。
委員会名委員長・委員開催役 割
経営委員会委員長:社長
委 員:委員長が人事委員会の審議を経た上で任命する委員
原則として
3回/月
グループ全体並びに各執行部門の経営戦略及び経営課題の協議・検討業務執行の審議
リスク経営委員会委員長:社長
委 員:委員長が任命する委員
原則として
2回/年
リスクマネジメント方針の決定とモニタリング
リスク・コンプライアンス委員会委員長:総務管掌役員
委 員:関係部室長
原則として
4回/年
業務リスクマネジメント推進のための重要
方針の審議、立案及びコンプライアンス
懸念事例の対応や、コンプライアンス推進活動計画、活動状況のモニタリング
情報開示委員会委員長:広報部長
委 員:関係部室長
必要に応じて開催情報等の開示の検討・決定
投融資委員会委員長:経営企画部長
委 員:関係部室長
必要に応じて開催投融資に係る事項の審議・上申及び投資
基準等の策定
デリバティブ委員会委員長:総務部長
委 員:関係部室長
必要に応じて開催デリバティブ取引の審議、リスク管理状況の確認・報告
プロキュアメント
委員会
委員長:調達部長
委 員:関係部室長
必要に応じて開催サービス・工事・資材等の見積・発注に
係る事項の審議・検討
与信委員会委員長:総務部長
委 員:関係部室長
原則として
1回/月
不良債権の回収対策等及び債権管理に
関する基本方針の制定等
研究開発委員会委員長:知財・
研究管掌役員
委 員:関係部室長
原則として
4回/年
全社研究開発の方向性、戦略及び課題に
関する事項の検討

(カ)人事委員会
社長の諮問機関として、執行役員などの適材適所の配置と公平公正な評価の実現、決定プロセスの透明性強化を目的に設置しています。代表取締役社長、副社長、および代表取締役社長が指名する役員で構成され、執行役員などの選解任・配置・評価や、経営委員会メンバーの選任などについて協議し、答申します。
(キ)DE&I推進委員会
当社は、多様な従業員が生き生きと働き、活躍できる環境を作り、新たな価値を共創するため、社長の諮問機関としてDE&I推進委員会を設置しています。DE&I推進委員会は取締役の他、性別・職種など属性が異なる多様な役職者で構成し、アドバイザーとして社外取締役も参画しています。DE&I推進に関する課題の抽出と経営陣への提言、取締役会への定期的な報告、その他全社横断的な取り組みの企画・推進を行っています。
エ 環境、安全及び衛生並びに品質保証に関する体制
当社は、環境マネジメント及び操業に伴う環境保全、安全・保安及び衛生の確保については「安全衛生環境基本要綱」を定めています。同基本要綱に基づき、当社及び当社グループの環境マネジメント、操業に伴う環境保全、安全・保安及び衛生の確保に係る基本方針及び重要事項を立案し、諸活動を推進する「安全環境本部」を設置しています。
当社は、品質保証については「品質保証基本要綱」を定めています。この基本要綱に基づき、当社及び当社グループの品質保証に関する基本方針の制定及び重要事項を立案し、諸活動を推進する「品質保証本部」を設置しています。
オ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
内部統制システムの基本方針については、業務の適正を確保するための体制として、取締役会で次のとおり決議しています。
更に、取締役会で、内部統制システムが適切に構築され運用されているかについて確認を行い、実効性あるものとすべく見直しを行っています。
(ア)当社及び子会社の取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制① 当社の取締役会は、「取締役会規程」に基づき、重要事項について決定するとともに、業務執行の監督にあたる。
② 「コンプライアンス規程」に基づき、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、通報窓口等に報告されたコンプライアンス懸念事例に対する適正な対応をモニターするとともに、当社及び子会社におけるコンプライアンス活動を推進する。
③ 「コンプライアンス行動規範」の下、コンプライアンスに関わる具体的な行動指針等を定めた「コンプライアンスブック」を活用し、当社グループ全体に徹底する。また、当社グループ全体で、コンプライアンスに関する教育及び研修を継続的に実施する。
④ 社内・社外にコンプライアンス相談を受け付ける窓口を設置し、子会社を含めた国内外の従業員等が活用することにより、コンプライアンスに関する疑問点や問題点の解決の一助とするとともに、問題点の早期発見及び是正・抑止に繋げる。
⑤ 内部統制体制の構築及び全社のコンプライアンス活動を総括推進する総務部を活用し、管理部門間の連携強化と、内部統制の成熟度向上のための取組みの強化を図る。
⑥ 内部監査室は、子会社を含め各執行部門における業務の適法性、社内規程に基づく業務執行の状況を確認するための監査を行う。
(イ)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制職務の執行に係る情報については、「取締役会規程」、「回議書取扱規則」その他社内規程に基づき、保存、管理する。
(ウ)当社及び子会社の損失の危険の管理に関する規程等の体制① 環境変化とその影響を予測して対応を図るべく、社長を委員長とする「リスク経営委員会」を設置し、潜在的な経営リスクを含め議論する。
② 「リスクマネジメント基本要綱」に基づき、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメント活動を推進する。
③ 「危機発生時の対応規程」その他社内規程に基づき、当社又は子会社において万一重大な危機が発生した場合にも迅速・的確に連絡及び対応をする。
④ 各部室、関係会社は、「内部統制及び自己管理に関する規程」に基づき、業務上のリスクについて、支援ツール「自主点検WEBシステム(SELCHE)」を活用し、PDCAによる内部統制の維持・改善に取り組む。その活動状況をモニタリングしつつ、支援する体制を整備、運用する。
⑤ 内部監査室は、「内部監査規程」に基づき、各執行部門のリスク管理状況を確認するための監査を行う。
(エ)財務報告に係る内部統制① 「財務報告に係る内部統制評価規程」に基づき、グループ全体の財務報告の信頼性を確保するための体制を構築し、財務報告に係る内部統制の適切な整備・運用を図る。
② 前記①の規程に基づき、「財務報告に係る内部統制評価委員会」を設置し、年度整備・運用方針及び評価計画に関する事項、評価範囲の決定に関する事項、評価結果に関する事項等を審議・検討する。
③ 内部監査室は、定期的に、内部統制の有効性の評価及び必要な改善内容の評価を行う。

