有価証券報告書-第129期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 10:08
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なお、当社は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、2007年6月28日開催の第111回定時株主総会において株主の皆様よりご承認をいただき、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」を導入し、2019年6月27日開催の第123回定時株主総会においても株主の皆様のご承認をいただき継続(以下、継続後の対応策を「現プラン」といいます。)しておりますが、現プランの有効期限は、2022年6月開催の第126回定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)終結の時までとなっておりました。
当社では、現プラン導入後も社会・経済情勢の変化、買収防衛策をめぐる諸々の動向及び様々な議論の進展を踏まえ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための取り組みの一つとして、継続の是非も含め、その在り方について引き続き検討してまいりました。
その結果、2022年5月13日開催の当社取締役会において、会社法施行規則第118条第3号に定める当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして、株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、現プランを一部修正したうえで更新(以下、一部修正した新しいプランを「本プラン」といいます。)することを決議し、2022年6月29日開催の当社第126回定時株主総会において承認を得ております。
Ⅰ. 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、当社の現在の事業内容だけでなく、長年にわたり築き上げてきた企業価値の源泉について理解し、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。また当社は、当社株式は金融商品取引所に上場しておりますので、株主の在り方については市場での自由な取引を通じて決まるものと考えております。従って当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全員の意思に基づき決定されるべきものと考えております。
しかしながら大規模な買付行為や買付提案の中には、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、株主の皆様が買付の条件等を検討したり、当社取締役会が代替案を提案したりするための十分な時間や情報を提供しないもの、明らかに濫用目的であるもの等、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのあるものもありえます。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と判断いたします。
Ⅱ. 会社支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
当社グループは「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係する人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命としております。
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、自動車内装材、テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ、雨衣等と多岐にわたります。これらの事業は、1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。これからもこれら有形・無形の資産を活用して中長期的な視野に立って企業価値と株主共同の利益の向上に努めてまいります。
当社は、国内の市場が伸び悩むなかで、グループ全社を挙げて「身近な暮らしを科学する」をキャッチフレーズに新製品の開発とグループ取扱商品の拡大に努めております。また利益体質を強化する意味で、本社・工場・支店・営業所・子会社を含めたグループ全体で、3S活動(整理・整頓・清掃)の徹底と継続を図り、品質向上と原価逓減に努めるとともに、省資源の促進及び廃棄物の削減など、環境問題への取り組み強化を実施しております。
当社は、企業理念体系(企業使命・経営理念・行動基準)を基本としてコンプライアンス規程を制定し、コーポレートガバナンス(企業統治)の充実に努めております。また会社法に定める内部統制構築に関する基本方針に基づき企業統治に関する組織、規程を充実させ、企業の透明性・効率性・健全性をより高めるとともに、各役員の役割の明確化に努めております。
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資をご継続頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、以上のような施策を実施しております。これらの取り組みは、上記Ⅰの会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。
Ⅲ. 本プランの内容(会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組み)
1. 本プランの目的
本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして継続するものです。
当社は、当社株式に対する大規模な買付等が行われた場合でも、その目的等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えるものではありません。また、支配権の移転を伴う買収提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付等の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、取締役会や株主の皆様が株式の大規模な買付等の内容等について検討し、あるいは取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないものも少なくありません。
そこで、当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切なご判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模な買付行為がなされた場合の対応方針を含めた買収防衛策としております。
2. 本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)とします。
注1:特定株主グループとは、
(ⅰ) 当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づく共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)又は、
(ⅱ) 当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。以下同じとします。)を意味します。
注2:議決権割合とは、
(ⅰ) 特定株主グループが、注1の(ⅰ)記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同条項に規定する保有株券等の数をいいます。)も加算するものとします。以下同じとします。)又は、
(ⅱ) 特定株主グループが、注1の(ⅱ)記載の場合は、当該大規模買付者及び当該特別関係者の株券等保有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。以下同じとします。)の合計をいいます。各議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等又は同法第27条の2第1項に規定する株券等のいずれかに該当するものを意味します。
3. 独立委員会の設置
大規模買付ルールに従って一連の手続きが進行されたか否か、あるいは大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がされることを防止し、その合理性・公正性を担保するため、現プランと同様に独立委員会規程に基づき、独立委員会を設置いたします。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役又は社外有識者(注)のいずれかに該当する者の中から選任し、社外取締役の相澤光江氏、深澤佳己氏、荒井瑞夫氏が独立委員として就任しております。
