有価証券報告書-第134期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/24 14:45
【資料】
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【項目】
184項目
②戦略
当社グループでは、バリュー・チェーン全体のリスクと機会を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を特定しています。マテリアリティの特定にあたっては、「当社事業が社会に与える影響(インパクト)」と「社会が当社事業に与える影響(リスクと機会)」の2つの観点から評価・分析を行う、ダブルマテリアリティの考え方を採用しています。事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目的に、以下の7つの項目をマテリアリティとして定めて、当社の「ありたい姿」を明確化するとともに、取り組みの方向性や事業が及ぼす影響について「当社の意志」としてまとめています。
マテリアリティ項目ありたい姿当社グループの意志
社会課題解決に向けたイノベーションゴム素材の可能性を信じて、新たな価値提供に挑戦する企業当社グループは最先端のゴム技術とそこから広がる新たな技術やサービスを提供しています。ヨロコビあふれる健やかで豊かな社会の実現を目指し、常に新しい価値の提供に挑戦します。
気候変動CO₂排出量の削減を推進する企業当社グループの事業活動は多くの温室効果ガスを排出しています。脱炭素化社会の実現に向けてサプライチェーン全体の排出量の削減を進め、2050年のカーボンニュートラル達成を目指します。
循環型経済資源循環に貢献する製品・サービスを提供する企業当社グループは多くの資源を活用するものづくり企業です。限りある資源を持続的に活用するため、調達から廃棄までのすべての過程において資源循環を推進します。
生物多様性天然ゴムなど自然資源への依存と影響を自覚し、周辺の生態系と共存する企業当社グループの事業は自然資源や化学物質の利用および製品使用の過程で生態系に影響を与えるリスクがあります。生態系と自然資源の恩恵を将来世代につなげるため、事業による負の影響を小さくし、生物多様性の保全と回復に努めます。
人権当社グループにかかわるすべての人の人権を尊重する企業当社グループの事業は、顧客やサプライヤーおよび拠点周辺の地域社会など多くの人々の生活につながっています。人々に安心とヨロコビを提供し続けるため、当社グループは人権に関する理解を深め人権尊重の取り組みを推進します。
多様な人材多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業当社グループは多様な従業員が集まるグローバル企業です。互いに認め高め合える職場環境を実現し、チームの総合力を企業価値の向上につなげます。
ガバナンス・企業倫理ステークホルダーと誠実に向き合い、信頼に応える企業当社グループは顧客やサプライヤーおよび投資家など多くの皆様に支えられています。社会の激しい変化に対応できる強く柔軟な経営基盤を築き、多様なステークホルダーからの信頼に応えてまいります。

以下の図は、製品のバリュー・チェーン上で当社グループが各マテリアリティ項目に特に深く関わるプロセスを示したものです。当社グループは部門間の連携を強化し全社体制でマテリアリティに関連する課題の解決に取り組みます。
0102010_002.pngレジリエンス
• シナリオ分析(気候変動・自然)
気候変動および生物多様性は、当社グループのマテリアリティであり、より詳細なリスクを把握するために、シナリオ分析を実施しています。自然関連のシナリオ分析においては、当社グループにとって特に重要度の高いコモディティである天然ゴムを対象に自然共生シナリオと成り行きシナリオの2つのシナリオを設定し、事業影響を評価しました。
気候シナリオ及び自然シナリオは成熟度や構成要素が異なる点もありますが、物理的リスクがより大きい「4℃シナリオ」と「成り行きシナリオ」、移行リスクがより大きい「1.5/2℃シナリオ」と「自然共生シナリオ」で基本的な前提条件を共有しています。
なお、シナリオ分析には将来に関する見通し、期待及び判断などが含まれています。この将来予測に基づく記載は、気候変動及び自然への影響度合いによる自然環境の変化、国際社会及び事業を展開する各国の政策方針の変化、市場環境の変化、並びにその他のリスクや不確定要素を含みます。当社グループの報告に含まれる全ての将来的予測に基づく記載は、報告日時点で入手可能な情報に基づいており、実際の結果が当社グループの想定とは異なる可能性があります。
分析に使用した気候シナリオ
シナリオ概要主な参照シナリオ
4℃シナリオ(物理シナリオ)• 今世紀末までに平均気温が産業革命時から3.2~5.4℃上昇し、極端な気象現象(洪水、干ばつ、熱波、暴風雨など)が頻発する世界を想定
• 気温上昇と極端な気象条件に対応できる製品が求められる
• 脱炭素化への動きは限定的で政策・規制は緩やか
• IEA:Stated Policies Scenario(STEPS)Current Policies Scenario
• IPCC:RCP 8.5
1.5℃/2℃シナリオ(移行シナリオ)• 今世紀末の平均気温の上昇を2.3~1.5℃未満に抑えるために、脱炭素化の取り組みが進展する世界を想定
• 環境への配慮が進む中で、環境に配慮した製品への需要が増加し、関連する技術のビジネスチャンスも拡大する
• 炭素価格の導入、強化が進むとともに、CO₂排出規制の強化によりエネルギー転換も進む
• IEA:Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)
• IPCC:RCP 2.6