(オ)反社会的勢力との関係遮断① 暴力団・総会屋等の反社会的活動・暴力・不当な要求等をする人物及び団体に対しては、毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する。
② 万一、反社会的勢力が攻撃してきた場合にも、これに屈せず断固として拒否し、「反社会的勢力への対応要領」に基づき、的確に対応する。
(カ)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制① 業務執行を効率的に行うため、執行役員を置く。
② 「決裁権限規程」及び「業務執行規程」に基づき、取締役会、代表取締役及び取締役の役割と権限を明確にする。
③ 「経営委員会規程」に基づき、グループ経営に関わる戦略を立案・検討し、業務執行の意思決定を円滑かつ適正に行うための審議機関として、社長を委員長とする「経営委員会」を設置する。メンバーは、委員長が人事委員会の審議を経た上で決定する。経営委員会は原則月に三度開催する。
(キ)当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制① 「関係会社規程」において、関係会社管理の責任を主管部室と定めるとともに、その果たすべき役割・機能についても明確化する。また、具体的な管理事項、決裁基準、及び関係会社からの報告事項は管理基準別表に定める。主管部室及び関係会社はこれらに従い必要な決裁及び報告を行う。
② 「関係会社規程」に「関係会社との取引は原則として市場価格ベースとする」旨の基本方針を規定し、利益相反の防止を図る。
③ 「関係会社規程」に関係会社取締役・監査役選定基準を規定し、当社の取締役は原則として関係会社の取締役に就任しないものとする。
④ 主要な関係会社においては常勤監査役を選任するか、非常勤監査役を少なくとも1名は、主管部室の役職者またはコーポレート部室から派遣することで、関係会社の内部統制に係る経営サポート及びモニター機能を強化する体制を構築する。
⑤ グループ標準のITインフラの活用により、業務の効率化を図る。
⑥ 事業部室・関係会社ごとに不正防止の観点から品質保証の独立性を確保しつつ、当社グループとしては品質保証本部による牽制・統括機能を活用して品質保証の独立性を担保していく。
(ク)当社の監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項監査役からの要請に基づき、監査役の職務を補助すべき従業員として、監査役会事務局にスタッフを配置する。
(ケ)前記(ク)の従業員の取締役からの独立性及び当該従業員に対する指示の実行性の確保に関する事項① 監査役会事務局のスタッフは専任の職務とし、その人事異動・評価等の最終決定には監査役の同意を要することとする。
② 「組織規程」に監査役会事務局の職務を規定する。
(コ)当社及び子会社の取締役及び従業員並びに子会社の監査役が当社の監査役(監査役会)に報告をするための体制等、当社の監査役への報告に関する体制① 取締役、執行役員及び部室長は、「業務執行規程」に基づき、所定の事項を監査役に報告する。
② 内部監査室は、「内部監査規程」に基づき、監査結果を監査役に報告する。
③ 「リスク・コンプライアンス委員会」にオブザーバーとして常勤監査役の出席を求め、「コンプライアンス相談窓口」の相談・対応状況、コンプライアンスの懸念事項等を適宜共有する。
④ 取締役及び従業員並びに子会社の取締役、監査役及び従業員は、当社又は子会社に著しい損害を及ぼす恐れがある事実及び法令・定款に違反する重大な事実等が発生した場合又はこれらの事実等の報告を受けた場合には、速やかに監査役に報告する。また、子会社の監査役は、監査役からの要請に応じ、職務の執行に関する事項を報告する。
(サ)前記(コ)の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制① 前記(コ)の報告をした者に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止する。
② 「コンプライアンス相談窓口」に相談したことにより、不利益な取扱いを受けることのない旨を「コンプライアンスブック」、「コンプライアンス相談窓口規則」に記載するとともに、研修等により周知徹底する。
(シ)監査役の職務の執行について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項取締役の職務の執行の監査、会計監査人の選解任等、監査役の役割・責務を果たすに当たって必要な費用は、当社が負担する。
(ス)その他当社の監査役(監査役会)の監査が実効的に行われることを確保するための体制① 代表取締役は、監査役と原則として四半期に一度、定期的なミーティングを開催する。
② 内部監査室は、内部監査スケジュールや往査等に関して、監査役及び会計監査人と緊密に調整、連携する。

④責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定により、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する額となります。
⑤役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で会社法第430条の3第1項の規定に基づく役員等賠償責任保険契約を締結しています。当該保険契約では、当社取締役及び監査役を含む被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を補填することとしています。また、当該保険契約は次回更新時においても同内容で更新する予定です。
⑥取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。
⑦取締役の選任の決議要件
取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
⑧株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役及び監査役の損害賠償責任を、法令の限度において、総株主の同意によらず取締役会の決議により免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役及び監査役がその期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的とするものです。
剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、機動的な資本政策及び配当政策を図ることを目的とするものです。
⑨株主総会の特別決議要件
会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
⑩会社の支配に関する基本方針
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。