当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討の上で当社取締役会に対し対抗措置を発動するべきか否かについての勧告を行うものとします。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で対抗措置の発動について決定することといたします。独立委員会の勧告内容については、その概要を適宜公表することといたします。
なお、独立委員会の判断が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、必要に応じて独立した第三者である専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を得ることができるものといたします。
注:社外有識者とは、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、会社法等を主たる研究対象とする学識経験者、又はこれらに準ずる者をいいます。
4. 大規模買付ルールの概要
(1) 大規模買付者による当社に対する意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、大規模買付行為又は大規模買付行為の提案に先立ち、まず、大規模買付ルールに従う旨の誓約を含む以下の内容等を日本語で記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただきます。
① 大規模買付者の名称、住所
② 設立準拠法
③ 代表者の氏名
④ 国内連絡先
⑤ 提案する大規模買付行為の概要
⑥ 本プランに定められた大規模買付ルールに従う旨の誓約
当社取締役会が、大規模買付者から意向表明書を受領した場合は、速やかにその旨及び必要に応じ、その内容について公表いたします。
(2) 大規模買付者による当社に対する評価必要情報の提供
当社取締役会は、上記(1)、①から⑥までの全てが記載された意向表明書を受領した日の翌日から10営業日以内に、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する情報として当社取締役会への提出を求める事項について記載した書面を交付し、大規模買付者には、当該書面に従い、大規模買付行為に関する情報(以下、「評価必要情報」といいます。)を、当社取締役会に書面にて提出していただきます。
評価必要情報の一般的な項目は以下のとおりです。その具体的内容は、大規模買付者の属性、大規模買付行為の目的及び内容によって異なりますが、いずれの場合も株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な範囲に限定するものといたします。
① 大規模買付者及びそのグループ(共同保有者、特別関係者及び組合員(ファンドの場合)その構成員を含みます。)の詳細(名称、事業内容、経歴又は沿革、資本構成、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容(大規模買付行為の対価の価額・種類、大規模買付行為の時期、関連する取引の仕組み、大規模買付行為の方法の適法性、大規模買付行為の実現可能性等を含みます。)
③ 大規模買付行為の価格の算定根拠(算定の前提となる事実、算定方法、算定に用いた数値情報及び大規模買付行為にかかる一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容を含みます。)
④ 大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
⑤ 当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している役員候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等
⑥ 当社及び当社グループの経営に参画した後に予定している取引先、顧客、従業員等のステークホルダーと当社及び当社グループとの関係に関しての変更の有無及びその内容
当社取締役会は、大規模買付ルールの迅速な運用を図る観点から、必要に応じて、大規模買付者に対し情報提供の期限を設定することがあります。ただし、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合は、その期限を延長することができるものといたします。
上記に基づき提出された評価必要情報について当社取締役会が精査した結果、当該評価必要情報が大規模買付行為を評価・検討するための情報として必要十分でないと考えられる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して、適宜合理的な期限を定めた上で(最初に評価必要情報を受領した日から起算して60日を上限といたします。)、評価必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。
当社取締役会は、大規模買付行為を評価・検討するための必要十分な評価必要情報が大規模買付者から提出されたと判断した場合には、その旨の通知を大規模買付者に発送するとともに、その旨を公表いたします。
また、当社取締役会が評価必要情報の追加的な提供を要請したにもかかわらず、大規模買付者から当該情報の一部について提供が難しい旨の合理的な説明がある場合には、取締役会が求める評価必要情報が全て揃わなくても、大規模買付者との情報提供にかかる交渉等を打ち切り、その旨を公表するとともに、後記(3)の取締役会による評価・検討等を開始する場合があります。
当社取締役会に提供された評価必要情報は、独立委員会に提出するとともに、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部又は一部を公表いたします。
(3) 当社取締役会による評価必要情報の評価・検討等
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し評価必要情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として設定いたします。取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて独立した第三者である専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を受けながら、提供された評価必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表いたします。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
5. 大規模買付行為が実施された場合の対応方針
(1) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大規模買付行為に対抗する場合があります。なお、大規模買付ルールを遵守したか否かを判断するにあたっては、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案し、少なくとも本評価必要情報の一部が提出されないことのみをもって大規模買付ルールを遵守しないと認定することはしないものといたします。
具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することといたします。当社取締役会が具体的対抗措置として、例えば新株予約権の無償割当を行う場合の概要は原則として「新株予約権無償割当の概要」(注1)に記載のとおりですが、実際に新株予約権の無償割当を行う場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件を設けることがあります。
(2) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示したりすることにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、例えば以下の①から⑤のいずれかに該当し、結果として会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、例外的に当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲で、上記(1)で述べた対抗措置の発動を決定することができるものといたします。
① 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的で株式の買収を行っている場合(いわゆるグリーンメーラーである場合)
