有価証券報告書-第134期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

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2018/03/28 15:10
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費は底堅く推移しています。企業収益も、内外需の回復に伴い改善しており、設備投資も持ち直しつつあります。これら堅調に推移する経済を背景に、平成29年には3回の金利引き上げが行われ、さらに年末には大規模減税を柱とする税制改革法が成立しました。
欧州においては、英国のEU離脱交渉やカタルーニャ独立運動等で不透明感は残るものの、南欧諸国も含め堅調な景気の回復が続いており、ECBによる金利引き上げを含む金融政策の正常化時期に注目が集まっています。
中国においては、製品輸出が底入れし国内の在庫調整も進展、また、政府によるインフラ投資効果もあり、足元の景気は持ち直しつつあります。一方、環境規制の強化や投資の過熱を懸念した政府による金融市場の引き締めによる景気の冷え込みが懸念されております。
アセアン地域においては、中国の景気の底入れによる輸出の伸びを背景に雇用環境も改善されつつあることから、景気は緩やかな回復傾向にあります。
日本経済は、雇用環境は改善傾向にあり、消費マインドにもやや明るさが見られました。また、平成28年末以降の円安や世界経済の拡大を背景とした輸出の増加により、企業業績も堅調に推移しており、景気は緩やかに回復しております。一方、米国の貿易政策や北朝鮮情勢については、日本にとっての懸念材料となっております。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売の回復傾向が鮮明になり、海外需要に伴う完成車輸出も堅調に推移していることより、国内生産は増加に転じることとなりましたが、9月以降は一部自動車メーカーの無資格検査問題により伸びを欠くこととなりました。引き続き日本国内の生産は、燃費の良い軽自動車や小型車、また実用的なミニバンを中心に行われております。
この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比5.3%増の523万台、四輪車輸出台数は、前年比1.5%増の470万台、国内四輪車生産台数は、前年比5.2%増の968万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、米国でやや陰りが見られるものの中国での堅調さを背景に、前年比4.1%増の1,927万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は59,375百万円(前連結会計年度50,992百万円)、継続的な生産性改善や原価低減活動により営業利益は8,516百万円(前連結会計年度6,618百万円)、経常利益は8,629百万円(前連結会計年度6,343百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,883百万円(前連結会計年度3,644百万円)となり、5期連続で最高益を更新しました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① 日本
顧客の国内販売は回復傾向が鮮明になり、海外需要も堅調に推移していることより、売上高は31,651百万円(前連結会計年度28,781百万円)、また、引き続き原価低減活動に取り組んでいることより、営業利益は2,323百万円(前連結会計年度1,562百万円)となりました。
② 北米
雇用の安定とガソリン安を背景に堅調に推移してきた北米市場にも、やや陰りが見られるようになり、売上高は12,464百万円(前連結会計年度13,103百万円)、営業利益は658百万円(前連結会計年度927百万円)となりました。
③ 中国
景気には緩やかな回復が見られ、中国市場は小型車減税が縮小されたものの、SUV車の需要増による好調が持続しており、売上高は11,452百万円(前連結会計年度9,175百万円)となりました。営業利益は従来からの生産性改善活動に量産効果が加わり、1,887百万円(前連結会計年度1,109百万円)となりました。
④ アジア
二輪用ブレーキホースの販売に加え、新しく商品投入したフューエルホースの販売が堅調に推移しており、さらに政治不安により低迷していたタイ市場の回復もあり、売上高は14,240百万円(前連結会計年度11,683百万円)、営業利益は3,752百万円(前連結会計年度2,806百万円)となりました。
⑤ 欧州
平成28年10月にハッチンソン ニチリン ブレーキ ホーシーズを子会社化したこと、顧客からの受注が堅調に推移していることより、売上高は5,938百万円(前連結会計年度3,102百万円)となりましたが、子会社化によって生じたのれん償却費もあり、営業利益は121百万円(前連結会計年度117百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,551百万円増加し、当連結会計年度末は15,334百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は7,228百万円の増加(前連結会計年度は5,670百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8,499百万円(資金の増加)および減価償却費1,655百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,936百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,676百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は2,276百万円の減少(前連結会計年度は2,214百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,482百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は1,421百万円の減少(前連結会計年度は1,257百万円の減少)となりました。これは主に、借入金の純減少額227百万円、配当金の支払い397百万円、非支配株主への配当金の支払い795百万円によるものであります。