分析に使用した自然シナリオ
シナリオ概要
成り行きシナリオ• 移行リスク小(自然を軽視する社会)
• 物理的リスク大(生態系が劣化)
• 自然共生社会は実現せず、生態系にインパクトがあるが、規制も進まない
• 企業はリスクマネジメントとして生態系の変化を踏まえた戦略が求められる
自然共生シナリオ• 移行リスク大(自然を重視する社会)
• 物理的リスク中(生態系はある程度保全)
• 自然共生社会が実現するとともに、社会的な意識にも浸透し、生物多様性の保全を踏まえた事業活動が求められる

• 4℃・成り行きシナリオ
4℃・成り行きシナリオでは、社会全体が自然を軽視し限定的な脱炭素・ネイチャーポジティブ政策が選択されることで、物理的リスクが顕在化することが予想されます。平均気温の大幅な上昇や生態系サービスの大幅な劣化により、豪雨や洪水などの極端な自然災害が増加すると共に、気温上昇による労働環境の悪化が予測されます。また、水ストレスの増加により、生産活動に影響を及ぼす水資源の不足が懸念されます。
当社グループへの財務的な影響として、グリーンインフラの劣化や異常気象の激甚化により、事業停止に伴う売上の減少や、対策・復旧コストの増加、サプライチェーン断絶による生産停止等のリスクが予測されます。また、生態系サービスの大幅な劣化や平均気温の大幅な上昇が天然ゴム収量や小農家・加工場の労働生産性に影響を与える可能性があり、天然ゴム価格の上昇が懸念されます。また慢性的なかつ大幅な気温上昇は、天然ゴム収量や生産地の変化に伴う調達コストの増加や労働環境の悪化による生産性の低下、冬用タイヤや屋外スポーツ商品の需要減少を引き起こす可能性があります。
一方、顧客や金融機関、地域社会等といったステークホルダーの脱炭素、ネイチャーポジティブへの関心の高まりは緩やかになると予想されるため、ステークホルダー要求に関するリスクは軽微なものになると考えられます。しかしながら、環境NGOから周辺生態系や先住民族等の地域住民への悪影響に対して批判されるリスクは依然として残っているため、レピュテーション低下や訴訟による賠償金の発生が考えられます。
政策については、既に導入が検討されている森林破壊防止に関する法規制等といったネイチャーポジティブに関連する法規制は拡大しないと予測され、成り行きシナリオにおいて法規制リスクは限定的になると予測されます。
• 1.5/2℃・自然共生シナリオ
自然共生の考え方が社会的な意識に浸透し、脱炭素化やネイチャーポジティブの取り組みが進展する世界を想定する1.5/2℃・自然共生シナリオでは、GHG排出に対する課税やEUDR等の規制の強化が進むことで、設備投資の必要性やサプライチェーンの再構築、代替原料の研究開発コストの増加、エネルギーコストの増加といった移行リスクが顕在化することが予想されます。 一方で、環境への配慮が進む中で、環境負荷の低い製品やサービスへの需要が高まり、関連する技術やソリューションに新たなビジネスチャンスが拡大すると見込まれます。
政策では、既存製品・サービスに対する規制強化や、GHG排出削減要請の拡大、森林破壊防止やプランテーション開発の制限等といった脱炭素・ネイチャーポジティブ実現に向けた法規制導入が拡大し、法規制対応コストの発生や法規制に対応した製品の開発・製造やトレーサビリティが確保された天然ゴム需要の増加に伴う原材料価格上昇等のリスクが予測されます。
また、顧客や地域社会における脱炭素・ネイチャーポジティブへの関心の高まりにより、環境配慮製品の需要増加等といった消費者行動の大幅な変化への対応が求められると考えられます。加えて、周辺生態系や先住民族等への悪影響に対する環境NGOや市民団体からの批判は苛烈になると想定され、レピュテーション低下や訴訟による賠償金の発生リスクが高まると考えられます。さらに、金融機関の投融資判断基準に脱炭素・ネイチャーポジティブの要素が組み込まれることも想定され、資金調達力の低下が懸念されます。
一方、生態系サービスや気象パターンの変化は限定的であると予測されることから、自然環境の変化に伴う天然ゴムをはじめとする原材料の供給量及び価格や自然災害による直接操業への影響は軽微なものになると考えられます。
これらの移行リスク・物理的リスクを低減し、機会を最大化するために、当社グループでは気候変動の緩和及び適応、並びに資源保全等を目的とした取り組みを実施しています。主な取り組みとしては、省エネルギーの推進、太陽光発電の導入、水素に関する実証実験と製造プロセスへの活用、コージェネレーション設備の追加などによる事業活動におけるCO₂排出量の削減に加えて、バイオマス原材料およびリサイク原材料の活用、転がり抵抗の低減、ロングライフ化、リトレッドタイヤの生産能力拡大といった製品ライフサイクル全体での資源の最小化、環境負荷低減を実施しています。またこうした施策の実効性の確保に向けて、サプライヤーとの連携強化にも取り組んでいます。

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