② 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループの事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該買収者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で当社株式の買収を行っている場合
③ 当社の経営を支配した後に、当社又は当社グループの資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で当社株式の買収を行っている場合
④ 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループの事業に当面関係していない不動産、有価証券など高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って当社株式の高値売り抜けをする目的で株式買収を行っている場合
⑤ 大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付けで当社の株式の全部の買付を勧誘することなく、二段階目の買収条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式の買付けを行うことをいいます。)等の、株主の皆様の判断の機会又は自由を制約し、事実上、株主の皆様に当社株式の売却を強要するおそれがあると判断された場合
(3) 取締役会の決議、及び株主総会の開催
当社取締役会は、上記(1)又は(2)において対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で対抗措置発動又は不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものといたします。
また、当社取締役会は、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下、「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催することがあります。
当社取締役会において、株主総会の開催及び基準日の決定を決議した場合は、取締役会評価期間はその日をもって終了し、ただちに、株主検討期間へ移行することといたします。
当該株主総会の開催に際しては、当社取締役会は、大規模買付者が提供した必要情報、必要情報に対する当社取締役会の意見、当社取締役会の代替案その他当社取締役会が適切と判断する事項を記載した書面を、株主の皆様に対し、株主総会招集通知とともに送付し、適時・適切にその旨を開示いたします。
株主総会において対抗措置の発動又は不発動について決議された場合、当社取締役会は、当該株主総会の決議に従うものといたします。従って、当該株主総会が対抗措置を発動することを否決する決議をした場合には、当社取締役会は対抗措置を発動いたしません。当該株主総会の終結をもって株主検討期間は終了することとし、当該株主総会の結果は、決議後適時・適切に開示いたします。
なお、大規模買付者に対しては、名目の如何を問わず、金銭等の交付その他経済的対価の交付を行うことはありません。
(4) 大規模買付行為待機期間
株主検討期間を設けない場合は取締役会評価期間を、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間を合わせた期間を大規模買付行為待機期間といたします。そして大規模買付行為待機期間においては、大規模買付行為は実施できないものといたします。
従って、大規模買付行為は、大規模買付行為待機期間の経過後にのみ開始できるものといたします。
(5) 対抗措置発動の停止等について
上記(3)において、当社取締役会又は株主総会において具体的対抗措置を講じることを決定した後、当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合など対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の意見又は勧告を十分に尊重した上で、対抗措置の発動の停止等を行うことがあります。
例えば、対抗措置として新株予約権の無償割当を行う場合、当社取締役会において、無償割当が決議され、又は、無償割当が行われた後においても、大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行うなど対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を受けた上で、新株予約権の効力発生日の前日までの間は、新株予約権無償割当の中止、又は新株予約権無償割当後において、行使期間開始日の前日までの間は、当社による当該新株予約権の無償取得(当社が新株予約権を無償で取得することにより、株主の皆様の新株予約権は消滅いたします。)の方法により対抗措置の発動の停止等を行うことができるものといたします。
このような対抗措置発動の停止等を行う場合は、独立委員会が必要と認める事項とともに、法令及び当社が上場する金融商品取引所の規則等に従い、当該決定について適時・適切に開示いたします。
注1:「新株予約権無償割当の概要」とは、
(ⅰ) 新株予約権無償割当の対象となる株主及びその割当方法
当社取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(ただし、当社の所有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。
(ⅱ) 新株予約権の目的となる株式の種類及び数
新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。
(ⅲ) 株主に割当てる新株予約権の総数
当社取締役会が定める割当期日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式総数(ただし、当社の所有する当社普通株式を除く。)を減じた数を上限とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。
(ⅳ) 各新株予約権の行使に際して出資される財産及びその価額
各新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は1円以上で当社取締役会が定める額とする。なお、当社取締役会が新株予約権を取得することを決定した場合には、行使価額相当の金額を払込むことなく、当社による新株予約権の取得の対価として、株主に新株を交付することがある。
(ⅴ) 新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡による当該新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。
(ⅵ) 新株予約権の行使条件
議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者(ただし、あらかじめ当社取締役会が同意した者を除く。)は、新株予約権を行使できないものとする。詳細については、当社取締役会が別途定めるものとする。
(ⅶ) 新株予約権の行使期間等
新株予約権の割当がその効力を生ずる日、行使期間、取得条項その他必要な事項については、当社取締役会が別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記(ⅵ)の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき当社取締役会が別途定める株数の当社普通株式を交付することができる旨の条項を定めることがある。
6. 本プランによる株主の皆様に与える影響等
(1) 大規模買付ルールが株主の皆様に与える影響等
大規模買付ルールは、株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。これにより株主の皆様は、十分な情報及び提案のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切なご判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、大規模買付ルールの設定は、株主の皆様が適切なご判断を行う上での前提となるものであり、株主の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、上記5.において述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守するか否か等により大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、株主の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意ください。
(2) 対抗措置発動時に株主の皆様に与える影響・株主の皆様に必要となる手続き
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合又は、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款により認められている対抗措置を講じることがあります。当該対抗措置の仕組み上、株主の皆様(大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者及び会社に回復し難い損害をもたらすなど当社株主全体の利益を損なうと認められるような大規模買付行為を行う大規模買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。当社取締役会が具体的対抗措置を講じることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則等に従って適時・適切に開示いたします。
対抗措置の一つとして、例えば新株予約権の無償割当を実施する場合には、当社株主の皆様は引き受けの申込みを要することなく新株予約権の割当を受け、また当社が新株予約権の取得の手続きをとることにより、新株予約権の行使価額相当の金銭を払込むことなく当社による新株予約権の取得の対価として当社株式を受領することになるため、申込みや払込み等の手続きは必要となりません。ただし、この場合当社は、新株予約権の割当を受ける株主の皆様に対し、別途ご自身が大規模買付者等でないこと等を誓約する当社所定の書式による書面の提出を求めることがあります。
なお、当社は、新株予約権の割当期日や新株予約権の効力発生後においても、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、新株予約権の行使期間開始日の前日までに、新株予約権の割当を中止し、又は当社が新株予約権に当社株式を交付することなく無償にて新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売付等を行った株主の皆様は、株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。
7. 本プランの適用開始、有効期限、継続及び廃止
本プランは、2022年6月29日より発行し、有効期限は2025年6月30日までに開催される当社第129回定時株主総会の終結の時までとします。ただし、発効した後であっても、①その後の当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
また、本プランの有効期間中であっても、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から随時見直しを行い、株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。このように、当社取締役会において本プランについて継続、変更、廃止等の決定を行った場合には、その内容を速やかに開示いたします。
なお、当社取締役会は、本プランの有効期間中であっても、本プランに関する法令、金融商品取引所規則等の新設又は改廃が行われ、かかる新設又は改廃を反映するのが適切である場合、誤字脱字等の理由により字句の修正を行うのが適切な場合等、株主の皆様に不利益を与えない場合には、必要に応じて独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、又は変更する場合があります。
Ⅳ.本プランの合理性について(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)
1. 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しております。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
2. 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本プランは、上記Ⅲ.1「本プランの目的」にて記載したとおり、当社株式に対する大規模買付行為等がなされた際に、当該大規模買付行為等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって導入しております。
3. 株主意思を反映するものであること
本プランは、株主総会での承認により発効しており、株主の皆様のご意向が反映されております。
また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
4. 独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、上記Ⅲ5.「大規模買付行為が実施された場合の対応方針」にて記載したとおり、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
5. デッドハンド型買収防衛策ではないこと
上記Ⅲ7.「本プランの適用開始、有効期限、継続及び廃止」にて記載したとおり、本プランは、当社の取締役会により廃止することができるものとされており、当社株式の大規模買付者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成されている取締役会により、本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の任期を1年としており、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役会構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
※当社は、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「当社株式の大規模買付行為への対応方針承認の件」を提案しており、当該議案が可決されると、本プランは以下のとおりになります。
Ⅰ.会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、当社の現在の事業内容だけでなく、長年にわたり築き上げてきた企業価値の源泉について理解し、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。また当社は、当社株式は金融商品取引所に上場しておりますので、株主の在り方については市場での自由な取引を通じて決まるものと考えております。従って当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全員の意思に基づき決定されるべきものと考えております。
しかしながら大規模な買付行為や買付提案のなかには、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、株主の皆様が買付の条件等を検討したり、当社取締役会が代替案を提案したりするための十分な時間や情報を提供しないもの、明らかに濫用目的であるもの等、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのあるものもありえます。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と判断いたします。
Ⅱ.会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
1.企業価値及び株主共同の利益の向上実現に向けた当社の取り組み
当社及び当社グループ(以下「オカモト」といいます。)は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係する人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、企業価値の向上を実現してまいりました。
その根幹は、製造業として常に新しい素材を探求してこれを活用する新しい技術を開発習得すること、そしてお客様ニーズを把握しこれにお応えする製品を開発・供給することにあり、その実現のため、長期にわたる原材料メーカーや研究機関との連携及びお客様としてのユーザーや消費者とのコミュニケーションを大切にしてまいりました。
また、オカモトは、企業グループとしての社会的責務を果たすため、定期的な地域住民との交流イベントの開催や児童向けの工場見学会の開催等によりコミュニケーションを図ることはもとより、自然災害の発生等、万が一の事態の際には生活インフラとしての役割を担うための準備を常に整えてまいりました。
このようにオカモトは、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々なステークホルダーとの友好関係の維持・発展に努めながら、素材の研究と技術の習得・向上を図り、更には事業会社の経営統合や事業の譲受等を経て、今日では多種多様な事業を展開するようになりました。オカモトの事業領域は、コンドーム、手袋、プラスチックフイルム、壁紙、自動車内装材、粘着テープ、食品包装用ラップ、カイロ、除湿剤、滅菌器、シューズ等と消費材から産業材まで多岐にわたるまで拡大し、こうした広範かつ複合的な事業展開を進めることが、更なる技術力の向上とグループ全体の企業価値向上に資するものと考えております。
そして2024年2月には、オカモトが「ゴム・プラスチックの総合メーカー」一筋の長い歴史のなかで培ってきた高い信用、信頼に堅実にお応えしながら、あたりまえの暮らしの質を守り、革新し続けることで、人の、社会の、世界のお役に立ち続けるために存在する、という意味を込めて、「モノづくりの可能性から、身近な『うれしい』を暮らしと社会に造り続ける。」というパーパスを策定いたしました。
オカモトはこのパーパスのもと、引き続き、企業使命に基づく経営を実践し、事業を通じて社会に価値を創造し続けることによって、企業価値ひいては株主共同の利益の一層の向上に努めてまいりたいと考えております。
2.オカモトが考える企業の在り方
オカモトは、1934年の創業以来、「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」との創業の精神をまさに体現すべく、幾多の好景気においても堅実な経営を旨とし、製造業として素材についての研究と技術の追求に励みながら、決して現状に満足することなく、事業の譲受等を通じて事業の多角化を推進して、景気動向の影響を受けにくい組織づくりに努め、その持続的成長を図ってまいりました。
この間オカモトが大切にしてきたことは、中長期的視点に立って収益向上を図りながら安定配当等による株主還元策を維持継続することのみならず、オカモトの従業員やその家族の生活の安定にも配慮すること、オカモトの製品によって人々の生活をより便利にし、生活環境をより豊かにすること、そしてサプライチェーン全体の健全かつ長期的な発展を期することでした。そのためには、単に新しい製品を世に送り出して短期的な収益を確保するだけでなく、供給後のアフターフォローを充実させ、長期にわたり供給責任を果たすことが極めて重要であると考えております。更には、地域社会の発展や自然環境を長期的に保護する取り組みにも配慮しながら、企業としての社会的使命を果たすことも、重要な責務であると考えております。
オカモトは、今後もこうした様々なステークホルダーとの友好的な関係の維持・発展に努めながら、中長期的な視野に立って企業価値と株主共同の利益の向上に努めてまいります。
3.持続的成長と成長戦略
オカモトは、「ゴム・プラスチックの総合メーカー」として、人々の生活に不可欠な製品づくりに取り組んでまいりました。これからも、コンドームや医療用・食品加工用手袋やシューズといった人々の生活や健康に欠かせない製品、また、自動車内装材や壁紙や食品包装用フイルムといった人々の暮らしをより豊かなものにする製品を開発して、社会生活に貢献する製品づくりを続けてまいります。
そして、これらの製品づくりには、日々変化するトレンド、市場ニーズというものを常に的確に捉えながら、それに適合した製品を開発し、効率的に生産し、確実に供給することが欠かせません。そのためマーケティング活動の充実を図りながら、製品開発に必要な新素材の研究と新たな技術の開発にも努めてまいります。特に、グローバルで関心が高まっているサステナブルで環境に配慮した製品など、多様化する消費者ニーズを捉えて、機能性・加工性・デザイン性等に優れた高付加価値品の開発に努めてまいります。
4.コーポレートガバナンス体制
オカモトは、2016年に監査等委員会設置会社に移行するとともに、同年には社外取締役を合計3名選任して、少数株主保護や経営の透明性・健全性の確保に努めてまいりました。更に、2021年6月に東京証券取引所「コーポレート・ガバナンスコード」が改訂されたこと、2022年4月4日より当社が東京証券取引所プライム市場上場企業となったことを踏まえ、2022年6月29日開催の当社第126回定時株主総会において、取締役全体に対する独立社外取締役の割合を3分の1に引き上げました。
また、同時に執行役員制度を導入し、執行と監督の役割分担、経営の意思決定の迅速化及び取締役会の実効性強化を図ってまいりました。更に任意の「指名・報酬委員会」を設置し、委員会の委員の過半数及び委員長を独立社外取締役とすることにより、取締役の指名や後継者計画、取締役の待遇やあるべき報酬制度についての議論を進展させて、経営の透明化を図っております。
5.今後の成長戦略(サステナブル経営)
オカモトは、祖業であるコンドームについて世界市場での更なるシェア拡大を推進するとともに、自動車や住宅といった人々の生活に不可欠な分野、半導体やスマートフォン等の最新の電子機器向け分野を中心に、機能やデザインを追求した新製品の開発や、バイオプラスチック等を活用した環境負荷低減製品の開発を進めて、その市場競争力の向上を図り、更に事業ポートフォリオの拡充とバランスのとれた設備投資計画を推進することで、景気動向等の外部環境に大きく左右されない長期安定的な収益力の確保を目指してまいります。
またオカモトは、気候変動の原因とされる地球温暖化対策、特にCO2の削減が世界規模で喫緊の課題となっていることに鑑み、製造現場での再生可能エネルギーの積極的な活用と更なる省エネ活動を推進しながら、生産効率の改善を図るための設備投資により廃棄物削減に努め、また現行の太陽光発電事業の維持・発展を進めることにより、環境全般に配慮した持続可能な成長を図ってまいります。
これらの事業上の施策を重ねることによって長期的な収益力を維持・確保しつつ、他方で継続的な自己株式の取得と安定的な配当の実行を通じて、長期的視点での株主還元の充実を図ってまいります。
オカモトは、多数の投資家の皆様が長期的にオカモトへの投資をご継続いただくため、グループ全体の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に向上させるための取り組みとして、以上のような様々な施策を実施してまいります。そして、これらの取り組みは、上記Ⅰ.「会社の支配に関する基本方針」の実現にも資するものと考えております。
Ⅲ.本プランの内容(会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組み)
1.本プランの目的
本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして継続するものです。
当社は、当社株式に対する大規模な買付等が行われた場合でも、その目的等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えるものではありません。また、支配権の移転を伴う買収提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付等のなかには、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、取締役会や株主の皆様が株式の大規模な買付等の内容等について検討し、あるいは取締役会が代替案を提示するために合理的に必要かつ十分な時間や情報を提供することのないものも少なくありません。
そこで、当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切なご判断をするために必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものと考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支払に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模な買付行為がなされた場合の対応方針を含めた本プランを、本株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、継続することといたしました。本プランの概要につきましては、別添の参考資料をご参照ください。
2.本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる当社株式の買付とは、次のいずれかに該当する行為(ただし、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。以下「大規模買付行為」といいます。)をいい、大規模買付行為を行う又は行おうとする者を「大規模買付者」といいます。なお、大規模買付行為は、市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。
① 特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、
② 特定株主グループの議決権割合が結果として20%以上となる当社株券等の買付行為
③ 当社の特定株主グループが、特定の他の株主(複数である場合も含みます。)との間で行う行為であり、かつ、(i)その行為の結果、当該他の株主が当該特定株主グループの共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又は(ii)当該特定株主グループと当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配しもしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(注4)(ただし、(i)(ii)のいずれも、当社株券等につき当該特定株主グループの株主と当該他の株主の株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります。)(注5)
注1:特定株主グループとは、以下のいずれかに該当する者をいいます。
① 当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づく共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)
② 当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。以下同じとします。)
③ ①又は②の関係者((i)①もしくは②の特定株主グループのいずれかの者との間でフィナンシャル・アドバイザリー契約を締結している投資銀行及び証券会社その他の金融機関を含む①もしくは②の特定株主グループのいずれかの者と実質的利害を共通にしている者、(ii)これらの者の公開買付代理人、主幹事証券会社、弁護士、会計士、税理士その他のアドバイザー、又は(iii)①もしくは②の特定株主グループのいずれかの者が実質的に支配する、もしくはこれらの者と共同もしくは協調して行動する者として当社取締役会が合理的に認めた者)
注2:議決権割合とは、
① 特定株主グループが、注1の①記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者及び注1の③記載の者の保有株券等の数(同条項に規定する保有株券等の数をいいます。)も加算するものとします。以下同じとします。)、又は、
② 特定株主グループが、注1の②記載の場合は、当該大規模買付者及び当該特別関係者並びに注1の③記載の者の株券等保有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。以下同じとします。)の合計をいいます。
なお、各議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等又は同法第27条の2第1項に規定する株券等のいずれかに該当するものを意味します。
注4:この関係の樹立の判断方法等
この関係が樹立されたか否かの判断は、出資関係、業務提携関係、取引ないし契約関係、役員兼任関係、資金提供関係、信用供与関係、当社株式等の買い上がりの状況、当社株券等に係る議決権行使の状況、デリバティブや貸株等を通じた当社株券等に関する実質的な利害関係等の形成や、当社特定株主グループ及び当該他の株主が当社に対して直接・間接に及ぼす影響を基礎として行うものとします。
注5:この行為の判断方法等
この行為がなされたか否かの判断は、当社取締役会が独立委員会の勧告の内容を最大限尊重して合理的に行うものとします。なお、当社取締役会は、本文の③の要件に該当するか否かの判断に必要とされる範囲において、当社特定株主グループ及び当該他の株主に対して必要な情報の提供を求めることがあります。
3.独立委員会の設置
大規模買付ルールに従って一連の手続きが進行されたか否か、あるいは大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がされることを防止し、その合理性・公正性を担保するため、現プランと同様、独立委員会規程(概要につきましては、別紙2をご参照ください。)に基づき独立委員会を設置いたします。
独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役又は社外有識者(注)のいずれかに該当する者の中から選任いたします。現在の独立委員会は3名で構成されておりますが、2025年5月13日の取締役会において独立委員会委員候補者3名(2名再任、1名新任)を選任いたしました。本プランの継続決定後、独立委員会委員となる予定です。なお、独立委員会委員候補者3名の略歴は別紙3をご参照ください。
当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえで当社取締役会に対し対抗措置を発動するべきか否かについての勧告を行うものとします。
当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動について決定することといたします。独立委員会の勧告内容については、その概要を適宜公表することといたします。
なお、独立委員会の判断が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、必要に応じて独立した第三者である専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を得ることができるものといたします。
注 :社外有識者とは、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、会社法等を主たる研究対象とする学識経験者、又は、これらに準ずる者をいいます。
4.大規模買付ルールの概要
(1)大規模買付者による当社に対する意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、大規模買付行為又は大規模買付行為の提案に先立ち、大規模買付ルールに従う旨の誓約を含む以下の内容等を日本語で記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただきます。
① 大規模買付者の名称、住所
② 設立準拠法
③ 会社等の目的及び事業の内容
④ 代表者の氏名
⑤ 国内連絡先
⑥ 提案する大規模買付行為の概要
⑦ 本プランに定められた大規模買付ルールに従う旨の誓約
当社取締役会は、大規模買付者から意向表明書を受領した場合は、速やかにその旨を公表するとともに、必要に応じ、その内容について公表いたします。
(2)大規模買付者による当社に対する評価必要情報の提供
当社取締役会は、上記(1)、①から⑦までの全てが記載された意向表明書を受領した日の翌日から10営業日以内に、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する情報として当社取締役会への提出を求める事項について記載した書面を交付し、大規模買付者には、当該書面に従い、大規模買付行為に関する情報(以下、「評価必要情報」といいます。)を、当社取締役会に書面にて提出していただきます。
評価必要情報の一般的な項目は以下のとおりです。その具体的内容は、大規模買付者の属性、大規模買付行為の目的及び内容によって異なりますが、いずれの場合も株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な範囲に限定するものといたします。
① 大規模買付者及びそのグループ(共同保有者、特別関係者及び組合員(ファンドの場合その構成員を含みます。))の詳細(名称、事業内容、経歴又は沿革、資本構成、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容(大規模買付行為の対価の価額・種類、大規模買付行為の時期、関連する取引の仕組み、大規模買付行為の方法の適法性、大規模買付行為の実現可能性等を含みます。)
③ 大規模買付行為の価格の算定根拠(算定の前提となる事実、算定方法、算定に用いた数値情報及び大規模買付行為にかかる一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容を含みます。)
④ 大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
⑤ 当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している役員候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等
⑥ 当社及び当社グループの経営に参画した後に予定している取引先、顧客、従業員等のステークホルダーと当社及び当社グループとの関係に関しての変更の有無及びその内容
当社取締役会は、大規模買付ルールの迅速な運用を図る観点から、必要に応じて、大規模買付者に対し、情報提供の期限を設定することがあります。ただし、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合は、その期限を延長することができるものといたします。
上記に基づき提出された評価必要情報について当社取締役会が精査した結果、当該評価必要情報が大規模買付行為を評価・検討するための情報として必要十分でないと考えられる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して、適宜、合理的な期限を定めたうえで(最初に評価必要情報を受領した日から起算して60日を上限といたします。)、評価必要情報について追加的に情報提供を求めることがあります。
当社取締役会は、大規模買付行為を評価・検討するための必要かつ十分な評価必要情報が大規模買付者から提出されたと判断した場合には、その旨の通知を大規模買付者に発送するとともに、その旨を公表いたします。
また、当社取締役会が評価必要情報の追加的な提供を要請したにもかかわらず、大規模買付者から当該情報の一部について提供が難しい旨の合理的な説明がある場合には、取締役会が求める評価必要情報が全て揃わない時でも、大規模買付者との情報提供にかかる交渉等を打ち切り、その旨を公表するとともに、後記(3)の取締役会による評価・検討等を開始する場合があります。
当社取締役会に提供された評価必要情報は、独立委員会に提出するとともに、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部又は一部を公表いたします。
(3)当社取締役会による評価必要情報の評価・検討等
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し評価必要情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として設定いたします。取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて独立した第三者である専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を受けながら、提供された評価必要情報を十分かつ真摯に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表いたします。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
5.大規模買付行為が実施された場合の対応方針
(1)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大規模買付行為に対抗する場合があります。なお、大規模買付ルールを遵守したか否かを判断するにあたっては、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案し、少なくとも本評価必要情報の一部が提出されないことのみをもって大規模買付ルールを遵守しないと認定することはしないものといたします。
具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することといたします。当社取締役会が具体的対抗措置として、例えば新株予約権の無償割当を行う場合の概要は、原則として別紙4に記載のとおりですが、実際に新株予約権の無償割当を行う場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件を設けることがあります。
(2)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示したりすることにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮のうえ、ご判断いただくことになります。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、例えば以下の①から⑤のいずれかに該当し、結果として会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、例外的に当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲で、上記(1)で述べた対抗措置の発動を決定することができるものといたします。
① 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、単に株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的で株式の買収を行っている場合(いわゆるグリーンメーラーである場合)
② 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループの事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該買収者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で当社株式の買収を行っている場合
③ 当社の経営を支配した後に、当社又は当社グループの資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で当社株式の買収を行っている場合
④ 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループの事業に当面関係していない不動産、有価証券など高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って当社株式の高値売り抜けをする目的で株式買収を行っている場合
⑤ 大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付で当社の株式の全部の買付を勧誘することなく、二段階目の買収条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式の買付を行うことをいいます。)等の、株主の皆様の判断の機会又は自由を制約し、事実上、株主の皆様に当社株式の売却を強要するおそれがあると判断された場合
(3)取締役会の決議、及び株主総会の開催
当社取締役会は、上記(1)又は(2)において対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動又は不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものといたします。
また、当社取締役会は、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下、「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催することがあります。
当社取締役会において、株主総会の開催及び基準日の決定を決議した場合は、取締役会評価期間はその日をもって終了し、ただちに株主検討期間へ移行することといたします。
当該株主総会の開催に際しては、当社取締役会は、大規模買付者が提供した必要情報、必要情報に対する当社取締役会の意見、当社取締役会の代替案その他当社取締役会が適切と判断する事項を記載した書面を、株主の皆様に対し、株主総会招集通知とともに送付し、適時・適切にその旨を開示いたします。
株主総会において対抗措置の発動又は不発動について決議された場合、当社取締役会は、当該株主総会の決議に従うものといたします。従って、当該株主総会が対抗措置を発動することを否決する決議をした場合には、当社取締役会は対抗措置を発動いたしません。
株主総会が開催された場合、その終結をもって株主検討期間は終了することとし、当該株主総会の結果は、決議後、適時・適切に開示いたします。
なお、大規模買付者に対しては、名目の如何を問わず、金銭等の交付その他経済的対価の交付を行うことはありません。
(4)大規模買付行為待機期間
株主検討期間を設けない場合は取締役会評価期間を、また、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間を合わせた期間を、大規模買付行為待機期間といたします。当該大規模買付行為待機期間中は、大規模買付行為は実施できないものといたします。
従って、大規模買付行為は、大規模買付行為待機期間の経過後においてのみ開始できるものといたします。
(5)対抗措置発動の停止等について
上記(3)において、当社取締役会又は株主総会において具体的対抗措置を講じることを決定した後、当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合など対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の意見又は勧告を十分に尊重したうえで、対抗措置の発動の停止等を行うことがあります。
例えば、対抗措置として新株予約権の無償割当を行う場合、当社取締役会において、無償割当が決議され、又は、無償割当が行われた後においても、大規模買付者が大規模買付行為の撤回もしくは変更を行うなど対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を受けたうえで、新株予約権の効力発生日の前日までの間は、新株予約権無償割当の中止、又は、新株予約権無償割当後において、行使期間開始日の前日までの間は、当社による当該新株予約権の無償取得(当社が新株予約権を無償で取得することにより、株主の皆様の新株予約権は消滅いたします。)の方法により対抗措置の発動の停止等を行うことができるものといたします。
このような対抗措置発動の停止等を行う場合は、独立委員会が必要と認める事項とともに、法令及び当社が上場する金融商品取引所の規則等に従い、当該決定について適時・適切に開示いたします。
6.本プランによる株主の皆様に与える影響等
(1)大規模買付ルールが株主の皆様に与える影響等
大規模買付ルールは、株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。これにより株主の皆様は、十分な情報及び提案のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切なご判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。
従いまして、大規模買付ルールの設定は、株主の皆様が適切なご判断を行ううえでの前提となるものであり、株主の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、上記5.において述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守するか否か等により大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、株主の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意ください。
(2)対抗措置発動時に株主の皆様に与える影響・株主の皆様に必要となる手続
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、又は、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款により認められている対抗措置を講じることがあります。当該対抗措置の仕組み上、株主の皆様(大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者及び会社に回復し難い損害をもたらすなど当社株主全体の利益を損なうと認められるような大規模買付行為を行う大規模買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。
当社取締役会が具体的対抗措置を講じることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則等に従って適時・適切に開示いたします。
対抗措置の一つとして、例えば新株予約権の無償割当を実施する場合には、当社株主の皆様は引受けの申込みを要することなく新株予約権の割当を受け、また当社が新株予約権の取得の手続を講じることにより、新株予約権の行使価額相当の金銭を払込むことなく当社による新株予約権の取得の対価として当社株式を受領することになるため、申込みや払込み等の手続は必要となりません。ただし、この場合、当社は、新株予約権の割当を受ける株主の皆様に対し、別途ご自身が大規模買付者等でないこと等を誓約する当社所定の書式による書面の提出を求めることがあります。
なお、当社は、新株予約権の割当期日や新株予約権の効力発生後においても、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、新株予約権の行使期間開始日の前日までに、新株予約権の割当を中止し、又は、当社が新株予約権に当社株式を交付することなく無償にて新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売付等を行った株主の皆様は、株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。
7.本プランの適用開始、有効期限、継続及び廃止
本プランは、本株主総会における株主の皆様のご承認があった日より発効することとし、有効期限は2028年6月30日までに開催される当社第132回定時株主総会の終結の時までとします。
ただし、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①その後の当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
また、本プランの有効期間中であっても、当社取締役会は、随時、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から見直しを行い、株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。
このように、当社取締役会において本プランについて継続、変更、廃止等の決定を行った場合には、その内容を速やかに開示いたします。
なお、当社取締役会は、本プランの有効期間中であっても、本プランに関する法令、金融商品取引所規則等の新設又は改廃が行われ、かかる新設又は改廃を反映するのが適切である場合、また、誤字脱字等の理由により字句の修正を行うのが適切な場合等、株主の皆様に不利益を与えない場合には、必要に応じて独立委員会の承認を得たうえで、本プランを修正し、又は、変更する場合があります。
Ⅳ.本プランの合理性について(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)
1.買収への対応方針に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しております。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」、経済産業省が2023年8月31日に発表した「企業買収における行動指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けてー」の趣旨も踏まえた内容となっております。
2.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本プランは、上記Ⅲ.1.「本プランの目的」にて記載したとおり、当社株式に対する大規模買付行為等がなされた際に、当該大規模買付行為等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入するものであります。
3.株主意思を反映するものであること
本プランは、本株主総会において本プランに関する株主の皆様のご意思をご確認させていただき、その承認により発効することとしており、株主の皆様のご意向を反映したものとなっております。
また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向を反映する内容となっております。
4.独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、上記Ⅲ.5.「大規模買付行為が実施された場合の対応方針」にて記載したとおり、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの透明な運用を担保するための手続も確保されております。
5.デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
上記Ⅲ.7.「本プランの適用開始、有効期限、継続及び廃止」にて記載したとおり、本プランは、当社の取締役会により廃止することができるものとされており、当社株式の大規模買付者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、デッドハンド型買収への対応方針(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお発動を阻止できない買収への対応方針)ではありません。
また、当社は取締役の任期を1年としており、本プランは、スローハンド型買収への対応方針(取締役会構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収への対応方針)でもありません。